-- トラウマの天知茂 --

「孤独の賭け(1963)」放映リスト

放送年月日 あらすじ(朝日・読売新聞引用)
1 1963.10.4 野望にもえる乾百子の前に現れたのは、有名な娯楽産業王千種梯二郎……金の魔力に踊る男女の多彩な人間模様。 【熱のはいる新番組】父もむかし新築地の舞台をふんでいたことがあり、よく二世組なんていわれるんですが、かえって重荷です。「孤独の賭け」の原作は何度も何度も読み返し作者の五味川先生にもしつこいほど質問をくりかえしました。「百子ってショートパンツ姿が多いんですね」なんて変な質問までしてしまい、これにはさすがに先生も苦笑されて「百子の“現代性”と君のその芸熱心さはつまり同じ性質のものだ」とはぐらかされてしまったこともありました。(小川真由美) レビュー
2 1963.10.11 からだを担保に、千種から250万円を借りるという百子の計画をきいて、恋人の蒔田は激しく怒り、千種を訪れる。【にえきらない女の役】現在、舞台(久保田万太郎追悼公演“雨空”)とこの“孤独の賭け”の撮影に追われ、てんてこまいのありさまです。私の役(信子)はとてもにえきらない女で、自分の身を滅ぼすと知りつつも愛する男(不良学生)のもとから去れない不幸なお針子なのです。じつは第1回のことで、父(八木隆一郎)に批評をしてもらいたいんですが、そんなわけでちょっと気遅れしてしまっているんです。(八木昌子)  
3 1963.10.18 千種梯二郎をめぐる2人の女、乾百子と中川京子は、正反対の性格。愛と野望に燃え立って、激しく対立する。  
4 1963.10.25 ビジネスだけのつきあいと思っていた千種の方を、実は恋人の蒔田よりも深く愛していることに、百子は気づく。【ラブシーンで熱演】まだはじまったばかりのせいか、野心にもえる青年実業家という大役にわれながらおかしいほどコチコチです。ところで今夜の4回目は、乾百子にふんする小川真由美君の好演がみものです。私のふんする千種との熱いラブシーンがヤマなのですが、だれもしりごみする場面を、彼女はおくせず熱演、この回あたりからスタッフの間に“孤独の賭け”ムードがすっかり出来あがった感じでした。(天知茂)  
5 1963.11.1 妻と二世の男との間に不純なものを感じとった千種はなにか、空しい思いにかられて、バーのマダム時枝を誘う。【バーのマダムで】この回からバーのマダム倉沢時枝として、レギュラーで登場します。のっけから天知茂さんの青年実業家とのはげしいラブ・シーンを展開するのですが、天知さんとは妙にご縁が深く、ついこの9月に終わったばかりのドラマ“続・炎の河”でも共演していました。このドラマは大阪制作だったので、ビデオどり後、ふたりそろって飛行機でこの番組のセットへかけこむこともたびたびあったんです。(高倉みゆき)  
6 1963.11.8 新世紀ビルを完成して、朝野の名士を招いた千種は、さらに大レジャー都市を作るために、高利貸しと交渉する。【鬼高利貸しの右腕】この“孤独の賭け”は、ぼくも原作を読んで、ぜひ主人公の青年実業家千種梯二郎の役をやりたいと思っていたところでしたので、この番組への出演をさそわれた時は、しめしめと大喜びでした。ところがぼくの役は鬼高利貸しといわれる東野老人の右腕、氷室という男です。この男がまた腹に一物をひめた奇怪な人物というのですから、いささか当てはずれの感もしましたが、配役としてはなかなか味の出せる役ですから、この機会にぼくらしい怪物ぶりをご披露しようと張り切っておりますから、ご期待下さい。(渡辺文雄)  
7 1963.11.15 百子は、自分の土地と屋敷を奪った叔父が病んでいるのを知り、千種から金を借りて病床を訪れ、復しゅうする。【典型的な現代っ子】この回からセミ・レギュラーとして出演します。このドラマのヒロイン乾百子(小川真由美)のいとこで高校生の乾美香、ドライで計算高い典型的現代っ子といった役どころです。実はこの番組がきっかけで、京都から上京することができたのですが、上京が決まってからというもの、中京極の自宅から嵐山公園までの約4キロの道のりをかけあしのハード・トレーニング?でからだをきたえてきました。(野川由美子)  
8 1963.11.22 叔父に復しゅうした百子は、恋人の忠言を無視していよいよ千種に傾倒し、バーと洋裁店の経営を託される。 日本テレビ技術賞(撮影:土屋俊忠氏)
9 1963.11.29 千種の妻都寿子は、財界の顔役大垣夫人に近づいて、夫の不興を買うが、百子は、着々と経営の実績をあげる……。  
10 1963.12.6 漁色にあきたらぬ千種、洋裁店の経営に全身を打込む百子。欲望に目のくらんだ男女のすさまじい執念を描く。  
11 1963.12.13 野望に燃える百子は、故郷の土地を株にかえ、ひともうけしようと考えて、金貸し東野の番頭氷室に相談する。【役柄とはいえ、つらい】千種梯二郎の妻都寿子にふんしていますが、パチンコ屋の娘から億万長者の妻になりあがった女ですので、すべてに軽薄で鼻もちならない女性です。今回も乾百子に熱をあげる夫にひどいヤキモチを焼いてみたり、とにかく騒々しく夫を悩ませるのですが、千種役の天知茂さんからセットのあいまに「まさに典型的なソクラテスの妻だな」なんてきめつけられ、役柄とはいえつらいところですわ。(星美智子)  
12 1963.12.20 ひと目で百子の肉体に魅せられた氷室は、ある日強引に彼女の体を求めるが、偶然そこに千種がたずねて来る……。  
13 1963.12.27 洋裁店ボヌールの経営者となった乾百子は、さらにバー“アロハ”でもひともうけしようと、精力的に活躍する。  
14 1964.1.3    
15 1964.1.10 同居のいとこ美香のもたらした情報から、百子は、いよいよ千種の手を離れるチャンスが来たことを直感する。 *天知の名前なし
16 1964.1.17 昼は洋裁店、夜はバーと両ボヌールのマダムを兼ねて活躍する百子。だが、恋人の蒔田にはいつか新しい愛人が……。 *天知の名前なし
17 1964.1.24 百子は、突然帰国して訪れた千種を、自分のアパートへ誘うが、そこには、美香が酔っ払って寝込んでいた……。【いきのいいタンカを切る】私のなる美香は、なにごともギブ・アンド・テイクと割り切って行動する典型的な現代っ子です。乾百子のイトコというところから、最近では小悪女と呼ばれるようになりました。今夜は、百子が私を子供扱いしたところからふたりは衝突し、私はイキのいいタンカをきります。(野川由美子)  
18 1964.1.31 温泉宿で、千種から留守中のことをきびしく問いつめられた百子は、憤然とそこを飛び出して、蒔田を訪ねる。  
19 1964.2.7 不良の松村と口論したり面白くない日の続いている百子のところへ、恋人の蒔田が来て、別れの言葉をつげる……。 *天知の名前なし
20 1964.2.14 全国デザイナー作品展示会を間近にひかえて、百子は日夜準備に没頭する。洋裁店主の彼女には、初の試練だ。  
21 1964.2.21 奇略を用いてショーに成功した百子と、レジャーセンターの建設資金に悩む千種との、明暗二相を対比して描く。  
22 1964.2.28 作品展示会の成功で、新しい運命を切開いた百子と、諸事下り目の千種梯二郎との微妙なこころの交錯を描く。  
23 1964.3.6 百子のカケはすべて成功したが、女の幸福だけはままにならない。耐えがたい孤独感につつまれる百子の姿……。 *天知の名前なし
24 1964.3.13 千種は、東洋のモナコの建設に着手したが、資金ぐりは苦しく、百子との仲も金のことから冷たくなってゆく。  
25 1964.3.20 千種の事業は大資本に圧迫され、恋に破れた信子は松村と無理心中してしまった……。怒りと傷心の百子をえがく。  
26 1964.3.27 娯楽センター建設の夢はやぶれて、男の意地も捨て去った千種。そのみじめな姿に百子は、深い幻滅を味わう。  

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