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『東海道四谷怪談』
『東海道四谷怪談』(1959年・S34)

ワルで、色っぽくて、苦しみ悶える伊右衛門さま。天知茂の真骨頂。

伊右衛門視点で観てしまうからかもしれないが、実は彼、根っからの極悪人ではない。お岩さんの父親を斬ったのだって、一度は交わした婚姻の約束をオマエは浪人だからと反故にされ、面と向かって散々バカにされたせいで衝動的にバッサリやっちゃったのだし(「松の廊下」風)、江戸でお梅さんと出会うきっかけはお岩さんの粘着質な愚痴のせいだし(まあ彼女の言い分は尤もなのだが、伊右衛門でなくても正直「くどい!」と突っ込みたくなる)、殺人計画はすべて直助主導だし。

伊右衛門という男の罪はただひとつ、いざというときの優柔不断さに尽きる。その心の揺れにつけこんだのが直助であり、(亡霊となった)お岩さんだったのではないか。伊右衛門の後半の狂乱は、自分自身の心の闇との闘いとも受け取れ、半・自決と「お岩、許せ」でようやく魂の平安を得たと解釈してもいいのかもしれない(その割には白目向いて死んでたけど)。

とにかく、自分で伊右衛門役に立候補しただけあって、天っちゃんの揺れる演技(前半クールに、後半アツアツ)は極上だと思う。

*1972年にTVでも「四谷怪談」をやっているそうだが、若さ故の狂気が感じられた28歳時と比べて、40過ぎた彼がどういう方向でもう一度伊右衛門を演じたのか気になるところだ

*(2008.9.1追記)TV版を見てみた

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| 映画::新東宝 | 01:50 PM | comments (x) | trackback (x) |
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