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非情のライセンス 第1シリーズ #39
#39「兇悪のライフル」(1973年・S48・12月27日OA)

射撃クラブにて。県警で1、2を争うライフルマン・三上(神太郎)の指導をしていた会田(ピンクと黒の縞々ネッカチーフで1、2を争うお洒落さん:天知茂)は、隣にやってきた青年・戸崎(松橋登)の天才肌の腕前に目を見張った。戸崎は貧しい工員で、長期月賦で手に入れたライフルを愛でるのが唯一の楽しみ。馴染みの銃器店で戸崎に再会、彼が殺生を嫌う純粋な青年と知った会田は、売り切れた弾を貸す名目で自宅マンションに誘い、一人暮らしは寂しいもんだよ、メシ食ってかないか、こう見えてもメシ作るのうまいんだ等々、オタク仲間を得た嬉しさいっぱいに応対する。しかし、いつになくフレンドリーで饒舌な会田にドン引きした、というよりも「どんな理由から銃を? 恋人は?」と(彼にとって)痛いことを聞かれた戸崎は早々に立ち去った。

ところが戸崎が下宿に帰ると、愛しいライフルが部屋から消えていた。同じ下宿にいるチンピラの岩佐(島田茂)が銃を盗み、質屋に押し入ったのだ。現場近くにあった銃から戸崎の名前が浮上し、彼は三上のいる署に連行された。射撃クラブでの一件で、一介の工員が刑事の自分よりも凄腕なこと、おまけにセンパイ・会田の関心が自分より戸崎に向けられたことに激しく嫉妬していた三上は、ここぞとばかりに戸崎を責め立て自白を強要。三上から泥だらけになった愛銃を目の前に突きつけられショックを受けた戸崎は、事件を聞いて駆けつけた会田にも心を閉ざし、岩佐への復讐を誓って留置所から脱走してしまう。

逃亡の際ライフルを取り戻した戸崎は、あろうことか会田のマンションに忍び込んで実弾を持ち出した。なぜ奴が貴方のマンションを知っているんですかあ!と再びジェラシーの炎を燃え上がらせた三上に詰られる会田だったが、マンションに呼ばれたらしい銃器店の主人(小松方正)が会田に味方。同郷の彼女を銃の暴発で失った戸崎が、憎しみを越えていかにあのライフルを愛するようになったのかを語るのだった。

岩佐を見つけた戸崎は、ガスタンクの上から彼を狙撃しようとする。しかし間一髪で警官隊が岩佐を保護、三上と戸崎はそれぞれライフルを構えて睨み合った。お互いの指が引き金に掛かった時、「待ってくれ!」と会田が登場、強風が吹きすさぶ円筒形のガスタンク屋上へと登っていく。「来るなー! それ以上来ないでくれ会田さん!(髪が、髪がぁ〜!)」叫ぶ戸崎(&我々視聴者の心の声)をものともせずに屋上にたどり着いた会田の熱い説得によって、戸崎は空に向かって発砲した後、屋上からライフルを落とし、会田にすがって泣き崩れた――(昭和ブルースは1番)。

*クライマックスの会田、なにやら非常に良いことを語りかけているようなのだが、何度見ても目が頭部に釘付けになってしまう。実に危険なシチュエーションだ。ちなみに結構高いところなので、さりげなくではあるが手すりをずっと持ったままの天っちゃん、内心怖がってそうだった。

*会田の自宅の机には、特捜部の壁に掛かっているのと同じモジリアーニのポストカードサイズの絵が飾られていた。よほど好きらしい。

*「氷柱の美女」「大時計の美女」でもアブノーマルな魅力をふりまいていた松橋さん(「砂の惑星」や「ヒドゥン」など、TP以前のK・マクラクランの吹替も印象的)。ライフルをなでなでするあやうい様が板についていた。会田を見て「刑事さん? 僕は銀行の方かと」と言うあたりも一味違う。あんなコワモテの銀行員はいやだろう、っていうか銃器店のおやじさんも「でしょう、会田さんを見て刑事の印象が変わりましたよ」とか言ってたし。それを聞いて「人は見かけによらないってことかな」とまんざらでもない会田、どう見ても見かけ通りにしか見えんと思うのだが。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 12:07 AM | comments (x) | trackback (x) |
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