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非情のライセンス 第2シリーズ #92
#144「兇悪の孤独」(1976年・S51・7月22日OA)

藤丸商事の手形パクリ事件を捜査中の会田(天知茂)は、レストランで旧知の女性・柏木節子(葉山葉子)と再会した。節子はかつて会田が四課にいた頃に殉職した先輩刑事・柏木の一人娘。妻子ある男性と道ならぬ恋を続けている彼女には孤独の影がつきまとっている。翌日、パクリ屋・恩田(高野隆志)の焼死体が発見された現場で再び節子を見かけた会田は、彼女のマンションを訪ねた際、妙な少年が外をうろついていることに不審を抱く。

少年の名は竹沢宏(川代家継)、近所で続く連続放火事件の犯人だった。節子に落し物のコンパクトを届けに来た宏は、死体があった現場で彼女と一人の男を見たのだという。非難するでも強請るでもなく、ただ人に言えぬ秘密を持つ孤独な者同士が寄り添うように親密になるふたり。しかし、節子の不倫相手で恩田殺しの実行犯である垣沼利夫(柳生博)は、「あの晩のことは誰にも言わないから、彼女(=節子)を幸せにしてやれよ!」と甘っちょろいことをいう宏がうっとおしい。

放火容疑で捕まった宏は会田たちの取調べを受け、垣沼をおびき寄せることに同意したが、節子の関与には黙秘を続けた。会田は節子のマンションに向かい「も人の心は分かるつもりです。いや、分かるように心がけているつもりです」と彼女の良心に訴えかけ、落としの名人だった先輩の娘を自白させるに至った。

大株主の工藤栄之助(竜崎一郎)の命によりわざと自社の手形を恩田にパクらせ、欲を出した恩田を殺した垣沼は、目撃者である宏を抹殺しようとし、特捜部の手で逮捕された。自分の寂しさを、間違った男で埋めていた。そう自嘲する節子に会田は言う。
――そんな思いを埋めるのは他人じゃない。自分しか、ないんじゃないかな。
(昭和ブルースは1番)

*またまた会田のモノローグ付き(原点回帰?)。「ボク」という一人称が聞けたのは珍しい。

*第3シリーズで同僚になる柳生さん、前回(#70「兇悪の秘め事」)は被害者だったが今回は悪人。リバーシブルな人なのね。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:19 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #91
#143「兇悪の愛と友情」(1976年・S51・7月15日OA)

なんとも微妙な柄が散りばめられたシャツとラフな青ジャケットの会田(天知茂)は、親友の麻薬取締官・佐伯辰雄(根上淳)と共に金庫破りの真っ最中。麻薬組織を追い、シップチャンドラー(=船舶納入業)として潜行捜査に携わっている彼等は、金庫の中から目当てのスヌーピー(の中の割符)を奪うと退散した。

取引に赴くには3千万の現ナマが必要。佐伯の助言に従って、会田がバー“ナルシス”のママ・由美(珠めぐみ)に金の無心をしたところ、由美は父・島村圭介(郡司良)に5千万借りて、そのうち2千万を私に貸して頂戴と条件を持ち出す。了解した会田は、担保がわりに“愛と友情のシンボル”・ガーネットの指輪を受け取った。

ところが金を借りてきた途端、事務所(“サンライズ・カンパニー”)に脅迫電話が。「奥さんを預かった。5千万用意しろ」会田はむずかる佐伯に5千万を渡し、自分は空手で取引先へ向かう。だがいくら待っても相手は来ず、おまけに佐伯の妻・友子(榊ひろみ)は無事であることが判明。そして佐伯が、顔を撃ち抜かれた無残な焼死体で発見された。

佐伯宅を弔問に訪れた会田は、仏前で生あくび&死んだ金魚にエサをやるなどの友子の不審な挙動に眉を顰める。だがまずは消えた5千万の行方を追い、見るからにそのスジの輩を使ってあくどい組織を率いている島村を詰問しに向かうが、手下に待ち伏せられボコ殴りされて失神。気がつくと、偶然通りがかったという由美に(なぜかご丁寧に上半身脱がされ、ピンクのおしぼりを額に乗っけられて)介抱されていた。
――偶然の闇の中で、俺をあざ笑っている奴がいる。
不可解な偶然が続くことに、会田は苛立ちを隠せない。

事務所に帰ると、友子からの電話。受話器の向こうの不穏な雰囲気に急ぎ佐伯宅へ向かった会田は、そこで彼女の絞殺死体とテープ(リール)の切れ端を発見する。先日の様子から、友子がヘロイン中毒ではないかと踏んだ彼が書斎を探すと、案の定、未使用の白い粉袋が見つかった。事件のカラクリが読めてきた彼は、会いたいというメッセージをリールの切れ端とガーネットの指輪と共に置いて去る。

夜、事務所へ現れたのは死んだはずの佐伯だった。ミイラ取りがミイラになってしまった彼は、会田を騙して金を工面させ、脅迫電話を自作自演して先に取引相手を殺し、ヤクと金をまんまとせしめていたのだ。禁断症状で苦しむ佐伯を見兼ねて自ら麻薬を打ったという夫想いの妻が良心の呵責に耐えられず会田に告白しようとしたところを発作的に絞殺してしまった佐伯。「どうか俺を裁いてくれ!」そう叫びつつ誰かを庇っている様子の彼を「カッコいいこと言うな!」と突き放し外へ出た会田は、自決の銃声を耳にして静かに目を閉じるのだった。

そのころ、会田のワンマン捜査が気が気でない一課の橘(渡辺文雄)は、由美に会田の正体をバラすという、ちょっとそれはマズいのではな行動に出ていた(ジェラシーですか班長さん)。ほどなくして県警に会田宛のたれ込み電話が入り、橘たちは島村邸から麻薬を回収する。

一方、由美と会田はムード満点に乾杯中。お姫様抱っこでベッドへ由美を横たえた彼は、宝石箱から、ここにあるはずのないガーネットの指輪を取り出して突きつける。黒幕は由美だったのだ。佐伯を操り父親の麻薬組織を乗っ取ろうと画策した彼女の唯一の誤算、それは「心底あなた(=会田)を愛してしまったこと……」。
――会田さんの胸で思いっきり泣いてみたい。
それを実現させた由美を前に、会田は手錠を握り締めながら暗い目を彼方へ投げていた(昭和ブルースは4番)

*会田のモノローグが付く、第1シリーズ風のハードボイルドなストーリー展開。会田がいちいちキザでカッコいい(お肌は肩の方がちょっと荒れ気味だけど、ってどこをみとるんだ)

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非情のライセンス 第2シリーズ #90
#142「兇悪の擬装工作」(1976年・S51・7月8日OA)

東南アジア開発計画で多額の裏金を用意、シェアを広げたとされる北亜開発の営業部長・岡本英彦(小倉雄三)の死体が川から浮かんだ。警察上層部は事故死で処理、矢部(山村聡)と橘(渡辺文雄)が苦い顔をつき合わせていた特捜部屋へ「警察を見損なった!」と激しい勢いで突っかかってきた男に、会田(天知茂)は興味を覚えた。

男の名は東都新聞の記者・速見強(川地民夫)。死んだ岡本の親友だったという彼は他殺の証拠を握っているというが、他殺と自殺の区別もつかない“給料泥棒”には教えられない、と取り付くしまもない。しかし会田が上層部の命令を無視して捜査を続行しようとしていることを知り、徐々に心を開いてゆく。

速見の協力で、事件の鍵を握る総会屋・深尾(高木淳一)を拘置所から強引に誘拐、ボコ殴りした会田は、彼の口から裏金問題のカラクリを知る。社長・若月(森塚敏)の姪を妻に持つ岡本は会社の犠牲にされたのだ。そして金にモノを言わせた黒幕は、政界とも繋がりを持つ大貫泰造(浜田寅彦)という人物だった。

公務執行妨害と誘拐容疑でブタ箱入りになった会田だが、深尾が拘置所内で毒殺され、部下の身を案じた(に違いない)矢部部長が「特捜の切り札(=会田)がいなければ勝負できない」云々と上層部に掛け合ってくれたおかげですぐに釈放された。身代わりともいえる深尾の死にショックを受けた会田は、黒幕たちへの憎悪をたぎらせる。

会田と速見の次の手がかりは、若月社長の秘書・津村理恵(生田悦子)。かつての恋人・岡本から出世のために別れ話を切り出された理恵の愛憎半ばする思いに訴えたふたりに応え、融資依頼書のコピーを持ち出した彼女だったが、若月らが雇った連中の手により転落死させられてしまった。そして、ペンで挑もうとした速見は記者の命ともいえる利き手を傷つけられて入院、会田もまた、彼らに車で連れ去られ暴行を受ける。

かろうじて逃げ帰った会田がぱりっぱりにキメ直して速見の病院に駆けつけると彼の姿はなかった。TVの生中継に飛び入りして、若月と大貫の悪事について訴えかける速見。その決死の声は途中で中断されたが、彼の想いを汲んだ会田は大貫の出版記念パーティーに乗り込み、本性を現し銃を向けた彼の額に鉛の弾をぶち込むのだった(昭和ブルースは4番)

*ペンを武器に闘う記者との対比ゆえか、普段以上に腕力に訴えていたバイオレンス会田。さすが「潰される前に潰す」が人生訓だけのことはある(←特捜が潰れたらどうするか、と矢部さんに問われたときの回答)

*こんど(理恵さんの死が)事故死にされたら休暇をとるよ、とヤル気をみせた橘班長、ラストも「撃つのもうちょっと待ってくれりゃいいのに。逮捕状とってきたのにさあ」とでも言いたげに、でも会田の行動にも理解を示している様子が伺える表情が相変わらず良い味だった。

*前回からレギュラー入りした浮田刑事(松山英太郎)と仲良く将棋指してる坂井刑事(宮口二郎)。右田との関係もそうだが、顔の割にはなぜかいつも相手にしてやられている姿が可笑しい。

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非情のライセンス 第2シリーズ #89
#141「兇悪犯指名手配」(1976年・S51・7月1日OA)

落石に巻き込まれた囚人護送中のバス。人一倍兇悪な面相の黒崎鉄次(今井健二)は警官と囚人を皆殺しにした挙句に逃走した。彼の行き先は、ボス・赤根(近藤宏)のいる港町。自分の居ぬ間に情婦・さつき(峰洋子)を地元の黒幕・白石豪造(高木均)に与え、さつきを自殺に追いやった赤根たちに復讐をするためである。

さて、その港町では、アロハシャツ&格子柄スーツ(胸にはもちろん金鎖)のいかにもな男(=会田:天知茂)が、さつきの勤め先だったピンクショーに姿を見せていた。彼女によくしてもらったという悠子(川崎あかね)の部屋を借りた会田は、そこで黒崎の来るのを待つ。生死にかかわらず黒崎を捕獲せよ、が今回彼が受けた特別指令なのだ。

その夜、赤根組のチンピラが刺殺され、会田は黒崎がすでにこの町にいる事を知る。
血に飢えた一匹狼――奴のけものみちは、俺には判るような気がする――。
同じく一匹狼の会田の勘は、黒崎の潜伏場所を探り当てた。しかし、相手もまた彼の存在に気づき(さすが兇悪顔が酷似しているだけのことはある)、悠子の部屋で待ち伏せて殴り倒した。この“泉田健一”(会田の財布に入っていた偽名の名刺)が赤根に雇われた殺し屋だと思っている黒崎は、こいつはこっちで始末してやるざまあみろと赤根に最後通牒を突きつける。

当然そんな殺し屋のことは知らない赤根&白石サイドだが、彼らの側にもひとり、関東から来た怪しい男(松山英太郎)がいた。これはきっと、我々のシマを根こそぎ奪おうとする関東連合の差し金に違いない、そう勝手に解釈した彼等は男を捕える。

悠子と仲間の女たちのおかげで会田は難を逃れ、悠子に撃たれながらも白石邸に向かった黒崎を、ナイスタイミングで駆けつけた坂井(宮口二郎)と共に追いかける。坂井によると、内偵していた特捜の浮田刑事からの連絡が途絶えたのだという。「君はそのなんとかっていう刑事を救出しろ」 そう命じて(でもなぜか会田とずっと一緒に動いてる坂井さんと)屋敷に駆け込むと、既に黒崎は自分の復讐を遂げた後だった。女たちからろくでもない男だと怖がられ蔑まれていた黒崎は、会田の銃弾に倒れた後、愛しい女の名前を呼びながら笑みさえ浮かべて死んでいった。

無事に脱出できた浮田刑事(=松山さん)に特捜の掟(というよりオヤジ=矢部さんの手法)についてひとくさり先輩面して語ると、会田は港町を後にした(昭和ブルースは1番)

*会田(いつものスーツ以外)と黒崎(=今井さん)は結構キャラが被ってて思わず間違えそうになった。だから会田、途中から(ヤクザなのに)いつものストライプスーツにしたのか?(違)

*なぜか港町に綾さん(岸田今日子)が居合わせて(ムーミンパパ=高木さんを訪ねていたのでは無論なくて、友達がいたのだそう)会田とばったり。「偶然って、メロドラマだけじゃないのね」 なんだか最近、会田クンが愛しくて仕方がないらしい綾さんは、単独捜査中の彼が心配でたまらない様子だった。

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非情のライセンス 第2シリーズ #87
#139「兇悪の弾痕」(1976年・S51・6月17日OA)

暴力団の手入れに失敗、逃走を許した挙句に左腕を撃たれて開始早々ツイてない会田(天知茂)は、病院で腕をさすりながら事の起こりを苦々しく反芻する。

発端は、抗争かまびすしい門脇組VS相沢組に関する1本のタレ込み電話。右田(左とん平)と出向いた指定場所には、佐伯麻里(北川美佳)と名乗るヤク中(にはあまりみえない)女が待っていた。大組織を率いる門脇(天津敏)に対し、ヤクを回して貰えず困窮している自分の亭主・相沢(山本昌平)が殴りこみを掛ける、そこを押さえて二人とも逮捕してほしいという彼女の言葉に従って現場で張っていたところ、冒頭のようなことになったのである(ちなみに麻里の策略ではなく、「刑事らしいヤツらが張り込んでますぜ」と単純に身元が割れての失敗。そりゃ見張ってるのが会田と坂井だもの、バレて当然だろう

会田の回想は、病室を訪れた麻里によって中断した。新聞沙汰になったおかげで二人は争わずに済む、と礼を言う麻里。商品のように門脇から相沢へ回されたと語る彼女から、二人の男、とくに門脇への思慕を会田は嗅ぎ取った。そして同じものを嗅ぎ取りジェラシーと劣等感に苛まれる男・相沢は、門脇の居場所(=千丈崎の千丈ホテル)を突き止め、決着をつける為に単身で乗り込もうとしていた。制止しきれなかったことを悔やみ、銃を喉に押し当てた麻里を止めた会田もまた、「どっちにしたってたかがヤクザの情婦じゃないか」と深入りを懸念する矢部警視(山村聡)の忠告を聞き流して千丈崎へと向かう。

そのころ、千丈崎でホテルという名の民宿を営む斉藤さん夫妻(宗近晴見&生田くみ子)は、兇悪な面相の2人組の宿泊客が指名手配されている門脇と子分の足立(佐藤京一)であることを知りびっくり仰天。そこへ兇悪な顔の男(=相沢)が現れ足立をあっさりバラしてしまい、おまけに彼らの上部組織から派遣されたという、左腕を黒革でガードしたこれまた輪をかけて兇悪そうな男(=会田)まで飛び込んできた。特捜の右田とかいう男のおせっかいな電話により刑事であることがバレた最後の男(=会田)は、頼りになるどころか殴られて昏倒、不安と危険は増すばかりだ。

切羽詰った斉藤さんのフライングもあれど、兇悪顔の三すくみ状態は明け方まで続いた。と、そこへ麻里がやって来て愛しい男(たち)の無事な姿に安堵するのだが、門脇と相沢はまたもや彼女を品物のようにしか扱わず、男同士の決闘のため外へ出て行った。ふたりを止めて!半狂乱の彼女に再び懇願された会田は「虫けら共は死ぬがいい。地べたに這いつくばって、虫のように死ぬがいいんだ…!」とまるで取り合わない。

しかし、罪も無い一般市民たちが抗争のとばっちりを受けた事実が脳裏をよぎり、床に落ちていた拳銃を握り締めて会田は二人の後を追う。そこには相沢の死体と、金とヤクを持って立ち去ろうとする門脇の姿が。会田の拳銃には弾が無いという事実を読み切れなかった門脇は、虫のように死んでいった。追いかけてきた麻里は遺体に取りすがり、憎しみをこめた目で会田に銃を向ける。

――撃てばあんたは、正真正銘の品物になってしまう。この(鞄の)中の1枚の札よりも軽い品物になってしまう――。

銃を取り落とし号泣する麻里に背を向け、会田はその場を去っていった(昭和ブルースは1番)

*天津敏、山本昌平そして天知茂(おまけで佐藤京一)の兇悪顔トリオで画面が濃厚な回。ただその濃さに比べると、展開がもうちょっと兇悪でも良かったかなと思う。麻里さんが綺麗すぎて“抜け殻”の女には見えない、ってのもネック(三船御大に遠慮?)。とはいえ会田は左腕負傷のハンディがある上に、昏倒だの水責め(?)だのといろいろ受難。お疲れ様でした。

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非情のライセンス 第2シリーズ #88
#140「兇悪・その愛」(1976年・S51・6月24日OA)

昼は聖女・夜は魔性の女を自称する新進デザイナー・瀬川紀子(紀比呂子)は曜日ごとに男をとっかえひっかえの奔放な生活を謳歌していた。そんな彼女に癒しを与えてくれる水曜の男・宗方浩(小坂一也)の様子が最近おかしい。

実はこの宗方、転落死した上司(久松保夫)から会社の命運を握る秘密文書を託され苦悩の真っ最中なのだ。「私に何かあったら、これを警察に…」と(ミスター・スポックな声)で頼まれたものの、その文書が公表されると会社の不祥事が明るみになり全社員が辛い思いをする、それは、かつて父親が同じ状況で人生を狂わせたのを目の当たりにしている彼にとって耐えられないことだった。

悩んだ挙句に宗方は、自分がもっとも信じ愛している紀子に書類を託した。だがあまり真剣に考えていない紀子は書類を探しに来た刑事(=会田:天知茂)を煙に巻き、書類を預かっていることを会社に知らせてしまう。

かくして、会社が雇った刺客たち(と会田ら特捜部)に追われる羽目になった宗方と紀子。進退窮まり、共に死んでくれと懇願する宗方から一旦は離れた紀子だが、自分が本当に求めていたもの(人)に気づき、間一髪で宗方と書類を守るのだった(昭和ブルースは1番)

*紀子にウラをかかれた上、「F」のママ・綾さん(岸田今日子)に「インスタントラーメンの美味しい作り方教わったの、来ない?」だの「私だって貴方のことを愛しているかもしれないわ」だのいつになく積極的に迫られていた会田。女難の回? (でもその美味しいラーメンは私も気になるなあ)

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非情のライセンス 第2シリーズ #86
#138「兇悪の流転」(1976年・S51・6月10日OA)

カントリー・エレベーターを巡る製作会社―農業庁間の収賄事件の渦中にいた農業庁の役人・小畑が、チンピラにくだらないイチャモンをつけられ刺殺された。2年かけて追っていた小畑に死なれた会田(天知茂)は怒り心頭、一課の嫌味もなんのその、独自捜査に乗り出す。

チンピラは日東会の黒沼(富田仲次郎)の息がかりで、どうやら黒沼に殺人を依頼したのは、収賄の件が漏れては困る製作所長・岩崎(加賀邦男)らしい。岩崎宅に宣戦布告しにいった会田は、彼の娘・留美子(森田=現・五十嵐=めぐみ)から「ハンス」と揶揄されている岩崎お抱え運転手の村田勇吉(仲谷昇)の姿にデジャブを覚えた。それもそのはず、小畑や岩崎たちの密会の場に居合わせ、尾行していた会田に気づき鋭い視線を投げた人物だったのだ。

会田は村田に証言を求めるが、戦時中に岩崎に命を救われた恩義から、彼は頑なに知らぬ存ぜぬを繰り返す。陸高(陸軍高等師範学校)出で中尉だった村田を一兵卒の岩崎が利用したのが真相のようだが、厳格なまでに律儀な村田はどこまでも岩崎を護ろうとするのだった。

一方、岩崎は黒沼に殺人の件で脅迫され、口止め料として3000万を要求されていた。「ヤツ(=黒沼)は君の陸高の同期だろう、まけてもらってきてくれ」実にえらそうにアゴでこき使われたにも関わらず、村田は黙ってナンブ式自動拳銃を掘り出して黒沼の事務所へ赴き、アンタは処世が下手だねと鼻で笑うかつての部下に銃を向けた。

会田が駆けつけた時には既に、村田は組員たちの手にかかり事切れていた。現状を見るや否や全員を撃ち倒し(←ただし半殺し)、村田の銃をそっと胸に収めると、会田は死んでいる黒沼に自分の弾を3発ぶちこんだ。そしてその足で岩崎宅へ向かい、彼に逮捕状を突きつける。「ハンスがお父様の事を喋ったのね!」この親にしてこの子ありな留美子の言葉に会田はキレる。「ハンスと呼ぶな!村田さんは立派な人だ!」

本庁の霊安室では、男手ひとつで育てられた父想いの村田の娘・美和子(小野恵子)や友人(ケーシー高峰)が泣き崩れていた。そこへ橘(渡辺文雄)と手錠で繋がれた姿を見せた会田は「黒沼を殺したのは俺ですよ」と村田の手が汚れていないことを主張。カラクリに感づいている橘も、今回ばかりは会田の取った行動を黙認するのだった。

外を歩く会田の脇を通りすぎる村田の霊柩車。
『ふと、死んだ親父のことを思い出した。
たぶんそれはあの律儀な男のせいだ。
生き方の下手な男だった。
ま、そういう俺も、生き方はうまくないがね……』
(昭和ブルースは4番)

*仲谷さんといえば#17「兇悪の誇り」のヒースクリフ英吉(←勝手に命名)が印象的だったが、今回のハンス村田もかなり強烈だった。舞台の人だからか、なんとなく横文字が似合うんだよなあ。ちなみに当時の奥様・岸田今日子さんの出番は今回はさすがになかった。

*#55「兇悪の花道」では悪人の父に反発し、殺し屋とほんのり良い仲になる令嬢を演じていた森田(五十嵐)めぐみさんが、今回はよく似たシチュエーションながら典型的なイヤミお嬢様になっていて、いつもの役柄とのギャップに驚いた。おまけに(情報を聞き出すためとはいえ)彼女にモーションをかけまくってた会田にも目が点。
「こうみえて結構サマになってるじゃないか、君と俺」
「意外とワルね、貴方って」
「美人に弱いだけさ」
なーんてセリフをこのカップルから聞こうとは…!

*10歳やそこら(推定)の息子にまで“生き方の下手な男”との印象を植え付けて(原爆で)死んだ会田の親父さん、気になる存在だ。

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非情のライセンス 第2シリーズ #85
#137「兇悪の刑事」(1976年・S51・6月3日OA)

↑とりあえず会田のことじゃないのか?と思ったのは確かだ

神戸の刑務所から無期懲役囚・沼野(仙波和之)が脱獄。事もあろうに手引きしたのがマル暴の腕利き警部・広瀬(特別出演:高橋英樹)と分かり、警察サイドは驚愕する。しかも沼野は彼の妻・祐子(葉山葉子)を殺した犯人。三角関係のもつれという状況をでっち上げられ、ラブホテルで沼野に撃たれた祐子の無念を晴らさんと、広瀬は沼野の背後にいる入院中の安西組のボス(殿山泰司)に狙いを定めていた。

だが安西は会田(グリーンのネクタイが爽やかな天知茂)が追っている黒いピーナッツ(=麻薬密売)事件のカギを握っており、悪人とはいえ死なれては困る人物だった。会田は沼野を連れて東京入りした広瀬に丸腰で会い、説得を試みるものの、復讐に凝り固まる彼には通じず、ごたごたしているうちに沼野にちゃっかり逃げられてしまう。大井競馬場に逃げ込み、兄貴分の末長(深江章喜)に助けを求める沼野。しかし助けに来てくれたはずの末長たちからメッタ突きに遭いあえなく死亡。かろうじて末長を捕まえた広瀬は、祐子殺しは上司を振り切って捜査を強行しようとした彼への見せしめとして安西が命令したという事実を知る。そして、真相を聞き出すなり広瀬は末長を撃ち殺した

なんだこいつ、俺より兇悪じゃん!目の前の凶行に驚きつつも闘志を燃やした会田はこれ以上の暴挙を止めるべく肉弾戦を繰り広げるが、丸腰だけに分が悪く、広瀬の逃走を許してしまう。会田は安西の病室に押しかけ、用心棒をかって出た。しかし綾さん(岸田今日子)の店に寄ったり彼女を車で送ったりと余裕ぶっこいていたせいで、後部座席に隠れていた広瀬に銃口を押し付けられる羽目に(兇悪度でも分が悪いようである)。

殺された妻のお腹には子供がいたのだと会田たちに打ち明けた広瀬は、途中で組の襲撃を受け負傷しながらも安西の病室にたどりつき、憎い男に銃弾を打ち込んだ。
部屋の外には会田の姿が。矢部に頼んで病院の警護を解かせ、広瀬が無事に本懐を遂げるのを黙って見守っていたのだった。自分の追う事件に関する安西からの証言は取れなかった。しかし肩の荷を降ろしたような広瀬の様子に、どこか満足気な会田だった(昭和ブルースは4番)

*10年若かったら(というより会田じゃなかったら)いかにも天っちゃんが演じてそうな役を英樹が熱演。なにより会田の髪をあそこまでざんばらにしてしまうとは兇悪だ(そこか)。

*でも年齢差あるのに(身長差は言うに及ばず)天っちゃんも頑張って張り合ってたなあ。

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非情のライセンス 第2シリーズ #84
#136「兇悪の死刑執行人」(1976年・S51・5月27日OA)

新型の掃海艇を巡る収賄疑惑、そのカギとなる秘密文書が保管されているという女のマンションに駆けつけた会田(天知茂)と坂井(宮口二郎)が眼にしたのは、シャワー室で血まみれになっている夏目ふく子(白川みどり)の姿。「ヒシダ」にやられたと呟きふく子は絶命、文書も消え失せていた。

彼女の言う「ヒシダ」とは前科持ちの菱田鉄男(速水亮)と判明。潜伏先(=葉山の別荘)を突き止めて単身で館に乗り込んだ会田が逃げようとする鉄男に銃を向けた途端、タクシーで駆けつけた矢部警視(山村聡)から止めが入った。実は鉄男は、秘密文書の作成主で矢部さんの親友でもあった平松忠行(伊沢一郎)のひとり息子。身の危険を感じて妻子を離縁した平松氏だが、妻・静江(松下砂稚子)ともどもヨットの衝突事故で死亡、鉄男はヨットを転覆させたボートに乗っていたヤクザの一人を刺して刑務所に入り、出所した今度は、ボートのオーナーだったふく子を血祭りにあげたのだ。

鉄男に情報を流したのは、政界と暴力団の黒幕・金城鉄山(佐々木孝丸)の秘書・今井(久富惟晴)だった。彼は関西系ヤクザ(天本英世)と通じており、秘密文書が出回っては困る鉄山の失脚を狙っていた。

鉄男の次のターゲットは、ボートに乗っていたもう一人のヤクザ・朝田(武藤章生)。彼の事務所に先回りして盗聴器をしかけた会田は、彼とボスの東条(小瀬格)が鉄山と繋がっていることを知り、彼らが裏切り者の今井をボコりに行った先で東条を拉致して利用し、鉄男と朝田のランデブーの現場を押えようと詰める。殺された親友のために秘密文書は何としても取り返し、鉄山らの悪事を白日の下にさらしたいと願う矢部部長も、自らの進退を賭けていた。

「ヘマやってクビになったら、一緒におでん屋でも始めますか」
「ははは、お前と一緒じゃあ、一晩で売る酒が無くなっちまうよ」
仲良しさん同士で和んでいるうちに朝田は額のど真ん中を撃たれて死んでしまい(おでん屋確定気味)、会田は再び葉山の別荘へ車を走らせる。

「そんなことをしても死んだお母様は喜ばないわ」鉄男の引受人で恋仲の古畑京子(市毛良枝)は朝田を殺しに行くという彼を必死に宥めたのだが、彼の言葉を聞いて凍りついた。「ママ?…ママは生きてるじゃないか」母親が父の仇を討てといっている、そう焦点の合わない目で呟く鉄男を、京子は止められなかった。

負傷した鉄男は、母親(の人形)がいる別荘にたどり着き、秘密文書と共に炎の中に消えようとしていた。間一髪で文書と鉄男を救い出した会田たちだったが、鉄男は京子の目の前で事切れた。「どうして見殺しにしたんですか!」いつだって弱い立場の者が泣きをみるのだと詰る京子に言葉もない会田だが、そうはさせないと矢部は力強く約束、その言葉通り鉄山逮捕に踏み切った。

「貴様のような奴がこの国を・・・」取調べ室でもあくまでふてぶてしい鉄山に会田は吼える。
「…この国を滅ぼす?結構だね!あんたのような連中が牛耳る国なら、滅びても結構だ!」
そんな彼にご満悦そうな笑みを浮かべる矢部さんだった(昭和ブルースは1番)

*冒頭のシャワーシーンといい、ロッキングチェアに座った“ママ”の存在といい、非ライ風「サイコ」とでもいいたい話(あそこでママがミイラだったらどうしようかと思った)

*前回に引き続き、会田と矢部さんのツーショットが嬉しい。このふたりのおでん屋、行ってみたいような・・・ついでに岩田さんがお茶出してくれたりするともっと嬉しいかも。

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非情のライセンス 第2シリーズ #83
#135「兇悪の捜査」(1976年・S51・5月20日OA)

改造拳銃取引の容疑者を釈放してしまった矢部警視(山村聡)にどえらく激昂、あんたはそういう人間だったのかあ!とぼっかーんと殴った会田(天知茂)は、飛行機やタクシーを乗り継いでやっとたどり着くような僻地の街に左遷された。

そこは、四課(マル暴)課長・大谷警部(内田良平)と地元暴力団・畑中組が持ちつ持たれつの関係を保っている、西部劇に出てきそうな膿んだ街。これまた荒くれガンマンのような風貌の大谷から着任早々「ここでは俺の言うとおりにしろ!」と蹴りを入れられる会田だが、ぶつかるものには当たり返す主義(←本人談)の彼は上司もへったくれもなく蹴りを入れ返し、俺は俺のやり方で動くと宣戦布告した(その筋の人もびっくりの白ベルトは伊達ではない)。

そんな“生まれつき無鉄砲な性質”(って「坊ちゃん」か)の会田に、やはり大谷の所業を憂えていた同僚の村山刑事(東野孝彦←後の英心さん)だけは快く協力してくれるのだが、その彼が何者かに射殺されてしまった。改造拳銃作りを黙認、賄賂を受け取り放題の大谷が畑中(沢村宗之助)に殺させたのではと会田は疑うが、市民だけは巻き添えにしないという約束で見逃してやっているんだ、それはありえないと強く否定される。

ヤクザは虫けらだと忌み嫌いながら、市民の平穏を守るためだと畑中組との癒着を続ける大谷。会田は真意を探ろうと、警部お気に入りホステスの千鶴(賀川雪絵)を呼び出し、賄賂で受け取った金はすべて郊外の施設に寄付している、という大谷の別の一面を知った。

――良い男だが、住む世界が違う。
大谷もまた、どこか自分に似たものを持つ会田を認めていた。しかし、これまで築き上げた畑中組との均衡を崩そうとする彼を捨て置けず、組に抹殺を依頼。諸口(中田博久)と江原(草野大悟)がその任にあたるが、江原こそが冒頭で会田に追いかけられていた改造拳銃持ちの男で、村山を射殺した張本人だった。改造拳銃の取引ルートを追うためにわざわざ部長と共謀して左遷されてきた会田にとって、彼らとの接触は願ってもないシチュエーション。ふたりはあっさりノされて警察行きとなり、事件収束の知らせを聞いて矢も盾もたまらなくなって駆けつけた(←本人談)矢部さんは、殴られて3日は物を食えなかったとぼやきながらも可愛い部下(←誇張)に心からの礼を述べるのだった。

諸口と江原の口から、畑中が大谷警部の立会いの下で大口の拳銃取引をすると聞いた会田は現場へ駆けつけた。いきなりの警官隊、おまけに死んだと思った会田の出現で動揺する大谷を、組員の銃弾が襲う。激しい銃撃戦の後、街を牛耳っていたヤクザを道連れに無言で地面に伏した大谷を、会田は暗い眼で見送った(昭和ブルースは1番)

*分かり合えそうで合えなかったやさぐれ刑事たち。ラスト、自分の方へ倒れ掛かった大谷を本能的に(?)避けた会田に、2人の関係が集約されている気がした。

*無法地帯に来たせいか、仕草や言動がいつも以上にハードボイルドしている会田。久々にチュウも出た(しかも唇)。

*乱交パーティーを計画している話を会田に聞かれてまごつく社長さん役で、新東宝の先輩で大恩人(「新東宝秘話 泉田洋志の世界」参照)の泉田洋志さん。

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