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『軍神山本元帥と連合艦隊』
『軍神山本元帥と連合艦隊』(1956年・S31)

国を愛し人を愛し、そして平和を愛しながらも悲劇へと突き進まざるを得なかった連合艦隊司令長官・山本五十六(佐分利信)の業績を、彼の内面にスポットを当てながら描いたセミ・ドキュメンタリー。セットは多少しょぼくても、これでもかと挿入されるリアル映像の迫力と、実際に戦争経験してます世代のキャストたちの演技は、今の時代には到底出せない重さを感じさせてくれる。

まだ第二次大戦前、ロンドンへ軍縮交渉に向かう五十六長官と青年将校・三島(宇津井健)を、大勢の人々が見送った。その中に紛れている着物姿の怪しい二人組。大柄なのは右翼・東亜会の会頭・黒川(丹波哲郎)、「強硬交渉を頼むー!」と声を張り上げている小粒なほう大石(天知茂)だ。どうやら彼らは迷惑な人々らしく、「沢山見送ってくれましたねえ」といつもバカがつくほど朴訥な青年・宇津井=三島将校の感想に対し、「あんなのが憂国の士では、日本も危険千万な話だ」と五十六長官はばっさり斬り捨てていた。

まさかこれで出番が終りなのか?と危惧したものの、その困ったちゃんズは物騒な手下を2人追加して、帰国した五十六長官の家に押しかけてきた。若いときから尊大な丹波さん(黒川)が偉そうな口調で長官に詰め寄る隣で「この国家の難局に、あんたのような腑抜けに政治を任しておくことは出来ん!」と虎(=丹波)の威を借る背広姿の大石くんだったが、もちろん五十六長官が黙っているわけはなく、「国賊とは貴様らのような奴らのことを言うのだ!」と一括され、眉根にぴしぃっと横ジワが。ドスを抜く手下の横で指をぽきぽきっと鳴らすフリ(?)をするも、見た目が見た目だけにただ揉み手しているだけにしか見えないあたり(写真)に小粒感がただよう、キレやすい大石くん(と兄貴分の黒川さん)の出番はこれにて終了。

*高島忠夫氏や宇津井健氏が青年将校としてそれなりに活躍の場を与えられている戦争映画の中で、ある意味で目立つ(というか浮いている)ヒールの役割をあてがわれた実悪&色悪コンビ(by 鹿島茂「甦る昭和脇役名画館」)。昔からちっとも変わっていない丹波さんはともかく、25歳の天っちゃんは真剣そのものなんだけどまだどこか不安定な感じがつきまとっていて、役が付き難かったのがなんとなく頷けた。

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| 映画::新東宝 | 10:23 PM | comments (x) | trackback (x) |
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