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『女帝』
『女帝』(1983年・S58:にっかつ)

当時世間を騒がせていた三越事件の再現ドラマで、七越百貨店の営業部長から社長に上り詰める山田(大木実)と、愛人の"女帝"・みき(黛ジュン)の栄光と挫折がロマンポルノ風に描かれていた。

前から目をつけていた老舗和菓子屋の女社長・桂子(新藤恵美)に泣きつかれてこれ幸いな山田氏が、和菓子屋の得意先である名古屋の百貨店社長に談判しにいく場面で登場するのが、百貨店に融資している中部銀行頭取・杉浦康義(天知茂)だ。

天下の七越さんが間に入ってくださるならもう少し融資させていただきますよハッハッハと葉巻をスパスパ吸いながら(眉根の皺ナッシング)楽しげに座敷で山田氏らと語らっている杉浦頭取。なるほど今夜は徹底的に宴会ですかそうですか・・・って、出番それだけですか頭取! 大木氏や川地民夫氏(=山田氏の懐刀・青野)もなんだか嬉しそうにハアハアしてた(させてた)のに、どうせなら気兼ねせずに(って誰にだよ)やることやっちゃえよ!と怖いもの見たさでツッコンでいたのだが、お堅い職業ゆえ(?)か、傍系の話だからか、山田氏いわく「徹底的な宴会」が描かれることもなく、舞台は東京に移ってしまった。

しかし、その後のアハンウフンなところはがしがし早回ししていると、山田氏に捨てられ、今は青野とねんごろな桂子さんの「(山田氏の横暴ぶりを)杉浦頭取も見かねておられるわ」発言。うわあ、やはり真打はこれからだったのかーと喜んだのもつかの間、彼らと共に無言で車を降り、有力者の家の玄関をくぐるだけのシーンに登場しておひらき。アップにもならないのにソレと分かってしまうあたり私も成長したものだ(って、髪型とか歩き方とか、ちらっと顔みせたりするところが普通に目立ってはいたが)。

恐怖のカービン銃』で主演デビューしただけあって、こういうセミ・ドキュメンタリー系には食指が動いたのだろうか。はっきりいって出てこなくても筋にはなんら影響ない役だとは思うが、これも特別出演の醍醐味ということで。

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| 映画::松竹・他 | 01:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
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