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非情のライセンス 第2シリーズ #43
#95「兇悪の密室」(1975年・S50・7月31日OA)

経営状態が悪化の一途をたどる暁化粧品は、新薬の開発で起死回生を図ろうとしていた。ところが、その新薬を盗み出し会社を潰そうとする圧力にも耐え、明日の株主総会さえ乗り切れば、という段になって社長・五十嵐(野口元夫)が社長室で倒れてしまった。戦時中から五十嵐社長と二人三脚でやってきた副社長・片桐(内田朝雄)は病院よりもまず特捜部に電話をかけ、駆け付けた会田(天知茂)らに「会社を護ってくれ」と懇願する――。

一課の応援で新薬の強盗未遂事件を担当、片桐の非協力的な態度に辟易していた特捜部の面々は、この筋違いの要望に「警察は一企業の利益を守る番犬じゃない」と難色を示しながらも、犯人逮捕の名目でならと密室と化した社長室に張り込んだ。その結果、経理課長(穂積隆信)が怪しげな経済研究所(インターナショナル研究所)の沼田(南道郎)とつるんで会社の解体を狙って強盗を仕組んだことなどが判明、四方(葉山良二)らが実行犯を追う一方、会田は社長室に探りを入れにきた沼田に番犬よろしくヤキをいれ凄む。

極秘裏に連れてきた主治医・金沢(ケーシー高峰)の手当も虚しく、社長の容体は悪くなる一方だった。それでも親族にさえ連絡することを拒む片桐に対し、あんたは血も涙もないのか、そんなに会社が大事か!と会田の堪忍袋の緒が切れる。しかし片桐は、社長との思い出のシャベルを手にとりながら、自分たちにとって会社がどれほどかけがえのないものかを切々と訴えるのだった。

一夜が明けた頃、社長は息を引き取った。片桐は秘書の節子(有吉ひとみ)に命じて会田を遠ざけさせ、その隙に社長を自宅へ運ぼうとするが、片桐の執念に打たれたらしい会田はすべてを承知で見すごし、株主総会まで沈黙を守ることを約束した。

工作の甲斐あって、会社は倒産の危機を脱した。社長の葬儀に出向いた会田と右田(左とん平)は、新社長になるであろう片桐を祝福しようとするも、彼は常務の上野(高田浩太郎)に敗れたと肩を落とした。気力を失い、早く社長の元へ行きたいとしょげ返る片桐だったが、「今までのあんたはどこへいった! 堂々と胸を張るんだ片桐さん!」と会田に熱く励まされたことでようやく笑みを浮かべ、それを見ていた節子(やもめの片桐に想いを抱き続けている)の表情も和らぐのだった(昭和ブルースは4番)

なんでも屋と化していた特捜部だが、ラスト、あれだけ会社のために尽力したのに副社長になれず、おまけに社長の家族にも無視されて意気消沈する片桐さんの姿はシビアな非ライならではの図だった。

*徹夜明けにも関わらず、服も髪もぴっちりかっちりの会田。さすがだ。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:07 PM | comments (x) | trackback (x) |
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