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『黄線地帯(イエローライン)』
『黄線地帯(イエローライン)』(1960年・S35)

刑務所生まれで孤児院育ちのニヒルな殺し屋・衆木(=もろき)一広(黒いレザーコートが決まりまくりの天知茂)は、阿川(大友純)という男から「貧乏人を困らせる血も涙もない奴」を消してくれと依頼を受け、一人の男を射殺するが、礼金代わりにパトカーを呼ばれ窮地に陥る。彼が殺したのは不正取引撲滅に精を出す神戸の善人税関長。阿川に騙されたと知った衆木は、逃亡の際たまたま電話ボックスで見かけた女性・エミ(赤い帽子&靴と白いコートのカラーが映える三原葉子)を拉致、彼女の行き先が神戸と知り、阿川への復讐のため共に駅へと向かう。

一方、エミと電話でいちゃついていた恋人の新聞記者・俊夫(朴訥さが売りのハンサム・タワー吉田輝雄)は電話が途中で切れたことに不審を抱いて駅まで行くが、見つけたのは自分が贈った赤いハイヒール片足分(=エミがわざと落としたもの)。ダンサーの職を探す彼女が応募した芸能社はダミーで、どうやら裏には大掛かりな黄色人種専門の人身売買組織(=イエローライン)が絡んでいるらしいと突き止めた俊夫は、デスク(老けメイクの沼田曜一)の許可を得て神戸へと調査に赴く。

衆木を裏切った阿川と、そのボスで表向きは社会事業家として名のしれた松平(中村虎彦)がイエローラインの総元締めであったことから、衆木・エミ・俊夫の運命は、神戸の裏街(?)・カスバへと収束していくのだった…。

スタイリッシュなギターの音色(音楽:渡辺宙明)に乗って繰り広げられる、無国籍でドライな映像の数々。偶然が偶然を呼び寄せる展開と、三人の際立った違いが面白い。典型的な巻き込まれ型の吉田さん(一動作ごとの指ぱっちんが恥ずかしい)はともかく、

「女の約束と貞操を信じる奴は低脳だ」
「恋愛か・・・そんなものは足の早い食い物みてえなもんだ。ちょっと放っときゃよ・・・ちょっと放っときゃ、すぐ腐っちまうんだ!」

なんていうセリフもクールにこなす、いつもながら情念MAXの目つきの天っちゃんと、人質に捕られてもあっけらかんと楽天的な(でも逃げる算段もちゃんと考えている)葉子ねえさんのコンビが素敵で、ほんのり良い仲になりかけていた矢先のビターかつリアルなクライマックスが忘れがたい印象を残してくれる。そしてやっぱり天知茂には似合うのだ、裏切られ怒りに燃え、束の間の優しさに包まれながらも破滅に突き進む姿が。

*スパニッシュ系のギターも良く似合う天っちゃん。やはりスペインと縁があるのか

*連れ込みホテルのやり手マダムに、若杉嘉津子さん(四谷怪談のお岩さん)

*ドライな映画とはいえ、ちゃんと三原葉子ねえさんのセクシーな踊りを堪能できるあたりが新東宝だ

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| 映画::新東宝 | 01:54 PM | comments (x) | trackback (x) |
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