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最後の大本営発表
サンデー・ステージ 「最後の大本営発表 (手記・無条件降伏一日前より)」(1960年・S35・8月14日OA)NTV 21:45-22:30

(読売新聞1960年8月11日より記事引用)
日本テレビでは14日のサンデーステージで終戦記念日にちなみ「最後の大本営発表」を放送する。原作は元同盟通信の陸軍省詰め記者長田政次郎氏で、日本の歴史を大きく転換させた玉音放送の行われる前日の昼すぎから15日午後にかけての新聞記者の行動をめぐる敗戦秘史の1コマが再現される。大本営と陸軍省の新聞記者室と大本営の参謀室が舞台で、戦争を強行しようとする軍部とこれを否定する新聞記者の心理と行動が映画「十二人の怒れる男」で試みられたディスカッション・ドラマの方式でたたみ上げられる。

出演者は杉浦直樹、河野秋武、天知茂、舟橋元、春日俊二、藤井貢などで14日の午前中までリハーサルを重ね、放送時間の3時間前にビデオテープを仕上げ、なま放送の実感を出すことになっている。

(朝日新聞1960年8月13日朝刊より記事引用)
【メーキャップなしで男ばかりのドラマ/記者の“抵抗”描く】
14日の日本テレビ「サンデーステージ」(夜9:45−10:30)は15年前の終戦当時にちなんで「最後の大本営発表」を出す。これがいろんな点で話題作だ。

まず話はちょうど丸15年前のこの日のできごとを扱っている。スタッフ・キャストは女気一つないオール男性編成。真夏の日の実感を出すため、流れる汗を遠慮なくふけるようにとメーキャップは出演者全員がいっさいしない。そのうえ原作者がドラマの出来栄えをみようと劇中に登場してくる。この風変わりな作品を紹介してみよう。

原作者は終戦当時、陸軍省づめをしていた元同盟通信記者の長田政次郎氏。同氏は昭和20年8月14日の昼すぎから15日の午後にかけ当時の大本営報道部で出あったニセの「大本営発表」事件を最近、雑誌上で公にした。秘話に類するものだが、新聞記者の勘と良識が、無謀な大本営の動きを対決して、みごと日本の絶滅を救ったさまを描いている。

脚色は元産経新聞記者の灘千造氏。制作は日本テレビの若尾初男プロデューサー。演出は松本尚彦ディレクター。出演者のおもだったところには、河野秋武、下条正巳、舟橋元、春日俊二、園井啓介らが新聞記者の役で並び、清水元、桑山正一、伊藤久哉などが大本営陸軍部のスタッフで参加している。

話が話だけにタレントは全員男だ。スタッフ側にも女がいない。普通ならどんなドラマでもメーキャップ係の女性がスタッフに名をつらねるが、このドラマは役者がみんなメーキャップをしないからその係がいらない。メーキャップをしないのは、30度を越す猛暑の中で、大本営報道部側と記者クラブ側がテーブルをはさんでにらみあい、緊張のあまり、みんながひたいから玉の汗を流すありさまをリアルに出すため。ドーランをぬっていると、流れる汗もドーランの落ちることを恐れてうっかりぬぐえないから感じが出ないそうだ。

にらみ合いの場面ではテーブルの真ん中に穴をあけ、その中に昇降自在の携帯カメラを仕込んで360度の回転撮影を試みる。居合わせた全員の表情をもれなくアップするためだ。なお長田氏も記者クラブの一員としてドラマの中に登場する。セリフはしゃべらない。原作者として自分の書いたものがどうドラマ化されるのか見守るというシャレの意味があるのだそうだ。

《あらすじ》日本の破滅を目前にした8月14日ひるすぎ。むし暑かった。空襲警報が発令されていた。陸軍省記者クラブのメンバーたちはポツダム宣言受諾の情報をうすうす知っていた。それに反対する一部の軍の動きも感づいていた。

かれらが深刻な表情でそれらの情勢を語り合っているとき、報道部の片山大佐(清水元)ら4人が記者室にはいってきた。大本営発表だという。内容は「帝国陸海軍が連合軍に全面作戦開始」と伝えている。記者たちは緊張した。「あすにも戦争終結発表があるかもしれないというときに、全面作戦開始の発表はなっとくできない」――庄司記者(松村達雄)が口を切った。もしこの発表が流れれば東京にも原爆が落ちるかもしれないという思いはみんな同じだ。ベテラン記者の中には、いつもの大本営発表文とくらべハンコの押し方が違っていることに感づいた者もいた。

かれらは断固として発表を各本社に流すことを拒否した。十時記者(杉浦直樹)は東大尉(幸田宗丸)にピストルまでつきつけられ脅迫されたが彼もことわった。片山大佐は退散するより手がなかった。

(写真:テーブルをはさんで対峙する園井啓介、細川俊夫、河野秋武、松村達雄、杉浦直樹、長田政次郎(原作者)、武田正憲、伊藤久哉)

(毎日新聞夕刊より記事引用)
【軍の謀略と戦う新聞記者】敗戦秘史の一コマをドラマ化
長田政治郎原作、灘千造脚色。十五年前、天皇の玉音放送が行われる前日の昼過ぎから翌十五日午後にかけての陸軍省詰め新聞記者たちの行動をめぐる敗戦秘史の一コマを描く。十四日の昼過ぎ、陸海軍は全面的作戦を開始したという大本営発表が行われようとした。これが発表されておれば東京上空にも原子爆弾がさく裂したかもしれなかった。この軍の無謀な謀略を未然に防いだ陸軍省詰め新聞記者のヒューマニズムをドラマ化したもの。

庄司記者=松村達雄、十時記者=杉浦直樹、藤堂記者=河野秋武、村橋大佐=武田正憲、北川少佐=伊藤久哉ほか。


*テレビ初出演ドラマは1961年の「光秀反逆」だと思っていたが、前年にこんなものが。軍部は4人だけなので、おそらく新聞記者サイドにいたと思われる。ただ、読売新聞には名前があるが、作品を大プッシュしている朝日新聞の方には見当たらないのがもどかしい(まさか細川さんに替わったわけではないだろうけど)。

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| TVドラマ(現代劇)::その他(単発など) | 10:20 PM | comments (x) | trackback (x) |
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