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『侠客道』
『侠客道』(1967年・S42)

石田組と城西会傘下の寺光組との小競り合いが続いている大阪に、東京からやってきた凄腕検事・中上啓介(天知茂)。実は彼、今は石田組の若頭になっている伊吹(安藤昇)と共に組に拾われ世話になっていたことがあるのだが、12年前、組長の娘と恋仲になったことでカタギにも関わらず小指を落とされてしまい(回想シーン有り。モノクロ・無音ながら、むっちゃ痛そう!)、その私怨が暴力団追放の原動力となっている、暗い翳を引きずる非情の男である。

久々に会えて懐かしがる組長(石山健二郎:もろに気のいい大阪のおっちゃん風)を「暴力団は罪人と同じだ、違いますか!」 とドスのきいた低音で冷たくあしらい(「その暴力団のメシ喰うて大学でられたんとちゃうんか!」とつっこまれてもめげる彼ではない)、予科練で同期だった親友の伊吹をも避け続ける中上検事。心痛する妻(=組長の娘:小畑絹子)が「担当を代わってもらったら・・・」と勧めるが、「ヤクザのくだらなさを知っている私でなければ(駄目なんだ)・・・!」と欠けた小指を見つめながら一層瞳に暗い情念を燃やしている。周囲には恩知らずと思われているけれど、検察側が極道と関係していたらマズイもんなあ、普通は。

中上の偏った締め付けのせいかどうか、組長は寺光(渡辺文雄)の謀略で惨殺、遺言により解散した石田組の面々と地元の人々は、のさばってきた寺光組の横暴に窮地に立たされた。組長の死が、子分・北見(小池朝雄)の裏切りによるものと知った伊吹は、一度は捨てた代紋を背負い、北見と寺光の兄弟固めの盃の場に乗り込む。そして中上もまた、事なかれ主義の上司の制止を振り切って現場に急行する・・・。

石田組の若頭・伊吹さんメインの任侠映画。安藤氏はかつてホンモノのそのスジの人だっただけあって、静かな佇まいの中にも(台詞回しもそう上手くないにも関わらず)一味違う迫力が漂っていた。

ただ天っちゃんも負けていない。同じ土俵に立っていたなら多少は分が悪かったかもしれないが、対極の立場にいるが故に個性が強烈に光り、屈折しつつも内に熱い心を宿した男・中上が大変魅力的な人物に仕上がっていた。満員のクラブで他の客そっちのけで大喧嘩&熱く語るシーンや、ラストの和解シーン等、二人の絡みはかなり見ごたえあり(身長的にも小粒さん同士でピッタリ←双方に失礼)。

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| 映画::東映 | 12:02 AM | comments (x) | trackback (x) |
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