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夏の怪談シリーズ 真夜中の鬼女
真夜中の鬼女(1984年・S59・8月16日OA)

ある夜、一つ家に宿を求めた能面師の七三郎(漢字は当て字・天知茂)は、独り住まいの美しい女性(三ツ矢歌子)とまだタイトルも出ないうちから速攻で理(わり)ない仲になり、渋るのを説き伏せて彼女の能面を彫る。十日ほど経ってようやく完成した時、長居しやがって!(嘘)と鬼に様変わりした女に襲われ、思わずノミで刺し殺してしまったのだが、なぜか彫った小面は恐ろしい形相の般若面に変わっていた。

それから100年後の江戸。雨宿りの際、骨董屋に置かれていた件の般若面に一目ぼれして即ゲットした呉服問屋の白木屋主人が、面を被るなり苦しみ出して死亡。寡婦となったおまつ(三ツ矢歌子・二役)も般若面の毒気に当てられ、遺言で跡取りに定められた実子ではない姉娘のおそで(三原順子)を疎んじ始め、妹娘のおしの(石野真子)や使用人の卯之吉(目黒祐樹)を心配させるのだった。

卯之吉は、本来ならば骨董屋で般若面を買うはずだったが白いさっぱりした着物を汚したくなかったのか出遅れた会津藩お抱え能役者・斎藤宗山(そうざん・天知二役)に相談、面を引き取ってもらおうとするのだが、おまつは拒絶。夜な夜な面をかぶって心臓の悪いおそでを脅かす様子を、おそでに袖にされ出世が途絶えた番頭の平七(西沢利明)が企み顔で盗み見ていた。

七三郎の子孫である宗山は卯之吉と一計を案じ、白木屋の使用人たちを外出させて夜を迎えた。般若面を被り、おそでの寝所へ向かうおまつ。だがそこにいたのはおしのだった。面が取れなくなり狂乱するおまつだが、宗山が「私は七三郎だ」と語りかけ、供養を誓うと、般若面は元の小面となり地面に落ちたのだった(あとはめでたしめでたし)。

*新東宝コンビの仲良し共演。昔から天っちゃんは三ツ矢さんにとってはロクな男ではなかったが、今回も災難だったといえる。鬼を殺すんだもんなあ。それでもって鬼を説教しちゃうんだもんなあ。ダメだよなあ(どっちの味方だ)

*能役者なんだから舞ってくれるのか、と期待したものの、肩書だけでそれらしいことは全くしなかった宗山さんがちと残念。子孫も能面師で良かったんじゃないのか?(能面は少しだけ彫っていた)

*白木屋跡目争いのキーパーソン、番頭の平七の立場が今一つ生かされてなくて、ラストもあんな「へっ、まあいいや」ってな顔で生き残ってていいのか疑問だった。

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江戸巷談 花の日本橋
#3、#4「晴れ姿 幡随院長兵衛」(1971・S46・10月19日、26日OA)CX 22:00-22:56

(10月19日朝日新聞)
【長兵衛を憎む吉兵衛】
口入れ屋伊勢屋の長兵衛(鶴田浩二)は、近頃売り出し中の男伊達だ。長兵衛をねたむ男たちもいつしか人柄にひかれて子分になった。唐犬権兵衛(芦屋雁之助)放れ駒四郎兵衛(汐路章)もそんな男たちだ。
だが、バクチ打ち法華の吉兵衛(天津敏)だけは執念深く長兵衛を憎んだ。彼は、幕府の処遇に不満を持つ旗本連中を後ろダテに長兵衛と対抗しようとした。
吉兵衛に恩義を受けた極楽十三(伊吹吾郎)は、そんな彼のやり方に反発を感じながら義理に生きる――。
(大阪版)
【祝言の夜に果たし状】
義理と人情と男だて。任侠の雄、幡随院長兵衛を鶴田浩二が演じる。二回。
口入れ屋・伊勢屋の長兵衛は、いま売り出し中。女たちが放っておかないから、ねたむ男が出るのは当然。しかし、彼の腕っぷしと人柄にひかれ、男らはいつしか彼の子分に。唐犬権兵衛(芦屋雁之助)や放れ駒四郎兵衛(汐路章)もそんな男たちだ。だが、ばくちうち法華の吉兵衛(天津敏)だけは執念深く長兵衛を恨み、乱暴ろうぜきの旗本を、長兵衛が指揮する工事現場へ乱入させる。一触即発の危機。長兵衛と旗本の頭目・水野十郎左衛門(天知茂)が出会ったのはその時。互いに通い合うものを感じつつ、その場をおさめる…。
やがて、長兵衛は先代の娘おとき(光本幸子)と祝言。その夜、吉兵衛の子分ながら長兵衛に心を寄せる極楽十三(伊吹吾郎)が祝いの品と一通の書状。言うに及ばず、それは、吉兵衛からの果たし状。
写真キャプション:幡随院長兵衛(鶴田浩二)と水野十郎左衛門(天知茂)の男と男の出会い(写真はこれ:東映太秦映画村にて)

(10月26日大阪版)
今日お目に… 鶴田浩二さん
口入れ屋・幡随院長兵衛を演じています。長兵衛といえば、最後には、ふろ場で殺されるということぐらいしか知らなかったんですが、台本を読んで、なぁーるほど、これは任侠道の元祖ではないかと手を打ちまして、じっくり意地と度胸の男だてに取り組みました。
どういう回りあわせか、わたしはあえない最期をとげる役が多いんですよ。実際、わたしも一度は海軍で死を覚悟した身。長兵衛と水野十郎左衛門との男の友情や、義侠心にはホロッときちまって、われながら情けねぇ古いやつなんだなァ、とアイソをつかしてるしだいです。
*私も鶴田さん同様、風呂場で長兵衛を殺す人(要するに悪いヤツ)=水野十郎左衛門という認識しかなかったが、そんな男と男の友情話(しかも相手は鶴田さん!)が花咲いているとは知らなかった。

#17「怪盗 腕くらべ」 #18「女泥棒の恋」(1972・S47・1月25日、2月1日OA)

(1月25日大阪版)
【身投げ男救ったが…】
義賊お坊吉三(天知茂)の活躍に江戸町民は大かっさい。小悪党の七之助(左とん平)が「オレも…」と意気込んでいる折りも折り、身投げ寸前の男の姿。「命をむだにするんじゃねぇ」と請合って、七之助は悪商人・駿河屋(天草四郎)の店へ。そこには、すでに吉三が押し入っていた。吉三の危機を救い、分け前の五十両を手にした七之助は、それをそっくり身投げ男に与えて、いい気分。だが、おかげで、駿河屋の番頭は娘おみよ(宇津宮雅代)を残して自殺。例の身投げ男は、駿河屋の刻印入りの五十両を持っていたために御用…。続編は、次回に放送。七之助の相棒お滝には、加賀まりこ。
写真キャプション:おみよ(宇津宮雅代)は目の前の男(天知茂)が父を自殺に追いやったお坊吉三とは知らない。

*天知-宇津宮コンビ、なんだか「無宿侍」を思い出すような感じである(前後逆だけど)

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阿部一族
阿部一族(1961年・S36・12月21日OA)
【殉死をめぐる悲劇】
ドラマ「阿部一族」(日本テレビ後8:00)
殿の遺言を守って殉死しなかったばかりに、阿部弥一右衛門は家中の非難に耐えきれず割腹してはてた。だがおかみの阿部家に対する処置は、殉死者一同の恩恵にくらべれば冷たいものだった。長男権兵衛は、先代の法要の席でついに髪を切り落としてしまう。
一度は穏便に済まそうとした兄弟たちだったが、その望みも絶たなければならなくなった。権兵衛がしばり首に処せられたのだった。
これは人の命が朝露よりもはかなく、殉死ということを名誉として、だれひとりあやしまなかった時代のかなしくもみじめな物語である。
(原作)森鴎外、(脚色)大和久守正、(音楽)牧野由多可、(演出)津田昭。
【出演】
阿部弥一右衛門(市川小太夫)、権兵衛(河野秋武)、弥五兵衛(北村和夫)、市太夫(天知茂)、五太夫(和田孝)、七之丞(長谷川明男)、おさわ(原泉)、お浪(槇フサ子)、弥五兵衛の妻(折原啓子)、用人左兵衛(山田巳之助)、中間進三(舟橋元)、竹内数馬(板東蓑助)ほか。
(以上、読売新聞より引用)

*阿部家の三男の役。ラストは槍持って立ちまわったのだろうか?

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光秀叛逆
光秀叛逆(1961年・S36・1月20日OA)

(読売新聞より引用)
【悲劇の人 明智光秀】内面的苦悩をえがく
テレビ劇場(日本テレビ後10:00)「光秀叛逆」。武田勝頼の大軍を破って意気あがる信長は、その余勢をかって中国出陣を諸将に命じた。そしてみずからはわずかの供回りをつれて本能寺に宿陣した。これを待っていたように、坂本城の明智光秀は兵を進めて突如本能寺を襲った。織田信長の配下にあってあらゆる罵倒に耐え、ひたすら隠忍していた明智光秀が、反逆を決意して信長を討つまでの内面的苦悩を描き、悲劇の人明智光秀を新たな面でとらえた加藤武雄の「叛逆」をテレビ・ドラマ化したもの。

織田信長が軽装のまま、小姓近習をともなって本能寺に宿陣したというしらせが報ぜられた時、光秀は心を決めた。天下ほしさに血迷ったのではない。明智光秀積年の志、天下に道を行うために悪逆外道の信長を討つまでなのだ。主殺しの汚名は後世までも消えぬかもしれぬ。だが戦禍にあえぐ民百姓の辛苦を救うことができるなら汚名をうけもしよう。

しかい大義名分のためにたったはずの光秀の顔に刻まれる苦悩の影はおおうべくもなかった…。

【作】加藤武雄「叛逆」より 【演出】萩原敏雄
【出演】
明智光秀(原保美)、織田信長(天知茂)、斎藤内蔵助(桑山正一)、明智弥平治(綾川香)、光秀の妻小牧(東恵美子)、森蘭丸(江見俊太郎)ほか


(毎日新聞夕刊より引用)
【信長にむほんの矢を放つ苦悩】
加藤武雄作「叛逆」のテレビ・ドラマ化。織田信長の下にあった明智光秀が、反逆を決意して信長を討つに至った苦悩を描く。――甲州に出陣、武田勝頼を打ち破った織田信長は、その余勢をかって諸将に中国出陣を命じた。明智光秀も坂本城にあってこの命を受けたが、羽柴筑前に力を合わせよという信長の命に光秀の腹心たちは怒った。明智家は美濃源氏の流れをくむ土岐家の嫡流、足利についで将軍職に上がるべき筋目、それが足軽上がりの羽柴のもとにつかねばならぬとは…。

【出演】
明智光秀=原保美、織田信長=天知茂、斎藤内蔵助=桑山正一、明智弥平治=綾川香、光秀の妻小牧=東恵美子ほか。


*テレビでの初主役級作品第一号。本能寺で矢をおっことしながらも(でも生放送なので拾えなかったのだとか←ワイズ出版の薫兄さんのインタビューより)悪逆外道ぶりを発揮していたのかもしれない。そもそも蘭丸が江見さんってだけで凶悪だ(伊右衛門&直助!…っていうか、蘭丸の方が年上ってどうなんだろうか)

*原作を読んだところ、この信長は寂しげな目つきが印象的な孤独を漂わせてる人で、そんな自分を理解してくれそうな光秀にかまって欲しくてついヤンチャしてしまう、という人物像に描かれていて、なんとなくキャスティング理由が納得できた。しかも蘭丸は光秀の娘を狙ってたのに嫁にくれなくて嫉妬、あることないこと信長に吹き込んだ、とかいういかにも江見さんで想像できそうな記述もあって面白い。

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これが真実だ #56
「鼠小僧」(1961年・S36・2月21日)CX 22:00-22:30
【一世の怪盗 「鼠小僧」】 天知茂が主演
これが真実だ(フジ後10:00)「鼠小僧」。天保三年八月の処刑の日、町奉行が江戸市中引きまわしの際、世間の人気を考慮して顔に異例の薄化粧をほどこし衣装も特別のものを用いたといわれる一世の怪盗の姿を浮き彫りにする。
芝居小屋の木戸番の子どもに生まれ、貧しく育った次郎吉が両親に勘当されて家出し、無宿者になってぬすみを働くようになったのは彼が二十九歳の時だった。

【作・構成】長田午狂 【語り手】高橋博

【配役】
鼠小僧次郎吉(天知茂)、もよ(矢代京子)、榊原主計頭(永島明)、松平宮内少輔(浮田左武郎)、岩助(市川子団次)、細川越中守(清水元)、酒井神楽頭(笠間雪雄)、上杉弾正大弼(夏川大二郎)、戸田采女正(飯田覚三)、松平家の中老関山(日高ゆりえ)。
(以上、読売新聞より引用)

*再現ドラマ風なのか何なのかよくわからないが、ドラマ「主演」はこれが初めてかも?(「光秀反逆」の主演はどう考えても信長じゃなくて光秀だろうし。)薄化粧+特別衣装で引き回し、というのは見てみたい。

*実は#59「血闘鍵屋の辻」にも出ているがこちらは詳細なし。名前が出てる丹波さんが荒木又衛門なのか?また使い走りなのか?

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壬申の乱
東芝日曜劇場 #255 「壬申の乱」(1961年・S36・10月15日OA)TBS 21:15-22:15
【国造りの苦しみ】
第15回大阪府芸術祭参加、第2回モンテカルロ国際テレビフェスティバル参加作品として、依田義賢原作、松下煌演出のドラマ「壬申の乱」が15日9時半から東京テレビ系で放送される。制作は朝日放送テレビ。
――大化の改新をなしとげた天智天皇は、弟の大海人皇子の恋人・額田王を奪い、これがきっかけで大海人皇子と仲たがい。天智天皇が亡くなったあと、皇位は天皇の実子・大友皇子にゆずられることになり、ここに皇位をかけての内乱となる。
ドラマは、この内乱を舞台に、大海人皇子と額田王の悲恋、2人の間に生まれて大友皇子の妃となる十市皇女の苦悩などを織り交ぜて描く。「奈良のすばらしい文化を生み出した古代国家は、私たちの想像をこえた生みの苦しみがあった。そのへんがこのドラマで表現できたら…」と制作者はいっている。
出演は、十市皇女に青年座の新人長内美那子、天智天皇が久松保夫、大海人皇子に垂水吾郎、額田王に鳳八千代、大友皇子には天知茂。語り手は三島雅夫。ほかに永井智雄、松本克平らが加わる。
スタジオにはドラマの舞台となる近江宮を再現。とくに戦いのシーンから近江宮炎上まで、テレビ・カメラを縦横に使って、とスタッフははりきっている。
なお、このドラマが参加するモンテカルロ国際テレビフェスティバルは、グレース王妃で知られるモナコのモンテカルロで、去年から始められたもの。朝日放送テレビではその第1回から参加し、ドラマ部門で脚本賞と演出賞を獲得している。
(以上、朝日新聞縮刷版より引用)

*壬申の乱の敗者である大友皇子をどう演じたのか、やはり「なーむ君」みたいな髪型だったんだろうか、賞はとれたんだろうか等々、いろいろ気になる作品だ(…そんなはりきった作品なら映像を残しておいて欲しかった!)

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怪談シリーズ #1
「四谷怪談」(1972年・S47・7月21日OA)

浪人だがこざっぱりした色男・民谷伊右衛門(天知茂)は、友人の秋山長兵衛(戸浦六宏)の勧めで伊藤家のお梅(吉岡ゆり)と対面する。食事も喉を通らぬほど伊右衛門に恋い焦がれているお梅のために、乳母のお槇(高森和子)が長兵衛と図ったのだ。

按摩の宅悦(殿山泰司)の口添えで雇った小者の小平(北町嘉朗)は民谷家伝来の印籠をちょろまかすわ、男の子を産んだ妻のお岩(円山理映子)は産後の肥立ちが悪いわ赤ん坊は泣きわめくわ、おまけに借金取りの茂助(鮎川浩)は金を催促しに来るわで、伊右衛門の不快指数は上昇の一途。と、そこへ現れたお槇が金を用立ててくれたばかりか、お岩に伊藤家伝来の秘薬まで持ってきてくれた。この“秘薬”がまさか物騒なシロモノだとは全く知らない伊右衛門は丁寧に礼を述べ、お岩も「伊藤様のお宅へお礼に行ってねアナタ」と夫を快く送り出す。

ところが長兵衛と共に伊藤宅に向かうと、お梅の父・喜兵衛(見明凡太朗)が「どうか娘を貰ってはくれまいか」と切り出すではないか。願ってもない話とはいえ、妻子ある身故さすがにそれは…と固辞する伊右衛門だったが、さっきのあの薬は奥方の容貌を変えちゃう毒だから、これを機に追い出してしまえと唆されたうえ、お梅が失恋ショックで自害しかけたこともあって、自分と長兵衛の仕官を条件に、つい承諾してしまう。

帰宅すると、お岩の顔は無残に崩れ始めていた。一瞬驚いたものの、すぐに冷酷な表情になり「金が要る」とお岩の着物をくるくる剥ぎ、蚊帳と一緒に質屋へ持って行く伊右衛門。そしてその後入ってきた宅悦に事の真相を知らされてお岩は逆上、柱に刺さった刀ではずみで喉を切ってしまい、「恨めしや伊右衛門どの〜」と呪詛を吐いて事切れた。まもなく帰ってきた伊右衛門は、お岩の死にびっくりするが、これ幸いとばかりに、(納戸へ縛っておいた)小平を斬り捨て、不義密通の事実をでっち上げて戸板にくくりつけるのだった。

そして祝言の夜、お岩&小平の活躍(?)で伊藤家の面々は伊右衛門の手に掛かり皆殺し。赤ん坊の声が耳について離れない伊右衛門は悪夢に苛まれ、浄念(明石潮)の寺に駆け込んだ。浄念は、宅悦が連れて逃げた伊右衛門の子が寺にいることを告げ、子供に会いたいという彼の願いを却下、お前はもう死んだのだ、かくなるうえは頭を丸めて菩提を弔えと、庭の真ん中にどーんと置いてある「俗名 民谷伊右衛門」と記された墓を指さす。

だが、そんな都合の良い展開は許さないわよッ!と再び現れたお岩の亡霊を追い払っている内に、役人を引き連れた長兵衛が寺にやってくる。狂乱の内に長兵衛と相討ちになり、自分の墓の前で伊右衛門は絶命した。「お岩…許せ…」と呟きながら。

*脚本は宮川一郎さん、監督は山田達雄さん(新東宝な方々)。「伊右衛門は薬の中身を知らなかった」「致死性の毒ではなかったが、お岩さんは自分で死んだ」など、鶴屋南北の原作に沿ったつくりになっているのだが、中川信夫監督のあの傑作と比べてしまうと少々物足りなさを感じてしまった。伊右衛門がどっしり構えすぎていて(←いろんな意味でどっしり)、お岩さんへの罪の意識などが希薄だったように思う。ただ、崩れ顔のお岩さんを初めて見るシーン、あっと驚いた後にだんだんクールな三白眼になっていく表情の変化は、色悪の面目躍如といった感じで絶品。

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根獅子のきりしたん
東芝日曜劇場「根獅子(ねしこ)のきりしたん」(1961年・S36年 8月6日OA)TBS 21:30-22:30

出演:安井昌二、藤間紫、朝丘雪路、天知茂、早川雪夫

(朝日新聞縮刷版よりあらすじ引用)

『天草の乱で敗れた信徒の一人、漁師の喜作は宣教師ロレンソを救って故郷の平戸島へ小舟で脱出した。気を失った喜作が意識を回復したとき、胸をはだけた女の姿があった。喜作と顔なじみのお春だった。喜作が故郷の根獅子の浜に打ち上げられたのを体温であたためて回復させたのだ。4人の男女をめぐり恋に身を焼く姿を描く。』

*早川さん(雪洲Jr.)がロレンソ役らしいがあとは不明。おそらく喜作=安井さんだろうなと思うが、“4人の男女”に天っちゃんが入っているかどうかは微妙なところだ。

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長谷川伸シリーズ #11
「三ツ角段平」(1972年・S47・12月13日OA)

隈の半左親分(石山健二郎)の右腕代貸・三ツ角の段平(天知茂)は顔良し・腕良し・器量良しのくだけた男(のっけから笹の葉くわえてナマ足全開で舟こいでたり、縁日の喧嘩を丸く収めたりのくだけっぷりを披露)。彼がいるおかげで半左のライバル・鷹の茂十親分(天津敏)も迂闊に隈一家に喧嘩をふっかけられないでいた。しかし、半左親分が年甲斐もなく若い芸者の花吉(野川由美子)と所帯を持ちたいとゴネ出したことから、思わぬ亀裂が生じる。

親分のたっての頼みで花吉を身請けに行った段平に、おかみのお百(木暮実千代)は弱り顔。花吉には心に決めた相手がいて、先にあった茂十親分の誘いも断っているのだという。なさぬ仲の鷹一家には渡すまじと余計に勢い込む段平の前にその茂十が現われ、花吉は譲ってやる、ただし必ず半左の嫁にしろ、出来なかったら俺の言うことをなんでも聞けよとの奇妙な条件を提示した。無論そのつもりだと胸を張って承諾する段平だったが、実は花吉の想い人とは他でもない段平自身(だが本人はまるっきり無自覚)。それを知った茂十が、半左と段平の仲をこじれさせようと一芝居打ったのだった。

段平が半左との婚姻を勧めていると知ってショックを受けた花吉は、半左親分の執拗かつ強引な責めに逢い、とうとう想い人の名前を打ち明けてしまう。半左は嫉妬に燃え、何も知らない(知らなさすぎの)段平をウソの理由で数日間遠ざけてその間に花吉を手篭めにしてしまおうと画策。旅立つ直前にお百と茂十から真相を聞かされた段平だが、親分大事の彼は涙目の花吉を前にしながら何も言えずにその場を去る。

そして数日後、戻ってきた段平に、半左親分は「花吉はお前にくれてやる」と言って彼女の亡骸を指差した。花吉はほぼ片思いの段平への愛のために頑として半左を拒み続け、折檻の途中で死んでしまったのだ。これにはさすがの段平も堪忍袋の緒が切れたらしく、半左との親子の盃を割り、冷たくなった花吉をお姫様抱っこして家路に着いた。これで諍いが起こせると嬉々として手下を引き連れ迫ってきた茂十親分&手下たちを難なくやっつけ、隈一家に手を出すなとクギを刺した段平は、死化粧して横たわる花吉と祝言をあげ、いずこともなく去っていくのだった…。

*渡世人としては優等生だが女心に疎すぎる段平をいなせに好演。でも必要以上に型にはまりすぎているというか、見ていてどこかしらもどかしい不自然さも。1930年代に高田浩吉さん、はたまた片岡千恵蔵御大の主演で映画化されているので触手が動いたのかもしれないが、あまり似あう役柄ではないような気がする(でも本人は楽しそうだったからまあいいか)。

*脚本は宮川一郎さん。原作の結末を変えたのは、天っちゃんのキャラを生かしたかったが故なのだろうか(おかげで「正直者には福がある」的な話がとことん報われなくなっていたが)

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日本怪談劇場 #13
「日本怪談劇場 怪談・雪女」(1970年・S45・9月26日OA)

有名な雪女の伝説を、脚本:宮川一郎さん、監督:土居通芳さん、主演:天っちゃんの新東宝トリオで描いた作品。

巳之吉(天知茂)は独り者の木こり。一昨年母を亡くし、父は彼が子供の頃、渡し守の小屋で共に一夜を明かした際にナゾの凍死を遂げていた。

ある日、巳之吉は雪の中に倒れ伏している女・おゆき(村松英子)を助けた。身よりがなく、京に行くつもりだったというおゆきは、介抱の礼にと巳之吉の身の回りの世話をするうちに居ついてしまい、余所者を嫌う周囲の反対を乗り越えて、やがて彼らは夫婦になる。

10年後。一子・定吉を授かり幸せに暮らしていた巳之吉夫婦だが、雪が深くなる度、また巳之吉が父親の死因について誰かに語ろうとする度に、おゆきは突然ひとが変わったようになるのだった。巳之吉は、まるで年をとらず美しい彼女が自分や息子を置いて京へ行きたいのではないかと不審を抱く(かくいう自分だって10年経ってもそんなに年取ってないのだが、それはともかく)。そしてその不審を助長するような出来事が度々起こり、それがきっかけとなって、父親が凍死した時の状況を思い出した巳之吉は、おゆきこそが父を殺した雪女だと確信、周囲に告げてしまう・・・。

天っちゃんに気のいい(弱い)木こりなんてかなり無理めのキャラだと思っていたら、天井からナタがぐさっと落ちてきたり、食料に毒ダンゴが混じってたりの既成観念を打ち破るサスペンスな展開。「俺を殺してまで京に行きたいのか・・・!」と疑心暗鬼の塊になる巳之さんはどうかすると雪女より顔が怖くなっており、ラストも、約束を破ったせいで殺しに来たおゆきさん=雪女に、自分から「さあ俺を連れて行ってくれ!」と積極的にアプローチしていたあたりがなんだかとても天っちゃん的で、その熱意にほだされた(溶けた?)おゆきさんが消滅してしまうのも一理あるなあと感心した(脚本の宮川さんのお蔭か)。

セットも子役も学芸会レベルだが、そんな中でも大真面目に苦悩して演じきっている天っちゃんと、クール・ビューティーな村松さんに脱帽。

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