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『まむしの兄弟 懲役十三回』
『まむしの兄弟 懲役十三回』(1972年・S47)

昭和11年・神戸。刑期を終えたゴロ政(菅原文太)は、彼の帰りを待ちわびていた弟分の不死身の勝(川地民夫)と共に、刑務所で知り合った“金スジをバッサリ斬ったハクい兄弟分”を訪ねて東京は浅草方面へと繰り出した。のだが、単純で騙されやすい(つまりバカ)な二人はスリにあったり殺し屋と間違えられたり、散々な目に遭う(でもバカなのでそれなりに順応して楽しんでいる模様)。

吉原を牛耳っている東竜会の組長・岩淵(goo映画のあらすじでは天津敏となっているが小池朝雄)にひょんなことから見込まれた政は、なさぬ仲の菊村一家の連中を痛めつけてくれと頼まれる。しかし、政がムショ内で兄弟分の盃を交わした男・弥之助(通称ヤノ:渋い和服の天知茂)は、その菊村一家の代貸となっていた。東竜会とうちはもとは一つの組、何の問題も起こっていないと言う弥之助だったが、本家である菊村の親分が病の床に付いているのを良いことに、先代の追善興行の件で分家の東竜会が(自分たちが仕切りたいために)嫌がらせを続けていることを政たちは聞き知る。

兄弟・ヤノの窮地を救おうと政たちはバカなりに頑張るのだが、その行為は、事を荒立てずに済ませたい弥之助の立場を却って悪くするものばかり。面と向かって「オマエら余計なことしすぎなんじゃい!」と怒鳴ったり出来ない、顔は怖いが相当控えめな弥之助は「神戸へ帰ってくれねぇか、兄弟・・・」とオブラートに包んだ物言いをしてみるものの、バカには通じず、「俺らのこと、バカにしてるんやろ!」と逆ギレされてしまう。

政たちは神戸に帰るどころか、馴染みになった子持ちダンサーが男(村井国夫)に捨てられた挙句借金のカタに吉原(=東竜会)へ売られたことを知り、彼女を足抜けさせるという暴挙に出た。その知らせを受けた弥之助の眉間の皺は縦横にMAX。岩淵の元へ赴いて小指をつめるも「おめえの指なんざ何の値打ちもねえ」と撥ね付けられ、興行権を譲れと迫られる。苦痛を堪えつつそれだけはきっぱり断り(カッコ良さからいうとたぶんここらへんが最大の見せ場)、出て行こうとしたその背に、卑怯にも銃弾が。

政と勝が駆けつけたときには満身創痍で瀕死の弥之助だったが、この落とし前は俺がつける、と(たぶんバカ二人に任せたらロクなことにならないと踏んだせいだと思う)最後の力を振り絞って岩淵を道連れに絶命。兄弟分の死にぶちキレた政たちは「皆殺しや~!」と叫んで文字通り東竜会の皆殺しを敢行、警察が来た気配に「サツが怖うてニンジンが食えるか」と迷言を吐きながら底抜けに明るいテーマ曲(皆殺しのときから鳴りっ放し)と共に去っていった。

*このテの映画では悪人・善人役を問わず死亡率が異様に高い天っちゃんなので免疫はついているが、やはり善人役なのに死なれるのは辛い。しかも主役二人に殺されたようなもんだもんなあ。新東宝時代の恩(?)を忘れたのか、文太! タメ口きくとはいい根性しとるな、文太! 赤ん坊(ダンサーに置いてけぼりにされた)なんか手馴れた天っちゃんに任せておけばいいんだ、文太!

*親分は病弱、分家の叔父貴は性悪、そして押しかけ兄弟分はバカ、と辛いことばかりのヤノさんだったが、ひとりだけ強い味方がいた。分家をたしなめ、追善興行を全面的にバックアップしようと申し出てくれた関西の大親分、演じるは嵐寛寿郎。アラカンさんありがとう(でもすぐ大阪に帰ってしまわれた)

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| 映画::東映 | 12:10 AM | comments (x) | trackback (x) |
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