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非情のライセンス 第2シリーズ #121
#173「強姦」(1977年・S52・3月3日OA)

平穏な一日を終え、恋人(=ステーキ)との逢瀬のあと家路に着いた会田(天知茂)の車の前に、ひとりの女が飛び出してきた。まるで反応がないので救急病院に連れていくと、ショックで聴覚が麻痺しているかもしれないとのこと。仕方なく自宅に連れ帰ってベッドに寝かせたところ、突然彼女は叫び出し、駆け付けた警備員に泣きながら助けを求めた。
「この人が私の身体を…! 乱暴されたんです!」

会田は強姦容疑で捕まり、所轄の拘置所で1泊する羽目に(矢部さんの手腕で1泊で済んだらしい)。滝(篠ヒロコ)の調べによれば、昨夜の女性は中村多恵子(渡辺やよい)20歳、和風スナック「中村」を切り盛りしているという。店を訪れた会田に、私は強姦されたと頑なに繰り返す多恵子。だが「君は被害者で俺は加害者…世間はそれでごまかせても、君の心はごまかせない」との渋い彼の言葉に動揺し始める。

しかし、矢部さんの手回しも及ばず、とある週刊誌が「強姦刑事・会田健」とデカデカと書きたてた。誰に頼まれたんだ、と憤った会田だが、筆者のルポライター・黒沼大輔(真家宏満)は多恵子と恋仲らしく、彼女の言葉を信じて純粋に怒りをぶつけてきただけだと悟り、パンチを甘んじて受けたうえ、彼女を守ってやれと励ましの言葉を与えた。

そんな中、滝が多恵子の弟・治(内田憲一)から1枚の写真を借りてくる。多恵子と写る男の名は倉岡昇(深江章喜)、かつて会田が売春斡旋の罪で逮捕した男だった。失業者でアル中の父・英次(田中春男)と受験生の弟を抱えた多恵子は、倉岡の二号としての生活を余儀なくされており、会田を罠に嵌めたのも、服役中の倉岡の意を酌んだ弁護士の木口義二(外山高士)に命じられてのことだったのだ。

倉岡と縁が切れない娘の姿に自分の不甲斐無さを悔いた父は首つり自殺。真相を知り、すべてを明らかにしてやる!と木口に宣戦布告した黒沼も、彼の雇ったヤクザにボコ殴りされて死んでしまった。木口の事務所で暴れた後、出所してきた倉岡の宴会に乗り込む会田。しらを切る倉岡だが、しおれた木口と包丁を手に「(倉岡を)殺してやる!」と慟哭する多恵子を見て、観念したように項垂れた。

事件収束後。弟と共にスナックを切り盛りすることにした多恵子から、会田は封筒を預かる。そこには、『会田刑事―強姦の真相』と書かれた黒沼直筆の原稿が入っていた(昭和ブルースは4番)

*「(部屋に連れ込んだのは)私には計画的にしか思えません!」と自分の計画性を棚に上げて会田を糾弾する多恵子。でもあの場合、わざわざ部屋に入れた会田が迂闊だったと思う。しかし今回も私服(サイケ柄のシャツ)は兇悪だった会田。あと、「あいにく女物がないからこれでも着てくれ」といってワイシャツを手渡してたが、自分は裸で寝る用意をしてなくて助かったよなあ(女物どころか男物パジャマもないからなあ)

*暇だからって紙ヒコーキを飛ばして(←会田方向に)遊んでた滝さん、どんどんお茶目になってくる気が。

*『のんき裁判』でイチオシだった“春ちゃん”こと田中春男さんが父親役。娘の身体を犠牲に生活しているのは#118「生贄」とよく似たパターンだったが、男親ゆえか、それを強いたのが自分だったゆえか、悲しいくらい弱いお父ちゃんであった。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:03 PM | comments (x) | trackback (x) |
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