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『青葉城の鬼』
『青葉城の鬼』(1962年・S37)

伊達騒動の顛末を家老・原田甲斐メインで描いた山本周五郎原作「樅の木は残った」の映画化。伊達六十二万石存続のためにひたすら独りで耐えて堪えて、逆臣の汚名を着てまで身体を張って藩を守った甲斐の生きざまは原作でもひたすらかっこいいのだが、演ずるは長谷川一夫御大だけあって、いろいろ辛い立場に立たされても、たとえ山で野性児のように暴れていても、めいっぱい二枚目路線で迫ってくれていた。

尊敬する長谷川御大と初の共演を果たした天っちゃんは、お家騒動に便乗してひと儲けしてやれと腹黒いことを考えるイケメン浪人・柿崎六郎兵衛役。剣の腕は相当のものらしいのだが、職にあぶれ酒におぼれて妹・みや(藤原礼子)の厄介になっている(そのくせ鬼畜なDV兄貴)、絵にかいたような色悪である。

みやが拾ってきた金づるをネタに、伊達藩潰しを画策する大ボス・酒井雅楽頭(柳永二郎)に「寄らば大樹の陰といいますからな」と取り入り、原田甲斐を含む伊達藩の面々の刺客として雇われた六郎兵衛。悪い奴だが何しろイケメンなので(くどいがほんとに)、長谷川御大にまさに斬りかからんとする相当イケてるスチール(なんとポスターにも使用されている*画像拝借失礼します)があるものの、実はそういう美味しい場面は本編には存在しない。御大にたどり着く前に、酒井邸に潜入していた原田子飼いの中黒達弥(成田純一郎)に阻まれて、「こいつは俺が始末する」と言って(一応相討ちだが)逆に始末されてしまう、あっけない最期を遂げていた。

もっとも、原作の六郎兵衛は、仲間とのいざこざで眼つぶしを喰らい盲人になってしまい、酒井邸の刺客メンバーですらないので、少しは目立たせてもらったというべきか(そんな悲惨な状況も見てみたかったが)。

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| 映画::大映with長谷川一夫 | 11:36 PM | comments (x) | trackback (x) |
『江戸無情』
『江戸無情』(1963年・S32)

寺社奉行の脇坂様(長谷川一夫)の命により、大奥女中と坊さん連中が愛欲の逢瀬を重ねているという寺に潜入、自分の操と引き換えに証拠を握ったカノジョ(つや:坪内ミキ子)がどうしても許せないカレシ(名越兵馬:津川雅彦)。脇坂様は二人の様子に心を痛めて・・・というのが本筋だが、そこからちょっとズレたところで暗躍しているのが、右のこめかみ付近に赤痣を持つ浪人・近藤辰之助(天知茂)。

寺のからくり部屋を作った大工を坊さん(柳全:沢村宗之助)の依頼で切り殺し追われる身となった辰之助は、彼から金を搾り取りながら「ひとり殺すのもふたり殺すのも一緒だ」と尾行の岡っ引きをばっさり斬り、柳全の女のところへしけこんでよろしくやり、あげくに柳全をも隠し金を掘り出させたあと首をぎゅっと絞めて殺しと、冷たい美貌のマスクを最大限に生かして悪行を重ねていた。

金が手に入ったんだからもう止しても良さそうなものなのに、金づる(=柳全)がいなくなったためか、資金源を間接的に断った脇坂様を狙おうと屋敷を急襲する辰之助。御大相手になかなか良い調子で優勢をキープしていたにも関わらず、さんざんふらふら揺れていた兵馬が善人になって駆けつけたおかげであえなく成敗されてしまうのだった(二人がかりとは卑怯な)。

*クレジット的には地味だが、色悪ぶりが堪能できる作品だった。モノクロで陰翳が美しく、特に柳全を殺す瞬間の氷のような視線にはゾクゾクすること請け合い。ちなみにこの映画のスチール(脇坂様と一騎打ちシーン)は長谷川御大の特集記事などでも良く使われている。オトコマエ同士だからか。

*長谷川御大のくっきり目元メイク、それから時折キュッと眉根に寄る横皺がものすごく天っちゃんに似ていることを実感(って、逆だ、逆!)

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| 映画::大映with長谷川一夫 | 11:35 PM | comments (x) | trackback (x) |
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