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『夜の勲章』
『夜の勲章』(1965年・S40)

兵役にとられていた松音組の血気盛んな若い衆・榊原安太郎(背中に虎の刺青:田宮二郎)が終戦2年後に遅い帰国を果たしたところ、羽振りの良かった組は跡形もなく、親分(見明凡太朗)は病の床、兄貴分たちはライバルの笠野組に取り込まれていた。密かにホの字だった親分の一人娘・恵(だが既にフィアンセあり:林千鶴)のためにもと、松音組再建を誓って大いに気を吐く安太郎は、裏切った兄貴分たちをボコボコにし、笠野組に宣戦布告。

その夜、酔って泊まった安宿で、行き倒れを供養する日乾寺住職・日草(=にっそう:天知茂)の甲高い読経の声で起こされた(*読経は似ても似つかない声質のアフレコ)。怒鳴りに行ったはずが「おお、ホトケがお前さんに運んでほしいと言うとるぞ」などと上手い具合にこき使われる。

一方、因縁浅からぬ彼の生還を知った組長の笠野(須賀不二男)は、子分の山口(成田三樹夫)を松音の親分の家に差し向け、安太郎を出せと迫っていた。激昂した拍子になんと親分が発作で急死(ワルなのにひどくうろたえる成田ミッキーの表情が小物っぽくてよい)。事の顛末を知った安太郎は単身で笠野組へ殴りこみをかけるが、撃たれたあげくに笠野に逃げられ、這々の体で日草の寺に倒れこんだ。

日乾寺に匿われ傷を癒すことになった安太郎の元へ、冒頭のいざこざ(戦前の話)で安太郎に腕を斬られ笠野組を破門になって以来、彼を執拗に追ってきた中西(河野秋武)が出現。再び刃傷沙汰になりかけるが、止めに入った日草の熱い説得で事なきを得る。自らも戦場で修羅場をくぐってきたらしい日草の言葉に「それこそが任侠道や!うまいこと言うやんけ、しょぼくれ!(*鴨井@犬シリーズ調に変換←実際の安太郎は標準語です)」とすっかり惚れこんだ安太郎は、“仏門組”用心棒を名乗って日草を親分と慕うようになる(「二人で街をぶらぶらしよう」と言われてホイホイ頷いたら托鉢だったなど、相変わらず日草がうわ手)。

日草は寺近辺の商店街の人々に無償で土地を貸していた。そこへアミューズメント施設建設を目論む笠野組は商店街に立ち退きを要求、日草に土地の譲渡を迫ってきた。“親分”を護ろうと笠野組の連中に姿をさらした安太郎を心配した日草は、彼に好意を寄せるようになっていた寺住まいの千代(かつて戦場で日草を庇って死んだ部下の未亡人:渡辺美佐子)と一緒に寺を出るよう取り計らった。

安太郎を出せと寺に乗り込んできた笠野組の連中を、毅然と突っぱねる日草。ムカついた山口が襲い掛かった瞬間、安太郎への復讐の念を消そうと寺に逗留中だった中西がよせばいいのに援護に入った。結局、3人で揉み合う内に山口のドスが日草の腹部にクリティカル・ヒット(またしてもひどくうろたえて逃げ帰るミッキー)、帰って来た安太郎に「これからは仏の道を行け」と遺言を残し、日草は還らぬ人となってしまった。

法衣を着て商店街のために奮闘する安太郎だったが、ニセ坊主と総スカンを喰らう。一緒に街を出ようと千代に諭されても、笠野を消すことが日草の供養、ひいては人々の幸せになる、これがホトケの道(任侠の道)なのだと頑なに言い切る安太郎はとうとう笠野を刺殺、手錠を掛けられて寺を後にするのだった。

*監督(村野鐵太郎)、脚本(藤本義一)そしてキャスト(坂本スミ子も同じ関西弁キャラで健在)と、犬シリーズそのままのメンバーが使われているせいか、突っ込む田宮、すっとぼけつつ手玉にとる天知という“鴨井&しょぼくれ(木村)”を彷彿させてくれるユーモラスなシーンがいくつかあり、任侠モノとはいえカラッとした面白さがあった。ただしょぼくれ刑事は死なないけれど和尚さんは他界されて残念無念。65年といえばイイ男真っ盛りなのに(思わずキャプチャー)、もったいない!

*そういえば、畳の上(布団の中)でのご臨終シーンを観たのはこれが初めてのような気がする(普段はロクな死に方してないからなあ)

*タイトルの意図するところが結局よくわからなかった・・・何か隠された意味があったのだろうか。

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| 映画::大映with田宮二郎 | 11:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
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