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『ごろつき犬』
『ごろつき犬』(1965年・S40)

紀州に流れていた鴨井大介(田宮二郎)は、謎のキャデラック美女・三沢葉子(水谷良重)から、夫の仇の一六組幹部3人(稲取・川勝・辺見)をやっつけてほしいと言われて大阪(天王寺)へ。通天閣周辺で前回つぶした蒲生組と天地会の残党に絡まれるが、なぜか彼らは途中で逃げてしまう。鴨井の背後に、彼の帰阪を知りニヤニヤと尾けていた木村刑事(天知茂)がいたからだ。

「なんや、しょぼくれ刑事やないか!」いきなり初出のニックネーム(以後定着)で呼ばれても怒る訳でなく(むしろ嬉しそう)、しょぼくれはうどんの汁をダシに、同僚刑事を射殺した凄腕、一六組の稲取を探ってほしいと鴨井に頼む。お前よりハジキがうまいかもしれん、と対抗心に火をつけられた鴨井は一六組のアジトに向かうが、川勝(成田三樹夫)と辺見(山下洵一郎)の姦計により銃を奪われ倉庫に監禁されてしまう。“組長”の命でまもなく放免、組の女・まゆみ(江波杏子)から銃を返されたものの、その銃は同じく監禁されていた会社重役の射殺に使われていた。

まゆみと恋仲だった実行犯の辺見が殺され、鴨井自身も葉子との逢瀬の最中に狙撃された。黒幕は稲取か――。鴨井の脳裏に、冒頭温泉で遭遇した、自分と同じ拳銃痣(というのかどうか知らないが、肩についた疵)を持つ男(根上淳)が浮かんだ。警察に来た彼にしょぼくれは「俺は胸をやられていてもう長くないんや」と軽く咳込んでみせ、その男のモンタージュ作成に協力させる(もちろん、胸の病はウソ)。出来あがった写真をみて、まゆみは稲取に間違いないと断言した。

警察を出た鴨井は拉致され、川勝たちと銃撃戦を展開。しょぼくれに「あの男のそばにいると危ないよ」と標準アクセントで止められたにもかかわらず後を追ってきたまゆみが負傷し、川勝は稲取に消されてしまった。警察の目をかいくぐり(というか、わざと逃がしてくれたしょぼくれのおかげで)、稲取と今まで謎だった“組長”を追いかけて再び紀州入りした鴨井は、組長=葉子であったことを知る。大金を独り占めしたかった葉子は、邪魔な幹部の抹殺を鴨井に頼んだのだ。

稲取とサシの勝負に挑んだ鴨井だが、銃を持った葉子に狙われた。そこへわらわらと現れた連中とのドンパチの最中に葉子が被弾、鴨井は稲取以下を“かすり傷”で射止めると、しょぼくれからの要請で彼を「鴨井警部」として援護にきた警官たちに気をよくして帰っていくのだった。

最後はおやじさん(中田ラケット)の遺骨を抱いて故郷に帰るまゆみを天王寺駅で見送った後、紀州から追いかけてきた玉子ちゃん(坂本スミ子)をしょぼくれに押しつけてトンズラする鴨井、苦笑しつつやっぱり嬉しそうなしょぼくれが映ってエンドマーク。

*うどん好きのしょぼくれ刑事こと木村刑事、再登場。「俺がうどんを好きなんはな、人生観につながっとんじゃ。叩いて伸ばして細長く、な」「その上にこう、つかみどころがない」鴨井の返しが漫才並みでナイス。モンタージュの時といい、いっぺん勝負しよやないか!と向かった先が将棋クラブ、という流れといい、鴨井にどつかれて逃げられても笑顔で手を振ってみせたりするしょぼくれの余裕と、口ではボロクソに云いながら彼に懐いている鴨井のコンビが実に楽しい。

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| 映画::大映with田宮二郎 | 11:46 PM | comments (x) | trackback (x) |
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