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非情のライセンス 第2シリーズ #69
#121「兇悪の妻の座」(1976年・S51・2月5日OA)

長瀬紀子(谷口香)は夫・安夫(矢野宣)と義母、そして中学受験を控えた息子とで暮らすパート勤めの主婦。安夫の会社が相当やばくなっており、差し迫ったローン返済のためたった一度だけ身体を売ったことは、当然ながら彼女だけの秘密である。

ところが特捜部と名乗るコワモテ3人組(=会田・坂井・右田)が現れ、その夜のことをしつこく尋ねてきた。実は紀子の当夜の相手・加賀始(勝部演之)は、汚職事件をかぎ回る記者をトップの命令で殺害、その足で彼女と寝た男なのだという。彼のアリバイを崩すためにはぜひ貴女の証言が必要だと迫られる紀子だが、家族を想う彼女にはとても本当のことなど言えない。

そのうち、自宅へ加賀から電話が。コワモテ刑事の一人(=会田)がいちかばちかで加賀に紀子の名前と住所をほのめかして出方を探ったせいであるが、そんなことは知らない紀子は「もう一度会ってくれ」としつこい加賀の誘いに乗ってホテルへ向かう。そこには加賀の姿はなく、チンピラ・岩場(内田勝正)が口止め料の30万を持って待っていた。あわや岩場の毒牙に、という際どいシーンで刑事たちが部屋に乱入、事なきを得るが、一番のコワモテ(=会田)だけが残ってドアに鍵をかけた。まさかこの人も私を・・・!と身構えた(でも杞憂)紀子は、再度の証言要請を「毎月きちんと月給を貰って、税金を山分けするみたいにたくさんボーナスを貰って、そんな人たちに何が分かるのよ! 弱い人間をいじめるのがあんたたちの仕事なんでしょ。えらそうな口きかないでよ!」と激しく突っぱねた(でも後悔)。

夫クビ→再就職先で重傷、パートの業績不振、そして加賀からの再三の電話と、次第に追い詰められてゆく紀子。とうとう加賀の呼び出しに応じた彼女は、口封じだとナイフを向けられ大ピンチ、もみあった末に彼を刺してしまった。そこへ駆けつけた例のコワモテ(=会田)は彼女の行為を黙認、悶える加賀に自白させ目的を果たすのだった。

夫の怪我には労災が下りるとのことだが、まだ紀子の不安は尽きない。しかし「家庭の中の妻の座ってのは、大切なものじゃないんですかね」と自分が最後まで死守したものの存在を思い起こさせてくれたトレンチのコワモテ(=会田)のお蔭で、少しは自信がでてきたような気がしていた(昭和ブルースは4番)

そして会田は、一緒に加賀の上役を摘発に向かったときの矢部警視(山村聡)の言葉を反芻するのだった。
――なあ会田。警察の手錠や拳銃だけではどうにもならんことが山ほどある。山ほどあるなあ・・・。

*昭和ブルースの後に矢部さんの台詞。ぐっとくる演出だが、なんか部長が死んじゃった人のようだった(生きてます、おまけに今回は現場へ出動してました)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 02:36 PM | comments (x) | trackback (x) |
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