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『南郷次郎探偵帳 影なき殺人者』
『南郷次郎探偵帳 影なき殺人者』(1961年・S36)

麻薬王・神崎(晴海勇三)が出所直後に殺害された。「先生早く来て下さい。私も殺される…!」弁護を担当していた青年弁護士・南郷次郎(天知茂)は、彼の情婦・東野文江(吉田昌代)からの切羽詰まった電話を受けてホテルへ直行するが、時すでに遅く、文江は冷たい躯となっていた。

彼女の遺した切符とヤクの原料がどっさり入っていた黒い鞄(カラ?)を持ってロマンスカーに乗る南郷。隣りに乗り込んできて鞄を交換した怪しい青年(文江の弟:鳴門洋二)はタクシーの男(=麻薬王をバラした沖竜次)に襲われ、「芦ノ湖でボートに乗って」と告げた謎のグラサン女性(宮田文子)の言に従った南郷は、暴走モーターボート(運転は沖竜次)に手漕ぎボートをひっくり返され大ピンチ。その窮地を救ってくれた女性(三原葉子)と実にムーディーな関係(チークダンス有)になりかけるが、彼女は名前も告げぬまま去ってしまった。

文江の勤め先のバーに出向いた南郷は、自分をハメたグラサン女がマダムだと知り問い詰めたところ、背後から(沖竜次に)殴られ、マダムと下っ端の殺人犯に仕立て上げられた。それでもマダムの黒革の手帳をこっそり拝借、事務所に戻るとそこも荒らされ、秘書の金丸京子(水原ユカ)が転がされていたのだが、卑劣な相手に憤ると同時に、俄然ファイトを燃やすのだった。

捜査一課の板チョウさんこと板津部長刑事(坂本武)と仲がよいとはいえ一応コロシの参考人で足止めを食らった南郷は、手帳にあった“女性にしか金を貸さない”「宝城寺商会」を京子に探らせる。まだ少女っぽさが残るが物怖じしない京子ちゃんは、借金の代償として下着を新しくして来いだのというクラブへ向かい、そこで手袋の男(沖竜次)から会員証を渡され小部屋へ案内されかける。それが死んだ青年が持っていたのと同じ会員証だったことから急ぎ南郷に連絡を入れる京子ちゃん。駆け付けた南郷は、手袋男がシメシメとほくそ笑んでいるのも知らず、代わりに麻薬取引と売春が横行する秘密クラブへと潜入した(下着を新しくしたのかは不明)。

鍵付きの小部屋には、なんと芦ノ湖の女性――宝城寺竜子が。偶然の再会の驚く南郷。これ以上関わらないで、と心底彼の身を案じているらしい竜子(またまたムード全開)。だが彼女の足止め策も空しく、後を追いかけた南郷の車は追突され崖から真っ逆さま。にもかかわらず左腕を折った程度で済んだ彼は、竜子と死んだ東野姉弟の故郷へと向かった。

そこで竜子に会った南郷が浜辺でいちゃついているのをじっと眺める双眼鏡の男、彼こそが、一連の麻薬事件の黒幕代議士・本田(細川俊夫)である。本田に恩義があるらしい竜子は、ほとぼりが冷めるまで香港に潜伏しろとの彼の命令に素直に従おうとするが、変装した板チョウさんにより阻止され逃亡、本田の別荘に潜んだところへ、南郷が訪ねてきて心が揺らぐ(またいちゃいちゃ再開)。

拳銃を持った本田に脅されピンチに陥る二人だったが、南郷の機転と板チョウさんの登場で、汚れ仕事を一手に引き受けていた沖竜次(役名は地味に佐藤)ともども黒幕は無事捕縛。板チョウさんの粋な計らいで竜子と二人きりの時間を持った南郷は、罪を悔いる竜子とまたまた熱い抱擁を交わすのだった。

*シリーズ化を見越して作られたにも関わらず新東宝倒産により潰えてしまった(2作目の撮影に取り掛かっていたとかいなかったとか)、珍しく爽やか系の天っちゃん主演映画。彼が主演、それだけで例によって話の筋はどうでもよくなってしまうのだが、事件が(というよりワル担当の沖竜次が)ノンストップで押し寄せてきて飽きさせない作りになっていた。

*ヒロインは、こちらも珍しく影のある女性を演じている三原葉子ねえさん。天っちゃんとはとにかく会うたびにキスドールかあんたらは、ってなくらいにいちゃいちゃしてくれるカップルだ。

*まだ南郷先生のロマンス対象ではない(けれど憎からず思っている)秘書の京子ちゃんの朗らかなキャラもいい感じ。

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| 映画::新東宝 | 04:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
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