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非情のライセンス 第2シリーズ #46
#98「兇悪の閃光」(1975年・S50・8月21日OA)

(朝日新聞「試写室」8月21日付記事引用)
今夜の「兇悪の閃光」ではベテランの会田刑事(天知茂)が広島へ飛ぶ。東京で起こった殺人事件と麻薬ルートの捜査をするためだ。暴力団員になりすましてあるバーのマダム(高田美和)に接近。話していくうちに、この女性が麻薬に、さらには原爆と関係あることがわかってきた。脚本・安藤日出男、監督・松島稔。
美しいマダムは、白血病への不安から麻薬におぼれたのだった。母親(賀原夏子)が娘時代に原爆投下直後の広島市内を歩いているからだ。彼女の不安は、同じ境遇に生まれた親友の死で倍加される。自暴自棄になるが、会田刑事は自分の過去を打ち明ける。父母は原爆で死に、自分も二次放射能を浴びている。しかも、元気に生きているではないか、と。
連続ドラマの1回だ。推理劇という制約を投げ出すわけにもいかない。だから、不満な部分はいろいろある。しかし、映画やテレビのドラマ担当者がそろって「戦争」を忘れてしまった昨今だ。困難な条件の中で、被爆二世という具体的なテーマに取り組んだ熱意は、高く評価してよいだろう。製作費の関係で広島ロケは1日だけだった。賀原夏子が広島弁を広島出身の杉村春子に教えてもらいに出かけた、という話も聞いた。

「俺は広島に帰ってきた。・・・が、帰ってきたのはあの一瞬の閃光で死んだ両親の墓参りのためではない」 原爆ドームでひとしきり(ちょっと泣きそうな感じがしないでもない)まぶしい顔をした後、会田は広島県警の山形さん(田崎潤)を訪ねてさっそく事件の話。どうやって単独捜査を、と心配する山形さんに不敵な笑みを見せた会田はその夜、そのスジの人以上にそのスジっぽいいでたち(ストライプ入りの白スーツにグラサン姿)で街を闊歩、いたいけなヤーさん連中を存分にいたぶっていた。

*高田さん扮するバーのマダム・淑子にはインテリ青年風の恋人・芳男(平井昌一)がいたのだが、結婚しようという段になって初めて、自分が被爆二世であることを母から打ち明けられて大ショック。しかも今までピンピンしていた被爆二世の親友・弘子(松木路子)が急性白血病で倒れ、死への不安と恐れでヤクの世界へ堕ちていったのだ(ちなみに松木路子さんの旦那様は放送作家・永野靖忠氏らしいが、これは監督の永野さんだろうか?)

*当時は広島市外に疎開しており(#9「兇悪の口紅」の“学校に行くときに見た母の顔が最後”云々とは微妙に設定が違ってきている)、原爆投下翌日に市内に入り、足を棒にしながら両親を探したと語る会田。「だからこの身体は二次放射能を全身に浴びている。それでも俺は、歯をくいしばって生きてきた…」だがその俺よりも(白血病で死んだ)弘子さんはずっと立派だった、その彼女を悲しませるのか! と、死にたがる淑子に圧し殺した顔と声で訴えかけ、麻薬ルートの全容を聞き出すことに成功した。

*最後は鳩が飛ぶ平和記念公園で、いまだ愛し合う恋人同士を引き合わせてから会田は機上の人に。ロケお疲れさまでした。

*(2010.7.14追記)機上の人となった会田に被って昭和ブルースは♪見えない鎖が〜♪の4番。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:04 PM | comments (x) | trackback (x) |
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