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非情のライセンス 第1シリーズ #5
#5「兇悪の華」(1973年・S48・5月3日OA)

タレ込み情報を元に、小学校から給料600万を奪って逃げた三上(河合絃司)を追う橘警部(渡辺文雄)。三上を尾けてマンションの一室に消える彼、直後の銃声。駆け付けた一課の部下たちは、撃たれて床に横たわる三上を見た。だが600万入りの紙包みが消えている。「こいつが…隠した…」瀕死の三上が指さした人物は、なんと橘だった――。

正当防衛は認められたものの、600万が忽然と消え失せたまま1週間が過ぎ、内外の疑いの目は橘に集中する。捜査から外れろとばかりに一課長・斎藤(岡田英次)から休暇を勧められ、失意の内に帰宅すると家の中は荒らされ放題の上「金返してもらいてぇんだよ!」と男の声で脅迫電話が。肝臓を患い入院中の妻・洋子(谷口香)のもとへ慌てて駆け付けると、今度は女の声で地獄へ引きずり込んでやると穏やかならざる電話が掛かってきた。

捜査権を一課から引き継いだ特捜部は橘をマーク。政治家(=民由党幹事長)の娘である妻を一部屋2万円の病室に入れて朝晩足繁く見舞う彼の様子を見て疑いを濃くし、その苦境を嘲笑う者が多数の中、警視庁の忠実な番犬が飼い主の手を噛むわけはない、腐っても鯛、猫に小判だ、と会田(天知茂)だけはあくまで静観の構えを見せていた。

そんな折、橘の元へ“三上の娘を預かった、600万用意しろ”との電話が入った。同じ頃、三上の幼い娘・典子(細川美恵)の担任教師・辻京子(森秋子)から典子失踪の届けを受けていた会田たちも合流し、取引場所に現れた吉村(佐藤京一)らを逮捕、典子を無事保護した。しかし、事件当初のタレこみ電話が女性からだという事実が気になる会田は橘の過去を調べ、かつて公安にいた彼と関係のあったある女性を割り出した。

その人物とは、典子の担任の京子だった。彼女を訪ねた会田は、三上殺害の現場に落ちていた妙な葉っぱ(=あすなろの葉)が小学校に生えているのを認めた。学生時代の話が聞きたい、そう持ちかけた会田に観念したように過去を語り始める京子。学生運動の女闘士だった10年前に橘と出会って愛したのも束の間、実は彼は同志を逮捕するための公安サイドのアンダーカバーであることが発覚、仲間からはリンチを受け、橘には妊娠を告げられぬまま去られてしまった恨みから、事件は始まっていた。京子は死んだ三上の娘で、典子は彼女自身が産んだ、橘の子供だったのである。

橘への復讐のためだけに生きてきたという京子、そして娘の為に命を賭して偽証した三上。開き直る彼女に会田は、典子や教え子たちの為にも、いい加減許してやったらどうかと諭す。「あんた、子供たちが怖くなるときはないかね。俺はあの穢れを知らない澄んだ眼に立ち竦むことがあるよ。あんたも子供たちをこれ以上、裏切ることはやめるんだな……」その言葉に折れた京子は、当日に三上から預かった600万が入ったロッカーの鍵を会田に託した。

俺が頼まれたのは金を取り戻すことだけで、犯人逮捕は頼まれていない、と京子をそのままにした会田。後日、本庁で大きな紙包みを抱えた橘とすれ違った際、京子逮捕の知らせを聞く。「それから、子供は俺が引き取った」きっぱりと口にした橘に「立派なことだ」と真面目に返した会田は、夕陽の特捜部屋で物想いに耽るのだった。

――遠い昔を忘れて生きている奴、引きずって生きている奴、愛して憎んで消えていく奴。どっちにしても、不幸なことだ……。
(控え目なイントロで昭和ブルース初登場の1番。うまくまとめたと思ったらその後電話が鳴り、「了解!」と銃を手に取り部屋を出る会田でエンド)

*橘さん受難の回。不利な状況に陥りながらも悪を憎む心は消えていない班長さん、「明かりの下で育った虫は、世の中に夜もあるってことを知らねえんだ」とか言いながら彼の潔白を内心信じて冷静に事件を追う会田の、無言での視線の応酬が渋い。

*橘さんの奥さんが登場するのはこの回のみ。妻役の谷口香さんは第2シリーズで3話ほど出演している( #38「男のうたは兇悪」、 #69「兇悪の妻の座」、 #102「自供」)。

*後に太郎さん(左とん平)と結婚するリサさん(小牧リサ)、記者として初登場。どうやら会田とはそこそこ長い付き合いらしく、マンションに酒提げて押しかけて来るような仲だった。

*「あすはひのきになろうって、努力してる木ですわ」あすなろの木の前で呟く京子先生に身も蓋もないセリフを返す会田:「無駄な努力だな」

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:51 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #4
#4「兇悪のサファイア」(1973年・S48・4月26日OA)

冷たい色を放つサファイアを指に、暖炉で何かをひたすら燃やす女。
7年前、新妻の自分を置いて蒸発した夫が遺した物なのか。
自分は何を待っているのか、と自問し続けた月日。
ようやくピリオドを打とうというまさにそのとき、突然、彼女の目の前に――。

町内の防犯会長を自任する竜巻太郎(左とん平)は、クリーニング店の常連・カヤマさん(小笠原弘)がチンピラ(畠山麦)に財布を掏られる現場を双眼鏡で目撃、追い掛けた拍子に美女(江波杏子)にぶつかり取り逃がす。数日後、カヤマさん宅へ服を届けに行くと、件のスリが血を流して倒れていてびっくり仰天、ちょうど血の滴るようなステーキを「キャリオカ」でぱくつきかけていた会田(天知茂)に助けを求めた。

チンピラ・安の死体の側に落ちていたのはブローニング32口径。それは7年前、代議士と暴力団の癒着に絡んだ組長殺しに使われた銃だった。安のボス・田丸(上野山功一)をツツキに行った会田は、安が議員会館の場所を知りたがっていた事実を聞く。7年前、追及を逃れた篠崎代議士(内田朝雄)に関係のある事件なのか――。カヤマさんは実は「香川さん」だったのでは、との太郎の言葉で、篠崎と繋がりのあった開発公団の役人・香川良一の名前が浮上する。彼は7年前に忽然と姿を消していた。もしや香川が、2つの事件の実行犯では……? 彼の妻、冬子に面会を申し込んだ会田は、彼女が「キャリオカ」でよく見かけるサファイアの美女と知り驚いた。

香川は生きているのではないか、と探りを入れる会田に「もうあの人は喋れない。死んでしまっているんですもの」と繰り返す冬子。彼女は失踪宣告を裁判所へ提出し、夫の死を合法化しようとしていた。篠崎いびりのために矢部(山村聡)から貰った猶予は1週間。香川の所在は掴めないまま約束の期間が過ぎたが、会田は薄々察していた。本当は気の弱い男がまっさきに行くのは女房のところ――つまり、香川は冬子を訪ねたはずだと。そして再び会った冬子の指からはサファイアの指輪が消えており、推理は確信に変わる。
「あのサファイアだけははめていてほしかった。喪章の意味としてね……」

香川の葬儀に篠崎の姿はなく、結局事件はうやむやのまま。だが会田はあえて真相を追及しようとはしなかった。空のはずの骨箱を抱く冬子の眼に、涙が浮かぶ――(昭和ブルース3番をバックにすれ違う二人)

*冬子がのこのこ帰って来たダンナを殺したんだと思うが、そのシーンを一切出さず、映像や会話のニュアンスで迫る演出が憎い。

*ダンナ役は新東宝の同期、小笠原さん。セリフ回しが新東宝の頃そのまんま(=あんまり上手くない)なのが少々トホホだが、気弱な感じを効果的に醸し出していた、ともいえる。『潜水艦ろ号未だ浮上せず』で主役級を演じていた彼の傍らでクレジットもなく虫を喰っていた天っちゃんの後の努力をここは大いに称えておこう。

*血の滴るほどレアなステーキが好物、という原作の設定を踏襲、いつも嬉しそうにステーキにナイフを入れている会田だが、実際にぱくついているシーンはまだ見ていないような…実はレアなのが嫌いか天っちゃん?

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:58 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #3
#3「兇悪な夜の匂い」(1973年・S48・4月19日OA)

夜の赤坂を兇悪な目つきで彷徨う会田(天知茂)は挙動不審な若い男を尋問。後ろめたさと会田怖さ(推定)で猛ダッシュして逃げた男を殴りつけて問い詰めようとした矢先、どこからかオリエンタルな紋章入りナイフが飛んできて左腕にずぶりとヒット、その隙に逃げられてしまった。

出血したまま志津(村松英子)の店(「キャリオカ」)で一杯ひっかけて帰宅した会田に、心配した志津ママから電話がかかる。「小さいことは見て見ぬふりしなくちゃ、身体がいくつあっても足りゃしないわよ」しかし、彼にはそう出来ない理由があった。戦後間もなく、進駐軍に暴行された姉の苦境を見て見ぬふりした大人たち(警官含む)と同じにはなりたくない――肘から手首に至るまで深く刻まれた当時の傷痕を前に、彼の瞳は昏く燃え上がるのだった。

外人相手の売春組織を勝手に追っている会田に矢部警視(山村聡)はあきれ顔だが、ある日、車に襲われていた姑娘(クーニャン)を助けた会田は、彼女が組織から逃亡した売春婦ではないかと睨み、英語が堪能(にはあまり見えないがそういう設定)な外事課出の四方刑事(葉山良二)に事情聴取を頼む。

街で再び冒頭の男に出くわして追いかけたところ、ある商事会社に逃げ込み雲隠れした。そこは会田や志津と少なからぬ因縁のある前科者の松尾(今井健二)の会社。松尾は知らぬ存ぜぬを貫くが、会田の眼は床に落ちていた真珠のピアスを目ざとく発見。時を同じくして舞い込んだのが、胴体のない女の死体が出たという知らせだった。一課の佐久間刑事(美川陽一郎)に邪魔者扱いされつつ遺体を調べると、彼女の片耳には件のピアスが光っていた。

四方の協力のおかげで、会田が助けた女性・明香(ミーシャン:本田みちこ)と被害者は共に香港からの出稼ぎ売春婦であることが判明した。そんな折、松尾が昔の女である志津の居場所を突き止め、彼女に暴行を働いたと知って静かにキレた会田は松尾の事務所を急襲、冒頭の男を見つけると問答無用で松尾をしょっぴき、橘(渡辺文雄)の制止を振り切って、松尾と明香を囮に香港側のボス・黄樹英(南原宏治)に接触。多少ピンチに陥りかけるも、銃撃戦で松尾とボスが死亡、部長が寄こしてくれた援軍(=橘さん)が来る前に、明香の仲間たちを無事に保護することができた。

病院の前で会田の姿を認め、嬉しそうに駆け寄る志津。だが彼は松尾の死を知らせ、俺が殺したようなものだ、と背中を向けるのだった(後ろからついてゆく志津さんのバックに昭和ブルース4番)

*兇悪な会田の過去、初登場。30年ほど経ってるのに兇悪に生々しい傷痕が印象的だった(が、徐々になかったことになる模様)。

*四方が会田に「さん」付けするのはまだしも、矢部さんが「会田くん」で、橘さんまで呼び捨てじゃなくて「会田刑事!」と呼んでるあたりが初期だなあ、と思う。しかも会田、班長さんに「他に方法がありますか!」なんて敬語使ってるから驚きである。

*しかしそんな堅苦しい関係とはいえ、会田の行動原理をちゃんと把握して、内緒で一課に掛けあって援軍を要請してやる部長に愛を感じた。

*公私ともにエリートだからか、四方よりも橘さんの方が英語がうまかった。

*時代を感じさせる会田の断言「眉毛を剃っていて手足にマニキュア、耳にイヤリングの穴…水商売ですね

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 12:02 AM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #1
#1「兇悪の門」(1973年・S48・4月5日OA)

昭和47年12月、西井刑務所のむさくるしい8人部屋にひとりの男が収監された。会田健35歳(天知茂)、暴行傷害で懲役4か月。さっそく新入りいびりを仕掛けてきた笹崎(田中浩)をあっさりシメた彼、所内で見つけたシケモクを回し吸いしていた直後に、図ったように現れた看守の前で罪を独りで被って40日間の懲罰房送りになったことから、同部屋メンバーに完全に一目置かれる存在に。

そんな会田が刑期を終えようかという時期、古株の一人、浜井(仲谷昇)が声をかけてきた。ある女に電話を掛けてくれ、と彼が告げた番号こそ、会田が最も欲していたものだった。警視庁特捜部に属する彼は、覚せい剤のバイヤー・浜井から製造工場の在り処についての情報を探り出す任務を帯びて刑務所に潜入していたのである。

出所の日。「振り返るな。振り返るとまたここへ入ってくるようなことになる」との看守の言葉を「俺はなんでも振り返るのが癖でね」と流して平気で門を振り返った会田はすぐに上司の矢部警視(山村聡)に連絡を入れた。ねぎらいの言葉ひとつなく「そうか」のひとことで済ませた部長に、赤の他人(=事情を唯一知っていた看守部長:名古屋章)でも御苦労さまと言ってくれたのにぃ…!とムクれた彼は、腹いせ(?)に一課の橘(渡辺文雄)に「俺がいないから、その間警視庁の空気が別にきれいだったってわけでもないでしょ」と絡んでみたり、実弾入り拳銃を部長に向けてみたりしながらも、言われた通り女の居場所へ向かう。

白い門構えのこじゃれたマンションには、真山由比(加賀まりこ)がいた。伝言の駄賃に1千万を要求した会田を鼻であしらった彼女だが、ジャンキーであることを暴かれ、責めに屈して工場の所在地を吐く。連行しろとの矢部の言葉に逆らい、ヤクを打って一時的に生気を取り戻した由比を「君が助かるかどうかは、君自身の問題だ」と見逃してやる会田。それを知ってか知らずか、部長も深追いはしなかった。

――刑務所の門はいつかは出られる。
しかし、あの女にとって、あの門は――。


しばし由比の行く末を案じながら、河村志津(村松英子)のレストランで久々の血の滴るようなステーキにナイフを入れる会田であった(昭和ブルース初お披露目は、意外なことに4番

*原作(「兇悪の門」)通りの展開ながら、第3シリーズ最終話を考えると、「ああ〜、そんなことするからだよ!」といろいろツッコミたくなること必定な第1話。結局、「門」を甘く見ちゃいかんってことだ。

*同部屋仲間に財津一郎さんの姿も。変な運動してる得体のしれない人だった。しかし顔つきだけみてると兇悪犯ばっかりの部屋で怖かったなあ。

*第1シリーズの特捜メンバー(吉田刑事=多々良純、鈴木刑事=梅津栄、岩田刑事=岩城力也、四方刑事=葉山良二、坂井刑事=宮口二朗)勢揃い。セリフは岩田さんしか無かったが、それぞれがマイペースに仕事していて面白い。

*ちなみに会田が特捜に来たのは、「組織暴力壊滅頂上作戦」とやらでヤーさん連中20名を死傷させ(うち15名を射殺)、過剰防衛の疑いでクビになりそうになって矢部さんに拾われたのがきっかけらしい。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 12:04 AM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #2
#2「兇悪の迷路」(1973年・S48・4月12日OA)

「これからの日本は暗く大きな迷路の時代になる」との持論でのし上って来た経済評論家・鳴海克平(河津清三郎)のお抱え運転手兼ボディガードに駆り出され、いつも以上に煙草がすすむ会田(天知茂)。だが鳴海の秘書・浦田千鶴(野際陽子)と親密になり、前日に晩御飯を作ってもらったお礼に行きつけの銀座のキャリオカ(=河村志津:村松英子の店)に誘った夜、鳴海がマンションの自室で睡眠薬&ガス自殺を図ったという知らせを受けた。

鳴海は30年前の日銀ダイヤ事件――戦時中に徴収されたダイヤの大半が金庫から消えてしまった事件――のカギを握るネタを入手しており、取引相手との交渉がこじれたために特捜部に身辺警護を依頼してきた人物である。ダイヤ事件の関係者はこれまで10数人、いずれも不可解な死を遂げており、今回も鳴海が自ら命を絶ったとは到底信じられない会田だったが、現場には遺書があり、千鶴もそれが鳴海の自筆と認めた。

会田は、鳴海と最後に会った千鶴のマークを決意。しかし尾行を撒いた彼女は再三、連絡が欲しい、という謎めいた電話を会田宛に掛けてくる。自分の動きを探るためだとは思いたくない――。しかし、彼女の以前の勤め先の貴金属商社長・井村が海外で不審な動きをみせている事実を調べた会田は、千鶴が井村の指示で鳴海を殺害したとの確信を抱く。

海外の井村と電話を交わしていた人物を追ってホテルに向かった会田は、そこでようやく千鶴と再会した。明日海外に行くの、と嬉しそうな彼女に、会田は自分の推理をぶつける。悪い奴が悪いことをする、それは当り前だ。しかし君のような人が殺人を犯すなどと…これが本当の意味の現代の迷路だ、と心情を吐露した会田は、いつか必ず証拠をそろえて手錠をはめにゆく、と宣言。「待ってるわ、そのときを」犯行を否定するわけでなく、千鶴は囁いた。

翌日、帰国する井村を待ち構えるため空港へ詰める会田の目の前に、ターミナルへ急ぐ千鶴の姿が。だが彼女は突然、背後から近づいた男に撃たれる。急ぎ男を追って撃ち倒した会田が戻ったときには、千鶴は血文字を残して息絶えていた。

血文字が示したものは、日銀前の銀行の貸金庫のナンバー。それは井村のもので、中には消えた60万カラットのダイヤが眠っていた。これで井村と仲間たちを押さえられる!会田が不敵な笑みを浮かべた矢先、井村の乗った飛行機が消息を絶った、とのニュースが舞い込むのだった。

――暗い迷路を通り抜けさえすれば、その先にはきっと青い海があるわ。
青い海を夢みながら散った千鶴。しかし世の中はまだ暗い迷路に覆われていた(昭和ブルースはこれまた意外なことに3番

*「ローンウルフ」(1967年)「さすらい」(1969年)で一緒だった野際さんとの息の合った共演。因縁のフォルクスワーゲンを「よければ使って下さい、お気に召さなければ売って、毎日キャリオカへいらして下さい」と千鶴さんから託された会田、次週からこれに乗ってる気配がないので、キャリオカのステーキ代に消えたのだろうか?

*竜巻ランドリーの太郎さん(左とん平)、妹の順子(テレサ野田)と共に初登場。晩御飯を作ってくれる千鶴さんを家に呼ぶため、「アレ貸してくれないか、アレ!」とテーブルクロスを借りる会田が可笑しい。

*会田の家の食器棚も初登場。意外に普通で庶民的。「和」文字入りの湯飲みもなんだか庶民的。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 12:03 AM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #6
#6「兇悪の目」(1973年・S48・5月10日OA)

海岸縁を走る男(小池朝雄)。追う会田(天知茂)。
響きわたる銃声。会田の肩口が赤く染まる。
「貴様たちに何が分かる!」
拳銃を手にした男の目には、歪んだ光景が広がっている。
戦車の下敷きになる妻。自分を捕らえ拷問しようと迫る秘密警察。
「畜生、殺してやる…!」
「やめろ!」
再び銃を向けられ、咄嗟に撃ち返す会田。
男の身体は大きくのけぞって――。

男の名前は沢井公平(名前は当て字)。報道カメラマンとしてベトナム戦争の悲惨さを目の当たりにし、自らも負傷して帰国してみると、妻は交通事故死、幼い娘は骨髄性白血病に侵され余命いくばくもなかった。度重なる不幸と戦争の後遺症で狂い始めていた沢井は、戦争犯罪人たちを告発しようとある計画を練る。まずは戦争成金の神崎(竜崎一郎)を脅し、奪った金を新宿のビルの屋上からばら撒く。そして民衆にその札はベトナム戦争の犠牲者のものだと知らせ、糾弾しようと。

しかし奪った金は新聞の束に替わっていた。せっかくの計画が頓挫したことで憤った沢井は、その元凶の刑事(=会田、だけじゃなくて現場には坂井や鈴木さんもいたんだが彼の目にはコワモテのトレンチ男しか目に入っていない)に憎悪を募らせる。

神崎社長と、彼を護衛していた特捜部の北村刑事(内田勝正)の車が崖から転落、運転手ともども命を失った。続いて同じくベトナム特需の社長の射殺体が発見された。狂気を増長させた沢井は、第3の男(=ナパーム弾製造会社社長)を葬るため、会田と親しい竜巻クリーニングの太郎(左とん平)の妹・順子(テレサ野田)を人質に取ると、病床の娘を連れて白浜へと赴く。

順子の機転で社長の別荘へ駆け付けた会田は沢井に対峙した。
――こいつは途方もない責任を、たった一人で背負い込んでしまったようだ……
狂人と化した沢井。しかし、戦争で人の命を弄び私腹を肥やした本当の狂人たちは、ぬくぬくと生を貪っているのだ。

(そして冒頭のシーンへ)
逡巡する会田に対し、狂気の度合を強める沢井。
そして、会田の銃弾で沢井は事切れた。
死期の迫った幼い娘が必死に父を呼ぶ声に胸を引き裂かれながら、会田はその場を後にした。
『あれは…あの戦争はいったい何だったのか!』
(沢井の叫びを噛みしめ、夕陽を見つめる会田で昭和ブルース1番)

*戦争に直接関わった者たち、そして何もしなかった者たちの責任を問いかける重いテーマに、小池さんの暴走演技が拍車をかけるシリアスな展開。ラストで会田のライターまで調子悪くなってしまうくらいの後味の悪さだ(ほんとか)。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:48 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #40
#40「兇悪の望郷」(1974年・S49・1月3日OA)

暴力団・真中組への融資を検討する金融会社の調査員・金山三郎になりすまして組を内偵中の会田(チェック柄のトレンチ着用:天知茂)。組長(加藤嘉)の下には、武闘派の上野(山岡徹也)らと対立する経済面担当のやり手・戸塚(今井健二)がいて一触即発状態。“金山さん”こと会田はそこを上手く突き、内部分裂を図ろうというのだ。

一方、戸塚の部下・須藤(倉岡伸太朗)を探して街に来た松井(帽子とベージュのトレンチがきまっている正義と真実の使徒:片岡千恵蔵)とひょんなことから知り合いになった会田は、お互いに身分は明かさぬまま、タダモノではない気配を感じ取り牽制しあう。松井は刑事だった須藤の元上司。当時から戸塚の言いなりだった須藤のせいで部下2名が殉職、さらに彼に騙された愛娘の洋子(大川栄子)が自殺に追いやられていた。そんな理由があるため、しばらく須藤には手を出さないでほしい、と言われても大人しく引き下がる松井ではない。

洋子と瓜二つのホステス・秋子(大川栄子:二役)が須藤と繋がっていることを突き止めた松井は、須藤が彼女のアパートに押しかけた現場を取り押さえる。だがそこに、須藤をつけていた会田が現われた。任務のため真中組との取引を円滑に進めねばならない会田は須藤を逃がし、松井に銃を向ける。抵抗しなかった彼に安堵し背を向けた会田をふいに呼び止める松井。殺気を感じ振り向いた際の咄嗟の構えから会田を同業だと見抜いた松井は、あんまり無茶はするなよと余裕のコメントを送るのだった。

会田の切り崩し作戦が功を奏し、戸塚と組長サイドの対立は決定的に。襲ってきた上野らを射殺し逃走しようとする戸塚の前に、会田、そして、彼を尾行して本当の宿敵の居場所を知った松井が姿を見せる。いくら撃っても弾が当たらない(のは多羅尾伴内からのお約束の)せいか、お前の娘を利用したのはオレだ、ざまあみろと、半ばヤケになりペラペラと喋りまくって彼を挑発する戸塚だったが、会田の放った銃弾で転落死。それは、復讐のためとはいえ松井に罪を犯させまいとした会田の温情だった。

須藤と縁を切って故郷へ帰る秋子に娘の形見をことづけ、自らはあてのない旅に出発する松井(トラックで)を、会田はあたたかく見送った(昭和ブルースは4番)

*既に舞台では何度も共演している千恵蔵御大と天っちゃん。髪型も似ている(それは言うな)。それにしても、センパイ役者さんとの絡みになるときまって舎弟キャラが顔を出すというか、表情がどこか和むのが興味深い(もちろん、銃を構えてハッと向き直ったときの真剣そのものの顔もこれまたカッコいいのだが)

*事件後、千恵蔵御大と静かに飲んでいる最中に、クリーニング屋の太郎さん(左とん平)が登場。御大を見て「どこかで見たことあるんだよなあ・・・あっ、多羅尾伴内だ!」と叫ぶタロさんにぺしっと裏拳でツッコむ会田、ナイスタイミング。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 12:06 AM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #39
#39「兇悪のライフル」(1973年・S48・12月27日OA)

射撃クラブにて。県警で1、2を争うライフルマン・三上(神太郎)の指導をしていた会田(ピンクと黒の縞々ネッカチーフで1、2を争うお洒落さん:天知茂)は、隣にやってきた青年・戸崎(松橋登)の天才肌の腕前に目を見張った。戸崎は貧しい工員で、長期月賦で手に入れたライフルを愛でるのが唯一の楽しみ。馴染みの銃器店で戸崎に再会、彼が殺生を嫌う純粋な青年と知った会田は、売り切れた弾を貸す名目で自宅マンションに誘い、一人暮らしは寂しいもんだよ、メシ食ってかないか、こう見えてもメシ作るのうまいんだ等々、オタク仲間を得た嬉しさいっぱいに応対する。しかし、いつになくフレンドリーで饒舌な会田にドン引きした、というよりも「どんな理由から銃を? 恋人は?」と(彼にとって)痛いことを聞かれた戸崎は早々に立ち去った。

ところが戸崎が下宿に帰ると、愛しいライフルが部屋から消えていた。同じ下宿にいるチンピラの岩佐(島田茂)が銃を盗み、質屋に押し入ったのだ。現場近くにあった銃から戸崎の名前が浮上し、彼は三上のいる署に連行された。射撃クラブでの一件で、一介の工員が刑事の自分よりも凄腕なこと、おまけにセンパイ・会田の関心が自分より戸崎に向けられたことに激しく嫉妬していた三上は、ここぞとばかりに戸崎を責め立て自白を強要。三上から泥だらけになった愛銃を目の前に突きつけられショックを受けた戸崎は、事件を聞いて駆けつけた会田にも心を閉ざし、岩佐への復讐を誓って留置所から脱走してしまう。

逃亡の際ライフルを取り戻した戸崎は、あろうことか会田のマンションに忍び込んで実弾を持ち出した。なぜ奴が貴方のマンションを知っているんですかあ!と再びジェラシーの炎を燃え上がらせた三上に詰られる会田だったが、マンションに呼ばれたらしい銃器店の主人(小松方正)が会田に味方。同郷の彼女を銃の暴発で失った戸崎が、憎しみを越えていかにあのライフルを愛するようになったのかを語るのだった。

岩佐を見つけた戸崎は、ガスタンクの上から彼を狙撃しようとする。しかし間一髪で警官隊が岩佐を保護、三上と戸崎はそれぞれライフルを構えて睨み合った。お互いの指が引き金に掛かった時、「待ってくれ!」と会田が登場、強風が吹きすさぶ円筒形のガスタンク屋上へと登っていく。「来るなー! それ以上来ないでくれ会田さん!(髪が、髪がぁ〜!)」叫ぶ戸崎(&我々視聴者の心の声)をものともせずに屋上にたどり着いた会田の熱い説得によって、戸崎は空に向かって発砲した後、屋上からライフルを落とし、会田にすがって泣き崩れた――(昭和ブルースは1番)。

*クライマックスの会田、なにやら非常に良いことを語りかけているようなのだが、何度見ても目が頭部に釘付けになってしまう。実に危険なシチュエーションだ。ちなみに結構高いところなので、さりげなくではあるが手すりをずっと持ったままの天っちゃん、内心怖がってそうだった。

*会田の自宅の机には、特捜部の壁に掛かっているのと同じモジリアーニのポストカードサイズの絵が飾られていた。よほど好きらしい。

*「氷柱の美女」「大時計の美女」でもアブノーマルな魅力をふりまいていた松橋さん(「砂の惑星」や「ヒドゥン」など、TP以前のK・マクラクランの吹替も印象的)。ライフルをなでなでするあやうい様が板についていた。会田を見て「刑事さん? 僕は銀行の方かと」と言うあたりも一味違う。あんなコワモテの銀行員はいやだろう、っていうか銃器店のおやじさんも「でしょう、会田さんを見て刑事の印象が変わりましたよ」とか言ってたし。それを聞いて「人は見かけによらないってことかな」とまんざらでもない会田、どう見ても見かけ通りにしか見えんと思うのだが。

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非情のライセンス 第1シリーズ #31
#31「兇悪の報酬」(1973年・S48・11月1日OA)

雨の夜、病院に担ぎ込まれる手負いの人物。会田(天知茂)である。左脇腹あたりを撃たれたらしいが、「俺は平気だ、村越は・・・?」と呟く気力はある(でも寝癖チックな髪の乱れ具合は尋常ではない)彼に心配そうに寄り添う同僚の鈴木刑事(梅津栄←絵的にかなり濃い)。で、その村越(浜田晃)とやらは「しっかりして、ムラ〜!」と恋人・牧子(光川環世)の必死の声に付き添われながら会田の直後に収容された。

ふたりは別々の手術室に運ばれたが、ジャンキーの村越には麻酔が効かず、苦しみ抜いて事切れた。半狂乱になり、会田が消えた第二手術室を睨みつける牧子。「殺してやるわ、会田を・・・!」 彼女の大事なムラは会田に撃たれたのだ。ヤクの売人である村越を救うために会田に協力を請われていたにも関わらず、土壇場で踏み切れなかったのは牧子の方なのだが(そして逃走の際に村越が先に会田を撃ったのだが)、完全にキレた彼女は吉田刑事(多々良純)の拳銃を奪って第二手術室に乱入、ジワジワと苦しみながら死ぬがいい!などと物騒に叫んで患者の麻酔管をぶっちぎった・・・!

・・・もっとも、ここで我々視聴者は「さっき会田を手術していた担当医が若返っている」、「看護婦や医者が何か言いたげだ」という事実に気づくのだが、思いつめた牧子、焦ってる吉田刑事、そして会田が撃たれたとの知らせを聞いて病院に急行、すわセンパイ(=師匠)の一大事と手術室に飛び込んでしまった無鉄砲な坂井刑事(宮口二朗)ら周りが見えなくなってる人たちは、その患者が会田だとしばらく信じ込んで攻防を繰り広げる。

後から来たオトナの四方刑事(葉山良二)が真相(=患者は会田とは別人)を知り、院長と偽って手術室へ入った頃にはようやく間違いに気づいた牧子だったが、5分以内に会田を連れて来い、さもなくば皆殺しよっ!とさらに過激な要求を突きつける。だがこの頃になると、牧子の身体に異常が見られるようになっていた。実は彼女も麻薬に侵されていたのだ。

一方、手術を無事終えて別室にいたスリーピング・ビューティー会田は、竜巻クリーニング夫妻(左とん平&小牧リサ)や院長が見守る中、ようやく麻酔から覚めた。目覚めるなり「とんでもないことになってるんすよ!」とタロさんや院長にデリカシーの欠片もなく事の次第を聞かされた会田、当然ながら「おめおめここで寝ているわけにはいかん・・・!」と無理やり起き上がって手術室へ向かうことに。(しかし『あんたのせいで無実の患者の命が』みたいな言い方をしておいて「どうしようというんですか、まだ傷口が」も何もないだろう院長。ここで牧子の言葉(5分以内に云々)を壁越しに聞いていたにも関わらず何も言わなかった(しかも会田が起きてきたとき、一瞬彼を引き止めた)鈴木刑事の株が急上昇。)

そして一触即発だった手術室に、勝負服(=背広)に身をかためた会田が現われた。
「俺を待っていたらしいな」
入るなり患者や部屋の者を「俺に任せろ!」と下がらせ、牧子と対峙する。

殺す? 俺をか。君にそれができるのか! 救いを求めている君に・・・!
これ(ヤク)が本当に君の救いなのか。
甘えるな! 自分を救えるのは自分しかいない。
こいつは、君の心を、身体を、そして本当の姿を、蝕んだだけだ。
その鏡を見るがいい。
それが君だ。その顔のどこに君の顔がある。人間らしさがある!

(中略)
こんなもの(ヤク)がなくても人は生きていける。愛していける。
舞台に立ったことのある君ならわかるはずだ、
自分を偽って生きることのつらさを・・・!

等々、傷のせいでさらに抑制の効いた低音ボイスで麻薬撲滅キャンペーンをひとしきり繰り広げたあと「これはここに置いていく。君の好きにするがいい」とモルヒネのアンプルを残して部屋を出る会田。やはり傷口が開いたらしく扉の側でヨレヨレになりつつも、飛び込もうとする四方刑事を制して彼女に時間を与える。しばらくして牧子は半狂乱で部屋から出てきた。「元の身体にして・・・!昔のあたしにして・・・!」モルヒネを打たなかった彼女に、会田は安堵するのだった。

ラストは更正施設で中毒症状と闘う牧子を無言で励ます会田でエンドマーク(昭和ブルースは1番)。

*他の番組と違って、オープニング(クレジット部分)からエンディングまでぎっしり中身が詰まってる両切りタバコみたいな「非情のライセンス」。今回は特にそれが濃厚で目が離せない。特捜の面々がそれぞれ活躍しているのは珍しかったが(個人的には矢部警視にも出てきてほしいところだったが)、残り10分の会田ワンマンショーが全てを超越してしまうあたりが凄かった。さすがだ! (脱いだら色白モチ肌なのになあ←それは関係ない)

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非情のライセンス 第1シリーズ #52(終)
#52 「兇悪」 (1974年・S49・3月28日OA)

ご好意により「非ライ」各シリーズ毎の最終話+αを戴いた。1話も見ていない(覚えていない)のにいきなり最終回。贅沢きわまりない鑑賞方法だ。

1台の車を探すために廃車置場をハシゴしているトレンチコート(襟立て)の会田刑事(天知茂)。老若男女問わずトレンチコートを着ている人になぜだかときめいてしまう者には最初から大変キケンな出で立ちである・・・ってもしや彼が原体験かそうなのか?>自分
最初から苦虫を踏み潰したような面相だが、馴染みのクリーニング屋主人・太郎さん(左とん平)にちょっぴり愚痴りつつ、車のナンバーを教えて協力を乞うあたり、顔の割にはフレンドリー。なぜ俺ひとりで車探しなんですかと特捜部長・矢部警視(山村聡)にもぶーたれている人間臭さも意外(←ものすごく非情な男を想像していたらしい)

太郎さんのお手柄で、問題の車に乗る金回りの良い男を確保。男いわく、盗んだ車で白タクをしていた際、後部座席に置いてあった封筒に興味を示し、高値で引取ってくれた人物がいたのだという。その人物・会社ゴロの小山を訪ねた会田は、封筒の中身がとある大会社の存亡を握る重要書類であることを知る。

そんな折、拘置場にいた車泥棒が些細な喧嘩で殺され、書類をタテに社長を強請ろうとしていた小山も事務所で不可解な首吊り死体で発見された。そして会田は、矢部警視から突然の捜査打ち切りを言い渡される。車探しだけでお払い箱、では当然納得がいかない会田は矢部の制止を振り切り単独で捜査を続行するのだが、そのことで大会社の裏にいる黒幕の不興を買い、刺客に狙われる羽目に。たまたま会田のシャツを届けにきた太郎さんが、マンションに潜んだヒットマン達に間違われて蜂の巣にされてしまった。

自分の身代わりになった太郎さんの死に呆然とする会田(呆然とするのはいいけど目くらい閉じてあげてほしかった←とん平さん、死に顔リアルすぎ)。しかし完全に頭にきたらしく、太郎さんがひしと握り締めていたシャツを身につけ、髪を振り乱して雑魚をボコボコにし、株主総会に乗り込んで社長に手錠をかけた。だが、名前を聞き出した黒幕こそは、首相さえもアゴで使える、国家全体の黒幕といっていい大物だった。

矢部警視に辞表を渡し、会田は拳銃を手に黒幕の家へと向かう。しかしそこで彼が見たのは、霊柩車に乗せられる棺。なんと彼は老衰でこの世を去ったのだ。やり場のない怒りを棺にぶつけた(=棺に銃をぶっぱなした)会田は、昭和ブルース(フルバージョン)をバックに海岸でひとり涙を流すのだった・・・。(完)

*はじめてきちんと見た会田刑事。台詞や行動がハードボイルドしていて、天っちゃんキャラの中では体温が高そうだった。で、ボーダー柄のシャツや水玉タイ以上に気になるのが髪型なわけだが、くるりんと額に落ちているひと房とか、雑魚をタコ殴りして黒電話のコードを首に巻きつけて脅していたとき(←いろんな意味で非情というより過剰のライセンス)の乱れっぷりから察すると、散髪行ってないだけよね、ポマード少な目だからよね、と思っていたくもなる・・・けども、耐久性の良いものかもしれな・・・(以下自粛)

*会田さんが単独捜査に乗り出したシーン。部屋にかたまって在りし日(死んでませんが)の彼をそれぞれ回想しているこのやさぐれた面相の集団は誰なんじゃい、と思ったら特捜部の同僚だったと知って少なからず驚いた。物騒なメンツだ。

*そう、その回想シーンで出てくる会田さんの髪型は70年代前半のヤクザ映画な感じなのだ。52話のどのへんからああなるのか知りた・・・(もう止せ)

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