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徳川おんな絵巻#7
「お妾拝領仕る」(1970年・S45)

お紋の方(中村玉緒)&神尾新八郎(天知茂)のアツアツ夫婦(#8「嫁地獄」参照)のなれそめが分かる回を、8ヶ月経ってようやく鑑賞できた(再放送ありがとう時専ch!)

厳重に縄を掛けられた輿が、会津へ向かう途中の峠にさしかかった。牧歌的な景色を眺め、輿の中に優しく話し掛ける新八郎、登場するなり好感度急上昇。だが輿からは何の反応もない。お紋の方は世継ぎを産みながら乱心のかどで江戸詰めの殿(葉山良二)から国許へ送り返され、口惜しさに唇を噛み締めていたのだった。

会津若松城内のあばらや同然の小屋に押し込まれた途端、実姉・お葉の方(中原早苗)に扇子でグリグリいびられるお紋の方。殿の寵愛めでたい姉の侍女を務めていた時に「お手つき」になり、しかも姉の自分より早く男子を産んだ彼女にお葉の方はジェラシーMAXなのである。

一方、新八郎はお紋の方の世話係に任命された。国許に残る彼に母や親戚、友人(とその妹)は大喜びだが、新八郎はお紋の方の置かれた劣悪な環境に密かに心を痛めていた(←多少推測含む)。しかも追い討ちを掛けるようにお世継ぎ病死の悲報が届き、絶望のあまりお紋の方は座敷牢で首を吊ってしまう。間一髪で彼女を救う新八郎。乳房わしづかみマッサージという、すこぶる土曜ワイドな世界が拝める(←だが双方ともスタントさんか?)のはさておき、ここではじめて「乱心」の真相が明かされる。産み落とすなり引き離された我が子会いたさに、懐刀を自らの咽喉に当てて殿に懇願したにもかかわらず、聞き届けられなかったばかりか乱心者呼ばわりされて国へ返されたお紋の方の嘆きに、新八郎は言葉もなかった。

そんなある日、殿が会津へ戻ってきた。お紋の方に未練ありそうな殿を手中に収めんと、お葉の方は姦計をめぐらせる。それはお紋の方を、年寄り坊主の嫁に下賜するよう殿に耳打ちすることだった。内緒で外出して仲良く池の鴨を眺める仲になっていたお紋の方&新八郎はこの命令に驚く。殿の命だが即座に拒んだお紋の方を見て、新八郎は自分が拝領したいと申し出た。同情からなのかとなじるお紋の方だったが、ここ(=座敷牢)へ来るのがどこへ行くよりも、また家にいるよりも楽しかったのだと静かに口にした新八郎の実直さにほだされ、ゴールイン。

母親含め親戚一同は大反対、祝言の夜には誰ひとりとして出席する者はいなかった。お神酒を盃に注ごうとするお紋の方をそっと制し、廊下の障子を開け放つ新八郎。何の遠慮が要るものかと高らかに会津節を唄いながら、二人だけの誓いの盃を固く交わすのだった・・・。

*やっぱり良い漢(オトコ)だった新八郎にうっとり(予想外に出番も多かったし)。しかも唄うし、揉むし!(?)。

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| TVドラマ(時代劇)::徳川おんな絵巻 | 12:37 AM | comments (x) | trackback (x) |
徳川おんな絵巻#48
「妖異・鬼火ケ淵の精」(1971年8月28日)

能登・七尾(=ななお)城では、当主・正臣(天知茂)の夜毎の忍び歩きに家臣たちが頭を悩ませている。黒頭巾に身をやつし、愛馬にまたがった御前様がふらふら向かう先は、いかがわしそうな連中がたむろする、ひとよんで地獄宿。住人らしい、怪しさ満開の徳丸(天本英世)の手引きで束の間の戯れに身を委ねる御前にはかつて、忘れられない女人がいた。

それは2年前、白鳥ただよう水辺を写生中に見染めた、笛を吹く美しい女・おりん(加賀まりこ)。写生目的で城へ連れ帰り、その後妻にすると宣言した御前は、「おおい待ってくれよ~、うふふ、捕まえてごらんなさ~い」ごっこ(誇張)をしている際にぽっきり折れてしまった笛を嘆いている彼女のためにせっせと国中の笛を集めてやったりと甲斐甲斐しい。だがおりんは悲しく頭を振るばかり。御前の笛にはどうやら満足らしいのだが、ってそういうノリの話ではない(18禁な暴走すみません)。

素性の知れぬおりんを快く思わぬお局様・歌野(宮内順子)が家臣・刑部(外山高士)と結託し、ある嵐の夜、御前に内緒でおりんを絞殺、死体を木箱に入れて鬼火が淵に沈めてしまった。愛妻の突然の失踪に心を痛めた何も知らない御前はそれ以来「おなごも、人も、わしには信じられん・・・!」と、自らが描いたおりんの絵姿にニヒルで物憂げな視線を注ぐ毎日だったのだ。しかしその絵というのがちょっと笑っちゃうような可愛らしい画風で、リアクションに困った・・・いや、仮にもし天っちゃん作だったらと思うと迂闊なことはいえないなと。

今では「御前と一夜を共にした女は変死する」という呪われた噂(か真実かは本編では分からない)まで背負い込んでいる御前だが、ある夜、徳丸が見つけてきた女がおりんそっくりなことにびっくり仰天、アカネと名乗るその女を徳丸共々城へと迎え入れる。性格はまったく違えども、彼女がおりんの亡霊ではないかと戦々恐々の歌野が御前の寝所をそっと覗き込むと、見覚えのある髪型と着物に身を包んだおりんの姿が! 響き渡る物悲しい笛の音に苦しむ歌野。

翌朝、精神に異常をきたし物置で力なく震える歌野を発見、近寄った御前の耳に聞こえてきたのは、「苦しい、ここから出して」との愛妻おりんの叫び。飛び込んできた刑部が歌野を殺害するが、声は犯人暴露にまで及び、ようやく真相を知った御前は、急ぎ鬼火が淵から木箱を引き上げる(運び上げられた木箱の下敷きとなって刑部死亡)。だが、鎖が巻かれていた箱の中に遺体はなく、白い羽根が一枚落ちているだけだった。

帰城後に問いただすと、実は私は白鳥の精で、写生に訪れた殿に心を奪われたのだと告白するおりん=アカネ。笛が折れたために白鳥に戻ることも叶わず、幽界から抜け出すためには御前のお命を頂戴しないといけません、そう続けるおりんにその気マンマンな御前だが、徳丸の妨害で彼女の姿は忽然と消えた。なぜ邪魔をするのだと怒りにまかせて徳丸を斬り、笛の音に導かれて鬼火が淵に向かった御前の目の前に再びおりんが現れる。

おりんの手招きに応じようとする御前の背後になぜか愛馬が現れ、彼を止めようといななく。はっとする御前だったが、何度かの葛藤の末、遂におりんの白い手を取ってしまった。そりゃあ、(正体は白鳥の)加賀まりこVS(もしかしたら正体は天本英世かもしれない)馬だもの、勝負は最初からついているようなものだ。霧の中に消えてゆく二人をじっと見つめた後、頭から血を流しながら狂ったように笑う、なぜか生きていた徳丸。実のところ、おりんよりも徳丸の正体が無性に気になるクライマックスだった。お前やっぱりあの馬か? それで御前さまラブだったというわけなのか徳丸よ。若い尼と偽りわざと年増を用意していたし。・・・もしや御前と一夜を共にした女を殺していたのも彼だったりして。ああ愛あればこそ(って、そういうノリの話でもない)

*しかし最初に馬上の御前が徳丸と会って話しているシーンが(影だけだが)あったので、徳丸=馬じゃないのかもしれない。

*寝所でのシーン、手の添え方や身体の角度など、カメラワークをきっちり計算に入れた天っちゃんの動きが実に美しかった。さすがに手馴れている。

*脚本は宮川一郎氏。こちらも手馴れている(天っちゃんの魅せ方に)。

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| TVドラマ(時代劇)::徳川おんな絵巻 | 12:36 AM | comments (x) | trackback (x) |
徳川おんな絵巻#8
「嫁地獄」(1970年)

同じ側室である実の姉より先に殿(葉山良二)の子を身籠って姉に憎まれ、子供も早死にしたか何かで殿の不興を買って国で幽閉されていた側室(お紋の方:中村玉緒)を妻に貰い受けた藩士、神尾新八郎(天知茂)。このへんのいきさつは#7「お妾拝領仕る」が詳しいようで・・・見逃して残念。

殿のお手つきを拝領した新八郎に対する風当たりはきつく、城では同僚たちからさんざん陰口を叩かれ、家では母親がネチネチとお紋をいびりまくる。新八郎の眉根の皺は深くなるばかりだ

しかし「こんな嫁貰ってやっぱ間違いだったかなー」なんて後悔するヤワな新八郎ではない。「人の噂は七十五日、俺たちの心がしっかり結びついてさえいれば良いのだ」「俺は今が一番幸せだ。なぜだか分かるか・・・そなたがいるからだ」などと低音ボイスでストレートにお紋さんへの愛を表現、彼女の目にも嬉し涙が光る。なんだか羨ましいぞお紋さん。

ところがそのアツアツな様子を障子越しに覗き見していたイヤミな鬼姑が、殿の側用人(日和見主義の悪いヤツ・阿部徹)と結託し、とんでもないことを計画する。持病の薬を取ってきてくれと姑に言われ街外れの薬草園に来たお紋は、ここで殿ともう一度褥を共にしろ、でないと新八郎を不義密通の罪で(つまり貰い受ける前からデキてただろと言いがかりをつけて)切腹させるぞと、側用人に脅迫されたのだ。視線の先にはすでに用意された寝床が。ぱきん、と手折られるリンドウの花のアップが彼女の運命を物語る。

城から戻るなり、「お紋はもう帰ってくるまい、今度こそ立派な嫁を貰えばよいのです」と母親に事情を知らされ、新八郎は激怒。平然と豆を炒ってる母親に刀を抜きかけるも必死に自制し、お紋を探しに薬草園に赴く。乱れた寝床で呆然としている彼女を発見、あまりのことに近くの竹林に駆け込み顔を伏せる新八郎。追い討ちをかけるように「あなたの手にかかって死ぬためにお待ちしていました」と小刀を地面に置くお紋。苦悩度MAX(眉根の皺MAX)の新八郎、どうする! お紋を殺して自分も死ぬのか? そういう悲恋話なのかこれは?

だがそこはそれ、我らが天っちゃんだ。怒りは竹にすぱーんとぶつけ、「さっさと湯浴みしてこい、出歩けば泥がはねることだってある」というような実に味わい深い台詞を口にすると、お紋さんと一緒に帰宅する。どうしても嫁になど頭を下げられないという母親は家を出てしまい(最初からそうすりゃいいのに)、二人っきりの甘い生活が始まることに。耐え忍んだ末に掴んだ幸せ。

ここで終わればめでたしめでたしなのだが、数ヶ月後、お紋の妊娠が発覚。大喜びな新八郎とは裏腹に顔を曇らせるお紋。実はどっちの子供か分からないのだという。殿とはあれ一回きりやん、その前後(「後」は知らないがたぶん)ずうっと新八郎と一緒やん!と見ている方は思うのだが、跡継ぎがなかなか出来ない殿は懐妊を知り「お紋の子は自分の子なのだあ!」と全く自分勝手に決め付ける。

殿や重臣たちが列席する法事に呼ばれたお紋は、腹の子が誰の子なのか霊前で告げよと迫られる。予の種だと言えと強要する殿。と、そこへ飛び込んできた新八郎が、夫である自分の子に決まってるときっぱり告げる。それでも駄々をこねまくる殿の前で刀を抜く新八郎。刃を妻に向け「あらぬ疑いをかけられたまま生まれる子は不憫。子の母と共にここで成敗いたします!」と(むろんそんなつもりは毛頭ないのだが)叫びながらお紋を連れ出し、そのまま行方知れずに。風の噂によれば上方で親子三人仲良く暮らしているそうな、というナレーションと共に、赤ん坊を抱き上げてご機嫌な新八郎夫婦が雪の中に映って消える。

「おんな絵巻」なだけに、お紋と実姉の確執、側室たちの醜い争いの姿も描かれているのだが、新八郎さんのすこぶる良い漢(オトコ)ぶりにひたすらうっとりな話だった。

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| TVドラマ(時代劇)::徳川おんな絵巻 | 12:34 AM | comments (x) | trackback (x) |
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