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渇いた牙
朝日新聞縮刷版で、データベースになかった出演ドラマを発見。

土曜劇場「渇いた牙」(1961年・S36年 5月20日OA)フジテレビ 20:00-21:00
原作:佐川桓彦
出演:河野秋武、矢代京子、天知茂、川喜多雄二、藤原釜足、高城淳一、野々村潔、綾川香、瀬良明、高野恭明

(縮刷版の記事よりあらすじ引用)

『宮田刑事が逮捕した凶悪犯人仲上鉄太郎は死刑の判決を受けた。刑の執行を待つ鉄太郎の行いは日増しに狂暴となり、自分を捕えた刑事を連れて来いといって騒いだ。拘置所を訪れた宮田に彼は悪態の限りを尽くした。しかし宮田が人間が人間を殺してよいのかと問い詰めた時、彼の理性は目覚めた。そして同じ死刑囚の中に無実の罪に泣いている男のいることを告げたのだった。』

*宮田刑事の年齢設定にもよるが、クレジットの順番を考えると天っちゃんが凶悪犯の仲上だったのだろうか?なにしろ刑事・凶悪犯・無実の罪に泣く死刑囚、どれでもどんとこいなだけに配役が分からないのが少々もどかしい。

(2007.11.3追記)原作を読んでみた。

宮田刑事は年配で仲上は30代、「無実の罪で泣いている男」は大学生(20代)だったので、天っちゃん=仲上である割合はかなり高い。金と船欲しさに元勤め先の船長と乗組員を殺した凶悪犯・仲上は、宮田さんの尺八の音色で性根を入れ替え、独房で小鳥を飼いながら命の大切さに目覚めていく。そして処刑の日が迫ったある日、宮田さんの配慮で別れた妻と娘が訪ねてきてくれて、涙ながらに幼い娘を抱っこして子守唄をうたうという場面もあって、そのままドラマ化されていたならさぞ見ごたえがあっただろう。

ちなみに「渇いた牙」とは仲上の遺書の中の言葉。自分が最初もっていた毒の牙が宮田刑事や小鳥たちの優しさに触れて徐々に渇き、すっかり抜け落ちてしまった…と、心穏やかになったときに死刑台に上っていく最後が泣ける。

*1966年に実在の死刑囚の手記や記事を追加した「されど死よ愛と共に」(「渇いた牙」改題)が刊行されている


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| TVドラマ(現代劇)::その他(単発など) | 08:49 PM | comments (x) | trackback (x) |
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