■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■CATEGORIES■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

『女間諜(スパイ)暁の挑戦』
『女間諜(スパイ)暁の挑戦』(1959年・S34)

なかなかの美男子ゆえに特務機関「むらさき機関」に配属され、“岸井隆”の変名で中国でスパイ活動をすることになった元陸軍中隊長(天知茂)。重慶側のスパイと目される京劇スター林晃彩(リン・コウサイ:三原葉子)に接触を図り、彼らの組織を一網打尽にするのが彼の任務である。「いいな、女におぼれてはイカンぞ!」出発前にそう忠告され、北京で直属上司の“三津井雪”(高倉みゆき)から具体的な指示を仰いだ岸井はここでも「晃彩におぼれてはいけません!」ときつくダメ出しされる。

晃彩に近づいた岸井はすぐさま彼女と仲良くなるが、憲兵の怒りを煽って逮捕された。岸井にああ言いながら自分が彼におぼれかけている雪は上司の大佐(竜崎一郎)に即時釈放を願い出るが、これも作戦の一つだと却下される。事実、激しい拷問(バケツの水ぶっかけとか、半逆さ吊りでビシバシとか)を10日ほど受けた後で部屋に転がり込んできた岸井の姿に晃彩は胸キュン、二人の親密度は急上昇。中隊長時代を知る部下に出くわす小ピンチもあれど、思惑通りに進んでいることに岸井は不遜にニヤつくのだった。

京劇の研究会に出かけるからお部屋で待っててネ、と鍵を託して外出した晃彩を追った岸井は、彼女がアジトで日本人参謀の暗殺計画に加担している姿を目撃。急ぎ雪に連絡を入れるも相手はなかなか出てくれず、そうこうするうちに晃彩が帰ってしまい、やむなく電話を切り部屋へダッシュで戻った。ところが岸井が通報しなかったせいで参謀は殺されてしまった。あいつ(=岸井)は役に立たんと言う大佐に雪は必死に彼を弁護、私はキミを信じてるから、と再チャンスを与える。そんな二人の密会を、重慶側のスパイ・謝天成(江見俊太郎)がじっと見つめていた。

再びアジトで、大将を列車もろとも爆破する計画を盗み聞きする岸井。アジトの場所を雪に知らせた彼だったが、晃彩からもらったライターをうっかり落としたおかげで謝の疑惑を決定的なものにしてしまう。憲兵たちを引き連れた雪がアジトへ駆け付けるともぬけの殻、おまけに時限爆弾がセットされていて、多数の死傷者が出た。すべては岸井が晃彩の色気に迷って裏切ったせいとされ、雪は彼を殺せと命じられた。

だが岸井に(一方的に)ゾッコンな雪には彼が殺せない。逃がそうとしてくれた彼女に、ボクを信じてくれているなら、大将が列車に乗る時刻を教えてほしいと頼む。岸井はその情報をネタに、自ら敵の懐に飛び込む策を打ち明けた。必ず助けに行くから待っていてほしい、雪は自分のペンダントを託し、彼が重慶側スパイたちに連行されるのを見送った。

岸井のネタに食いついたスパイ一味は、雪たちによってほぼ全滅。だが隠れ家に逃げ帰った謝は岸井を射殺しようとし、それを庇った晃彩が死亡。雪が駆け付けたときには岸井もまた銃弾に倒れていた。「雪さんすまない、ボクは晃彩を…」と呟き絶命した岸井の手を、雪はそっと、傍らに倒れている晃彩の手の上に重ねてやるのだった…。

*……で「完」にはならず、スパイをやめて日本へ帰国する雪が思い出のペンダント(ロケット仕様だからもしかしたら岸井の写真でも入ってたかもしれない)を海へ投げ捨てるシーンでエンドマーク。やはり主役は「女間諜=雪さん」だったらしい。

*特務機関の若き切り札・色仕掛け要員の岸井クン。葉子ねえさんとはむちゅーむちゅーとキスしまくってるし、高倉さんには(『東支那海の女傑』同様、やはり苗字を呼び捨てにされていたが)ひたすら可愛がられてるし、天っちゃん実に役得。特に上官である雪さんの恋心を知ってか知らずか「雪さんは、ボクを信じてくれているんですか…」などとかすれ声で俯き加減に囁いちゃったりするあたりの妙な色気に往年の年上キラーぶりを垣間見た(高倉さんは年下なんだけども)

*ただ、最初の方、晃彩をたらし込み、彼女の見ていないところでニヤリと笑う顔がいかにも悪人面なので、ラストの純愛展開が唐突に思えなくもなかった。今までこっちのほうが本職(?)だったから仕方ないか。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=104 |
| 映画::新東宝 | 04:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑