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『女賭博師 花の切り札』
『女賭博師 花の切り札』(1969年・S44)

さすらいの女賭博師・大滝銀子(江波杏子)は、旧知の三田村組の代理としてシマと代紋を賭けた一戦で無残に敗退。なにしろ相手方の兼松(成田三樹夫)が立てたのは、クールで非情な凄腕賭博師・素走りの浅造(天知茂)だったのだから仕方がない。

師匠兼マネージャーの政吉(船越英二)と共に修行の旅に出た銀子はある晩、賭場荒らしに遭遇した。なんと彼らは三田村組の子分衆。例の一件で親分は自殺、その三回忌にのみ開催を許される「供養盆」の資金すらままならない状況に陥っていると聞かされた銀子は責任を感じて意気消沈。とうとう捕えられ殺されかけた彼らだが、その賭場の胴師だった浅造の配慮で、銀子が彼らの命と利き腕を賭けて再び浅造と手本引き勝負をすることに。結果は銀子が勝利し、子分衆の命は助かった。彼女は勝ちを譲ってくれた浅造に心の中で感謝する。

供養盆の資金捻出のため、銀子は日夜大奮闘。豪快な勝ちっぷりに、イカサマも辞さないと公言する夜泣きの半次(津川雅彦)に絡まれ勝負を挑まれたりもするが、居合わせた浅造に窮地を救われる。だがようやく資金の目処がついた頃、なんと兼松がイケズなことに供養盆当日に自分ちで高額を賭ける「金張り盆」をひらくという知らせが舞い込んだ。談判に向かった銀子は半次得意のイカサマに敗れ、おまけに不慮の事故で右耳の聴力を失ってしまう。

一方、金張り盆の胴師は浅造に決まっていたものの、彼の昔気質な潔癖さに嫌気がさしてきた兼松は、半次を後釜に据えてがっぽり儲けたいと考え、浅造にやんわりと病気にならねえかと提案。先代と生死を共にし、戦場で彼を看取って以来息子(=ミッキー)の支えになってきたつもりの浅造は、浅薄なボンにやりきれなさを感じながらもこれを固辞。同じころ、苦境の銀子を見かねたのか見切りをつけたのか、政吉(通り名は「早見え」)が訪ねてきたのを良いことに、兼松は浅造襲撃を指示。政吉は三田村残党を従えて浅造を襲い利き腕を刺すのだが、直後に兼松の子分たちが現れ返り討ちに遭って絶命した。

政吉を失った銀子は浅造を見舞い、彼から半次の“いかさま返し”のからくりを教わる。そして特訓を重ねること数日、半次が胴師を務める金張り盆に出向いた銀子は、見事彼のイカサマを打ち破った。半次はその場で斬殺され、責任者の兼松もまた親分衆からドスを手渡されて一巻の終わり。後日、晴れて三田村組の供養盆が行われた。後見人の浅造がクールに控える横で、銀子は胴師として盆を取り仕切るのだった。

*セクシーな痩身からバージョン・チェンジしかけている微妙な時期とはいえ(なんだかシーンごとに雰囲気が違ったりもして)、オブザーバー的ないいヒトを演じている天っちゃんに見惚れる作品。東映だったら死んでるキャラだが、大映なので助かったというべきか。…ところで通り名の「素走り」、時代劇ではたまに聞くが、どういう意味なのだろう?

*ひたすらクールでかっこいい浅造さんだが、病院のシーンで「あんた、つくづくいかさまに弱いひとだねえ」と銀子に言ったときに眉が思いっきりハの字になったのがおかしかった。

*兼松の子分のひとりで政吉つぁんを刺してたのが、タロウ前の篠田三郎さん(こんな役もやってたのか)

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| 映画::大映(その他) | 01:04 PM | comments (x) | trackback (x) |
『悲恋の若武者』
『悲恋の若武者』(1962年・S37)

西郷どんを慕う若者たちが西南戦争(田原坂の戦い)に突き進む悲劇を描いた、橋幸夫主演のアイドル映画

青雲塾のアイドル塾生・天野(橋幸夫)が塾長の娘・志保(三条江梨子)とデエト中、前髪をはらりと垂らした行商人風の男が飛び込んできた。ショバ代を払えと迫る追っ手から逃れているらしい彼を助け、傷の手当てをしてやる天野&志保。二人のラブラブな様子に微笑みを浮かべ、丁寧に礼を言って男は立ち去る。

やがて、志保ちゃんを好いていた古株塾生が天野へのジェラシーから官軍に寝返って塾長先生を殺害、志保ちゃんを拉致。助けにきた天野は官軍に捕まり、あわや銃殺刑か!というところで止めが入った。近づいてくる黒ブーツの男。「こうして会おうとは思わなかったね。・・・私だよ」なんと、いつぞやの行商人は、官軍の米ノ津駐屯隊長・成尾壮一(天知茂)だったのだ!

明治なモミアゲ(前髪は相変わらずハラリ)の成尾は、薩摩で凝り固まっている天野クンに、これから伸びる若い芽をむざむざ枯らしたくはない、もっと視野を広く持ちなさいと上京を勧める。が、説教臭い台詞に反発した若人・天野クン、礼もそこそこに志保ちゃんと一緒に出て行ってしまった。

しかしボディブローのように成尾の言葉がコタえてきたのか、いっちょ東京さ行って見るか~、という気になった天野クンだったが、時すでに遅く、同僚の友情に応えたりしているうちに激戦地・田原坂に身を置くことに。後を追ってきた志保ちゃんが例の古株塾生ともみ合って死亡、天野クン(アイドルなので死なない)が亡骸をお姫様抱っこするシーンでエンド・マークと相成った。

*『座頭市物語』『斬る』ときて3本目の大映出演作。勝新さんや雷蔵さんと対等に渡り合うだけでなく、アイドル映画に付き物の物分りのよい中堅俳優としての役割も無難にこなしていた天っちゃん31歳。ノッている(が、出番はショート)。

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『雪の喪章』
『雪の喪章』(1967年・S42)

金沢の老舗金箔商・狭山家に嫁いだ妙子(若尾文子)は、少しトロそうだが人の良い夫・国夫(福田豊士)や姑に気に入られ、幸せな生活を営んでいた。しかし、実家が没落したという知らせに追い討ちをかけるように、下働きの女中・せい(中村玉緒)と国夫が以前から姑公認で関係を結んでいることが判明。ショックを受け憔悴する彼女に、先代からの番頭・日下群太郎(天知茂)は仕事に専念しているような顔をしつつも気遣わしげな視線を密かに投げかけていた。

せいとは別れると約束した国夫だったが、やがてせいが身籠ったことを知った妙子は、耐え切れずに家を飛び出した。雪山で倒れていた妙子を発見、(彼女の素足を顔にスリスリしたりして)必死に介抱、近くの宿までおぶって行ったのは群太郎だった。持ち直した彼女を前に、自分の身の上話、そして妙子への募る想いを切々と語り、一緒に大阪へでも逃げて欲しい、と真剣に訴える群太郎。彼がせいと結婚したいと言い出し国夫の不興をかった頃から、妙子も彼の気持ちに薄々気づいていた。ところが妙子が頷いた途端、宿の主人から連絡を受けた国夫が慌てて駆け込んできたため、群太郎は涙を堪えて独りいずこともなく去ってしまう。

十数年後。妙子とせい、互いに出産・せいの子が不慮の事故で死亡・家が全焼し姑が焼死・金沢へ残るというせいを残し家族3人で大阪へ、という出来事が怒涛のように押し寄せたあと、国夫に召集令状が届く。息子を抱え途方にくれる妙子に、大阪で軍需会社を経営する羽振りの良い群太郎が救いの手を差し伸べた。久しぶりに会った二人。だが無器用な国夫を心から大切に想うようになっていた妙子は、群太郎が勧める彼の会社での職を断った。

しばらくして胸を患った国夫が帰ってきた。今では旅館を切り盛りしているせいを頼り、家族は再び金沢へ戻る。そこには、以前の狭山家を買い取った群太郎(とその妻子)の姿もあった。そして終戦の喜びに沸く中、妙子は国夫とせいが再び枕を共にしているのを目撃してしまう。まもなく病に伏したせいは、旅館の名義は国夫になっていること、そもそも旅館は群太郎が世話してくれたことを告白し息を引き取った。その後を追うように、国夫もまた喀血し帰らぬ人となった。

義父母。せいの息子。せい。そして国夫。
狭山家ゆかりの人間は、大雪の日にみまかる――。

数年後。ムスコビョウキの電報を妙子が受けたのも大雪の日だった。急いで駆けつけると、彼はすっかり元気になっていた。しかし安堵する妙子の耳元に「若奥様・・・」との声が響く。帰宅した妙子を待っていたのは、群太郎急死の報。 約束の金屏風(狭山家にあったもの)を届けた帰りに倒れた群太郎のため、妙子はせめて華やかな花の数々を手向けるのだった・・・。

*長い年月、ひたすらプラトニックに若奥様・妙子を想い続ける群太郎。妙子の指輪がするっと抜ける気配に「おやつれに・・・なりましたな」と背中を向けたまま呟く冒頭から、雪山で気絶した妙子への懸命の介抱(足をさすっても気が付かないので抱き寄せたら胸元がちらっと見えてしまい、ハッと動揺して取り落とす純情さんぶりがナイス)、そして計3度のふたりきりの(邪魔が入ったり、お互いの気持ちが微妙にズレていたりするせいでプラトニックにならざるを得ない)逢瀬と、しみじみと味わい深いシーンがちりばめられていた(三隅監督ありがとう)。ただ妙子の人物像がいまひとつ掴みきれなかったのと、群太郎サイドの話をもう少し掘り下げて欲しかったなあという思いが残った。

*穏やかに歳を重ねていた矢先に脳出血で急死、ってのはいろいろとコタエる展開だ。

*しかし妙子さんが彼の葬儀用に真っ先に注文した花が「バラ」だったのにはウケた。やっぱりバラが似あうのか!

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『君は海を見たか』
『君は海を見たか』(1971年・S46)

あと数ヶ月の命と宣告された我が子の運命に煩悶する父親・増子一郎(天知茂)。もともと生活感のない天っちゃんだから余計に、仕事一辺倒で家庭を顧みなかった男の不器用な愛情表現がリアルで切なさを増長。家に帰って背広を脱いでカーディガンを着るとか、休日は軽装で釣りに行くだとか、「パパはな、」という物言いだとか、そういうなんでもないシーンがこれまた新鮮だった。

息子が二十歳になったら、一緒に酒を飲んで、彼女が出来たという話を聞いてやって・・・彼があり得ない未来を想像するくだりに、そういえば天っちゃん自身がそういう経験をする前に死んじゃってるかもしれないんだなあと、なにかしんみりしてしまった。まあ下戸だから酒は飲めなかったろうけど。

余談だが、息子を救わんと奔走する一郎が向かった大学病院の教授役が中村伸郎@「白い巨塔」の東教授。イヤミなインテリ具合がまさに東教授っぽくて「お前はいいから財前を出せ」と言いたくなった(しかしここで田宮がいたら鴨井&しょぼくれの漫才が始まるかも←それは犬シリーズ)。

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| 映画::大映(その他) | 12:59 PM | comments (x) | trackback (x) |
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