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非情のライセンス 第1シリーズ #35
#35「兇悪な密の香り」(1973年・S48・11月29日OA)

「警視庁の会田というものです」
岩下圭子(水野久美)の経営するブティック・エルに現れた一人の刑事。おたくの2階を張り込みに使わせてほしい、そう言って昼夜問わず隣のビルを見張り、圭子の運ぶ食事や本庁への電話代などを律儀に机に置くストイックな男に、いつしか惹かれてゆく圭子。警視庁の独身寮に住んでいるという男の言葉に「まあ、独身なのだわ」と心をさらにときめかせる彼女だったが、冒頭からその男は天知茂ではないことに気付かされている我々視聴者は不安が募る一方だ。

特捜部屋で銃を解体していたほんまもんの会田(天知茂)の元へ、井上と名乗る地味な女性(=井上和子:丹羽たかね)が面会に訪れた。やつれ顔の婦人は彼の顔をみるなり「あなたが、本当に会田さんとおっしゃるんですか…」とショックを受けて帰っていった。まるで訳の分からない会田。ところがしばらくして、商売女に様変わりした彼女の溺死体が発見される。「結婚詐欺に遭ったんですよ」男に貢ぐだけ貢ぎ、教師を辞めてホステスになったという彼女の結婚相手が、“警視庁に勤めている会田とかいう刑事さん”だと遺族から聞かされた会田はびっくり。そしてホステス仲間は、彼女がその男を脅迫していたと語った。一課の苦情もなんのその、このホシだけは俺が挙げねばと、会田は眉間をことさら険しくする。

その頃、圭子は“会田”(=和子の口を封じたばかりの会田吾郎:和崎俊也)から、実は別居中の妻子がいることを告げられていた。生さぬ仲ゆえ慰謝料を払えば離婚できるが、高額すぎて刑事の給料では…そう苦悩する男に「そのお金、あたしが出しちゃダメ?」と持ちかけた圭子は、彼との新しい生活を夢見てマンションをも購入した。たまたま圭子のブティックの常連だったリサ(タロさんと新婚ほやほや:小牧リサ)が結婚話を聞きつけ、太郎(左とん平)が会田の祝いの席を設けたことから、話はようやく会田の耳に入る。

「警視庁の会田です。ほんもののね
本物の来訪を受けた圭子は激しく動揺したが、「人を知るってことは住所や名前を知ることじゃないわ。その人を信じられるかどうかよ!」となおも“会田”を弁護。そのとき会田は圭子の部屋で、被害者の部屋にあったのと同じタッチの肖像画を見つけた。スクラップ魔の鈴木刑事(梅津栄)のお蔭で会田吾郎の名前と実家を知った彼は、秋田の山中にある小さな村を訪れた。だが立ち寄った駐在所で吾郎が殺されたことを聞かされ、葬式にまで出くわす。

急ぎ帰京するとブティック・エルには売店舗の貼り紙、空っぽの部屋には、憔悴した圭子の姿があった。和子の仲間の金欲しさのタレこみ電話で吾郎の郷里に向かった圭子は、そこで家族団欒を満喫している彼を見てしまう。信じていたものが崩れ去ったのを感じた彼女だが、それでも「もしかしたらあの親子も騙されているのかもしれない…」と、東京で待とうとしていた。しかし翌朝、二人は偶然駅で再会。慌てて人気のない川岸に彼女を引っ張っていった吾郎は、金は返すから家族に言わないでくれ、すまなかったと怯えたように泣きじゃくった。そのみじめな姿を目の当たりにした瞬間、吾郎を突き飛ばして棒で激しく殴りかかる圭子――殺したのは、彼女だった。

――謝るあの人が憎かった。
最後の最後まで騙してくれたら…待ってたのに、信じたのに…!

両手を差し出す圭子。だが会田は動けなかった(圭子の回想シーンに被さる昭和ブルース1番&4番)

*身につまされるというかなんというか、寂しい女の自尊心と愛憎にガツンとやられた回。出稼ぎで結婚詐欺やってた吾郎(和崎さん)がそんなに憎たらしい奴に見えないせいで、余計にラストの圭子の行動がこたえる。

*溺死した和子さん、面会に来たときとまるっきり雰囲気が違うので2度ほど見るまで同じ人だと分からなかったのだが、会田よく分かったなあ。

*ともすれば会田の添え物的要素の強い特捜刑事の面々だが、鈴木さんは特技があるから素晴らしい。それに会田がピンチ、ってときには鬼のように相手に喰ってかかったりするあたりもいい感じである。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:18 PM | comments (x) | trackback (x) |
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