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『女王蜂』
『女王蜂』(1958年・S33)

「女王蜂」といえば横溝正史、つい“口紅にミステリー”のほうを連想してしまうのだが、こちらはさらに20年も前の新東宝の女侠客シリーズ第1弾。

昔気質の侠客・湊一家のお竜(久保菜穂子)は、寄る年波に勝てぬおとっつぁん・鉄太郎(横山運平)に代わって組を切り盛りしている勝気な姐さん。だが近頃は、ムチムチおねーさんが歌い踊る(アクロバットもやる)クラブ経営などで羽振りの良いハマの新興ヤクザ・真崎組がのさばってきて湊一家はおされ気味。「斬った張ったばかりがヤクザの能じゃねぇ!」が口癖のキレ者組長・真崎(サスペンダー&白スーツでクラブのマスターというよりウエイターのようでもある天知茂)は組同士のいざこざも金で収めようとする男だが、鉄太郎にせっかくの好意(?)を無下にされ眉間に怒りを溜め始めており、かなり不穏な雰囲気である。

そんな中、湊一家のシマである下町マーケットが全焼、おとっつぁんも亡くしたお竜さんはマーケット再興のために金策に走り回った。どこも断られる中、救いの手を差し伸べてくれたかに見えた金融商会は真崎の息がかかった会社。工事をわざと遅らせて返済を滞らせようとする真崎組のいやがらせに負けじと博打で稼ごうとするお竜さんだが、いいところで手入れに遭ったりでめどが立たない。お竜さんを幸せにする自信がなくて逃げるように船乗りになり、ちょうど寄港中だった俊介(中山昭二)は見かねて真崎に談判に出かけ、麻薬密売を条件に前借りした現金を、そっくりそのままお竜さんに手渡した(これで二人のラブラブ度は絶好調)。

俊介の金を真崎に叩き返したお竜さん。だが真崎は利息分が不足しているよと不敵に笑い、彼女をその場で押し倒す。それを知った真崎の女・マキ(三原葉子)が「あんな小娘のどこがいいのヨッ!」と激しくジェラシー、火事の真相(=真崎の差し金)を立ち聞きし監禁されていた踊り子・美沙(城実穂)の逃亡を助けたおかげで、湊一家VS真崎組の全面対決が始まった。

皆に迷惑をかけまいと(といっても既に敵味方ぐちゃぐちゃになってるのだがそれはさておき)お竜さんは真崎に決闘を挑む。波止場でにらみ合う和服の彼女と白トレンチの真崎。「お竜さーん!」突如走ってくる俊介に真崎はちょっと気を取られるが、お竜さんは「余所見してんじゃないよっ!」とやる気まんまんだ(あなたの彼氏でしょうに)。そして・・・。ハジキが得意という真崎の銃が先にお竜さんを捉えたものの、近づいたところをバスッとやられて真崎撃沈。お竜さんは俊介の腕の中で幸せそうに息を引き取った。

あらすじ - goo 映画(結末を含め、かなり本筋と差異あり。ちなみに天っちゃんは「助演」となってるが、クレジットでは3人並んでいた)

*コワモテでいかにも強そうな泉田洋志さんたちを引きつれた頭脳派ヤクザの真崎=天っちゃん。ワルには違いないが、クラブを仕切ったり接待ゴルフに付き合ったり、なんだかマメに働いている姿が印象的だった。一方で実に頼りなかったのが俊介。真崎なんか一発でノシちゃえそうな感じだったのに、あのラストの役に立たなさはどうなんだろう。中山昭二さんだからなのか?それとも名前が「政」じゃないからか?(←女王蜂シリーズの“ヒーロー”はたいてい「○○の政」という名前)

*田口哲(さとし)監督は天っちゃん主演デビュー作『恐怖のカービン銃』のメガホンを取った人でもある。

*新東宝・女王蜂シリーズはこの後『女王蜂の怒り』『女王蜂と大学の竜』『女王蜂の逆襲』と続き、『大学の竜』からヒロインが三原葉子ねえさんにバトンタッチされる。それに伴って天っちゃんも悪人から善人へシフト。・・・そういえば今回の葉子ねえさんは出番が短くて(踊りもなくて)残念だった。

*お竜さんを押し倒した後の真崎くん@クリスマスお仕事バージョンをキャプチャーしてみました(前髪の処理の仕方がナイス)

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| 映画::新東宝 | 11:33 PM | comments (x) | trackback (x) |
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