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非情のライセンス 第1シリーズ #4
#4「兇悪のサファイア」(1973年・S48・4月26日OA)

冷たい色を放つサファイアを指に、暖炉で何かをひたすら燃やす女。
7年前、新妻の自分を置いて蒸発した夫が遺した物なのか。
自分は何を待っているのか、と自問し続けた月日。
ようやくピリオドを打とうというまさにそのとき、突然、彼女の目の前に――。

町内の防犯会長を自任する竜巻太郎(左とん平)は、クリーニング店の常連・カヤマさん(小笠原弘)がチンピラ(畠山麦)に財布を掏られる現場を双眼鏡で目撃、追い掛けた拍子に美女(江波杏子)にぶつかり取り逃がす。数日後、カヤマさん宅へ服を届けに行くと、件のスリが血を流して倒れていてびっくり仰天、ちょうど血の滴るようなステーキを「キャリオカ」でぱくつきかけていた会田(天知茂)に助けを求めた。

チンピラ・安の死体の側に落ちていたのはブローニング32口径。それは7年前、代議士と暴力団の癒着に絡んだ組長殺しに使われた銃だった。安のボス・田丸(上野山功一)をツツキに行った会田は、安が議員会館の場所を知りたがっていた事実を聞く。7年前、追及を逃れた篠崎代議士(内田朝雄)に関係のある事件なのか――。カヤマさんは実は「香川さん」だったのでは、との太郎の言葉で、篠崎と繋がりのあった開発公団の役人・香川良一の名前が浮上する。彼は7年前に忽然と姿を消していた。もしや香川が、2つの事件の実行犯では……? 彼の妻、冬子に面会を申し込んだ会田は、彼女が「キャリオカ」でよく見かけるサファイアの美女と知り驚いた。

香川は生きているのではないか、と探りを入れる会田に「もうあの人は喋れない。死んでしまっているんですもの」と繰り返す冬子。彼女は失踪宣告を裁判所へ提出し、夫の死を合法化しようとしていた。篠崎いびりのために矢部(山村聡)から貰った猶予は1週間。香川の所在は掴めないまま約束の期間が過ぎたが、会田は薄々察していた。本当は気の弱い男がまっさきに行くのは女房のところ――つまり、香川は冬子を訪ねたはずだと。そして再び会った冬子の指からはサファイアの指輪が消えており、推理は確信に変わる。
「あのサファイアだけははめていてほしかった。喪章の意味としてね……」

香川の葬儀に篠崎の姿はなく、結局事件はうやむやのまま。だが会田はあえて真相を追及しようとはしなかった。空のはずの骨箱を抱く冬子の眼に、涙が浮かぶ――(昭和ブルース3番をバックにすれ違う二人)

*冬子がのこのこ帰って来たダンナを殺したんだと思うが、そのシーンを一切出さず、映像や会話のニュアンスで迫る演出が憎い。

*ダンナ役は新東宝の同期、小笠原さん。セリフ回しが新東宝の頃そのまんま(=あんまり上手くない)なのが少々トホホだが、気弱な感じを効果的に醸し出していた、ともいえる。『潜水艦ろ号未だ浮上せず』で主役級を演じていた彼の傍らでクレジットもなく虫を喰っていた天っちゃんの後の努力をここは大いに称えておこう。

*血の滴るほどレアなステーキが好物、という原作の設定を踏襲、いつも嬉しそうにステーキにナイフを入れている会田だが、実際にぱくついているシーンはまだ見ていないような…実はレアなのが嫌いか天っちゃん?

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:58 PM | comments (x) | trackback (x) |
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