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『婦系図より 湯島に散る花』
『婦系図より 湯島に散る花』(1959年・S34)

1959年といえば、『女吸血鬼』『東海道四谷怪談』の二大怪作で怪演したほか、丹波さんに縛られたり(『無警察』)インド人に苦労したり(『静かなり暁の戦場』)しながらも主役に返り咲き、そのままトップ・スタアの仲間入りを果たした記念すべき年である。その年の締めくくりに回ってきたのが、天下の二枚目の役というわけだ。

幼くして両親と死別、大学教授の酒井先生(佐々木孝丸)宅で育てられ彼の右腕となった業界の光源氏こと早瀬主税(天知茂)は、就職祝いに設けられた宴の席で芸者の蔦吉(本名=お蔦:高倉みゆき)と出会う。お猪口一杯で酔いが回った可憐な早瀬をお蔦は酒井先生公認で朝まで介抱し、そのまま二人は同棲する間柄に。芸者を辞めて甲斐甲斐しく尽くすお蔦だったが、娘の妙子(北沢典子)を自分の嫁にと考えている恩人の酒井夫妻(しかも夫人は病身)に対して、早瀬はなかなか話を切り出せないでいた。

ある日、彼らの関係がひょんなことから(妙ちゃんを狙う直助チックな悪党=河野を演じる江見俊太郎の奸計により)新聞沙汰になり、そこまで深入りしていたとは知らなかった酒井先生が大激怒。ワシのため、そして夫人のためにもお蔦とは別れてくれと迫る先生を前にして、愛する者よりも恩人との歳月の長さを重んじてしまった早瀬は、湯島天神の境内で泣く泣くお蔦に別れを切り出し、独り九州へと旅立つことに。

数ヶ月後。世界史の翻訳を無事終え名を挙げた早瀬氏上京予定か、と書かれた新聞を見たお蔦は駅へ駆けつけるが、待てど暮らせど早瀬の姿は見えず(ガセだった模様)、とうとう高熱を発して病の床についてしまう。偶然立ち寄った妙子は瀕死のお蔦の様子に心を痛め、早瀬との仲を許すよう父を説得。だが、駆けつけた父娘の前で、先生に早瀬の姿をみながらお蔦は息を引き取った。

一方、花畑でお蔦と祝言をあげている最中にお蔦が消えてしまう、という不吉な夢をみて胸騒ぎに襲われていた九州の早瀬は、ほどなく受け取った酒井からの電報に打ちのめされ(画面がぐるぐる回ったりびよ〜んと伸縮したりして彼の衝撃度をビジュアル化)、お蔦への真実の愛を貫かんと、風吹きすさぶ断崖から身を投じるのだった。

*カメラワーク(ツーショットだと大抵早瀬がうなじ側)といい小道具(ピンクのひらひら枕がやけに強烈)といい、お蔦=高倉みゆきさんをいかに綺麗に撮るかにウエイトが置かれていた感のある作品とはいえ、早瀬=天っちゃんもなかなかの二枚目ぶりを発揮していた。だが優男であろうとするあまりか、特に湯島天神のくだりなどお蔦がらみのシーンでの台詞回しが普段以上に軽く(可憐に?)なっていたのがイタかった。ラスト、飛び込む時の独白なんかすごくうまいのに、メロドラマなシーンはどうにも人を赤面させる天っちゃんだ。

*お蔦の後輩芸者役で三原葉子ねえさん。着物でもボリュームたっぷりだ。脱がないが。

*リピートしてみたらラストの独白もやっぱり恥ずかしかった。

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| 映画::新東宝 | 10:27 PM | comments (x) | trackback (x) |
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