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非情のライセンス 第2シリーズ #57
#109「兇悪の壁」(1975年・S50・11月13日OA)

会田(天知茂)の休暇願いをあっさり受諾した矢部警視(山村聡)はにこやかにお小遣い(20万円!)までフンパツ。ただし条件は、ある女性と過ごすこと。彼女の写真を見て会田は驚いた。近ごろ世間を震撼させた某国政治家の拉致事件の目撃者で、命を狙われ公安で身柄を保護しているはずの重要人物だったのだ。そんな女性と一緒にいたら気の休まる暇がない、とぶーたれる会田をよそに、矢部は「彼(=会田)は独身で女性の扱いにも慣れていますから安心ですよ」などと良く分からない理屈で“鈴木よし子”(矢部さんが付けた仮名:吉行和子)を引き合わせる。

「この方が安全だからって矢部さんが」とのことで仕方なく“よし子”の真っ赤なスポーツカーで自宅マンションへ向かう会田だったが、さっそく尾行車が現われ、立ち寄った喫茶店でも胡散臭い男たちに絡まれる(喫茶店の食材を全部くれとウエイトレスに頼む会田もたいがい胡散臭いがそれはさておき)。そしてマンションで会田のお手製料理を堪能し落ち着いたのも束の間、森山周一郎声で掛かってくる脅迫電話。怯える“よし子”を力強く励ます会田、ふたりの身体は自然に重なり合うのだった(だからどこが安心なんですか>矢部さん)。

翌日、ほんわか新婚さん気分に浸っていた彼らの元へ、不審な小包が届けられる。最悪の事態に備えて必死に浴槽内で解体したそれは幸い単なる脅しに過ぎなかったのだが、敵の包囲網の狭まりを感じて迂闊に動けないでいるうちに数日が過ぎ、気が付いたときにはライフラインを全て絶たれてしまっていた。何よりも食料が底を衝いたことにイラついた(推定)会田は“よし子”を連れて車に乗り込むが、大型ダンプの挟み撃ちに遭う。銃撃戦を制した会田の眼に飛び込んできたのは、被弾した“よし子”の姿。

――自分は本当の目撃者ではない、敵を欺くには、私が死ねばそれでいい。

虫の息で真相を語り息絶えた彼女を前に、会田はなすすべもなかった。

何もかも承知で自分に彼女を預けた矢部に掴みかからんばかりに詰め寄る会田だが、殺すつもりはなかったと返されては言葉が無い。「せめて、彼女の本当の名前を・・・!」会田の懇願にも、明かさぬことが約束だからと冷静に告げて矢部警視は去った。立ち尽くす会田ひとりを残して…(昭和ブルースは3番)。

*実際に起こった金大中事件がモデル。原作(「兇悪の眼」収録)の“鈴木さん”は男性なので会田と寝食を共にしても違和感がなかったが、独身かつ女に甘い会田に彼女を預ける矢部さんの真意は謎である。謎といえば、電話やら電気やら、すべてのライフラインを絶たれるまで何もせず部屋に引きこもっていた会田も不自然(原作だと食料だけが無くなったので買出しにいこう、ってことで外へ出る)。だがその「なんかおかしいよなあ」を払拭してあまりある無情のラストがいい。

*彼女がシャワー中にちゃっちゃと料理を作ってしまう会田。帰宅後すぐ「先にハムは冷蔵庫に入れなきゃ悪くなる」とか言って冷蔵庫に肉類を突っ込む主婦のカガミのようなマメさが可笑しい。

*毎回ゲストと寝ているような印象のある会田だが、ラブシーン自体は珍しいそうだ。これにしても、重なり合って画面がぐるぐるしてるだけなので拍子抜けする(←何を期待しているのか)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:55 PM | comments (x) | trackback (x) |
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