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『破れ傘長庵』
『破れ傘長庵』(1963年・S38)

この映画の主人公・長蔵改めモグリ医者の長庵(勝新太郎)は、人間の持つどろどろと醜くヒネた部分を、めいっぱい泥臭く体現してくれる。

サンマを盗み食いしたネコを殺して肉を味噌汁に入れ、主人の娘を犯し、口止め料をせしめ、別の娘を騙して金だけ奪って逃げ・・・最初はデフォルメされたふてぶてしさが微笑ましくもあったが、好みの芸者を身受けする大店の主人憎さと、道端で見初めた人妻欲しさに、彼女の夫であるしがない傘張り浪人をワナに嵌める段になるとあまりの極悪ぶりに怒りがこみ上げた。

いかにも善人ぶって浪人宅に寄り、金を貸し与えたその足で、長庵は大店の主人を絞殺、財布を奪うと、浪人宅から持ち出した印籠を手に握らせるんである。番屋に連行された浪人の前で「家に寄った覚えも金を貸した覚えもない」と平然と証言し、処刑が決まり荒縄で括られ市中を引き回される浪人を見て、いかにも嬉しそうにヘラヘラと笑うんである。その浪人・藤掛道十郎役が天知茂なんである。これが怒らずにおれようか。また天っちゃんは不幸すぎる浪人役(軽く咳き込みながら傘張ってる様子なんてもう)が笑っちゃうほど似合ってるから余計にだ(←笑うのか)

ただ、悪い奴には悲惨な最期が待っていたのが救いといえば救いだった。そうでなくちゃ竹槍でグサグサ突かれて死んだ道十郎さん(*想像)が浮かばれないというものだ。

*道十郎の妻が藤村志保さん(『斬る』の薄幸カップル再びか)。支えあいながらつつましく生きていた夫婦の幸せが踏みにじられる様に涙

*ドロドロ気分(?)を助長してくれる音楽は鏑木創@美女シリーズ

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| 映画::大映with勝新太郎 | 11:38 PM | comments (x) | trackback (x) |
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