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雲霧仁左衛門 #13(終)
「大波乱! 処刑の日」(1979年・S54・9月25日OA)

弟・伊織(=雲霧仁左衛門:天知茂)の身代わりとして自ら“仁左衛門”を名乗って捕縛された辻蔵之助(根上淳)。白洲に引き出された彼は眉根を寄せて淀みなく質問に答えるが、火盗改め方長官・安部式部(田村高広)は一目見ただけで別人と確信(それまでのお頭の露出が多すぎたせい)、5年前に病死したという弟こそが首領ではないかと推測するのだが、何も言わなかった。

一方、保土ヶ谷(=待ち合わせ場所)にいなかったお千代(大谷直子)の消息を気にかけながらも箱根で腕の刀傷の治療に手間取っていた当のお頭は、熊五郎(谷隼人)から兄を侍として厚遇してくれている式部の様子を聞いた。そんな折、#10で火盗改めに惨殺された鳩栗の大五郎の弟たちが、雲霧引き回しを先導するはずの式部の暗殺を計画していることが判明。兄上の最後を汚す行為は許さない、と怒りに燃えたお頭は暗殺阻止を決意、「何もかも、終わりに近づいたようだな…」と思わせぶりなセリフを吐くと、忠吉(立花正太郎)や熊五郎(谷隼人)を連れて再び江戸へと向かう。

引き回し一行の休息ポイントを一望できる旅籠の一室には、既に思いがけない先客、お千代たちがいた。“雲霧捕まる”の報を聞き矢も盾もたまらず江戸に舞い戻った彼女は、お頭救出計画を実行せんとしていたのだ。お頭はお千代が作った竹筒火薬を利用して、暗殺者たちを炙り出そうとする。

引き回し当日。先導には身代わりを立てよ、とのお頭の投げ文に従った式部の姿はなかったが、鳩栗残党が頼った“仕事人”元締・吉田の菊右衛門(梅津栄)子飼いの暗殺者たちは気付かない。やがて一行が到着、末期の水を貰った蔵之助は柄杓に書かれた合図で旅籠の二階に目を投じ、弟と“会話”を交わす。この二十年のことは忘れろ、藤堂藩への恨みは忘れてお千代と二人で生きよ――そう言い残して背を向ける兄。復讐を自分に託して身代わりになってくれたのだと信じていたお頭は兄の真意に衝撃を受ける。

行動を起こしかけた暗殺者たちを火薬で攪乱、喧騒に紛れて斬り捨てるお頭。逃げのびた一人が菊右衛門の元へ戻ったが、深編傘の浪人=安部式部本人が尾けていたため元締めごとご臨終、暗殺は未遂に終わった。

蔵之助の処刑が始まる時刻、感情が高ぶったのか側まで行くこと叶わず、お頭は離れた場所で正座して涙ながらに最期を見送った。兄の遺言を尊重したい、だが復讐心を忘れることが出来そうにないのが天知キャラの悲しい性。熊五郎たちには実質暇を出し、たとえ5年、10年かかっても必ず復讐を成し遂げてみせる…!と侍マインドを取り戻して誓うお頭に、お千代だけはどこまでも付き従おうとするのだった。

式部を襲った暗殺者を斬ったのは雲霧では、と口にした政蔵(草薙幸二郎)に取り合わなかった式部は、雲霧仁左衛門は死んだと公言しながらも、再び「彼」と相見える日のために闘志を燃やす。

だがこの日から4年余り、藤堂藩の金蔵が襲われたという知らせはまだない――。

*こんなクライマックスに第三者(=鳩栗残党その他)が絡んでくるとは予想外だったが、それによって侠気溢れるお頭と、立場を超えてそれに共感した安部式部の「友情」がうまく表されていた。この路線で(1話完結の通常の時代劇として)続いていればそれはそれで面白かったと思う。

*ただ、面白い要素を取り入れながら、要所で原作の展開はきちんと押さえるという堅実な作りのせいか、原作通りとはいえ最終目的の達成がうやむやのままで完、になってしまったのは正直なんとも物足りなかった(この後味の悪さ、何かに似ていると思ったら「闇を斬れ」と同じだ)。…とはいえ、天知ファンとしてはいついかなる時もお頭がカッコいいというだけで13回楽しめたので良しとしよう。

*画面の向こうに消えたお頭、1週間後には本所で大活躍(それは「江戸の牙」)。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 11:59 PM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #12
「惨殺! 雲霧一党」(1979年・S54・9月18日OA)

最後のつとめ・越後屋襲撃の日。兄の蔵之助(根上淳)を川崎に待機させる手はずを整えた仁左衛門(勝負の侍髷・天知茂)は、つとめに参加しないお千代(大谷直子)にも落ち合う場所を指示した。何やら心細うて…とお頭の胸を噛み、いつになく躊躇う彼女を優しく諭して出てゆくお頭。だが寂しさが募った故なのか、お千代は珍しく六之助(江藤潤)をねぎらい、抱擁を許すのだった(背中限定か)。

一方、金と地位を約束してくれた善右衛門(伊沢一郎)の言葉によろめき、前夜に仕掛けを外せなかった富の市(荒井注)は悶々としていた。しかも今夜は来なくていいと女中に言われて進退極まり、女房のおかね(弓恵子)に告白。小頭(財津一郎)に相談せねば、と家を後にしたおかねだが、火盗改めの密偵・政蔵(草薙幸二郎)と同心・高瀬俵太郎(三浦洋一)に尾行され捕まってしまう。拷問に屈したおかねは、盗人宿の所在を自白、同じく捕らえられた富の市に「もういけませんよう」と泣き崩れた。

夜、火盗改めの面々と雲霧一党は互いに越後屋を取り囲んでいた。尾張の失敗で学んだ高瀬はお京(宮下順子)と二人だけで越後屋裏の寺を探索、そこに小頭以下黒装束たちが集っているのを発見するが、単独行動が裏目に出て共に斬り殺されてしまう。

だがその頃、越後屋内部では、善右衛門のボンクラ息子・由之助(森下哲夫)が勘当されたのを恨んで父親を惨殺するという恐ろしくタイミングの良い(悪い)事件が起きていた。突如屋敷内であがった叫び声に、火盗改めと雲霧一党は騒然となる。

お頭を乗せた小舟が岸に着いた途端、鳴り響く呼び子。両者入り乱れての死闘に駆け付けたお頭だが、自分が切り抜けるのに精一杯。重傷を負った小頭は最後までお頭を案じつつ、山田藤兵衛(高松英郎)の眼前で腹をかっさばいて果てた。

川にも捜索の手が伸びているため、川崎まで猛ダッシュしたらしい手負いのお頭。追手は間近に迫っていた。兄を逃がし、六之助と二人、切り死にを辞さない覚悟だった彼に蔵之助は、逃げるのはお前だと言い、六之助に「お頭のために死んでくれ」と刃を向けた。敬愛してやまないお頭の積年の悲願(=兄を陥れた藤堂藩への復讐)を想い、自らその刃で身を貫く六之助。子供の頃から可愛がってきた部下の殉死、そして兄の覚悟に涙しながら、お頭は隠し部屋へ。後に残った蔵之助は、なだれ込んできた火盗改めに自分が雲霧仁左衛門だと名乗り、両手を差し出すのだった――。

*ボンクラ息子の衝動殺人で段取りが狂うのまでは原作通りだが、「お頭が戦闘に参加」「割腹してのけるのが熊五郎でなく小頭」(そういえば谷隼人さんがいなかったなあ)「六之助は蔵之助に殺されたのではない」というあたりの演出が心憎い。特に六之助は、原作では雲霧の顔を知るが故に身代わりの兄上に問答無用で殺される、という最後までツイてない男だったが、ちゃんと泣ける見せ場をもらって男が上がっていた(良かったなあ、六)。

*「惨殺」というのは高瀬とお京のような気がするが…(タイトルは「惨殺!(したのは)雲霧一党」という意味なのか?)

*お千代姐さんが控えめな分、ボンクラの嫁が先週・今週とお色気要員。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:00 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #11
「恩は仇で返せるか?」(1979年・S54・9月11日OA)

越後屋を最後のつとめと定めた雲霧仁左衛門(今回は町人髷:天知茂)の命に従い、準備を着々と進めてゆく部下達。しかし、屋敷内から仕掛けを外すという大役を仰せつかっている富の市(荒井注)は、自分に全幅の信頼を寄せている越後屋主人の善右衛門(伊沢一郎)を騙すに忍びなく、おまけに善右衛門から検校の地位まで約束され、板挟み状態で悶える日々である。

そんな折、忠吉(立花正太郎)が火盗改めの密偵に感づかれ、盗人宿・桔梗屋で立ち往生。ピンチの彼を救ったのは、辻蔵之助(根上淳)と名乗った初老の浪人だった。実はお頭の実兄である蔵之助は、大事を前に弟を訪ねてきたのだ。ようやく遺恨の藤堂藩に一矢を報いる時がきた、と語り合う兄弟。彼らの悲願は、越後屋襲撃の成功にかかっている。

一方、面が割れているために大事な役目を任せてもらえないと悩んでいた六之助(江藤潤)は自ら片頬を焼き、その心意気に負けたらしいお頭から愛用のキセル(兄上とおそろい)を貰い受けて上機嫌だが、「あいつは六之助…!」と早速お京(宮下順子)にバレてしまい(火傷の意味ほとんど無し)、あろうことかキセルを掏られてしまった。上等のキセルの出所を調べさせた安部式部(田村高広)は、それがかつて藤堂藩にいた辻蔵之助という人物が購入した2点のうちの1点だと知る。

狭まる火盗改めの包囲網。お頭とお千代(大谷直子)は、以前名古屋で仕事の邪魔をした櫓の福右衛門(大前均)を地獄に送り、最後のつとめに向けて準備万端だが、果たして越後屋襲撃は成功するのか? 富の市はどちらの恩を仇で返すのか? すべては第三の男(=善右衛門のボンクラ息子)が鍵を握る!

*クライマックスに必要不可欠なお頭の兄上、初登場。お頭がどんどん派手になっている分、地味さが際立っていた。

*あんなタコ入道を絞め殺すとはたいした腕力ですお頭。

*六之助はちょっとはおとなしくなったかと思っていたが、やっぱりか

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:01 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #10
「卍どもえ 色と盗みのテクニック」(1979年・S54・9月4日OA)

ワンマンな豪商・越後屋善右衛門(伊沢一郎)に接触中の雲霧一党の富の市(荒井注)は、店で知り合い、家まで押し掛けてきた青物売りのおかね(弓恵子)に本気で惚れてしまった。しかしおかねは夜兎の文蔵(上田忠好)を頭と仰ぐ引き込み役。最後の勤めを越後屋と定めた年老いた文蔵のため、主人と親しそうな富の市に近づいてきたのだった。熊五郎(谷隼人)の指摘で彼女の正体に気付く富の市だが、惚れた弱みで始末できない。

ある夜、おかねは富の市が描いた店の見取り図を見てビックリするが(まさかご同業だとは知らなかったらしい)、それをくすねて仲間の富三(大貫達也)に渡した。ところが富三は時代遅れのお頭を裏切り、見取り図を畜生働きし放題の鳩栗の大五郎(福山象三)への土産とする。文蔵を切り殺す富三。と、そこへ大五郎一味を追っていた火盗改めの面々が現れ乱闘になる。居合わせたおかねは、彼女を殺せなかった富の市の代わりに後をつけていた利助(江幡高志)に救われた。

雲霧仁左衛門(キリリとした侍鬘と着物の青が眩しい天知茂)とお千代(すっかり甲斐甲斐しい恋女房:大谷直子)の前に連れて来られたおかねと富の市。雲霧のお頭の仕組みだとは知らなかった、覚悟は出来ておりますと言うおかねに抜き身を向けるお頭。あんたが本当に好きだったと打ち明けられた富の市は、切るなら私も一緒に、と彼女に覆いかぶさる。その姿に(というより元より斬る気ナッシングだったらしい)お頭は刀を納め、快くおかねを仲間に引き入れると、部下に文蔵の仇・富三の始末を命じた。

富三はおかね達の手にかかった。そして越後屋に押し入ろうとしていた鳩栗の大五郎一味は、アジトを嗅ぎつけ駆け付けた山田藤兵衛(高松英郎)らによって一網打尽(=皆殺し)に。今回は火盗改めに先を越されて面白くなさそうなお頭だが、おかねと富の市の仲睦まじい様子を覗き見して笑みを見せるのだった。

*1話以来御無沙汰だった注さん、ギャグなど飛ばし気味だった1話と比べてかなり真面目。

*鳩栗の大五郎一味、三重扉+からくり仕掛け(らしい)越後屋の金蔵を襲いそこねて捕まるのかと思ったら、バイオレンス志向の火盗改めにやられてしまった。おかげでお頭は無駄な殺生をせずにすんだ上に越後屋襲撃計画がばれずにすんだが、せっかく左門さま・剣さんレベルの侍スタイルだったのに、活躍がなくて残念だ。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:01 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #9
「女盗賊の恋」(1979年・S54・8月28日OA)

息子の消息を知りたい――仁左衛門(天知茂)とお千代(大谷直子)を訪ねたかつての仲間・徳兵衛(今福正雄)が探す息子とは、最近おみつ(池上季実子)にプロポーズした大阪屋の手代・由太郎(南条弘二)だった。ところが由太郎は米屋の音吉(松山照夫)というワルの養父に付きまとわれ、「おみつを殺されたくなかったら店の鍵を取ってこい」と脅される羽目に陥っていた。

音吉と一緒にいるのは、血を見るのが何より好きな聖天の半蔵(黒部進)たち畜生働きの常連組。彼らの手引きが由太郎かもしれないと知ったお頭は、お千代のフォローにも取り合わず「盗人同士の恋愛はご法度だ」とおみつの祝言に反対する(自分達のことは棚上げですかお頭)。

その頃、畜生働きを捜査中の火盗改め方もまた、密偵のお京(宮下順子)の働きで半蔵たちのアジトを突き止めていた。だが半蔵らに見つかったお京は捕らえられ失神、そこへ由太郎が鍵を持ってやってきた。お前の本当の父親も盗人だった、だからお前はあの娘(=おみつ)と一緒になんかなれないぜ、と音吉から改めてリクルートされて激しく動揺する由太郎。「そんなこと嘘だ!」

その時。「そう、嘘っぱちだ」由太郎の言葉を受けて黒装束(顔丸出し)のお頭&六之助(江藤潤)が颯爽と登場、血の気の多い手だれ達を一人でばさばさ斬って捨てた。全てが終わった後に駆け付けた高瀬(三浦洋一)は、お京を救ったもののまたしても遅れを取ったこと、そしてヒーロー然とした雲霧の所行に怒りを覚えるのだった。

由太郎の純粋さを知ったお頭は、お千代と共におみつの養い親・甲(江?)州屋善右衛門&その女房に扮し、密かに徳兵衛も伴って、若い二人の門出を祝福した。お互いの素性を知らぬまま、落雁屋を切り盛りすることになるおみつと由太郎。「互いに自分の身に過ぎた女房、亭主と思い遣っていれば、うまくいくことははっきりしております」妹のように慈しんできたおみつの幸せにしみじみするお千代に「わしらのように、か?」と微笑むお頭。こちらの二人も幸せそうに頭上の花火を楽しんでいた。

*おみっちゃん、雲霧一党から寿離脱。ハッピーエンドに落ち着いて驚いた。てっきり社長さんが好きなんだとばかり思っていたが違ったのかあ(だからそれは「野望」)。

よくよくのことでしかたなく(殺陣師の安川さん談)、には見えなかったが人を殺す回数がこれで4回(ラスト)?
今まで殺した人たち:勘蔵(#1)雲霧偽者たち(#3)岡田甚之助(#6

*ラストの善右衛門さんがなんとも胡散臭げ。左門さまの潜入捜査じゃないんだからして、もうちょっとカンロクを出してもよかったんじゃないのだろうか。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:02 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #8
「闇の中の決闘」(1979年・S54・8月21日OA)

一刀流の使い手、“不知火の勇五郎”と名乗る義賊が人足寄場から脱走したらしい。「まさか、勇さん…?」人相書きを凝視したお千代(大谷直子)の顔色が変わる。仁左衛門(天知茂)に拾われる7歳以前、お助け小屋にいた彼女に優しく接してくれた男に似ていたからだ。“勇さん”から貰った土鈴を手に物思いに耽る姐さんのため、奉行所に忍び込んで勇五郎の調書を書き写してきてやる六之助(江藤潤)たちだが、いわば昔の男に気もそぞろなお千代に心中穏やかでないらしいお頭から禁足を言い渡された。

そんな折、お頭に内緒でフリーの嘗(なめ)役・仙之助(宮口二郎)と組もうとしたものの、良心の呵責に耐えかねて懺悔した利助(江幡高志)の口から、勇五郎の名前が出る。一匹狼の彼が、雲霧と組みたいと申し出ているのだという。お千代を伴い、暗がりの御簾越しに勇五郎と面会するお頭。お千代が投げよこした土鈴を見て沈黙した勇五郎の横顔に、お頭はハッと第1話を思い出す。突如響き渡る行者達の念仏。「安部式部、大胆な…!」(←「図ったな」だったか?) 雲霧と接触を図るため、寄場で急死した本物の勇五郎に化けていたのは火盗改めの長官・安部式部(田村高広)その人だったのだ。

火盗に取り囲まれ、式部の白刃に対峙しながらも、ここで捕まるわけにはいかんと逃げのびたお頭(黒頭巾装着済)。だが、思い出の土鈴を取りに戻ったお千代が捕らえられてしまったため、利助をはめた密偵・お京(宮下順子)と粂三(田中幸四郎)を急きょ拉致し、お千代との交換を申し出る。密偵とはいえ同志だからと、式部も部下達の反対を押し切ってそれに応じた。

仁左衛門と式部、1対1での取引――しかし背後ではそれぞれの部下が殺気立っていた。解放され、お頭に駆け寄りながら鉄砲隊の存在を伝えるお千代。狙われた二人は、駆けつけた一党(と六之助の放った煙幕)に救われた。結果として、かけがえのない者を取り戻した双方。式部の元には密偵志願の者が殺到したという。そして舟の中、全ての元凶となった土鈴を水中に捨て「お頭のためなら死ねる」と気色ばむお千代を、お頭は穏やかに赦すのだった。

*お千代姐さん死ぬのか…!?ってな思わせぶりな演出が目立ったオリジナル展開。おまけに勇五郎と式部が元々そっくりだった、という無理目の設定ながら、大ボス同士の息詰まる駆け引きは面白かった。六之助もやっと役に立ってたようでなにより。

*お頭の微妙な表情がいろいろ見られるのも良し。ほんとにお千代姐さんのこと大事に思ってるんだなあ。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:04 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #7
「掟破り」(1979年・S54・8月14日OA)

お頭(=雲霧仁左衛門:天知茂)の命により、厄落としのため六之助(江藤潤)に散在させた小頭の吉五郎(財津一郎)は、ほろ酔い気分の帰り路、ならず者たちに襲われている娘・おひさ(石原初音)に遭遇した。行きがかり上彼女を助け話を聞いてみると、多額の借金が災いし、吉原に売られそうになっているのだという。借主は金貸しであり吉原のオーナーでもあり目明かしでもある、三足のわらじ所有者・相模の軍次(早川雄三)。話を漏れ聞いたお頭はノリノリで軍次宅を急襲、証文を破らせ、200両(=小金)をせしめた上に「我らは東北へ行く、船はもらってゆくぞ」と雲霧の紋章とコワモテ笑顔を全開で露出させて颯爽と引き払った。むろん、火盗改め方をかく乱するためのお遊びである。

おひさと病床の父親・与助(市川青虎)は、忠吉(立花正太郎)の店に預けられた。与助の顔にデジャヴを感じる吉五郎は、親身になって与助の世話を焼く男・七三(今井健二)を見て驚いた。18年前、高崎で共に仕事をした霞の七三だったからだ。その七三から、おひさはお前の実の娘だ、との衝撃的な事実を告げられた吉五郎は動揺を隠せない。高崎の旅籠の女中と恋仲だった彼が去った後、身ごもった女中と何もかも承知で所帯を持ったのが、風呂番をしていた与助なのだという。それを知って以来、毎日のようにおひさに会いにゆく吉五郎。不審がる六之助たちと違い、お頭は、時がくれば訳を話してくれるはず、と鷹揚に構えていた。

しかしその頃、七三は「一人働き」だと今の身分を隠していた吉五郎に、おひさ親子をダシにして仕事の片棒を担がせようとしていた。組織ある身での流れ仕事は掟破り、だが断るとおひさの命はない――脅迫を誰にも言えずに苦悩する吉五郎だったが、実の娘云々は七三と彼に脅された与助の作り話だったことを突き止めたお頭が虚無僧姿で体を張って制止してくれたおかげでやっと目が覚める。

ならず者仲間とターゲット宅に忍び込んだ七三は、吉五郎の怒りの鉄拳を受けた後、雲霧一党により捕縛され、火盗屋敷の前に放り出された。火盗の犬・吉五郎にやられた――そう思い込んでいる七三の言葉に、またしても雲霧のお遊び(ハングマン風)に翻弄された山田藤兵衛(高松英郎)は怒り心頭だ。

江戸を立つおひさ親子。“吉おじさん”はどうして見送りに来てくれないのかしら、そう言って名残惜しそうに振り返るおひさに会わなかった吉五郎は、少しだけ甘酸っぱい思いが出来たことをお頭に言い当てられ、苦笑いしながら酒を酌み交わすのだった。

*吉五郎メインのオリジナル展開。本編でも子分達に言われていたがお頭のノリが非常に良い。吉五郎さん的には大変な事態だが、フットワークの軽いお頭を見ていると楽しかった。監督は『ごろつき犬』 『早射ち犬』などの村野鉄(鐵)太郎監督。だからか?

*それにしても笑顔のストップモーション(at 軍次宅)は怖いですお頭。

*OPテーマ曲(イントロ部分)が前回あたりから微妙に短いような。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:04 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #6
「裏切り者は消せ」(1979年・S54・8月7日OA)

松屋から奪った金が思いのほか少なく、部下と共に江戸へ舞い戻ってきた雲霧仁左衛門(天知茂)は、再度お千代(大谷直子)に引き込み役を頼む。皆に十分な引き金を渡し、最後の大仕事が終われば死ぬるまで二人っきりで暮らそう、とのお頭のフラグめいた台詞に喜びつつも、最後の大仕事って何ですか、私もお頭の手足になりたいと(酒癖の悪さも手伝ってか)胸にすがり駄々をこねるお千代。優しくなだめるお頭だが、どうやら私怨絡みのその仕事だけは一人でやり遂げる決意らしい。

ところで、雲霧一党の密偵である火盗改め方与力・岡田甚之助(穂積隆信)は最近とみに金使いが荒くなっていた。女を囲い、高級料亭で食事する金はどこから出ているのか。尾張から帰って来た政蔵(草薙幸二郎)の注進もあって、ボスの安部式部(田村高広)は岡田の素行調査に本腰を入れ始める。松屋から女の似顔絵が送られてきた、とわざと自前のニセ似顔絵を岡田に手渡す式部。岡田が何の疑いもなくそれを雲霧サイドに流したことから、彼の背信は確定的となる。

まるで似ていないお千代の似顔絵を見た途端、式部の罠だと察したお頭。既に見張られている岡田との密会を終えた熊五郎(谷隼人)に接触、尾行者の存在を告げたが、揉み合う内に熊五郎がその男・同心の井口(加島潤)を刺殺してしまった。式部は葬儀の手配を岡田に任せ、雲霧一味が彼を襲うなら葬儀中を置いて他はないと、さりげなく監視の目を光らせる。

そして読経の最中、突如響き渡る女の笑い声。玄関先には、岡田が囲っている八重(戸部夕子)の叔父夫婦だという老夫婦(治平&お千代の変装)がいた。八重の気が触れた――彼らの言葉で急ぎ笑い声の方へ駆け出す岡田、それを慌てて追う同心2名。お松(ホーン・ユキ)とおみつ(池上季実子)の撹乱により同心たちが離れた瞬間、お頭の必殺剣が岡田の頸動脈に炸裂した。翌朝、岡田の死体を前に失望を隠せない式部だが、「雲霧は侍…それが分かっただけでも良しとせねば」と闘志を燃やす。

一方、お頭はお千代と屋形船の中。最後のターゲットが伊勢・藤堂藩の金蔵だとお千代にだけ打ち明けるお頭。「それまでは、どのようなことがあっても、お互いに死ねませぬな…」彼女のフラグめいた言葉に、お頭は固い決意を込めた表情で頷くのだった。

*カメラが遠くなった時、仕事を終えて談笑モードに入っているようなラストの二人が微笑ましい(お頭がすっごい素で微笑んでるように見える)

*お頭、殺生はいかんといいつつ誰よりもスプラッターな殺し方を。なんて大胆な!(顔がもろに見えてる黒頭巾姿ってのも大胆だ)。それにしても今回のようなこざっぱり髪型(後期の新さん@闇を斬れとか愛染@無頼剣みたいなの、なんていうんでしたっけ。 儒者髷?)の方がしっくりくるなあ。

*予告がまた無くなっていた。「掟破り」って誰のことだろう、殺生するわ仲間内で関係を持つわなお頭か?(違う)…しかし今回のタイトル、岡田さんは雲霧側を裏切ったわけではないのになんだか可哀相だった。むしろ「用無しは消せ」だろう(それも可哀相か)

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:06 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #5
「松屋襲撃」(1979年・S54・7月31日OA)

愛しいお頭・雲霧仁左衛門(天知茂)を想いながら、松屋善兵衛(金田龍之介)の愛撫に応える毎日の七化けのお千代(大谷直子)。まだ金蔵の鍵の在り処が分からない上、前回見つけた秘密の入り口を命掛けで偵察した(お頭から貰った鋼の脇差で命拾いした)吉五郎(財津一郎)が困難を報告するが、お頭は襲撃を急ごうとする。尾張まで追ってきた火盗改めの眼前で盗みを働いてみたいのだ、と。そんなに急ぐには訳があるのではないか、雲霧一党を解散した後、お頭はひとりで何かするつもりではないのか…?そんな吉五郎の疑問を穏やかに否定しながらも、お頭の表情は何かを内に秘めている。

その頃、引き込み役として松屋にいる山猫の三次(左とん平)は、仁左衛門のライバル・暁星右衛門の義弟、櫓の福右衛門(大前均)から法外な金を手渡され、アメとムチで丸めこまれてしまっていた。尾張入りした火盗改めの山田藤兵衛(高松英郎)は彼らの密会現場を偶然目撃、雲霧だけでなく星右衛門が乗り出していることに驚きつつ、少人数での張り込みを続ける。

尾行した治平(近藤準)によって三次の裏切りが確定。お千代は三次に松屋襲撃は年明けだとウソの日付を告げ、使いに出した。喜び勇んで福右衛門にリークしてから彼が出向いた先には因果小僧六之助(江藤潤)が。失敗続きの六之助はお頭に喜んでもらいたい一心で三次を刃にかけ、三次を尾けてきた火盗改めの密偵をも口封じに抹殺した(泥の中での格闘裏話は番組徹底ガイドへ)。

襲撃はその夜のこと。松屋裏で張っていた高瀬俵太郎(三浦洋一)たちを華麗なる峰打ちで倒したお頭は勝負服(=赤紫っぽい盗賊装束)に着替えると、大勢の手下と共に松屋へ押し入った。鍵を渡せとの要求を頑なに断った善兵衛だが、愛しのお千代を斬ると言われては頷かざるを得ない。

異変に気付いた山田が松屋に飛び込んだときには、放心状態の善兵衛だけが部屋に残されていた。金よりも“奪われた”お千代を嘆く彼に真相を告げる山田だが、善兵衛は虚ろな笑いを返すだけだ。

だが、雲霧一党はまだ知らなかった。何万両もの財産を持つ松屋から奪った金が、たったの五千両であることを――。

*メイン・イベント(=松屋襲撃)までの展開がてんこもりで、お頭の雄姿を拝むまでが長かったものの、登場するとウットリしてしまうのはもはやお約束。ただ、クライマックスの「(鍵を)渡さねば、斬る…!」は原作同様、「渡さねば、犯(ヤ)る…!」であってほしかった…!(←松屋さんの前でお千代姐さんの着物を肌蹴て馬乗りになるシーンをものすごく期待していたらしい)…どうもここのお頭とお千代姐さん、どっちのガードが固いのか知らないが、物理的にエロいシーンが全くないんだよなあ。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:07 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #4
「七化けお千代色くづし」(1979年・S54・7月24日OA)

尾張に到着したお千代(大谷直子)は、松屋(金田龍之介)から女主人として番頭・彦七(北町嘉朗)ら奉公人たちに紹介された。彼女の気がかりは、引き込み役の男の面相を知らないことだったが、“若奥様を追って必死にたどり着いた”という触れ込みで治平(近藤準)が店に担ぎ込まれてきた際に付き添っていた男こそ、今回の引き込み・山猫の三次(左とん平)だった。

“最後のおつとめ”である松屋襲撃の下準備を着々と進めながら、古き良き盗賊道についてまったりと語り合う吉五郎(財津一郎)と雲霧仁左衛門(天知茂)。だがその一方で面が割れて待機を余儀なくされている因果小僧六之助(江藤潤)は、引き込みの大役を犬猿の仲の三次に奪われたと思い込んでクサっていた。お前にしか出来ぬ仕事が必ずあるから、とお頭に諭されたにも関わらず、役に立てない欲求不満が高じて賭場へ出向いた彼は、尾張で病床についた高瀬(三浦洋一)のために金策に奔走中のお京(宮下順子)に発見されてしまう。

報告を受けた高瀬は江戸に支援を要請するため、尾張藩に頼みこんで継飛脚(=公用の速達便)を使わせてもらうのだが、書状は謎の虚無僧(=お頭)がまんまと飛脚たちを川へ放り込んでゲット、秘密裏にもみ消された。ところがお京の伝書鳩がことのほか頑張ったおかげで、“雲霧・尾張に現る”情報は安部式部(田村高広)の知るところとなった。

アジトに迫る火盗の面々。松屋の金蔵の入り口らしきものを見つけたお千代たち。襲撃の日は近い――。

またお前か六之助。

*お頭は殺生無し(ぼっちゃーんと落とされた人がおぼれ死んでない限り)。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:08 AM | comments (x) | trackback (x) |
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