■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■CATEGORIES■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

モンテンルパの夜は更けて
『モンテンルパの夜は更けて』(1952年・S27)

終戦から7年後、戦犯死刑囚としていまだ異国に収容されたままの夫・河井正一(小笠原弘)を正一の実家で待つ美津子(香川京子)。夫婦生活を送る暇もなかったにも関わらず、河井家の嫁として頑固な舅・幸三(東野英治郎)や兄夫婦(上原謙・北林谷栄)に献身的に仕えざるを得ない毎日に、美津子は複雑な思いを抱いてゆく…(が、舅に襲われたり、義理の兄と良い仲になり兄嫁に殺されかけたりする話ではない)。

同名曲はまったく関係ないらしい(BGMでかかっていたかどうか…?、な程度)この映画、スターレット1期生の小笠原さんが主演級で目立っているのだが、そこにノークレジットでうろちょろしているのが同期の天っちゃんだ。この映画の2年後でも、まだ同じような立場だったのだから(『潜水艦ろ号未だ浮上せず』)、下積みの長さにウルッとくる。

【うろちょろ・その1】
正一のナレーションと共に映る、絞首台に消える戦犯死刑囚3人目。

【うろちょろ・その2】
上原謙と雨宿り。静かに考えに耽る謙兄さんの脇で、頑張るあまり雨に対するリアクション激しすぎ。(これとかこれとか)

【うろちょろ・その3】
戦地で死んでいった人々として、画面アップで登場。なんかいろいろ頑張ってます。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=596 |
| 映画::新東宝 | 10:38 PM | comments (x) | trackback (x) |
胎動期 私たちは天使じゃない
『胎動期 私たちは天使じゃない』(1961年・S36)

(2007.2.21:台本を入手)

看護学校の寮生たちの青春群像物語(どことなく『女の園』を思い出した)で、白衣の天使の卵たちが旧態依然とした体制に反抗する様が描かれているようだ。そんなピチピチしたメンバーに混じって30歳の天知茂が演じる若い医師はどこに出てくるのかというと、作業中にばったり倒れたヒロインのひとりを病室で診療、注射を打ちながら「過労だろう、すぐ良くなる」と軽く言うやいなや、心配で見に来た女の子の集団の間を大股で歩き去って行く、というシーンのみに名前があった。この顔見せ程度の出演は、この当時(新東宝解散寸前)からすればネームバリューのためだと思っていいのだろうか。

*キャスト欄にないものの、若い講師というのが「性」について薀蓄を語るシーンがあるのだが・・・これも若い医師の担当だとしたらちょっと見てみたい。

*不良のレッテルを貼られた看護婦(辞めさせられた後、派手な服で乗り込んできて婦長を張り倒したりする)を熱演しているらしい三原葉子ねえさん、こちらはかなり見てみたい。

(2014.3.9:本編鑑賞)

役どころは、性の薀蓄を講義している「若い講師」のほうだった(診療にくる「若い医師」は、眼鏡など似せてあったが別の人の模様)。

『笑っちゃいけない。君たち自身も、セックスから生まれ、そしてセックスを持っている。これは、厳粛な事実だ。』

若い女の子たちのクスクス笑いにちょっと照れたような口調で語る天知センセイ、真面目さが出ていて好感度高し。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=77 |
| 映画::新東宝 | 11:09 PM | comments (x) | trackback (x) |
『暗黒街仁義』
アメリカ暗黒街のボスの代理人として、津吹徹(鶴田浩二)は15年ぶりに日本の土を踏んだ。それを出迎えたのは黒眼鏡の鏑木辰夫(天知茂)、東海興業の社長である。政界の大物・田所剛造(内田朝雄)をパトロンにつけている鏑木は、さっそくサーキット場建設の契約を交わそうとするのだが、高額なコミッションを要求する津吹に苦い顔、交渉は中断してしまう。

一方、津吹をライフルの銃口と尾行で出迎えた国友会(鏑木も属する日本の暗黒街組織)の会長は、奇遇にも津吹のかつての兄貴分・銭村健一(丹波哲郎)だった。再会を喜び合う二人。しかし、ライバルの鏑木ではなくうちと契約しろと迫る銭村とも交渉はまとまらない。

なぜ津吹はコミッションにこだわるのか? それは15年前に別れた冴子(南田洋子)を探し出し、アメリカで新しい生活を手に入れるために必要な金だったのだ。しかし津吹は、当の冴子が今では銭村に囲われていることを知らなかった。

田所の軟禁騒動やら、津吹を恩人と慕うレーサーの丈治(アイ・ジョージ)を巻き込んだ賭けサーキットやらを経て、当初の予定通り、鏑木サイドと契約することを決める津吹。ところがその間に、ブンヤの庄司(内田良平)を使い津吹を調べたソツのない鏑木(銭村を蹴落として会長の座も入手したソツのなさ)は、津吹がボスに黙ってコミッションを受け取ろうとしていることを突き、代理人を解除すると言い出した。

帰りの飛行機代だと投げつけられた紙幣にキレた津吹は、田所を利用して鏑木を脅し、無理やり契約書にサインさせたあげくに有り金をすべて奪って逃走。未練にも冴子の家に行くも、待ち構えていた銭村の「(鏑木に対抗して会長職を取り戻したいから)俺に金を置いていけ」にまたキレて、15年前に兄貴の殺しを肩代わりしたのが間違いだった、もう友情なんて糞食らえだと吼えていたところへ、何の落ち度もないのに札束ビンタまでされて怒り心頭の鏑木と子分たちが到着、銃撃戦となる。

津吹に加勢した銭村が倒れ、「出て来い!」と言っても出てこない津吹に業を煮やして自分が出てしまった鏑木は津吹の銃弾で即死。銭村に縋って泣く冴子から逃げるように外に出た津吹もまた、鏑木の部下たちとの死闘の末、息絶えるのだった。

*冒頭からキレ者ヤクザな雰囲気をぷんぷん醸し出していた(単に醸していただけともいえる出番の地味さだったが)鏑木とはいえ、この手の作品でのインテリ系の末路は悲惨なもの。途中からしっちゃかめっちゃかな言動に出る津吹に完敗だった。鶴田さん酷すぎだ。

*鶴田さんが丹波さんに「アニキ!」って…!とびっくりしたが、実年齢的にも丹波さんが二つ上だったとは知らなかった。

*丹波さんと共演すると、もれなくパシリ仕様になってしまう天っちゃんだが、今回は最後まで張り合っていた(たしか銭村を撃ったのも鏑木)。

*ニンニクとかそこらの花とかを丸かじりしてた待田京介さん(鏑木の子分)の存在感が半端じゃなかった。


| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=594 |
| 映画::東映 | 09:27 PM | comments (x) | trackback (x) |
もぐら横丁
『もぐら横丁』(1953年・S28)

貧乏作家の緒方(佐野周二)と彼を支える大らかな愛妻・芳枝(島崎雪子)は、今まで住んでいた下宿を追われ、お産に乗じて産院に半年ほど居ついていたものの、風当たりがきつくなってきたところに文士仲間の伴克雄(和田孝)が「うちの長屋にきませんか」と有難い助け舟を出してくれた。二人はもぐら横丁の住人になり、周囲との交流を深めてゆく中で、緒方は芥川賞を受賞するのだった。

天知茂のデビュー作として名前が挙がるこの作品で、彼は初めて「光田文雄」という役名付きで出演している。登場するのは緒方夫妻がもぐら横丁に引っ越してきた時(映画開始40分頃)。伴を訪ねてきた緒方に「伴くん、留守ですけど」と応対する詰襟君がそうだ。留守の伴に代わり、大家に無断で部屋を開けてやる親切青年ぶりを披露するのだが、
「僕、中……裏から回って中開けますから」とちょっと焦ったセリフ回しが初々しい(というより、こんなところで噛んでるせいで再びセリフなしの役がしばらく続いたのではないかと邪推したくもなる)。

夫婦にお茶を出してる内に伴くん帰宅、どうやら大家に話を通していなかったせいで空き部屋が借りられず、困った伴くんが同居人の光田青年に一言「お前引っ越せよ」。かくして主人公夫婦の代りに画面から消えてしまう可哀想な光田青年なのであった(後は夜の宴会時に後ろ姿が少し映る程度)。

*フレンドリースマイルの光田青年はこちら(ちと猫背)。

*奥様(森悠子)も出ているようなのだが気づかずじまいだった。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=586 |
| 映画::新東宝 | 12:15 AM | comments (x) | trackback (x) |
少女妻 恐るべき十六才
『少女妻 恐るべき十六才』(1960年・S35)

校庭で戯れるセーラー服少女たちが帰った先は盛り場のクラブ。彼女たちの正体は、あてがわれた“亭主”を部屋に残し、マネージャーの指令で夜の街へと散っていくそのスジの商売女だ。その中の一人、ユキ(星輝美)は、組に内緒で客から小遣いをせしめたりしてしたたかに生きている。

しかし、ある日取った客は、カツアゲ要員の並木五郎(鳴門洋二)を軽くあしらう大物だった。通称「殺し屋」、飛んでる鳥の心臓をぶちぬける男・三宅(天知茂)は組が呼んだ新しい用心棒で、近頃流れてきた一匹狼の夜の女・銀子(小畠絹子)とも昔馴染み。神戸にいた頃「ハジキのブラック」に捨てられ、夜の女に身を落とした銀子の元を、三宅の計らいで当のブラック・黒木(宇津井健)が訊ねてくるが、かたぎのボート屋の親爺になったという黒木の今更の援助の手を払いのけてしまう銀子だった。

ユキと五郎はなんだかんだと意気投合し、次第に愛を深めてゆくが、組の掟はそれを許さない。やがて“亭主”が交換され、ユキはマネージャー・井崎(御木本伸介)の女になることが決定、二人は表だって話すことも禁じられてしまう。悩む若い二人にかつての自分を重ねた銀子は、黒木の元へ二人を逃がす。しかし後をつけていた三宅が井崎に報告したせいで居所がバレ、銀子は井崎に射殺された。

河口湖にいる黒木に拳銃を突きつけ、二人を渡せと脅す井崎。だが、三宅の銃弾が井崎を倒した。借りは返したぜ、と言う三宅にほんわかしかける黒木たちだが、多方面に過剰に義理堅い男は、金を貰った以上は、とよせばいいのに黒木に決闘を申し込む。かくして、悔しいが予想通りに地面に倒れる三宅。笑顔で「やっちまったよ」と自首しに向かう爽やか黒木を見守る若い二人でエンド。

*冒頭こそ、恐るべき少女妻たちの実態に驚いたものだが、だんだん若くない人たちの出番が多くなって、結局最後は何が主題だったのかと遠い目をしたくなる作品である。いや、登場シーンから文字通り骨が浮き出るほどスマートな、スターオーラも眩しい(王道の負けっぷりも微笑ましい)天っちゃんが観られたから良いのだが。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=585 |
| 映画::新東宝 | 12:14 AM | comments (x) | trackback (x) |
新日本珍道中 西日本の巻
『新日本珍道中 西日本の巻』(1958年・S33)

創立十周年を迎えた新東洋タイムスでは、4人の社員を表日本チームと裏日本チームに分け、美女を探しながらの西日本早がけ競争を企画。表日本担当の黒田忠夫(高島忠夫)と赤川三郎(坊屋三郎)、裏日本担当の宇山健(宇津井健)と鮎沢浩(鮎川浩)は賞金三十万を賭け、鹿児島を出発して東京を目指した――。

新東宝の創立十周年記念映画ゆえ、オールスター・キャストがイーストマンカラーもまぶしく登場。ただしほとんどがチョイ役、さらっと出ては消えていくので、のどかすぎる西日本各地の風景や人々の熱烈歓迎ぶりを楽しみながらも忙しいことこの上ない。

しかし今回は「河鹿荘の番頭」であるというヒントがあったため(しかも58年は既に“仕出し”脱却時期でもあり)、天知探しは余裕を持って進められた。が、出てくるまでが正直長く、裏日本チームが山中温泉の河鹿荘に到着したのはおよそ1時間23分後だった。

無一文なのに芸者とどんちゃん騒ぎした健と浩は翌日、女将に釈明。そこに姿勢良く控えていたのが、番頭の天知茂。女将の後ろで厳しい顔をしていたのが、お調子者の二人をあっさり許してお小遣いまで出す太っ腹女将を呆れたように見る表情がなりきっていて面白い。だがセリフはたった一言「おかみさん、いいんですか?」のみ。こっちがそう言いたい。(そんな扱いで)いいんですか天っちゃん!

*いかにも番頭然としているが、髪の寝癖(?)が微笑ましい番頭さんでもある(こんな感じ

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=583 |
| 映画::新東宝 | 12:09 AM | comments (x) | trackback (x) |
『関東やくざ嵐』
『関東やくざ嵐』 (1966年・S41)

梵天一家の小頭・尾形菊治(鶴田浩二)は、敵対する組の親分の愛娘・お絹(桜町弘子)と恋仲だったが、それが災いしていざこざが起き、彼女の目の前で父親を刺殺する羽目になって刑務所へ。6年後、務めを終えて戻ってみるとお絹は消息不明、亀吉親分(加藤嘉)が寝たきりの梵天一家は、背広を着こんだクールな代貸・柳五郎(天知茂)が跡目を継いでいた。

金に糸目をつけぬ柳は余所を蹴散らして土木業を発展させていたが、その強引なやり口と古参の子分をないがしろにするやり口にカチンときた菊治は杯を返上。亀吉の口利きで、人徳者で知られる丸高組の親分(村田英雄)の元に草鞋を脱いだ彼は、文字通りガテン系の世話役・ゴンさん(山本麟一)とやりあったりして汗と泥にまみれて仕事に精を出す。

そんな頃、対照的にインドア派の柳は料亭でお絹をじわじわと口説いていた。借金がある上に弟・勇(金光満樹)からの金の無心も続き困惑していたお絹だが、愛しの菊治と再会、今度こそ駆け落ちをと願うものの、渡世の義理に絡められた菊治が煮え切らないでいるうちに、柳に連れ去られてしまう。着流しの上から豪奢なガウンを羽織った柳に(見えない位置でだが)襲われて泣き崩れるお絹。不憫に思う亀吉親分は彼女を逃がそうとするが、柳に爺さん呼ばわりされた挙句、枕への華麗な蹴りを決められてショック死した(だがさすがにそんなダルマ落としで死んでしまうとは思ってなかったらしく「い、医者を呼べ!」とひどく狼狽している小物っぷりが可笑しい柳である)。

丸高組から奪いそこねた仕事を巡ってドンパチを仕掛けてきた梵天サイドとの揉めごと真っ最中の菊治は、お絹と親分のことを聞いて怒り心頭。柳の命令で菊治を狙いに来てゴンさんの妹(宮園純子)を撃ってしまい動揺する勇と、ライフルを腰に差して戦闘態勢のゴンさんを引き連れ梵天一家の本部へと向かう。

(天津敏さん以下)コワモテな手下をそろえて準備万端のはずの柳だったが、菊治との最初の一発で相撃ちになり、最後は二度刺しされて絶命するのだった(後のお絹姉弟とのなんやかんやのシーンで転がっている死体は本人かどうか不明)。

『博徒』のネオ博徒ぶりと『顔役』のちゃっかりウッカリぶりを足して二で割ったような梵天一家の三代目。出番は少なめとはいえ、悪役の務めをしっかり果たしていた。…しかし鶴田さん、殺すときはいつも容赦ないなあ。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=560 |
| 映画::東映 | 11:42 PM | comments (x) | trackback (x) |
地平線がぎらぎらっ
『地平線がぎらぎらっ』 (1961年・S36)

おハイソな婦人の弱みをフィルムに収め荒稼ぎしていた松田茂(天知茂)はとうとう後ろに手が回ったが、刑務所内ではボス的存在のカポネ(多々良純)の二番手のクールな参謀格位置をキープ。通称・教授として、海坊主(晴海勇三)・バーテン(沖竜次)・色キチ(大辻三郎)の同部屋メンバーとまずまず快適な囚人ライフを送っていた。

ところが新入りのマイト(ジェリー藤尾)は傍若無人。ムショの秩序もへったくれもないフリースタイルが皆の神経を逆なでし、さばいちまおうぜ、ってな話になった時に、彼がダイヤ強奪犯の片割れと判明して状況が一変。おこぼれに預かろうと脱獄を計画するカポネ達に、最初は鼻で笑って取り合わなかった教授だったが、うまくいったらダイヤ山分け、というマイトの言葉に俄然はりきり、袖口から鍵開けグッズなんぞを取り出し率先して脱獄を決行する

なんとか脱獄できたものの、仲間割れから海坊主と色キチが排除され、嫁と間男にキレたバーテンが脱落。残るはマイトとカポネと教授、そしてマイトが拾った八重ちゃん(星輝美)だけとなるが、逃げるどさくさでマイトがマムシに咬まれてしまった。八重ちゃんが医者を呼びに走った隙に、カポネ達は瀕死のマイトからダイヤの在り処を聞き出そうとする。

「柿が…喰いてぇ…」
「そうか、柿の木の下に埋めたんだなっ!?」

そんなことは誰も言ってないのだが、通り名に恥じぬ強烈な独断で柿の木を探す教授。しかし、それらしき木の下を必死で掘り起こす彼にカポネのライフルが火を吹いた。これでダイヤは俺とお前だけのものだ!と勝ち誇るカポネだが、「ダイヤの話は嘘だ」とマイトに告げられ逆上、岩を振り上げたところで、死に切れてなかったらしい教授が放った銃弾に倒れるのだった(たぶんみんな死んでるが、医者連れた八重ちゃんが走ってくるところでエンドマーク)。

*10円ハゲでもついてそうないけてないヅラから、皆にいじめられる臆病者のキャラクター(「パピヨン」ならルイ・ドガ的な人物)を想像していたのだが、クレジットが(多々良さんとコンビで)トメ位置なだけあって、力は無さそうでも態度だけはデカくて一目置かれている大物で驚いた(カポネたちの脱獄計画をチクったと疑われ「俺はそれほど仁義を忘れちゃいない」と言う時などすごくカッコいい)。…ただ情けない顔で土下座したり滅多に見られないカッコ悪さもおまけについてくる。

*多々良さんとはこの10数年後、特捜コンビになるんだなあと思うと感慨深い(特にラストの欲の突っ張りあいとか)。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=559 |
| 映画::新東宝 | 11:39 PM | comments (x) | trackback (x) |
狼男とサムライ (DVD)
『狼男とサムライ』 (DVD版)

本国スペインでリリースされた正規のDVDを入手してから3か月ほど放置していたが、ようやく鑑賞。
ベースは完全版(字幕なし)、しかも画像がクリアで、医者なのにやたらと強い貴庵さんのこれでもかという華麗な殺陣やらムチムチお肌やらをじっくり堪能できる仕様になっていた。またスペイン語吹替も、それっぽい渋めの声の人を充てているせいか、なんだか分かったような気になれる。日本語版を入手した方ならぜひ(まだeBayなどで入手できるはず)

完全版なのでラストにはちゃんと「絆」が流れるが、フルコーラス収めて画面が先に暗転してしまっていた完全版とは違い、クレジット表記が済んだところで(中途半端なフレーズにも関わらず)ぶちっと切れていた。

*その代り、と言ってはなんだが、「絆」は映像特典のギャラリー部分のBGMになっている(ありがたいんだかどうなんだか)。

*当サイトでのその他『狼男…』情報はこちら

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=558 |
| 映画::松竹・他 | 11:38 PM | comments (x) | trackback (x) |
「空白の起点」より 女は復讐する
『「空白の起点」より 女は復讐する』(1966年・S41)

(神保町シアターにて鑑賞)

冬の曇り空のような(原作の描写引用)寡黙な保険調査員・新田純一(天知茂)は、同業のベテラン塚本(美川陽一郎)と新田をライバル視する佐伯初子(原知佐子)と共に顧客の偽装を暴いた帰り道、駅のホームで少々杜撰な髪型をした女性・鮎子(川口小枝)に目を留めた。秘書のくせになんとかならんのかその髪(想像)、とチラ見しているうち、鮎子がおもむろに悲鳴を上げた。崖から人が落ちるのを見たのだという。ところがその被害者、小梶美智雄(加藤嘉)はなんと鮎子の父だった。

ありえない偶然に眉間のセンサーが作動した新田が調査を進めると、保険金の受取人は小梶の長女・美子(富永美沙子)でも長男・裕一郎(露口茂)でもなく(長女の婿・北町さんでも勿論なく)、後妻の子の鮎子ただ一人らしい。仕事上気になるのか、それとも彼女に惹かれるからか…心を持て余しながら深入りしていく新田。

そんな新田の抜け駆けが許せない初子は刑事の高良井(中谷一郎)と共に行動、容疑者・国分(菅井一郎)の存在を突き止めた。意気揚々と新田に対峙する初子だったが、強引に押し倒されてネタをあっさり話してしまう(実は新田にゾッコンの初子、最初からそうなることを望んでいたようだ)。

そんな折、「国分が自殺した」との報が舞い込む。被害者に金を無心しており、遺書まで遺していた国分を警察は犯人と断定。他社が保険金を出す中で、新田だけが釈然としないでいる時、アパートに鮎子が訪ねてきた。好意を露わにして押し倒しにくる彼女に抗いきれず、一線を越えてしまう新田。裏があるのではないか、と疑いながら豊満ボディの虜になっているところへ女の勘が働いた初子が現れ、モテ男はビンタを食らうのだった。

ジェラシー半分、職業意識半分で鮎子の生い立ちを調べた初子は、彼女が小梶の子ではなく、国分の子だったことを知り、新田に告げる。処女ではなかった鮎子の背後に男の存在を嗅ぎ取り、心穏やかでない新田は裕一郎を疑うがシロ。しかし、小梶の愛人・志津(岩崎加根子)の口から衝撃的な事実を知らされる。小梶は血の繋がっていない、愛した女の娘である鮎子と関係を持っていたのだと。

鮎子は(今でいうサスペンスのクライマックス定位置・崖の上で)新田にすべてを打ち明けた。小梶との関係を知った実父・国分を利用して小梶を突き落させたこと。その彼を豊満ボディで圧死、じゃなく溺死させたこと。でも貴方を愛したことだけは本当なの――泣き崩れながらもひとりで去ってゆく彼女の後ろ姿を見送りながら、これが自分の「空白の起点」になることを新田は感じていた…。

『殺すまで追え 新宿25時』のときもそうだったが、おそらくもっともクール・ビューティな時代の主演映画というだけで脳味噌が溶けてしまい、客観的につっこめないのが痛い。

独白ナレーションで渋く語る天知茂!いつも以上にアンニュイに構える天知茂(実は浮気嫁に殺されかけた過去のせい)!情報を聞き出すために同業者の女性を押し倒す天知茂!葉子ねえさんも脱帽のヒロインの豊満ボディに押し倒される天知茂!そしてどっちのラブシーンも(相変わらず相手のふくらみを律儀に避け)とても礼儀正しくダンディな天知茂!もちろん挿入歌(主題歌)「空白のブルース」を歌うのは天知茂!アップでわかる吹き出物まで微笑ましい天知茂!

なにしろ同時上映は眼鏡マスクだ(『悪魔の囁き』参照)、すべてが愛しく見えて当然である。あまり良くないフィルム状態のせいとは言い切れない話のぶち切れ方でも許してしまう。あんな調査員おらへんやろ、でも許してしまう。困ったものだ。

*弥七が山さんを取り調べる、などという面白い場面もある(北町さんをはじめ、池田さんや宮口さんもしっかり脇を固めている)

*ヒロインの小枝ちゃん、確かにあっさり脱ぎすぎ(記事より)というか、ちょっと髪の手入れの悪いがさつな女の子、のイメージ。原作では新田の鏡のような存在なだけに、配給元から彼女をあてがわれた時はさぞ困惑しただろうなと思う。ラブシーンや殺人シーンなど、ボリュームを生かした使われ方に苦労がしのばれた。

*加藤嘉さんの方が揉み方が念入り。ああでなくっちゃなあ(どこをみとる)

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=557 |
| 映画::松竹・他 | 11:36 PM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑