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非情のライセンス 第2シリーズ #124(終)
#176「兇悪の終焉」(1977年・S52・3月31日OA)

午前4時。“白鳥の湖”で慌てて目覚めた会田(天知茂)はジャージ&チャリンコで新聞配達、道や家を間違いつつも朝陽を浴びて爽やかに(←当人比)ご満悦。何しろ朝が早いので特捜部屋で爆睡しているところを矢部警視(山村聡)にどつかれ、富士山付近で相次ぐシェパード犬の失踪事件を調べるよう命じられるが、犬とカエルは苦手だとあっさり断り「これから夕刊の配達でね」といそいそと出て行った。

会田が新聞配達に勤しむのは、車の前に飛び出し捻挫した少年・田坂守くん(上田正雄)の代役をかって出たからである。その守少年が店に現れ、回復を喜んでいると、一匹のシェパードが駆けてきた。「ジル!」守少年が車に気づかぬほど必死に探していた愛犬が戻ってきたのだ。ジルの帰還を植木職人の兄・努(越村純一)に知らせたい守少年に同行した会田は、政界の影のドン・有賀政道(河津清三郎)と右腕の北見(西沢利明)に遭遇した。そこでジルが有賀に激しく吠えかかり、有賀もまた不自然なほど怯えたことに、会田は微かな疑念を抱く。

努に噛みつくほど興奮したジルを、会田は友人の木下獣医(市川小金吾)に診察させた。「シェパードがきたら保健所に通知することになっている」という木下にしばしの猶予を頼んだが、翌日、木下は他殺体で発見され、ジルは行方不明に。凶器と目撃証言から努の容疑が濃厚だと橘(渡辺文雄)から聞いた会田は、行方をくらました唯一の肉親を心配する守少年のため、努の容疑を晴らすことを固く誓った。

ところが矢部は捜査を打ち切れという。有賀の関与にピンときた会田は猛反発、「邪魔する奴はたとえ部長であろうと、容赦はしない!」と拳銃を突きつけて矢部を脅す。キレ気味の会田を止めたのは、矢部が発見し特捜部屋に匿っていたジルだった。会田は自ら動こうとしていた矢部の代わりに有賀邸に乗り込み、ジルをエサに獣医師事件の真相を聞き出そうとする。

有賀はあっさり木下殺しを認め、努を犯人に仕立てたのは「隔離する必要があったからだ」と弁明した。ジルは富士山近くの研究所で人為的に細菌を埋め込まれたシェパードの1匹で、その牙にかかった努は、24時間後に無残な姿で死んだという。解剖しようとする北見をぶん殴った会田は、守少年の悲しみを想いながらも、ジルを自らの手で射殺した。

努とジルの骨壺を持ち帰ったものの、事件の真相を口にできない会田に守少年は叫ぶ。
「おじさんだって犯人と同じじゃないか。警官のくせに知らん顔しやがって。おまわりのくせに!」
それは30年前、交番の前で進駐軍に襲われた姉の悲鳴に無視を決め込んだ警官たちに自分が放った言葉と同じだった。世間は30年前と何一つ変わっていないのか――。苦悩の会田に、有賀から引き抜き話があったことを知らせた矢部は、守少年のためにも天上人の有賀を殺す側から殺される側にひきずりこんでやれと鼓舞した。

だがその頃、兄と愛犬を一度に失い絶望した守少年は、マンションから飛び降りてしまう。少年の骸を目の当たりにした会田は“本物のジル”と称したシェパードを連れて有賀をビル屋上に誘い、”飛び降りか、細菌犬に噛まれるか”の二者択一を非情に迫った。

一方、獣医殺害事件の捜査打ち切り、守少年の自殺、そしてその遺書が人知れず処理されたことに無力感を覚えた橘は、辞表を提出した旨を特捜部屋に報告に来た。そんなくだらないことで辞めるのかと会田は詰る。
「おまわりは背を向けたら負けだ。眼を背けたらおしまいだよ!」
その通りだ、俺はその両方をやったのだと語り肩を落として出て行こうとした橘を呼びとめた会田。その眼に光るモノに、橘(と、一連のメロドラマを無言で見守っていた矢部さん)は息を呑む。
「会田、お前…」
(だがナイスタイミングで電話が鳴りそのまま班長さん退場)。

橘が出て行った後、有賀が精神錯乱で入院したという知らせを受けた会田は、もう終わったのだという矢部に先ほどの言葉を繰り返し、富士山へ焚き火に行く(=細菌犬製造の研究所を爆破しに行く)と告げた。「必ず(“ジル”用に借りた犬の請求書を)払いに帰って来い!」わざと冗談めかす矢部に「もし払えなかったら、踏み倒してやりゃあいい」と微かに笑った会田は、こう言い残して部屋を出るのだった。

「このへんが年貢の納め時、幕の引き時だ。…俺も、昭和という時代もね…」

(昭和ブルース1・3・4番がフルで流れるなか、警視庁の内外で見つめ合う矢部さんと会田、手帳を手に“もうちょっと頑張ろうかな”と思っているっぽい班長さん、そして夕焼けを背負って富士山へと車を走らせる会田が映ってドッカーン!で「完」マーク)

*冒頭の脱力ぶりからは想像もできなかった、女っ気まるでなし(あ、ジルがいたか)の硬派な展開にひたすら圧倒された。ジルを撃つところやラストの総括セリフは言うに及ばず、守君の死で30年の生き様を否定された形になった上、よきライバルであり、ある意味“理想(希望?)”であったかもしれない橘の辞表提出に、一種のアイデンティティ・クライシスを起こしかけたような会田の「班長さん、辞めないでくれ…」にはグッときた。

*ただ、有賀老人の大物らしからぬガードのゆるゆる加減(護衛どころか側近も北見しかいない)と会田ラブっぷり(それゆえ自滅)は、たいそうなことを考えていた“黒幕”にしては小粒感が漂っていたような。

*これが真の最終回でもよかったのに、3年後に第3シリーズ開始。結局、昭和も俺も終わってなかったんだよなあ…

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非情のライセンス 第2シリーズ #123
#175「償い」(1977年・S52・3月24日OA)

殺人絡みの黒い霧を追っている会田(天知茂)は、捜査一課の橘(渡辺文雄)の抗議をよそに疑惑の会社の社長付き運転手・山野(金内吉男)の自宅を強引にガサ入れし、事情聴取した。だが殺人当日の社長・大倉喜一郎(松本克平)の動向を記してあるはずの運転日誌を「失くした」とうそぶいた山野は、会社で何者かに突き落とされ転落死を遂げた。

山野の死は自殺とされ、葬儀の席で「貴方のせいで主人は死んだのよ!主人を返して!」と山野の妻・富江(中村玉緒)にさんざん詰られてしょげ返る会田。実は富江は、日誌をネタに社長を強請ろうとした夫が会社に消されたことを薄々感じており、会田を責めたその口で秘書の黒沢(早川保)から、日誌と引き換えに多額の金を引き出そうと画策していた。だが肝心の日誌の在り処がわからないうえ、1枚も2枚も上手の黒沢に日誌を渡さねば子供を殺すと脅されてピンチ到来、そこでガチャリと黒沢に手錠をかけてくれたのが会田だった。ところが富江は恐喝の事実を完全に否定、会田の勘違いということで黒沢は釈放されてしまった。

ひょんなことから夫が隠した日誌を掘り起こした富江を黒沢の手下が襲いかかる。会田が駆け付けたときには既に富江は男を射殺した後。どうかもう少しだけ見逃して、と懇願する彼女に「正当防衛でも、殺しは殺しだ!」とお前が言うかな諭し方をしながらも会田は5日間の猶予を与え、彼女が日誌を武器に7500万の小切手を大倉からせしめるのを手助けしてやった。

黒沢の手下たちに発電室に監禁されるも縄抜けなど披露して(「縛られるとき、ちょっと細工をね」)颯爽と富江を連れて会社を後にした会田だったが、5日後に迎えに行った際、懲りない黒沢に「あの刑事さえいなければあんたは子供たちと暮らせるんだ」とたきつけられて動揺した富江に再び裏切られる。車の前後をトラックで挟まれ、銃撃戦でラスボス(=黒沢)を前に弾切れという危機は、橘率いる警官たちに救われた。会田は富江の土壇場での背信行為を不問にし、すぐに出てこられるからと優しく励ますのだった(もちろん元凶の大倉社長にワッパをかけたのち昭和ブルースは4番)

*欲を出した当人の招いた業とはいえ、旦那の転落死に責任を感じ“償い”のために富江に従順に尽くす会田。あんなに「申し訳ない」と何度も素直に口にしている姿は珍しかった。優しすぎたの あなた〜♪(←つぐない違い)あと、他人(=橘さん)がいるところでは「まったくだ!」とか言って会田を責めるものの、ふたりきりになると「俺も同罪だよ…」とポツリと呟く矢部さんが良い。

*同僚が誰も出てこないからか、橘さんや矢部さん相手にやたらと饒舌だった会田もちょっと珍しい。

*それにしても、旦那を突き落した犯人2人と、黒沢をさくっとしとめた制服警官たち、射撃うますぎ(というか、手早すぎ)。「警察内部にも仲間が…!?」と変な深読みをしてしまったではないか。(あ、黒沢は橘さんが撃ったのかな?)

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非情のライセンス 第2シリーズ #122
#174「母恋し」(1977年・S52・3月17日OA)

佐世保から来たボクサーくずれの待井丈二(佐藤祐治)が死体で発見された。丈二は目下絶賛売り出し中の男女デュオ『グレープ・フルーツ』の充こと工藤朝夫(山内英正)のかつての施設仲間で、彼を訪ねて上京したことが判明、会田(天知茂)は充をマークする。どうやら丈二は、幼い頃に充を捨てて渡米した母親が戻ってきたことを知らせに来たらしい。

丈二に会ってから意気消沈している充を心配した相棒のゆかり(相本久美子)は、所属プロの社長・倉石(木村元)に休暇を申し入れるのだが聞き入れてもらえない。そこへ大洋企画の社長・中沢(大村文武)が現れ、移籍の話を持ちかけた。猛反対した倉石は翌日、溺死体で海に浮かんだ。

一方、会田の指示で浮田(松山英太郎)は充の母親らしきマリー(小畠絹子)という女を場末のバーで見つけた。客と大ゲンカして警察の厄介になるほど『グレープ・フルーツ』ファンである彼女だが、充の母であることは頑なに否定する。

そんな中、週刊誌が母親の話を嗅ぎつけ、興味本位で書き立てた。これでさらにレコードが売れると喜ぶ中沢をよそに、充は歌手を辞めたいとゆかりに漏らす。母親のネタで強請りにきた丈二を殺したのは自分だという彼の告白を聞いたゆかりは「グレープ・フルーツは2人で食べるものよ」とどこまでも付き従うことを誓うのだった。

売上至上主義の中沢の魔手はマリーにも迫っていた。車にぶつけられ入院した彼女を見舞った会田は、充が密かに置いていった花(むくげの花)に涙する母心に打たれる。そしてマリーは、「丈二を殺したのは自分だ」と警察に自首して出る。だが、罪を悔いた充が現れ、二人はようやく涙の再会を果たした(もちろん、懲りない中沢は会田がボコ殴って逮捕)。罪を償うことになった充だが、塀の外ではマリーとゆかりが仲睦まじく彼の帰りを待っていた(昭和ブルースは2番)

*新東宝時代の相手役(のひとり)・小畠絹子さんが2回目の登場。#6「兇悪の母」とはうってかわった酒場の女(雰囲気はどことなく「毛皮のマリー」な美輪さんっぽい)を熱演。彼女をみる会田の目はいつになく優しかった。やはり「おっかさん」にはヨワイらしい(というより、小畠さんにヨワイのか)

*会田いわく「俺も朝夫君と同じような境遇で育った」(横浜のおじさんちでの居候は何かと辛かったのだろうか←いろいろ妄想炸裂)

*グレープ・フルーツが歌う「夜明けはまだ遠い」は、セカンドLP「浪漫・悲歌(ろまん・えれじい)」のラストを飾る曲でもある(作詞:坂本玖美子 作曲:千葉一臣 編曲:京建輔)。若い二人が歌うと爽やか系だが、天っちゃんバージョンは別の色気があってナイス。

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非情のライセンス 第2シリーズ #121
#173「強姦」(1977年・S52・3月3日OA)

平穏な一日を終え、恋人(=ステーキ)との逢瀬のあと家路に着いた会田(天知茂)の車の前に、ひとりの女が飛び出してきた。まるで反応がないので救急病院に連れていくと、ショックで聴覚が麻痺しているかもしれないとのこと。仕方なく自宅に連れ帰ってベッドに寝かせたところ、突然彼女は叫び出し、駆け付けた警備員に泣きながら助けを求めた。
「この人が私の身体を…! 乱暴されたんです!」

会田は強姦容疑で捕まり、所轄の拘置所で1泊する羽目に(矢部さんの手腕で1泊で済んだらしい)。滝(篠ヒロコ)の調べによれば、昨夜の女性は中村多恵子(渡辺やよい)20歳、和風スナック「中村」を切り盛りしているという。店を訪れた会田に、私は強姦されたと頑なに繰り返す多恵子。だが「君は被害者で俺は加害者…世間はそれでごまかせても、君の心はごまかせない」との渋い彼の言葉に動揺し始める。

しかし、矢部さんの手回しも及ばず、とある週刊誌が「強姦刑事・会田健」とデカデカと書きたてた。誰に頼まれたんだ、と憤った会田だが、筆者のルポライター・黒沼大輔(真家宏満)は多恵子と恋仲らしく、彼女の言葉を信じて純粋に怒りをぶつけてきただけだと悟り、パンチを甘んじて受けたうえ、彼女を守ってやれと励ましの言葉を与えた。

そんな中、滝が多恵子の弟・治(内田憲一)から1枚の写真を借りてくる。多恵子と写る男の名は倉岡昇(深江章喜)、かつて会田が売春斡旋の罪で逮捕した男だった。失業者でアル中の父・英次(田中春男)と受験生の弟を抱えた多恵子は、倉岡の二号としての生活を余儀なくされており、会田を罠に嵌めたのも、服役中の倉岡の意を酌んだ弁護士の木口義二(外山高士)に命じられてのことだったのだ。

倉岡と縁が切れない娘の姿に自分の不甲斐無さを悔いた父は首つり自殺。真相を知り、すべてを明らかにしてやる!と木口に宣戦布告した黒沼も、彼の雇ったヤクザにボコ殴りされて死んでしまった。木口の事務所で暴れた後、出所してきた倉岡の宴会に乗り込む会田。しらを切る倉岡だが、しおれた木口と包丁を手に「(倉岡を)殺してやる!」と慟哭する多恵子を見て、観念したように項垂れた。

事件収束後。弟と共にスナックを切り盛りすることにした多恵子から、会田は封筒を預かる。そこには、『会田刑事―強姦の真相』と書かれた黒沼直筆の原稿が入っていた(昭和ブルースは4番)

*「(部屋に連れ込んだのは)私には計画的にしか思えません!」と自分の計画性を棚に上げて会田を糾弾する多恵子。でもあの場合、わざわざ部屋に入れた会田が迂闊だったと思う。しかし今回も私服(サイケ柄のシャツ)は兇悪だった会田。あと、「あいにく女物がないからこれでも着てくれ」といってワイシャツを手渡してたが、自分は裸で寝る用意をしてなくて助かったよなあ(女物どころか男物パジャマもないからなあ)

*暇だからって紙ヒコーキを飛ばして(←会田方向に)遊んでた滝さん、どんどんお茶目になってくる気が。

*『のんき裁判』でイチオシだった“春ちゃん”こと田中春男さんが父親役。娘の身体を犠牲に生活しているのは#118「生贄」とよく似たパターンだったが、男親ゆえか、それを強いたのが自分だったゆえか、悲しいくらい弱いお父ちゃんであった。

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非情のライセンス 第2シリーズ #120
#172「濡れ衣」(1977年・S52・2月24日OA)

特捜部屋のドアの下にそっと差し入れられた1通の手紙。ある人物の自殺を止めてくれ、と書かれたそれを拾った会田(天知茂)は、その男・大堀正男(谷村昌彦)の名前が、贈収賄事件の当事者として翌日の新聞に載っていることを発見する。

土木課の係長である大堀には、ゴルフ場の計画倒産に絡み、銀行から高額の壺を見返りとして受け取った容疑がかけられていた。しかし真面目で朴訥な彼を知る周囲は収賄を否定。なにより本人が、贈賄を受けたとは微塵も考えていなかった。なにしろ壺を持ってきた銀行の課長というのは、高校以来の無二の親友で妻の喜代(上月佐知子)の兄でもある工藤(松本朝夫)なのだ。あれは単なる結婚記念のプレゼントだ、そう信じて疑わない大堀をよそに、何か知っているらしい喜代(実は手紙の差出人)は心配顔。

そして娘の陽子(高峰レイ)は、工藤がもこもこ上着の特捜刑事(=会田)と会っている現場を目撃、壺は贈賄の証拠なのだと確信する。どこまでも工藤をたてる父に嫌気が差した彼女は家を飛び出し、バイクの相乗りで事故って死んでしまった。

娘が死んでもなお、かつて友情にしがみ付いている大堀に、喜代は兄から聞かされた真実(やはり壺は贈賄品だったこと)を打ち明けた。裏切られたと知り、心の支えを失った大堀は、工藤を訪ねて彼を刺殺、ひとりで彼との思い出の地(伊豆の土肥温泉)へと向かう。後を追った会田たちは、崖から飛び降る直前の大堀を間一髪で保護した。

大堀の友情、そして家族の絆を崩壊させた黒幕は、ゴルフ場の計画倒産で利をむさぼる八州大造(竜崎一郎)だった。難攻不落の八州の元へ乗り込んだ会田は有無を言わせずボコ殴りし、こう叫ぶ。「ゴルフ場の倒産は、このままじゃうやむやに終わるだろう。誰も手だしは出来ない。法律も手だしは出来ない…!その法律に代わって、俺が貴様を裁いてやるんだ!」(でも結局うやむやになってしまったようで、特捜部屋で渋い顔して新聞叩きつけてるシーンでエンド)(昭和ブルースは4番)

*男同士の「あの素晴らしい愛をもう一度」な展開(?)が切ない話。欲をいえば、親友を裏切って事件に巻き込むに至った工藤の心情もじっくり見てみたかったなあ。演ずるは松本さんだから限界があったのか?(←ニューフェース同期に対して失礼)

*結局ボコ殴りだけでおしまいになってしまった黒幕の処遇は(リアルだが)後味が悪かった。いくら会田でも、撃ち殺すわけにはいかんだろうけども。

*またまた、例のもこもこ上着が大活躍。正直、その服は旅先だけにしてほしかった…(OPとED以外、ずうっとこれだもんなあ)

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非情のライセンス 第2シリーズ #119
#171「替玉」(1977年・S52・2月17日OA)

婦女強姦殺人の罪に問われた菊池勇(田口弘)の無実が確定し、姉の順子(井原千寿子)やアリバイを証明したジーパン店長・原朋子(木原光知子)、それに会田(天知茂)たちがホッとして裁判所を出た矢先、勇は心臓を撃ち抜かれて即死、会田も狙撃され左腕を負傷した。

(無論、勇が死んだことも怒りの対象だが)この俺の命を狙うなんざ許せねえ!とばかりに、勇がかつて属していた元関西ヤクザで今はカタギ(自称)の土建業の村上大造(高野真二)の事務所を急襲する会田だが、犯人はすでに自首したと連絡が入る。ところがその男はハジキの腕がからっきしの替玉。こいつを囮にして真犯人を洗い出そうという会田の提案を「我々(一課)はそんな汚い手は使わん!」と却下した橘警部(渡辺文雄)は、ぷんぷんして出て行った彼の後姿を見ながら「我々にはもっと良い囮がいるんだ」と部下に会田の尾行を命じる。事実、会田殺しに一度失敗した村上は「あいつをバラさんかい!」と手下に大号令をかけていた。

勇は順子に遺言書を残していた。そこには、再生不良性貧血で余命1年と宣告を受け、100万と引き換えに強姦殺人の罪をかぶってくれと村上に頼まれつい引き受けてしまったとあった。金に困る村上が大金を用意できるわけがないと睨んだ会田は、村上土木のボスである田丸建設の社長・田丸総太郎(伊達三郎)の関与を確信した。田丸は息子の誠(司千四郎)を政界の黒幕・郷津(野口元夫)の娘と結婚させるつもりだが、誠の女癖の悪さは有名らしい。

もしや、婦女強姦の真犯人は誠では…。弟の仇を討ちたい順子が誠を付け狙っていることに会田は懸念を抱く。そんな折、勇と会田の狙撃実行犯の河合(日尾孝司)が「河合の人殺し〜」の声に「なんじゃわれぇ!」と激昂した拍子に転落死、その部下の高田(中田博久)も車ごと炎上。どちらの現場にも、黒ヘルメットでバイクにまたがる女性が目撃された。それが順子の姿と酷似していたことから、彼女を連行しようとする橘たちだが、先回りした会田は、順子に手錠を掛けて身柄を確保、彼女の無実を信じて協力を依頼する。

その間に村上土木を内偵していた堀(財津一郎)が強姦殺人の目撃者を見つけ、会田は件のバイク女性は、村上の愛人・昌子(藤堂陽子)の仕業だと見破った。そして誠と郷津の娘の結婚式、猟銃を持って乗り込んだ順子は(打ち合わせ?に反して)引き金を引くが、弾は会田が抜いた後。悪人たちは法に裁かれることになった(昭和ブルースは1番)

*会田を囮にしようとしたブラックな橘さんだが、最後に残った郷津(=会田の2年越しのターゲット)に掛ける手錠を会田に渡す男気を見せてくれた。またまた無言で通じ合ってるふたりが熱い。

*しかし、会田って傷の治りが早くてイカンよな。

*「チャーハンお待ちどうさま〜」と出前に扮して特捜部屋に乗り込んできた刺客を撃ち倒した会田(なんか微妙に被弾していそうなタイミングで机を乗り越えていたがそれは見なかったことにしよう)。誰の差し金だ!という問いを無視して死んだ男に掴みかかったところを「会田さん、ホトケになっても責めるんですか!」と佐々木刑事(北町嘉朗)に止められていた。会田ならやりかねん。

*関係ないが、私は小学生のころ木原光知子さんに遭遇したことがある(ホテルのプールで平泳ぎしてたら隣に木原さんがいて、プールサイドにいた両親によると、泳ぎをじっくり見てたらしい)

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非情のライセンス 第2シリーズ #118
#170「生贄」(1977年・S52・2月10日OA)

逗子マリーナのマンションの1室で隣の棟を見張る会田(天知茂)と滝(篠ヒロコ)。見た途端殴りたくなるような大物(矢部さん談)の出入りをペアで探れ、ただし間違いは犯すなよ、との矢部部長(山村総)の指令を受けてのことだが、滝はいそいそとステーキ焼いたりワイン開けたりして張り切っている(後から矢部さんと会田間で請求書タライ回し)。

隣のマンションに現れたのは、会田の一番嫌いな人種、政財界の大物・三枝幸之助(幸田宗丸)だった。どうやらマンションに女を囲っているらしい。翌朝、三枝と一緒にいる女性を見て滝の顔色が変わった。高校時代の親友・風見綾子(土井かつえ)だったのだ。綾子はかつて三枝と繋がりのあった丸和物産で秘書をしており、開発部長の島崎(土屋嘉男)と不倫関係にあったが、収賄便宜の礼として高級マンション付きで三枝に差し出された、いわば“生贄”なのだという。

綾子が友人と知った上で捜査を続行させようとする矢部に反発しながらも、彼女とコンタクトを取った滝は、いつの日か島崎と一緒になれると信じて、母と弟妹たちを養うために三枝に囲われている綾子の悲哀を知り、彼女の線から丸和物産と三枝の癒着を明るみに出すことに躊躇する。

だが、社会悪(=三枝)を糾弾するためには手段を選らばぬ会田は、島崎-綾子-三枝の関係をブンヤに暴露させた。自分たちが姉の売春行為で養育されていたことを知った妹の真弓(高田ひとみ)は大学を辞め、弟の孝雄(川代家継)は、姉を弄んだ島崎への憎悪を募らせ、彼を待ち伏せ刺殺してしまった。

「私の苦労はなんだったの…!」愛人と家族の不幸に慟哭する綾子。非難の眼を会田に向ける滝。しかし会田は綾子に、人に後ろ指を指されるような安易な道を選んだのは君だと詰め寄った。「君はいったい、どんな苦労をしたというんだ。君は家族のために自分を犠牲にしたつもりだろうが、本当に犠牲になったのは君じゃない。君の家族だ!

綾子は本庁ですべてを告白したのち、滝の隙をついて窓から身を躍らせた。保険金を家族に遺すため「足を滑らせたの…」と呟き事切れた綾子の思いを尊重し、会田は事故死として届け出るのだった(昭和ブルースは1番)

*後味が微妙に悪いというか、久々に会田の非情さが目立った展開。綾子さんは綾子さんなりに頑張ってたと思うんだが、ワルい奴に囲われてのうのうと金儲けしてる、ってのが会田には許せなかったらしい。

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非情のライセンス 第2シリーズ #117
#169「過去」(1977年・S52・2月3日OA)

こころもちやさぐれた歩調で馴染みの薬局に向かった会田(天知茂)。「来るだけで何を買いに来たか分かるのは、会田さんとあの男だけですよ」主人の田口(大塚明夫)によれば、その男は(会田のような二日酔い薬ではなく)強力な睡眠薬をここしばらく毎日買いにくるのだという。噂をすればなんとやらで、山岡修治(川地民夫)は今日もまたふらっと現れて睡眠薬を買っていった。そして、彼を見る田口の妻・洋子(原田英子)の顔色はなぜか青い。

ひとりは釣り(=たぶん浮田さん)、ひとりはドライブ(=たぶん滝さん)、それからひとりは焼鳥屋(=絶対堀さん)、おまけに残るひとりは二日酔い、というノンキな連中に手を焼く矢部部長(山村総)のお小言もなんのその、山岡が気になる会田は「犯罪を未然に防ぐのもデカの仕事」と身辺調査を始める。偶然にも、彼は堀刑事(財津一郎)の焼鳥屋の常連だった。

そんな矢先、田口の娘が何者かに誘拐された。知らせを受けた会田が駆け付けたところ、風邪気味だった娘を心配する夫妻の前に再び山岡が姿を見せ、今日に限って睡眠薬ではなく風邪薬を求めた。誘拐犯は山岡ではないか――。渋る堀に山岡の過去を洗わせた会田は、エリート社員だった山岡が7年前、自分のフィアンセと愛人関係にあった部長の渡部を刺殺して最近まで服役していたことを知る。そのフィアンセとは、現・田口夫人の洋子だった。

そのころ洋子は山岡を訪ね、娘を返してくれと懇願していた。なんでもするから、と土下座せんばかりの彼女に山岡は今まで購入した睡眠薬を渡し、だったらそれを飲んでみろと迫った。洋子は飲めない。7年前も、朱に染まった渡部の側でお前はそう言いながらすぐに俺を警察に売ったではないか、もう騙されないぞと詰る山岡。だが洋子は、貴方に娘は殺せないわと反撃に出た。なぜならあの子は貴方の娘なのだから――その言葉を聞いて驚く山岡。だがもう一人ショックを受けた男がいた。洋子が心配で後を付けてきた田口である。

堀に連行されたものの、山岡は沈黙を続ける。会田は彼が娘を渡部の未亡人・昌江(槇ひろ子)に託したことを突き止めた。加害者と被害者の遺族ではあるが、彼らは互いの理解者でもあった。洋子が許せない昌江は「娘は死体で返す」と物騒な電話を田口家に掛けはしたが、約束を守って少女を連れてきた。だが、母を見るなり道路に飛び出す少女。咄嗟に彼女を庇った山岡は、そのまま還らぬ人となってしまった。

「あなた(=田口)の娘に決まってるじゃない!」と断言していたにも関わらず、血液検査を敢行しようとする夫に「もしあなたの子じゃないとしたら…?」とほのめかし始める洋子。山岡の死を目の当たりにし、ようやく過去の行いを悔いた洋子は、最後まで自分の言葉を信じて逝った彼に報いようとしていた。

洋子は娘を連れて故郷へ帰り、傷心の田口だけが残された。薬局休業の貼り紙を憂い顔で眺めると、会田は静かに踵を返すのだった(昭和ブルースは4番)

*結局、娘のミカちゃんの父親は我々には分からないままエンディング。過去に戻れないと知っていながら、過去の幻影を求める山岡。過去にとらわれたままの昌江。そして過去を捨てて生きてきた洋子。「過去」というキーワードが織りなす哀しい人間模様が印象的な回だった。特捜部屋で二人で窓見ながら「父親は哀しい」と呟く矢部さんに、母も子も、人は皆哀しいものだと言う会田のシーンもいい。

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非情のライセンス 第2シリーズ #116
#168「狂宴」(1977年・S52・1月27日OA)

本庁からの帰り、なぜか土手をガンガン走っていた会田(天知茂)の車は正面から来た対向車に当て逃げされた。やる気かコラと(嘘)近づいたところ、その車はいきなり炎上。地面には、児玉正子(白川望美)の学生証が落ちていた。

学生証を届けに児玉邸を訪れた会田は、そこへ一課が乗り込んでいるのを知る。橘(渡辺文雄)は黙秘するが、ブン屋の秋山(二瓶正也)によれば、なんでも娘の正子が誘拐され脅迫状が新聞社と自宅に舞い込んだのだという。正子の父・児島光(鈴木瑞穂)は、あこぎな商売でのし上がってきた沢渡泰造(嵯峨善兵)の子飼いで、政治家などへの賄賂の受け渡し役を務めていた。その事実を手記として新聞に公表せよ、というのが犯人の要求だった。もしやあの車の中の焼死体は…と気になった会田は橘にカマをかけたところ、死体は身元不明の男性であることが分かった。

真相を手記にするなどもってのほかだ!と激怒する沢渡に対し、娘の命が心配な児島は手記をしたため、そのおかげで正子は元過激派の学生・前尾晴夫のアパートで無事発見された。誘拐犯は前尾と断定されたが、正子は彼こそが正義を貫いたのだと庇う。

一方会田は、前尾のアパートにあった恋人・陽子(宇治知美)のハガキを拝借して彼女を訪ね、前尾が陽子と結婚するために過激派と縁を切り、全うに歩み始めていた事実をつかむ。そして、前尾の身体的特徴は、焼死体のそれと一致していた。

助け出された正子は、かつて母がひき逃げされたときも不在だった、いつでも沢渡の言いなりの父を容赦なく責め立てる。翌日、児島は“手記は嘘だった”と記された遺書をしたため睡眠薬で自殺、それを会田から聞いた正子は、「君がお父さんを殺したんだ」と言われても涙ひとつ流さなかった。

児島の父が服用した薬、正子が眠らされていた薬、そして、焼死体から検出された薬はどれも同じ種類の睡眠薬。そして新聞社に届いた手紙の筆跡から、誘拐事件は正子自身が仕組んだもので、前尾に罪を着せて殺したのも彼女だと会田は見抜く。なぜ前尾を殺す必要があったのかとの問いに正子は、彼は母を轢いた犯人だったことを打ち明けるのだった(昭和ブルースは4番)

「法律というものは、正義まで裁いてしまうのですね…」 母の恨み(おそらくそれは捨て置かれた自分自身の恨みでもある)を晴らすため、不甲斐ない父とそのボスに制裁を加えようとした正子。結局、ボスの沢渡がどうなったのかは分からずじまいだったのが少し中途半端に思えた。沢渡をボコ殴りついでに捕まえるほどには、会田が正子に感情移入していなかったせいかもしれない。

*とりあえず、どうして車で1本道っぽい土手(というか、ススキに覆われてるところ)なんかを走ってたのかが一番のナゾだ<会田

*ラスト付近、正子と会田のフォーカス切り替えがえらく雑だった(わざとか?)

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非情のライセンス 第2シリーズ #115
#167「女一人」(1977年・S52・1月20日OA)

会田(天知茂)は手紙を読んでいる。
毎年一度だけ近況を寄せてくる森下咲子(福田公子)からの手紙である。10年前、彼女の夫・和男(小笠原弘)は麻薬密造の容疑で会田に追い詰められて彼を撃ち、逮捕されたのだが、そのとき「娘を殺人者の子にしないで!」と夫の前に立ちふさがって会田を庇い、手術が必要な彼に輸血を申し出てくれたのが咲子だった。

“10年前は幼かった娘も20歳になり、東京の病院で働くようになりました”そんな便りにほんわかしていた矢先、2週間前からマークしていたチンピラの梶山(五野上力)が殺されたとの連絡が舞い込んだ。第一発見者の名前を橘(渡辺文雄)から聞かされた会田はハッとした。それは咲子の娘・淳子(日野麗子)だったからだ。おまけに現場に落ちていた鼈甲の帯留めとペアになっているイヤリングを持っていた彼女は容疑者として取り調べを受けることになり、会田は母の咲子から事情を聞こうと長崎へ飛ぶ。

バーのママをしている咲子は会田の訪問を歓迎し、梶山が夫のかつてのボス・西浜(藤山浩二)と一緒にバーへ来たことは告げたものの、淳子と梶山の関係は頑なに否定した。夫が出所後に詰らぬいざこざで死んでから、女手ひとつで娘を育ててきた彼女を会田は信じるのだが、同じく長崎へ来た橘は、帯留めは母のものだとの淳子の証言から、咲子を重要容疑者とみなす。

過去の経緯があるせいで「彼女(=咲子)は人を殺せるような人じゃない!」と橘に言い切った会田は、滝(篠ヒロコ)と共に咲子のアリバイ探しに奔走するが、事件当日、長崎-東京の直行便に咲子が搭乗していた事実が図らずも判明。梶山を自分に紹介したのは母だという淳子の証言も、咲子の言葉とはまるで違っていた。

咲子の無実を証明するつもりが、逆に罪を暴くことになってしまった会田は苦悩しながらも咲子の店を訪れ、彼女は梶山殺しを認めた。夫がヤクザだったことを娘に隠してきた彼女は、それをバラすと西浜に脅されて梶山を娘に紹介したのだが、かつての自分同様、娘に麻薬密造の片棒をかつがせようとしていることを知り犯行に及んだのだ。すべてを打ち明けた後、たった一人でも嘘の言葉を信じようとしてくれた人がいただけで充分だと、咲子は会田の前で号泣した。

母の存在を重荷に感じていた淳子も、咲子の自分への愛に気づき、手錠に繋がれた母を涙ながらに抱擁した。そんな薄幸母娘の様子を辛そうに見ていた会田は、兇悪な形相で西浜の事務所を襲い、すべての元凶である西浜を力任せにボコ殴りするのだった(昭和ブルース1番のあと、咲子の手紙のモノローグが流れて終わり)

#112と同じく長崎ロケ編。ただ歩いてくるだけとか、たばこをくわえるだけなのだが、黒コートの会田の仕草がいちいちキマっていてかっこいい。例のもこもこ上着が出てこないだけでこれほど違うとは!

*ラストの昭和ブルースは2番(♪この世に産んだ お母さん〜)のほうが似合うと思ったんだけどなあ。

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