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非情のライセンス 第2シリーズ #68
#120「兇悪の声」(1976年・S51・1月29日OA)

黒キャスケット&黒ジャケットにイエローシャツという久々にツッコミ甲斐のあるいでたちで会田(天知茂)がブルマン(=ブルーマウンテン)を飲んでいた珈琲店に、拳銃を持った女・咲江(夏純子)が押し入ってきた。彼女は先ごろ海に落ちて死んだノイローゼ気味のヤクザ・林(三上春樹)の愛人。林の死は他殺だと確信するこの咲江、生前あのひとはこの世の2人かあの世の2人半に殺されると怯えていた、犯人はこの世の2人に違いないのよ!と断言、丸総銀行の深見(=この世の1人目:水島弘)を呼べとマスターの北岡(=この世の2人目:高松英郎)に迫った。

客代表として居残った会田は矢部警視(山村聡)に連絡して深見を呼ぶよう伝えるが、咲江が突然倒れたために中断(後に流産)。暴力団と現役大臣の癒着を追い、パイプ役とみなしマーク中だった林に死なれたばかりの会田にとっても、彼らの関係は見過ごせなかった。林とやり手銀行員の深見、そして商社マンだった北岡を結ぶ7年前の因縁とは? 林が精神を患うに至った“声”とは何なのか? 夜を徹しての調査で、会田は7年前のとある誘拐事件を探り当てる。

寡黙なマスター・北岡も、風邪を引きかけながら真相に迫る会田(単に事件の起きた波止場に土砂降りだというのにボーッと突っ立っていたせいなのだが)の態度に打たれたらしく、“あの世の2人半”(=自分が海外出張中に誘拐され殺された息子と、そのショックで死んだ身重の妻)について語り始める。
――人間はひとりの方がいい。失う者を持たない方が、生きていくのが気が楽だ――。
そんな北岡の孤独な思いの丈に、会田はシンパシーを感じ始めていた。

自らの出世のために誘拐を画策して林に実行させ、ライバル銀行に身代金を要求、ふってわいた災難に慌てるライバル社を尻目にヒーロー然と金を持参した男こそが深見である。身体が癒えた咲江を林のお骨と対面させてやったり、実は一番のワルで林殺しの犯人である深見に揺さぶりをかけたりと張り切る会田は、深見がヤクザと大臣の収賄ルートの証拠人でもあるため、北岡たちに手を汚させまいとする。

しかし林や深見に声のテープを送りつけた張本人の北岡、深見に愛人を殺されたと知った咲江は深見への殺意を募らせていた。会田が駆けつけたときには既に遅く、深見は死体に。これでは北岡を逮捕せねばならない。手錠を固く握り締める彼の耳に、少年と女性の声が流れ込んでくる。出張中の父、そして夫へ綴る、普段どおりの微笑ましい日常。7年前の事件当日に録音されたそのテープこそが林たちを怯えさせた“声”だった。

北岡と咲江は観念したように珈琲店で会田を待っていた。だが会田は「深見は自殺だった」と告げ、ふたりに刑務所でなく海外行きを薦める。自殺に犯人がいては困る、あえて言うなら、“あの世の3人半”(=北岡の妻子&林)が犯人なのだから、と。
日本で淹れる最後の珈琲はあなたに飲んで欲しい――。そう言って北岡が淹れた別れのブルマンを、会田はじっくりと味わうのだった(昭和ブルースは4番)

*会田が追う癒着と、7年前の誘拐、そしてヤクザ謀殺、複数の事件と関係者が絡み合って実に深い味わいを醸し出していた。ラストは泣き所がたんまりあるし。ええやっちゃのう会田!

*でもまだ普通の身体じゃないんだから(たぶん)、びしょぬれになって物思いにふける、なんていうロマンチックな行為はやめてほしい(隣に車停めてんだから乗ろうよ!)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 02:37 PM | comments (x) | trackback (x) |
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