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大奥(1983)#33
「吉宗と肝っ玉母さん」(1983年・S58・11月15日OA)

幼君・家継が風邪をこじらせ病の床に就いた。我が子を案じ心乱れる月光院(江波杏子)に「人の命は一寸先は闇。今この越前とて、この場において命を落とすやも…」と不穏な口をきく間部(天知茂)は、万が一に備えて次の将軍の人選を考えておかねばとあくまで冷静。そして二人の意見は「紀州の吉宗だけは願い下げ」で一致した。特に、誰もが一目置く自分に廊下で頭を下げさせ道を譲らせた吉宗(おまけにクレジットのトメ位置までも略奪:鹿賀丈史)に対して、間部は反感を抱いていたのだ。

「あの男が八代様になっては、わしの夢が崩れる…この手から天下の権が零れ落ちる…」
昏い憎悪の眼差しを燃やす間部、その胸に月光院はぴっとり寄り添うのだった(子供が心配でも魔性が勝ったらしい)。

将軍後見職(=次の上様)を決めるために徳川御三家の長を呼び出し、老中たちは喧々囂々。間部のイチ押しは尾張大納言・徳川継友(堀内正美)なのだが本人が今一つぴりっとせず、年嵩の水戸の綱条(佐竹明夫)は副将軍で充分という。そして紀州の田舎を駆けていたそのままの質素な格好で母ちゃん(山田五十鈴)と茶屋で見初めたヨメ(斉藤慶子)を連れて上京した吉宗は、皆の意見に従うからといって別室へ引っ込んだ。

その吉宗にさりげなく毒入り茶を届けさせた間部だが飲んでもらえず目論見は失敗。月を見上げている吉宗の背後を通りかかり、頭の影をむんずと踏もうとした時にもさっとかわされ、またもやムカッときた間部は「始末せよ。ただし、殿中ではならぬぞ…」 と黒装束で軒下にいた助川(毒入り茶を持って行った茶坊主もばっさり始末:宮口二郎)に吉宗暗殺を命じるのだが、吉宗シンパの紀州黒潮隊(内田勝正ほか)らの妨害に遭いこちらも未遂に終わった。

一方、六代将軍の正室・天英院(加賀まりこ)は、間部が継友を推しているのを知って阻止せんと家宣の遺言書まで偽造した右腕の綾小路(南美江)の頑張りに応えるため、地位を利用して吉宗プッシュに回る。母の言に従い欲を捨てていた吉宗だが、「大奥の費用(三十万両)を半分にしたら後見職を引き受けると言ったわよね!」と彼女に突っ込まれ引き受けることに。

土壇場で逆転された間部は「月光院さまの御意向も受け賜わらねば!」と急ぎ立つが、その瞬間、しゅたっと手裏剣を足元に投げつける吉宗(実は畳を滑っていったが、次のカットではちゃんと刺さっていた)。それは助川たちが襲撃に使っていたものだった。「動くまいぞ、越前!」だが一瞬“畜生バレたか”という顔をしたものの、間部はすぐに懐紙に手裏剣を載せて吉宗に差し出し、ポーカーフェイスで相手を直視。「恐れながらここは殿中、このようなもの、お納めあってしかるべきかと存じまする」

息詰まる場の空気を変えたのは、家継臨終の知らせだった。これにより吉宗は次期将軍に。葬儀の段取りでも質素倹約を持ち出し、棺が何の変哲もない白木であることに怒り心頭の月光院は吉宗をぶちのめしに向かうが、逆に諭されて泣き崩れる。それをじっと見ていた間部は、黙って奥へと引き下がるのだった。

*カントリー精神と和歌山弁を江戸に持ち込んだ自然児・吉宗に、相変わらずの澱んだオーラで対抗する間部。あからさまにヒールな挙動を繰り返していたにも関わらず、嫌味や開き直りを超越した表情で吉宗に対峙してのけた手裏剣シーンはすごかった。なんでそこでそんなカッコいい顔ができるんだ!

*山田五十鈴さんとの共演は『風雲金比羅山』以来だと思うが(というか、あれは共演とは言わないだろうが)、あいにく今回も絡みはなかった。

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| TVドラマ(時代劇)::大奥(1983) | 12:56 PM | comments (x) | trackback (x) |
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