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『静かなり暁の戦場』
『静かなり暁の戦場』(1959年・S34)

「アジアをアジア人の手に」をスローガンにマレー半島を進む日本軍。英語が話せる国井中尉(本編では「少尉」と呼ばれていたような気がする:天知茂)は、捕虜となったインド人将校の尋問にあたることになった。仏典を大事そうに携帯した、軍医だというそのぽっちゃり将校・パトナイク中尉(S・プラカーシ・ガンディ)の信仰心とインド独立への固い意志を察した国井は彼を上官の暴力から護り、さらに彼を追ってしゃしゃり出てきたフィアンセのカムラ(エリーズ・リヒター)の存在も黙認してやるなどして、“友人”のスタンスでインド人捕虜たちと接する。

本隊は前進することになり、国井は一人、数十名の捕虜たちの監視役に回された。彼らの歌う独立を願う歌に胸打たれたロマンチスト国井は、友情の証として自らの大事な軍刀をパトナイクに預けた。パトナイクとカムラもまた、この隙に逃げ出そうぜ、と画策する者たちを説得、国井の信頼に応えた。

そんな折、橋の修理を任されて捕虜たちと汗を流す国井。だがパトナイクは、日本軍の戦車が通り、再び同胞たちの血が流れるかもしれないその橋の完成を修理にも行かずに(って、一応医者だから待機して)鬱々と見守っていた。あなたらしくないわ、インド独立のために前向きになってと励ましてくれるカムラと熱いチュウを交わした瞬間、指令部の上官が国井と帰還。何やっとるんだー!と至極まっとうに激怒した上官は、こんな状況でも2人をとりなそうとする国井もろともパトナイクをぶん殴って去る。「どこの国にも悪い人はいるものです」お前が言うかな台詞をぬけぬけと吐くパトナイク、その言葉にウルウルきてサンキュー言っちゃう国井、二人の絆は(見る側のツッコミをよそに)ますます深くなるのだった。

そうこうしているうちに英国軍との戦いは激しさを増し、親友の須賀(杉山弘太郎)率いる偵察隊など二隊が続いて全滅してしまった。次はお前が行って来いと部隊長に命じられた国井は、勝算ゼロにも関わらず捕虜たちに別れを告げて出撃を決意。ところがパトナイクが、敵軍にいるインド兵の説得をかって出た。部隊長は、残りの捕虜たちを人質にすることを条件に彼の提案を承諾、パトナイクは数名の志願者と、またしてもしゃしゃり出たカムラを連れて英国軍のトーチカへと向かう。

案の定といおうか、トーチカに近づいただけで蜂の巣にされかけて倒れるパトナイクとカムラ。待てど暮らせど彼らからの連絡はなく、国井は捕虜たちと先頭に立たされてトーチカへと前進することに。しかし、夜明けの戦場の静けさを破ったのは美しいインドの調べ。パトナイクの説得で投降したインド兵たちの輪の中で、国井は喜びをかみしめるのだった。

*インドと日本の架け橋となるべく、英語を駆使して奮闘する生真面目な将校役。主役のうえに芸術祭参加作品、おそらく天っちゃん的には同年の『東海道四谷怪談』以上に頑張ったのではないかと思われるが、そんな彼の一生懸命さに比べると、パトナイクがどうにもあっさり気味で、およそ戦地とは思えない雰囲気を醸し出していたのが気になった。緊張感のないぽっちゃり体型には目をつぶるとしても、もうちょっと苦悩を顔に出せよパトナイク! 戦場で女性とべたべたいちゃついてる場合じゃないだろパトナイク!(カムラもうろちょろすんなよと言いたい)。

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| 映画::新東宝 | 10:50 PM | comments (x) | trackback (x) |
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