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銭形平次 #33
「冥土の便り」(1966年・S41年・12月14日OA)

午(うま)の日、越後屋の愛妻が自害した。平次(大川橋蔵)の調べでは死因に不審な点は見当たらなかったが、涙に暮れる越後屋の元へ複数の字を切り貼りした奇妙な手紙が届く。思い知ったかざまあみろ、めいどより(内容は誇張)と書かれたその手紙を届けにきたのは、眼光するどい素浪人・田波和之助(天知茂)。手紙は女に預かっただけだ、丸顔で面長の(←ありえない)、などと風貌に輪をかけて胡散臭いことを言ってのける田波を、もちろん平次は怪しい奴として完全マーク。

次の午の日。上州屋の娘が、参拝に出かけたお稲荷さんの狐石と鳥居の下敷きになり死亡。これも事故死と思われたが、平次は先の越後屋の件と関わりがあると睨んだ。またそれを見越したかのように田波が現われ、お前には命をかけて愛する者がいるか、その者が殺されたらどうする、などと深い問答をふっかけて怪しさを倍増させる。そして再び表れる切り貼り手紙。寺子屋も開いていて(だから複数の字の切り貼りも余裕で可能)どこから見ても容疑者然とした田波は、それでも悪びれる様子はない。

調べを進めた平次は、田波には江戸詰め時代に清香という名の恋仲の芸者がおり、その彼女が1年前の午の日、舟遊び中に溺死したことを知る。同舟していた3人の男が戯れに船を揺らしたせいで清香が落ちたのだと、当時の船頭は証言した。その3人のうち2人が先の越後屋、上州屋だったことまで掴んだ平次は、最後のひとり・武蔵屋に直行、愛娘の身辺の警護を強化する。

また午の日がやってきた。池に落ちた石は掬えるが、それが砂ならばどうする、お前たち(=お上)には掬えまい、とまた濃密な問答を繰り広げつつ、ちゃっかり平次を土蔵に閉じ込めて武蔵屋に向かった田波だったが、思いいれたっぷりに歩みを進めていたためか、抜け出した平次に先回りされ襲撃は未遂、投げ銭をかわして遁走する羽目に。

そしてまた次の午の日。お札参りに出かけた武蔵屋の娘を今度こそ襲った田波。越後屋の妻は心理戦で自害に追い込み、上州屋の娘は朽ちた鳥居を上手く利用し事故死に見せかけた知能犯のはずの彼、なぜか彼女にだけはストレートに辻斬りを敢行するのだが、お品さん(宮園純子)の投げ縄と平次の連続投げ銭に阻まれた。俺が(お上の)犬ならお前は化け物だ、愛する(した)者の霊を傷つけているだけじゃないか! 平次の叫びに、問答好きの田波の手がはたと止まる。「あいつ(=清香)は喜ばないというのか…」虚ろな目で背を向けた田波は腹に刀を突き刺し、愛しい女の名を口にしながら川へ飛び込むのだった…。

*平次VS田波の濃厚なやりとりが続く脚本は、天っちゃん御用達の宮川一郎氏。不必要に(いやファンにとっては必要だが)アップが多いカメラワークも嬉しい。

*復讐に燃える男というよりは、愛する女の死霊に憑りつかれたかのような、どこか精神的な危うささえ漂わせる男・田波。伊右衛門@四谷怪談といい、同時期(66年11月公開)の愛染@無頼剣といい、ステロタイプではない悪を演じさせると絶品だなと思う。

*「冥土」とつくと死亡するわけだな<#339「冥土の土産」参照(#284「白い粉」は死んでないので)

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| TVドラマ(時代劇)::銭形平次 | 12:29 AM | comments (x) | trackback (x) |
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