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江戸の牙 #1
「炎上!赤馬を斬れ」(1979年・S54・10月2日OA)

オープニングに映る本物の黒ヒョウより数倍は怖い顔の剣(つるぎ)精四郎(五十路間近のいぶし銀・天知茂)は本所方(ほんじょがた)与力。本所・深川の橋や道路の建設・保護などが仕事らしく、市中の警護を担当する「八丁堀の旦那」連中からみれば、本所方はリストラされた極潰しの行き場所。江戸を襲う謎の放火=赤馬と、裏でがっぽり儲けている連中の関連を調べるも、格下の八丁堀同心や材木問屋から「しゃしゃり出て来るな。どぶさらいが待ってるぜ!」とバカにされる毎日だった。

祖父の代からの主君筋・朝比奈宅で「世の中なっとらん!」とべらんめえ調でぶーたれる感情表現が豊かな剣さんを、朝比奈の娘・雪(竹下景子)は優しい目つきで眺める。「ちっともお変わりにならないのね」ちょっと待てお雪さん、いま瞳にハートが飛んでやしないか?「精四郎さま、まだ、おひとりなのですか・・・?」って、結構なおっさん相手に(暴言)やたらと積極的なお嬢様だ。

と、一転にわかにかき曇る空。暇乞いをして襖を開けた途端、剣さんに白刃が襲いかかる。「お前なんぞに娘はやらーん!」と怒った父親・朝比奈軍兵衛(三船敏郎)だ(注:言ってません怒ってません)。世界のミフネと我らが天っちゃんの息詰まる対決は、互いに喉元に刀を突きつけた時点でおひらき。「ふふふ、さすがに腕は鈍っておらぬようだな」余裕を見せるミフネ氏に対し、こっちは精一杯っすよ、ってな息をほうっと吐く天っちゃん。まあ、製作は三船プロだからしてそれくらいのジェスチャー(?)は必要かと。

幕府の大番頭(おおばんがしら:警護の要職)を勤める軍兵衛もまた江戸の町の腐敗振りを憂えており、話を聞いて「荒療治ができるのはお前しかいない!」と剣さんを本所方を隠れ蓑にした闇の組織のリーダーに据えた。そうこなくっちゃとコワモテのまま微笑む剣さん。

本所方屋敷に戻った剣さんは、早速部下の同心ふたり・半さんこと金丸半兵衛(坂上二郎)&兵(ひょう)さんこと間兵助(藤村俊二)と、居候の伝さんこと大熊伝十郎(若林豪)に事の次第を打ち明け、仲間に誘う。「イヤなら断ったっていいんだぜ」とはいっても、上司からこんな秘密を打ち明けられたら断れないだろう普通。苦しいところを助けられた恩があるという肉体派の伝さんは二つ返事。よく効く目と鼻を貸してくれと乞われた半さんや、渋ってはいたものの火薬の知識が欲しいと乞われた兵さんも承諾。そこへ、父親が世話になった縁で剣さんの身の回りの世話をしているというお志乃さん(白都真理)も現れ、同じく仲間に。

こうしてゴレンジャー、もとい江戸の牙が結成されている一方で岸田森&内田朝雄の悪役コンビによって池波志乃さんや森次晃嗣さんが殺され市毛良枝さんが悲しみ、怒りのパワーが頂点に達した時点でハンドクラッピングと共に黒装束の4人が出動。

いきなり材木問屋連中を屋敷ごと吹き飛ばしたかと思うと、悪人の前でカッコいいタンカを切りつつバッとお経を背負った白装束を露わにし、ひたすら切りまくり殺しまくる4人。屋敷内みな殺しが基本なので、覆面も要らなくて便利。剣さんは重ね着のせいで腰のあたりがモコモコしていて、ゼンマイ仕掛けのちっちゃいお人形みたいだけれど(←ちっちゃいは余計)スピーディーかつ華麗な二刀流を披露。一人だけ淡いブルーリボンで襷がけの伝さんは、薙ぎ倒すというよりどつき倒す豪快な太刀さばき、半さんは槍を繰り出し、兵さんは火薬使ったり小太刀を投げたりとそれぞれがてきぱきと仕事を進めるので痛快だ(最後に残った岸田さんがこれまた実に魅力的に斬られてくれたので余計に)。

朝。何も知らない見習い同心たち(京本政樹ほか)が呆れるなか、本所方でだらだらと過ごす伝さん・半さん・兵さんに、橋を散歩する剣さんの甘くて渋い歌声(「ふたりづれ」)が被っておひらき。テンポの良さがクセになる作品である。

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| TVドラマ(時代劇)::江戸の牙 | 11:17 PM | comments (x) | trackback (x) |
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