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大奥(1983)#32
「永遠の処女」(1983年・S58・11月8日OA)

(冒頭、#31の禁男の園の濃密シーンなどが微妙に別アングルで回想されたあと)将軍生母として権力を誇る月光院(江波杏子)と男の壮麗な野望を達成した間部(天知茂)の蹴落としを図らんとする老中一派の謀略により、月光院の右腕・絵島(神崎愛)や宮路(加茂さくら)たち十数名は芝居見物・役者との乱交の咎で大奥を追われ、絵島を真剣に愛してしまった生島新五郎(田村亮)もまた罪人となった。

ショックを受け、老中に糺しに行かんばかりの月光院だが、この見え透いた陰謀のターゲットが自分たちだと勘付いた間部は自重を促す。彼には、得意の眼力で生娘とみた絵島がそう簡単に男と情けを交わすとは思えなかった。ここで騒いでは藪をつついて蛇を出すことになる。「秘すれば花、秘さざれば花ならず。この花を知っているのは絵島ただ一人…」絵島も心配、しかし自分たちが夜ごと臥所を共にしていることがバレるのはもっと心配。不安そうに背後からぎゅうっとしがみ付いてくる月光院の手を、間部はしっかりと握り返した。

牢に繋がれ、関根(菅貫太郎)らのネチっこい拷問を受け続けた絵島は、ついに譫妄状態となり胸に秘めた新五郎への愛を口にするようになる。しかし秋元但馬守(綿引勝彦)や土屋相模守(林彰太郎)ら老中が最も知りたかった月光院&間部の逢瀬のことは一言も漏らさずじまいで、とうとう死罪を言い渡されてしまった。

ところが、二人の老中は「絵島の命を助けてやれというのに間部は聞いてくれぬ!」と間部にむずかりハンストする上様を目の当たりにし(させられ)、間部と月光院が最後の切り札を出してきたことを悟る。かくして絵島は減刑され遠投、生島も三宅島へ流されることに決まった。

別々の土地へ流されるふたりにせめて最後の逢瀬を、との懇願に渋い顔をしたままの間部に「そなたには小伝馬町の牢役人を動かすほどの力もないのか!」と詰め寄る月光院。「そなたは近頃、我が身の保身ばかり考えておる。人は頂上にのぼりつめると、失うものを惜しむばかりのいじきたないブタになるものじゃな!」明智ばりの冷静さを保っていたもののさすがにカチンときた間部は月光院の手をぐっと掴んで引き寄せたが、途端にヘナヘナとしなだれかかり、泣き落としにかかった彼女の魔性には逆らえなかったようで、便宜を図ってやるのだった(籠に幽閉されたまますれ違う絵島と生島の哀しい別れでセフィニ〜♪)

*いってみれば自分たちの代わりに絵島&生島が罰せられたわけだが、懲りるふうでもなく濃厚に密着していたコワモテ・カップルであった。

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| TVドラマ(時代劇)::大奥(1983) | 11:55 PM | comments (x) | trackback (x) |
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