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モンテンルパの夜は更けて
『モンテンルパの夜は更けて』(1952年・S27)

終戦から7年後、戦犯死刑囚としていまだ異国に収容されたままの夫・河井正一(小笠原弘)を正一の実家で待つ美津子(香川京子)。夫婦生活を送る暇もなかったにも関わらず、河井家の嫁として頑固な舅・幸三(東野英治郎)や兄夫婦(上原謙・北林谷栄)に献身的に仕えざるを得ない毎日に、美津子は複雑な思いを抱いてゆく…(が、舅に襲われたり、義理の兄と良い仲になり兄嫁に殺されかけたりする話ではない)。

同名曲はまったく関係ないらしい(BGMでかかっていたかどうか…?、な程度)この映画、スターレット1期生の小笠原さんが主演級で目立っているのだが、そこにノークレジットでうろちょろしているのが同期の天っちゃんだ。この映画の2年後でも、まだ同じような立場だったのだから(『潜水艦ろ号未だ浮上せず』)、下積みの長さにウルッとくる。

【うろちょろ・その1】
正一のナレーションと共に映る、絞首台に消える戦犯死刑囚3人目。

【うろちょろ・その2】
上原謙と雨宿り。静かに考えに耽る謙兄さんの脇で、頑張るあまり雨に対するリアクション激しすぎ。(これとかこれとか)

【うろちょろ・その3】
戦地で死んでいった人々として、画面アップで登場。なんかいろいろ頑張ってます。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=596 |
| 映画::新東宝 | 10:38 PM | comments (x) | trackback (x) |
胎動期 私たちは天使じゃない
『胎動期 私たちは天使じゃない』(1961年・S36)

(2007.2.21:台本を入手)

看護学校の寮生たちの青春群像物語(どことなく『女の園』を思い出した)で、白衣の天使の卵たちが旧態依然とした体制に反抗する様が描かれているようだ。そんなピチピチしたメンバーに混じって30歳の天知茂が演じる若い医師はどこに出てくるのかというと、作業中にばったり倒れたヒロインのひとりを病室で診療、注射を打ちながら「過労だろう、すぐ良くなる」と軽く言うやいなや、心配で見に来た女の子の集団の間を大股で歩き去って行く、というシーンのみに名前があった。この顔見せ程度の出演は、この当時(新東宝解散寸前)からすればネームバリューのためだと思っていいのだろうか。

*キャスト欄にないものの、若い講師というのが「性」について薀蓄を語るシーンがあるのだが・・・これも若い医師の担当だとしたらちょっと見てみたい。

*不良のレッテルを貼られた看護婦(辞めさせられた後、派手な服で乗り込んできて婦長を張り倒したりする)を熱演しているらしい三原葉子ねえさん、こちらはかなり見てみたい。

(2014.3.9:本編鑑賞)

役どころは、性の薀蓄を講義している「若い講師」のほうだった(診療にくる「若い医師」は、眼鏡など似せてあったが別の人の模様)。

『笑っちゃいけない。君たち自身も、セックスから生まれ、そしてセックスを持っている。これは、厳粛な事実だ。』

若い女の子たちのクスクス笑いにちょっと照れたような口調で語る天知センセイ、真面目さが出ていて好感度高し。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=77 |
| 映画::新東宝 | 11:09 PM | comments (x) | trackback (x) |
もぐら横丁
『もぐら横丁』(1953年・S28)

貧乏作家の緒方(佐野周二)と彼を支える大らかな愛妻・芳枝(島崎雪子)は、今まで住んでいた下宿を追われ、お産に乗じて産院に半年ほど居ついていたものの、風当たりがきつくなってきたところに文士仲間の伴克雄(和田孝)が「うちの長屋にきませんか」と有難い助け舟を出してくれた。二人はもぐら横丁の住人になり、周囲との交流を深めてゆく中で、緒方は芥川賞を受賞するのだった。

天知茂のデビュー作として名前が挙がるこの作品で、彼は初めて「光田文雄」という役名付きで出演している。登場するのは緒方夫妻がもぐら横丁に引っ越してきた時(映画開始40分頃)。伴を訪ねてきた緒方に「伴くん、留守ですけど」と応対する詰襟君がそうだ。留守の伴に代わり、大家に無断で部屋を開けてやる親切青年ぶりを披露するのだが、
「僕、中……裏から回って中開けますから」とちょっと焦ったセリフ回しが初々しい(というより、こんなところで噛んでるせいで再びセリフなしの役がしばらく続いたのではないかと邪推したくもなる)。

夫婦にお茶を出してる内に伴くん帰宅、どうやら大家に話を通していなかったせいで空き部屋が借りられず、困った伴くんが同居人の光田青年に一言「お前引っ越せよ」。かくして主人公夫婦の代りに画面から消えてしまう可哀想な光田青年なのであった(後は夜の宴会時に後ろ姿が少し映る程度)。

*フレンドリースマイルの光田青年はこちら(ちと猫背)。

*奥様(森悠子)も出ているようなのだが気づかずじまいだった。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=586 |
| 映画::新東宝 | 12:15 AM | comments (x) | trackback (x) |
少女妻 恐るべき十六才
『少女妻 恐るべき十六才』(1960年・S35)

校庭で戯れるセーラー服少女たちが帰った先は盛り場のクラブ。彼女たちの正体は、あてがわれた“亭主”を部屋に残し、マネージャーの指令で夜の街へと散っていくそのスジの商売女だ。その中の一人、ユキ(星輝美)は、組に内緒で客から小遣いをせしめたりしてしたたかに生きている。

しかし、ある日取った客は、カツアゲ要員の並木五郎(鳴門洋二)を軽くあしらう大物だった。通称「殺し屋」、飛んでる鳥の心臓をぶちぬける男・三宅(天知茂)は組が呼んだ新しい用心棒で、近頃流れてきた一匹狼の夜の女・銀子(小畠絹子)とも昔馴染み。神戸にいた頃「ハジキのブラック」に捨てられ、夜の女に身を落とした銀子の元を、三宅の計らいで当のブラック・黒木(宇津井健)が訊ねてくるが、かたぎのボート屋の親爺になったという黒木の今更の援助の手を払いのけてしまう銀子だった。

ユキと五郎はなんだかんだと意気投合し、次第に愛を深めてゆくが、組の掟はそれを許さない。やがて“亭主”が交換され、ユキはマネージャー・井崎(御木本伸介)の女になることが決定、二人は表だって話すことも禁じられてしまう。悩む若い二人にかつての自分を重ねた銀子は、黒木の元へ二人を逃がす。しかし後をつけていた三宅が井崎に報告したせいで居所がバレ、銀子は井崎に射殺された。

河口湖にいる黒木に拳銃を突きつけ、二人を渡せと脅す井崎。だが、三宅の銃弾が井崎を倒した。借りは返したぜ、と言う三宅にほんわかしかける黒木たちだが、多方面に過剰に義理堅い男は、金を貰った以上は、とよせばいいのに黒木に決闘を申し込む。かくして、悔しいが予想通りに地面に倒れる三宅。笑顔で「やっちまったよ」と自首しに向かう爽やか黒木を見守る若い二人でエンド。

*冒頭こそ、恐るべき少女妻たちの実態に驚いたものだが、だんだん若くない人たちの出番が多くなって、結局最後は何が主題だったのかと遠い目をしたくなる作品である。いや、登場シーンから文字通り骨が浮き出るほどスマートな、スターオーラも眩しい(王道の負けっぷりも微笑ましい)天っちゃんが観られたから良いのだが。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=585 |
| 映画::新東宝 | 12:14 AM | comments (x) | trackback (x) |
新日本珍道中 西日本の巻
『新日本珍道中 西日本の巻』(1958年・S33)

創立十周年を迎えた新東洋タイムスでは、4人の社員を表日本チームと裏日本チームに分け、美女を探しながらの西日本早がけ競争を企画。表日本担当の黒田忠夫(高島忠夫)と赤川三郎(坊屋三郎)、裏日本担当の宇山健(宇津井健)と鮎沢浩(鮎川浩)は賞金三十万を賭け、鹿児島を出発して東京を目指した――。

新東宝の創立十周年記念映画ゆえ、オールスター・キャストがイーストマンカラーもまぶしく登場。ただしほとんどがチョイ役、さらっと出ては消えていくので、のどかすぎる西日本各地の風景や人々の熱烈歓迎ぶりを楽しみながらも忙しいことこの上ない。

しかし今回は「河鹿荘の番頭」であるというヒントがあったため(しかも58年は既に“仕出し”脱却時期でもあり)、天知探しは余裕を持って進められた。が、出てくるまでが正直長く、裏日本チームが山中温泉の河鹿荘に到着したのはおよそ1時間23分後だった。

無一文なのに芸者とどんちゃん騒ぎした健と浩は翌日、女将に釈明。そこに姿勢良く控えていたのが、番頭の天知茂。女将の後ろで厳しい顔をしていたのが、お調子者の二人をあっさり許してお小遣いまで出す太っ腹女将を呆れたように見る表情がなりきっていて面白い。だがセリフはたった一言「おかみさん、いいんですか?」のみ。こっちがそう言いたい。(そんな扱いで)いいんですか天っちゃん!

*いかにも番頭然としているが、髪の寝癖(?)が微笑ましい番頭さんでもある(こんな感じ

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=583 |
| 映画::新東宝 | 12:09 AM | comments (x) | trackback (x) |
地平線がぎらぎらっ
『地平線がぎらぎらっ』 (1961年・S36)

おハイソな婦人の弱みをフィルムに収め荒稼ぎしていた松田茂(天知茂)はとうとう後ろに手が回ったが、刑務所内ではボス的存在のカポネ(多々良純)の二番手のクールな参謀格位置をキープ。通称・教授として、海坊主(晴海勇三)・バーテン(沖竜次)・色キチ(大辻三郎)の同部屋メンバーとまずまず快適な囚人ライフを送っていた。

ところが新入りのマイト(ジェリー藤尾)は傍若無人。ムショの秩序もへったくれもないフリースタイルが皆の神経を逆なでし、さばいちまおうぜ、ってな話になった時に、彼がダイヤ強奪犯の片割れと判明して状況が一変。おこぼれに預かろうと脱獄を計画するカポネ達に、最初は鼻で笑って取り合わなかった教授だったが、うまくいったらダイヤ山分け、というマイトの言葉に俄然はりきり、袖口から鍵開けグッズなんぞを取り出し率先して脱獄を決行する

なんとか脱獄できたものの、仲間割れから海坊主と色キチが排除され、嫁と間男にキレたバーテンが脱落。残るはマイトとカポネと教授、そしてマイトが拾った八重ちゃん(星輝美)だけとなるが、逃げるどさくさでマイトがマムシに咬まれてしまった。八重ちゃんが医者を呼びに走った隙に、カポネ達は瀕死のマイトからダイヤの在り処を聞き出そうとする。

「柿が…喰いてぇ…」
「そうか、柿の木の下に埋めたんだなっ!?」

そんなことは誰も言ってないのだが、通り名に恥じぬ強烈な独断で柿の木を探す教授。しかし、それらしき木の下を必死で掘り起こす彼にカポネのライフルが火を吹いた。これでダイヤは俺とお前だけのものだ!と勝ち誇るカポネだが、「ダイヤの話は嘘だ」とマイトに告げられ逆上、岩を振り上げたところで、死に切れてなかったらしい教授が放った銃弾に倒れるのだった(たぶんみんな死んでるが、医者連れた八重ちゃんが走ってくるところでエンドマーク)。

*10円ハゲでもついてそうないけてないヅラから、皆にいじめられる臆病者のキャラクター(「パピヨン」ならルイ・ドガ的な人物)を想像していたのだが、クレジットが(多々良さんとコンビで)トメ位置なだけあって、力は無さそうでも態度だけはデカくて一目置かれている大物で驚いた(カポネたちの脱獄計画をチクったと疑われ「俺はそれほど仁義を忘れちゃいない」と言う時などすごくカッコいい)。…ただ情けない顔で土下座したり滅多に見られないカッコ悪さもおまけについてくる。

*多々良さんとはこの10数年後、特捜コンビになるんだなあと思うと感慨深い(特にラストの欲の突っ張りあいとか)。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=559 |
| 映画::新東宝 | 11:39 PM | comments (x) | trackback (x) |
悪魔の囁き
『悪魔の囁き』 (1955年・S30)

(神保町シアターにて鑑賞)

博物館勤めの平田(中山昭二)は篤志家・大山(上原謙)の幼稚園に勤めるフィアンセの陽子(筑紫あけみ)とラブラブだったが、ある日陽子が何者かに拉致され、彼女の部屋にはイヤホン付きの囁く箱が。無線で指示を出し身代金をせしめる、近頃はやりのハイテク犯罪者・囁く男のターゲットになったらしい。気が弱そうでドジっぽい平田は無事に陽子を取り戻せるのか? 囁く男の意外な正体とは?

見るからにアレな平田の意外なモテ具合と、同じく見るからにアレな刑事(舟橋元)のドタバタあわて加減をほほえましく見守る映画のようだが、こちらは和んではいられない。なにしろ「黒眼鏡の男」(天知茂の役名)を探さねばならないのだ。

冒頭から血眼で黒眼鏡を探していると、陽子さんをさらう、ほんの一瞬だけでてくる奴が眼鏡マスク姿だったのだがいまひとつ決め手に欠け、もしや「黒眼鏡」ってのは「黒ぶち眼鏡」のことなのか?などと捜査範囲を広げかけた頃、囁く男の手下として、先ほど同様ご大層にマスクまでした黒眼鏡たちがわらわらと登場。いったい何の罰ゲームなのか。試されてるのか。

ただその中でも、相対的に小柄で背広がぶかぶかしてる、公衆電話に入って電話で指示を出していた(悲しいことに声は消されていた)眼鏡マスクが一番あやしいのではないか、と推理したのだが、それ以降は出番がなくてあっさりおしまい。同期の松本朝夫さんなんかちゃんと一人で映ってせりふもらってるのになあ。とはいえこれで役名ついてるってすごいことである(あとの黒眼鏡たちの立場はいったい…)。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=556 |
| 映画::新東宝 | 11:31 PM | comments (x) | trackback (x) |
神州天馬侠 第一・二部
『神州天馬侠』 第一・二部

第一部 武田伊那丸(1954年・S29)
織田勢に敗れた武田勝頼。寺に預けられ生き延びた二男の伊那丸(藤間城太郎)は、快川国師(市川段四郎)から武田家再興のための埋蔵金の在り処が記された系図と宝刀・三日月丸を託され、加賀見忍剣(細川俊夫)と共に僧正谷へと向かうのだが、途中で野武士の集団に襲われ、忍剣と離れ離れになった挙句に囚われの身となってしまった。

僧正谷の蔦鳥(藤間紫)は伊那丸の身を案じ、呼ばれて心持ちギクシャクと緊張気味にやってきた木隠龍太郎(天知茂)を派遣する。ところが六部に扮した胡散臭くて無口な彼は若君を必死に探す忍剣と反射的にやりあってしまい、その間に伊那丸君は野武士の頭領の娘・咲耶子(川田孝子)にさっさと助けられて馬上の人。
龍太郎「おい、今の馬は伊那丸君ではないのか」
忍剣「アッしまった」


・・・なにやら使えないコンビが誕生して無事伊那丸君と合流したのも束の間、頭領に造反し系図を奪った呂宋兵衛(江川宇禮雄)に追いつかれた一行。呂宋兵衛の妖術に真っ先に倒れた龍太郎は、まともに紹介もされずに伊那丸君(川に落ちて行方知れず)と離れ離れになってしまうのだった…。

*龍太郎初登場の巻。原作ではかなりの剣の達人なので、刀さばきはなかなか美しかったとはいえ、実質何の役にも立っていないところがトホホな若者である(伊那丸クンたち少年少女が強すぎるからなあ)

*唯一カッコいい大人は壮絶な最期を遂げる快川国師。

第二部 幻術百鬼(1955年・S30)
呂宋兵衛の妖術からやっと立ち直ったものの、敵に背後から圧し掛かられて倒れたり崖から落ちたりやっぱり使えない味方サイド(主に龍太郎)をよそに、川に流された伊那丸君は竹童くん(佐藤信)操る怪鳥クロに助けられて無事だった(そして龍太郎は何食わぬ顔で味方の一行に加わり伊那丸君と合流)。

龍太郎(と竹童くん)だけでは心もとないと思ったに違いない蔦鳥姐さんは、妖術を無効にする笛を奏でる小鷺ちゃん(小園蓉子)を追加派遣、一時は呂宋兵衛を捕えたかにみえたがあいにく別人。奪われた系図を取り戻すため「斬りこんでしまえば、我らいささかの遅れもとりませぬ!」と切れ者発言をして(by 龍太郎)敵の牙城に乗り込む一行だったが、水責めにあって系図どころかもうひとつの重要アイテム・宝刀三日月丸まで奪われてしまう。大ピンチ!というところで終了。

*そして龍太郎はここといって見せどころのないまま第三部へ。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=555 |
| 映画::新東宝 | 11:30 PM | comments (x) | trackback (x) |
『神州天馬侠』第三・四部
『神州天馬侠』第三・四部(1955年・S30)

第三部 火ごま水ごま
呂宋兵衛(るそんべえ:江川宇禮雄)たちの罠にかかり、武田家再興のための大事なお宝のひとつ、短刀・三日月丸を奪われてしまった伊那丸(藤間城太郎)一行(咲耶子:川田孝子、忍剣:細川俊夫、木隠龍太郎:天知茂)は、冒頭からいきなり水責めの憂き目に。何か策は無いのか、忍法は使えんのか龍太郎!(使えません)とやきもきしていると、頼もしい蔦鳥(藤間紫)姉さんが現れて事なきを得る。

しかし、もう一つのお宝、系図の巻物は、伊那丸サイドの竹童くんと敵方の蛾次郎くん、ふたりの大鷲クロ争奪戦の合間に第三者の手に渡ってしまった。泥棒市まで辿ったものの、大事な巻物は既に謎の旅僧3人に買われた後。彼らを追う伊那丸たちは、同じく巻物を追いかける呂宋兵衛たちと鉢合わせそうになるが、団扇太鼓を打ち鳴らす謎の集団(ボス・辰巳柳太郎!)に遮られるのだった(つづく)

*側にひっそり控えているだけで(一行での移動時はいつもしんがり)アップも台詞もごく僅かな龍太郎(僅かなアップはこちら)。力仕事や伊那丸くんの心身サポートは主に忍剣、忍術合戦は蔦鳥姉さんの独壇場なので、何の要員なんだかいまいち不明な使われ方だった。

*海賊たちが「南蛮おどり」(by 二葉あき子)を歌い踊るシーンがとっても新東宝らしかった。

第四部 天動地変
巻物を持った旅僧を襲う呂宋兵衛たち。だが再び団扇太鼓集団が現れ、伊那丸一行も交えて乱闘に。ここでやっと剣の達人たる活躍を垣間見せてくれる龍太郎だが、ひと言の台詞もないのにやたらと存在感を振りまいて死んでしまった厳徹 (辰巳柳太郎)の前ですっかり霞んでしまう。

旅僧の正体は伊那丸の父・勝頼(尾上九朗右衛門)だった。ところが無事に巻物が手元に戻った頃、留守番をしていた咲耶子ちゃんが攫われてしまい、呂宋兵衛たちから巻物との交換条件を持ちかけられる。単身で敵地に向かったのはなんと龍太郎(最大の見せ場だが、ラーメン柄の着物が気になる)。巻物を手渡した途端、咲耶子ちゃんが蚕婆(武智豊子)に変身、わらわらと現れる手勢。危うし龍太郎!でも美味しい場面じゃないか、と思っていたら伊那丸と忍剣も助太刀に現れた(残念)。それでも腰の据わった殺陣で2番手ボスを一騎打ちの末に倒して役目を果たすのだった。(あとは再びひっそり組)

*今までの稽古の成果が出ているような気合いの入った殺陣が拝めて満足。でもこの後、またしばらく「仕出し」に戻っちゃうのが残念である。ラーメン柄が悪かったのか?(違う)

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| 映画::新東宝 | 11:10 PM | comments (x) | trackback (x) |
『検事とその妹』
『検事とその妹』(1956年・S31)

(台本を入手)

苦学して検事になった矢島健作(丹波哲郎)は、自分を支え続けてくれた妹の明子(日比野恵子)の幸せだけを願っていた。そんな彼女が近々結婚することになり、兄貴としては嬉しさ半分、寂しさ半分の複雑な心境だ。

フィアンセは健作の学友の弟で芝野秀雄(天知茂)、県河川係長26歳。4シーン目あたりから、明子の腕をとって自動車に乗せて料亭へ、という流れになり、新居の設計図を拡げながら「ハハハ…」と嬉しそうに細かい間取りを決める秀雄、「こっちにいらっしゃい」と明子を隣の席に誘おうとしてモジモジされると「明子さんは純情なんだなあ、ハハハ」とそれきっと胡散臭いんだろうなと想像したくなる笑い声を何度もあげて盛り上がっている男である。

しかしその秀雄が、土木工事で賄賂を貰っていたことが判明する。妹のために揉み消そうかとも考えるが、死人まで出た重い事件ゆえ苦悩しながら正義を貫くことを決心する健作。そして事件を知った実の兄貴(中村彰)から馬鹿モン!と怒鳴られた秀雄は
「…す、すみません(泣きかけて)ぼ、僕あ、出来るだけ早くあの人を仕合わせにしたかったんです…」
うなだれてポロッポロッと泪を落とすのであった。

このあと取調室で義理の兄貴(予定=健作)から「名前は?」と尋問されるシーンがあるが、物語のメインは健作が担当する別口の姉弟愛(筑紫あけみ&北原隆)事件なので、秀雄はそのままフェードアウトしてしまうようである。そして刑に服すことになる秀雄を3年でも5年でも待つわ、とけなげに誓う明子に「そうか。少し弱かったけど、秀雄君もほんとうはいい人間だからなあ」と健作が励ましておしまい。

*悪人ではないがヘタレ度が高そうな秀雄くん。丹波さんの取り調べにびびっている図など見てみたいものである。

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| 映画::新東宝 | 11:09 PM | comments (x) | trackback (x) |
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