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大奥(1983)#27
「塵に咲く花」(1983年・S58・10月4日OA)

内蔵助以下の討ち入りメンバー切腹の報を聞き、悲しみに打ちひしがれる浅野邸で、TPOをわきまえない文次郎(峰岸徹)と慣れ合ってしまった女中のお喜世(いしだあゆみ)は、不興を買い屋敷を去る羽目に。1年半後、茶屋の女に身を持ち崩し夜の街を彷徨うお喜世に、鋭く艶やかな視線を注いだひとりの侍(天知茂)の姿があった…。

自分自身にも、煮え切らぬ文次郎との腐れ縁にも辟易しているお喜世は、父に貰った短刀を取り出し「いっそ殺しておくれよ」と詰め寄っている内にテンションが上がり、「死んで…!私も後で行くから…!」と抜き身を片手に文次郎を追い回し、隣の座敷にまで乱入。と、そこにいたのは先刻の侍。彼の並みでない眼力に、お喜世はハタと短刀をとり落とす。彼の名は間部詮房(あきふさ)、5代将軍綱吉の世継として西の丸に入ったばかりの徳川綱豊(後の6代将軍家宣:露口茂)に仕える、甲府藩江戸詰の侍である。

間部は七夕の夜、屋形船で星を待ち侘びしこたま酔い潰れていたお喜世のもとへも姿を見せた。「何をそんなに苦しんでいる…?」静かに問う間部に、「抱・い・て…」と呟くお喜世。だが間部は文字通りただ抱き寄せるのみで酔いを覚まさせると、もう一度武家の飯を食う気はないかと彼女を誘うのだった。
――けがれた悲しみは川へ流すがいい。七夕の笹竹と共にな…。
澄んだ朝方の星を眺めながら、お喜世の心は揺れた。

お喜世の父はかつて侍だったが、ある理由から出家、玄哲(長門裕之)と名乗っていた。寺を訪れ、お喜世を御殿奉公させたいと許しを乞う間部を見た玄哲は、彼が娘に潜む魔性に迷ったことをズバリ指摘、彼女の母も男を惑わせる女で、間男と夜逃げ、それが原因で自分は仏門に入ったのだと告白した。だが、お喜世に惚れていることを正直に打ち明け、自分もそうなる(=頭を丸める)覚悟はできた上での願いだと間部は力説。お喜世は、間部の屋敷へ奉公することとなった。

妻も家族もいない間部には老女中だけが仕えていた。生花の出来栄えを褒める間部の優しい言葉に頬を染めるお喜世。彼は次に、酒と男を断てと注文した。さらに美しく、さらに気高くなるために――言われるまま行儀作法を磨くお喜世が彼の真意を理解したのは1か月後、今後は大奥に仕えよと言われたときだった。

主君・綱豊には正室の煕子(ひろこ:加賀まりこ)、側室のお須免(松本留美)らがいたが、学問好きの綱豊は儒学者・新井白石(山村聡)との勉学時間の方が大事らしいと踏んだ間部は、自分が大輪の花を咲かせたお喜世を大奥へ送り、綱豊の世継を産んでもらいたいと考えていたのだ。

男としての壮麗な夢をお前に賭けた、とまで言われたお喜世だが、間部を愛し、いつかはお情けを、との想いだけで精進してきた彼女にとって、それはあまりに辛い事だった。しかし、たまらず屋敷を飛び出し父の寺に戻ったお喜世は、玄哲の励ましを受けて再び間部の前に姿をみせ、大奥行きを承知する。彼の夢をかなえるために――。

*壮麗な野望のためには目先の情欲をストイックに自制してのける男・間部詮房。お喜世へ向ける、理性と感情がうねり合っているような視線がなんとも強烈だ。

*強烈といえば、「酒と男を断て」シーン。モチ肌全開で湯浴みしてるホの字の男に「男も断たねばな」と言われたお喜世、さぞや訳が分からなかったろう。…というより、なぜまた脱いでるんだ天っちゃん。 今回は誰もお色気要因がいないから俺が、とか思ったのか? モチ肌をぺったんぺったんしたくなったじゃないか!(←何もお喜世はぺったんしていたわけではない)

*今回は一瞬だけツーショットになった程度だが、おそらく非ライ第3シリーズ以来、久々(3年越し)の山村聡さんとの共演。新井白石と間部詮房といえば、史実ではこの時代将軍を支えて活躍した最強コンビか。ナイスなキャスティングだ。

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| TVドラマ(時代劇)::大奥(1983) | 11:46 PM | comments (x) | trackback (x) |
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