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非情のライセンス 第2シリーズ #49
#101「兇悪の射殺命令」(1975年・S50・9月11日OA)

女が砂丘を歩いている。
歩きながら女は思い出す・・・5年前の忌まわしい出来事を。
自分を強姦した脂ぎった男の顔。
その男に銃を向けた夜の事。
多くの血が流れて。堕ちるところまで堕ちて。
――だけど、あいつは生きていた。
――だから、あたしは。

5年前に同僚を射殺、輸送中の金を奪って逃走した元警官・加西芳郎(茶川一郎)を追って鳥取に来ていた坂井刑事(宮口二郎)は、タイアップ先=皆生グランドホテルで会田(天知茂)を見つけて驚いた。これは俺のヤマなのに・・・とちょっとご機嫌斜めな後輩を、お前もう素性バレてるだろ、俺は俺で動くからなとさらっとかわす会田だが、部屋に戻ると誰かが彼の荷物を探った形跡が(あんたもバレてるよ)。冒頭の砂丘の女・坊城美和(嵯峨三智子)の差し金である。

元婦警の美和は5年前、自分を強姦した政治家の戸沢浩之助(潮万太郎)の車を狙撃。運転していた加西は、銃声で駆けつけた同僚を撃ち殺し、彼の政治資金を奪って逃げたのである。それ以来ペアを組んで悪事に手を染めてきたが、唯一の後悔は戸沢にとどめをさせなかったこと。戸沢が今度鳥取入りするという情報を聞きつけた二人は、今度こそ彼を殺すつもりでいた。

二人を尾行途中、坂井は加西に撃たれた。彼を見舞った会田は、警官としてのモラルを失った加西に激しい憎悪をたぎらせる。その様子に坂井は、会田が来た真の目的(まあタイトルで激しくネタバレしているとはいえ)を薄々察し、まさか・・・といぶかしむ。

性懲りも無くガードの婦警に色目を使いながらホテルに来た戸沢を、物陰から睨み付ける美和。彼女もここで彼を護衛していたときに襲われたのだ。戸沢の娘を拉致して盾にした加西に坂井は動きを封じられるが、戸沢本人は会田が外へ連れ出していた。戸沢に銃を向ける美和だが、弾は出ない。激しく憎みながらも、もはやこの男のために自分の手を汚すことはできなかった。

会田が俯く美和に手錠を掛けた瞬間、背後に潜んでいた加西の銃が火を噴いた。咄嗟に撃ち返した会田によって加西は絶命。しかし被弾した美和もまた、会田の足元で事切れた。怪我をおして駆けつけた坂井の咎めるような視線を背中に受けながら、会田は言うのだった。

――これが俺に与えられた命令だ。 (昭和ブルースは1番)

*フランス映画みたいな渋い冒頭からぐぐっと惹きつけられる旅情編。しかし、警察の恥部ともいえる極悪警官があの茶ァさん、おまけに色ボケの戸沢は宮口さんの義父・潮さんなので、内輪の宴会のかくし芸みたいな雰囲気もあった(梅八さんもいたしなあ)。

*ショルダーホルスターは誰が付けてもサマになるものだが、会田が付けてた日にはもう理性がどこぞへ吹っ飛ぶかと思った。

*坂井さんを見舞ってから、テトラポットの上で海に向かって銃をぶっぱなす姿もやたらとカッコいい(たとえ弾層が回転してなくても許す)。

*ひたすらイケていたとはいえ、海岸そばを歩く会田(特にED)だけはいつもと比べてえらく歩きにくそうで、やはりあの靴(どれだよ)では砂地はキツイのだなあとしみじみした。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
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