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『肉体女優殺し 五人の犯罪者』
『肉体女優殺し 五人の犯罪者』(1957年・S32)

ロック座で殺人事件――。何者かがすり替えた新聞の予告広告通り、踊り子の千鳥(北令子)が舞台上で射殺された。ベティ(三原葉子)が撃った小道具のピストルが本物にすりかえられていたのだ。なさぬ仲だった千鳥の夫の徳島(大江満彦)が逮捕されるが、兄の無実を信じる妹・かほる(三ツ矢歌子)の懇願に、新聞記者の西村(宇津井健)は一肌脱ぐことを決意する。

千鳥が麻薬常習者だったことから、ヤク絡みの事件ではないかと見当をつける西村。ところが、鍵を握っていそうなベティが舞台から転落死してしまい、ロック座にヤクを流していた船上便利屋の森元(御木本伸介)も水死体で見つかった。

そんな中、殺人現場や西村の行く先々に胡散臭くうろちょろする黒ぶち眼鏡の貧相な男がいた。ロック座の振付師・天野(天知茂)である。かほるに偏執的かつ変質的なダンス・レッスン(「ワン・ツー・スリー・フォー!ダウン・アップ・ダウン・アップ!ほら、もっと回した回した! フラフラしない!(延々と続く)」)を施して当然のごとくフラフラしたところを押し倒す(が、フラフラのかほるに一旦押し戻されかけるあたりの華奢さも見逃せない)この天野、ヒーロー然と現れた西村に「君はどこかが狂っている。これ以上自分で自分の運命を狂わせないほうが賢明だ」とヒーロー然とした説教(どこかどころじゃない狂い方ですが西村さん)をパンチと共に喰らっても「狂ってんのは今の世の中さ。俺が知ったことじゃない」とニヒルに言い放つ大型悪人ぶりを見せつけるほか、いかにも怪しい奴でございな言動と悪人笑顔(画像参照)を撒き散らして期待させてくれるのだが、クライマックス間近で再びかほるちゃんを襲っているところをラスボス・関根(林寛)に撃たれてしまい、未練たっぷりに悶えながらもあえなく絶命。結局、ちょっと変態気味のパシリでしかなかったらしい。

*聞きしに勝る「ワン・ツー!」のインパクトだった。

*「犯罪者5人」って誰だろう。ラスボスの関根、パシリの天野と道化のハチノキ(小倉繁)、ベティ姐さん、森元?(ベティ姐さんは「肉体女優」も兼ねてる?)

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| 映画::新東宝 | 11:08 PM | comments (x) | trackback (x) |
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