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非情のライセンス 第2シリーズ #112
#164「島原哀歌」(1976年・S51・12月30日OA)

都心のビルに爆弾を仕掛けて逃走中の工藤(北村晃一)と北見(高林謙)を追って長崎に飛んだ会田(黒コートの天知茂)と浮田(松山英太郎)。病院からモルヒネを持ち出し換金した砂田マキ(鮎川いづみ)が恋人の工藤に現金を手渡すと睨み、すでに滝(篠ヒロコ)は島原の観光バスに乗り込んだマキを監視していた。

マキはカモフラージュのため津川万作(須藤健)という中年男性と同行。背中の痛みのためにモルヒネを欠かせない津川から換金先を教えてもらい、500万を工藤に渡そうとするのだが、そこを滝に現行犯で捕らえられた。しかし相棒の北見が自家製の時限爆弾をかざし乗客たちを脅したため、滝は逆に手錠をかけられてしまう。

ところが、なんと津川が北見から時限爆弾を奪い、バスを乗っ取った。彼と娘はビル爆破に巻き込まれ、右足を切断した婚期間近の娘は看病疲れの母親と自殺。津川は犯人の工藤たちへの復讐に燃え、彼の方からわざとマキに近づいたのだ。

車中からのSOSを傍受した会田は、バスの車輪を浮田に撃たせ、御丁寧に黒コートを例のもこもこ毛皮ジャケットに着替えてから、“バッテリーがあがって道端で難儀している旅の男”を装ってバスの中に入り込む。しかし津川はそのタイミングの良さから「あんた刑事でしょう!」と速攻で正体を見破り(会田、着替えた意味ナッシング)、工藤&北見と心中する覚悟でバスを走らせる。

津川は乗客と運転手、それにマキを下ろし、バスの中は津川と居残りを志願した会田、そして手錠で繋がれた工藤&北見の4人になった。極限状態の中、単なる爆弾魔の工藤とそれなりの思想を持っている北見が仲間割れ。その隙に爆破装置を外へ放り投げた会田は津川を連れてバスを出る。同じく外へ出た工藤は、逃げたい北見に手首を切断されながらも爆破装置を拾って狂ったように走り、会田に撃たれた拍子に自爆した。

「あんたはどれだけ非情なんだ…!」無理心中がかなわず力を落とす津川に、会田は鞄(妻と娘の骨壺入り)を手渡し、奥さんと娘さん(の骨)も島原のおばあちゃんに会いたがっているんじゃないかな、とさりげなく励ました。「あの人(=津川)、大丈夫かしら」心配する浮田や滝に会田は言う。あれだけのことをしたんだから、俺たちよりよっぽど強いかもしれない、と(昭和ブルースは1番)

*島原への慰安旅行ついでに撮影しちゃいましたな雰囲気の回。とにかくあそこで着替える必要はあったのか(しかも#74「兇悪のフェニックス」で登場したアレに)、ということだけが最後まで気にかかった。…そうか、防寒も防弾も(爆弾の)防風もできる万能ジャケットなのだな(こじつけ)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:13 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #110
#162「刑事妻」(1976年・S51・12月16日OA)

売春組織の黒幕を探るためアポロ芸能に潜入していた山本刑事(安宅忍)が射殺体で発見された。身元がバレて井上(黒部進)&岡部(岡部征純)の用心棒コンビに消されたのだ。幼い息子をかかえた未亡人・房子(宮園純子)宅を訪れた会田(トレンチ復活:天知茂)は、自分が山本刑事の後を引き継ぐことになったと報告し、

「奥さん、刑事ってものは殺されちゃいけないんです。絶対に殺されちゃ…。我々はそんな安っぽい命は持ち合わせちゃいないんです。…生きなきゃいけない。生きることだけが、この世の中の犯罪防止に繋がっていくんです!」

などと矢部さん譲りの主張を旦那を殺されたばかりの刑事妻に力説。“彼の死を無駄にしないために頑張りますから!”ということを言いたかったらしいのだが、「それじゃ主人は犬死にだと(おっしゃるんですか)!?」とツッコんだ房子は、自ら売春婦としてアポロ芸能に入り込み、先に潜入していた滝(篠ヒロコ)を驚かせる。

会田の説得にも耳を貸さない房子は用心棒ズを尾行して事務所にたどり着き、乗り込もうとしたところを滝に止められた。結局、用心棒ズの留守に忍び込むことにしたふたりは、山本が盗もうとして果たせなかった、黒幕の名前や取引先が書かれたマル秘手帳を発見。そこを帰ってきた用心棒ズと黒幕の高村(戸浦六宏)に見つかってしまうが、間一髪で会田と浮田(松山英太郎)が駆け付け事なきを得た。

高村は山本夫妻に家をあっせんした馴染みの不動産屋だった。夫の仇とばかりに銃を向ける房子。銃はすぐに滝が奪い取ったが、「夫を返して!」と高村に泣いて掴みかかる房子を会田は好きなようにさせるのだった(昭和ブルースは4番)

*「刑事は殺されちゃいかん」はどこかの回で矢部さんが熱く語っていたが、今回のシチュエーションで会田がこれを口にすると誤解を招くような感じだった(実際招いていたように思う)

*滝さんが売春婦になってあんなことやこんなことを…!とえらく取り乱してる浮田に「それじゃお前がコレ(手をしなっと顎にあててオカマのふり)やるか?」と会田。どうせなら二人でやったらどうだろう(って考えただけで怖くなったが)。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:17 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #111
#163「破局」(1976年・S51・12月23日OA)

殺人罪で服役中の五十嵐(和崎俊哉)が警備の(というよりパン屋の)隙をつき脱獄した。妻の花恵(原良子)を張っていた堀(財津一郎)は「脱獄囚に情けは無用。ピストルで撃ち殺してよ!」と言い放つ彼女に呆れ果て、あんな女の元へ五十嵐が戻るわけがないとマークを打ち切るのだが、矢部警視(山村総)に「言うことがまるで焼鳥屋のオヤジじゃねえか!」と毒づかれ(実際焼鳥屋のオヤジを兼業してるのだが<堀さん)、なぜ五十嵐夫婦の仲が冷え切ったのかを調べ直せと宿題を出される。

花恵のバーに戻った堀は先に来ていた会田(天知茂)から「女房がツノを出すのは妻の座を脅かされるときだ」と経験者めいたアドバイスと五十嵐の愛人の名前を教えてもらい、愛人・村田ふみ(左時枝)を見張ることにした。

先に愛人関係まで調べていたにも関わらず堀に譲った会田に「仲間同士でべたべたした付き合いはやめろ!」と部長はカンカンだが、会田の狙いは別枠にあった。不動産屋を営んでいた五十嵐は、土地の件でいちゃもんをつけにきたヤクザの組長をはずみで撲殺したのだが、その手下たちが五十嵐を追うだろうと会田は踏んだのだ。会田の読み通り、組長を殺された兵頭(石橋雅史)は、ダンナの土地を狙う花恵とも共謀し、自分たちの手で五十嵐を抹殺しようとしていた。

五十嵐はふみに助けを求めた。彼女は自腹を切って偽造パスポートを用意してやり、香港へ逃がすことに。だが彼から電話が掛ってきた時に居合わせた堀により、犯人蔵匿の現行犯で連行された。ふみを罪に問いたくない堀は、彼女の自白で五十嵐を逮捕したいのだが、五十嵐を愛するふみは黙秘を続け、彼を困らせる。

一方、五十嵐が組長の命日に墓参するのではと睨み寺へ向かった会田は、そこで彼が手向けた花(御丁寧に名刺つき)を見つける。ところが会田をこっそり尾行していた兵頭たちは五十嵐本人をそこで発見、後をつけて潜伏場所で彼を殺そうとする。あわや、という時に駆け付けた会田が兵頭たちをボコ殴りしているうちに逃げようとした五十嵐だが、胸元に入れたはずのパスポートが無い。

落としたパスポートは会田が拾っていた。ふみが警察にいると聞かされた五十嵐は、拳銃とパスポートを渡せば俺がすぐにでも自白させてやると掛けあい、会田は承諾する。電話口に出たふみに「お前に金を出させるために寝てやっただけだ!」と辛辣な言葉を浴びせる五十嵐。ショックを受けたふみは、香港行の件を打ち明けた。

されるがままの会田に「目つきの割にはチョロイぞ」と銃を突き付ける五十嵐だが、(五十嵐はけだものではないという)村田ふみの言葉を信じたからだ、と言われて肩を落とし、彼女の自白通りに空港で逮捕されるよう会田に護衛を頼むのだった。

無罪放免になったふみに五十嵐逮捕を報告に向かった会田と堀は、そこで睡眠薬自殺を図った彼女の骸と対面する。人の亭主を盗ったのだから当然よ、と悪びれない花恵に平手打ちを喰らわせる堀。ふみの死を知らされ「俺は涙なんか流さない、悪党を貫いてやる!」と強がった五十嵐が護送車の中で慟哭する様子を、会田はただ黙って見送った(昭和ブルースは4番)

*人を救うとはどういうことかを考えさせてくれた、非ライ的にナイスなこの脚本はシリーズ初登場の須崎勝弥さん(『風流交番日記』や『あゝ同期の桜』の人と同一人物なんだろうか?)

*会田が堀さんと仲良くするのが矢部さんは気に入らないらしい。特捜のチームワークのなさは矢部さんが原因か。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:14 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #109
#161「被写体」(1976年・S51・12月9日OA)

「まったく近頃の若い奴は…!」
“自然を保護する会”を主催する老教授・津田(久松保夫)の不審な転落死を調べろとの命令に「なんで僕がわざわざ」と反対した浮田(松山英太郎)にたいそうご立腹の矢部警視(山村総)。結局、年齢的に中間管理職な会田(天知茂)が仲を取って調べを進めることに。

だが、ふてくされて自宅で写真雑誌をめくっていた浮田は、事件当日の現場で撮影されたグラビアを発見、おまけにそのカメラマンが知人の下山泰子(紀比呂子)だったことから、久々に彼女に連絡を取った。津田と懇意だったという泰子は事件現場に花を手向け、かなり憔悴している様子で、前から好きだった彼女の力になりたい浮田は俄然はりきって捜査に乗り出した。

ある日、「グラビアの写真をネガごと全部譲ってくれ」という広告会社の営業部長・武井(鮎川浩)が泰子にコンタクトを図ってきた。不審に思った泰子がネガを調べると、怪しげなボートが写っていた。実はそのボートに乗っていた人物、津田に林道工事を反対された北日本建設の専務・宇垣(富田浩太郎)こそが津田を殺した犯人で、武井は彼に命じられた部下だった。容疑者として浮上した宇垣のアリバイを崩すため、会田も泰子のネガに着目するのだが、なぜか彼女は会田には「ネガは焼いてしまった」とウソをつく。

そのころ浮田は、死んだ津田が泰子と不倫関係にあったことを知りショックを受けていた。自宅でやけ酒を飲む彼の元を訪れた泰子は、砂防ダムの決壊で両親を失って以来親代わりだった津田を男として愛するようになったことを正直に告白。浮田は何もかも納得した上で「結婚しよう」と告げ、彼の優しさに「来て良かった…!」と泰子は涙ぐむ。

だが泰子は、津田を殺した男であり、両親を殺したダム決壊の元凶となる工事をしていた男でもある宇垣に復讐しようとしていた。武井を張っていた会田は、「責任者(=宇垣)とふたりきりで会わせてほしい」と電話してきた泰子の要求を呑むように武井に指示(というより脅しをかけ)、浮田を誘って彼女の指定場所(=津田が死んだ場所)へと向かう。

姿を見せた宇垣は、ネガに自分のボートが写っていたと知り、泰子を絞殺しようとする。会田たちが到着する寸前、泰子はもがきながらナイフを彼の足に突き刺し水中に突き落した。かくして宇垣と北日本建設の悪事は白日の下にさらされたが、泰子は仮釈放中に姿を消す。会田に励まされ、泰子を追うため駆け出す浮田。だが彼女は、思い出が詰まった南アルプス(塩見岳)で津田の姿を見ていた…(昭和ブルース4番に添って、某番組の若手デカのように全力で走る浮田、津田を笑顔で追いかけ崖からダイブする泰子、渋い顔で煙草をくゆらす会田が映っておわり)

*まさかエンディングでそんな救われない展開になるとは思ってなかったので軽くトラウマ。山で行方不明になるくらいでいいのに、おっこちちゃうんだもんなあ…。

*新東宝の先輩、鮎川浩さんとの絡みあり。なんでも鮎川さんという人はあんな顔なのに(失礼)新宿の顔役で武闘派だったらしいので(丹波哲郎さんの本「好きな奴嫌いな奴」参照)、泰子の電話を聞くシーンで「彼女(=泰子)は何も言ってない!」「いや、俺が言ってるんだ。文句あるか」といういかにも会田らしい台詞の「文句あるか」がちょこっとだけ小声になってたのは遠慮プラスそのへんの事情もあったのかしらんと邪推。

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非情のライセンス 第2シリーズ #108
#160「未練心」(1976年・S51・12月2日OA)

過激派・橋口富夫(峰岸徹)が焼死体で発見された。御丁寧に遺書までしたためてあったが、橘(渡辺文雄)も会田(天知茂)も(そして冒頭でカラクリを見た我々も)それが橋口本人だとは到底信じられない。特に、3年前に部下2人を橋口の手榴弾で失った橘の彼への執念はすさまじく、あと10日あまりで警視への昇進が決まってるんだからケチをつけるな、ととりなす会田に「あいつは俺の手でしょっぴく。たとえ射殺してもな…!」などとお株を奪うような言葉を口にする。

そんな折、焼死体を確認にきた女がいた。三枝敬子(北林早苗)――かつての学生運動の闘士で、橋口の元カノ。橋口の死に疑問を抱く敬子は、警察(=会田)を利用してまで、もう一度彼に会おうとしていた。わざとらしく行き場所を残して勝浦に向かった敬子を、会田と滝(篠ヒロコ)、そして橘たちが追う。

橋口と連絡がついた敬子に、会田は滝を使って橘を煙に巻き、ひとり同行する。5分だけ二人きりにしてほしい、そう懇願する彼女に3分与えた会田だったが、敬子はナイフを取り出して橋口を刺そうとし、逆に発砲され負傷。会田も手榴弾で動きを封じられているうちに、橋口にまんまと逃げられてしまった。

敬子は学生時代、バリケード内で橋口の同意の下で輪姦された辛い経験を持っていた。あいつ(=橋口)は今では思想も何もない金塊密輸業者だ、それなのになぜ――憎しみは愛情の裏返しだと言う会田に、敬子は「女って、ひどい仕打ちをされればされるほど燃えてくるんです」と橋口への未練心を吐露する。

一方、橘の執念にほだされた滝は、彼と共に橋口と暴力団幹部・花井(中田博久)との密談場所を突き止めるのだが、狙撃され崖から転落、行方不明に。徹夜続きでテンパっている橘にこれ以上任せちゃおけんと会田は「俺に指揮権を与えろ!」と掛け合い、橋口たちが来るであろう取引場所へと急行する。実は無傷だった滝も元気な姿を見せ、大乱闘の末に橋口を逮捕、敬子のために会田から1発(もっと?)、女の敵として滝から1発くらった橋口は、最後に駆け付けた橘にボコ殴りの憂き目にあった。それでもまだ足りず、拳銃を取り出して今にも撃ちそうになった橘を、会田は「昇進できないぞ」と逮捕者と請求者欄に(自分ではなく)橘の名前を記した逮捕状をかざして諌めた。

後日、橘は捜査一課長に任命されたが、まだまだ現場を飛び回っていたいとこれを固辞。
「変わってるな」
「お前さんほどじゃないよ」
道ですれ違った変わり者ふたり(会田&橘)は、互いを理解しながらまたそれぞれの方向へ歩いてゆくのだった(昭和ブルースは1番)

*敬子さんの橋口への「未練心」がメインテーマかもしれないが、とにかく橘班長さんが会田レベルで熱い(むしろ今回、会田が負けている)のが印象的な回。立場は違えども、芯の部分ではたいそう似通ったおふたりさんである。

*橘さんのフルネームは「橘文雄」。そのまんまだったのか。

*どことなく暗い影を引きずっていた滝さんだが、会田と軽口を叩き合ったりしてほんのり良い雰囲気に。

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非情のライセンス 第2シリーズ #107
#159「約束」(1976年・S51・11月25日OA)

原木良江(奈美悦子)が切り盛りするブティックにヤクザ風の男たちが現れた。「望月はどこだ!」彼女の愛人、望月淳二(横光勝彦=現・克彦)が浅山商事から2億円相当のブツを持ち出し逃走したのだという。そのブツとはヘロイン。怒り心頭で部下に望月の行方を追わせているところへ、「望月に会わせろ」なんてことをわざと言ってくる厄介な刑事(=会田:天知茂)まで現れて、浅山(神田隆)は気が気ではない。

そんな折、ハマに水死体が上がった。望月のネーム入り背広を着ていた上に「あにきぃ〜!」と弟分らしきチンピラが死体に縋っていたことからガイシャは望月かと思われたが、顔が潰されていたため、会田はヘロインの事を知られたくない浅山による替え玉だと睨む。そのころ望月は良江のところへ姿を見せ、ヘロインを持ってどこか遠くへ逃げようと彼女を誘っていた。一度は死んだと思いウェディング・ドレスを引き裂いた良江(妊娠4か月)は喜んだものの、過去に怯え逃げ回ることに不安を感じる。

良江をマークしていた滝刑事(篠ヒロコ)は、利用されているだけではないのかと彼女を問い詰め、望月の居所を教えるよう迫るが、彼を信じる理由がある良江は頑なに沈黙を押し通した。望月は先輩ヤクザを刺した罪で5年ムショ暮らしをしていたが、その男を刺したのは彼女だったからである。それを浅山に知られ、出所後もヘロイン製造にこき使われていた望月は耐え切れなくなり逃げ出したのだ。

ヘロイン入りケースを持ち、望月との待ち合わせ場所に向かった良江。笑顔で彼女を迎えた望月。だが1発の銃弾が望月を貫いた。ケースを持って逃げようとした浅山の子分(「あにきぃ〜」と同一人物)は会田に取り押さえられたが狙撃され死亡。怒りに燃えた会田は浅山のビルに単身乗り込み、地下にあったヘロイン製造工場を壊滅させた。

良江は霊安室で、自らの5年前の罪を滝に告白した。だが同じく辛い過去持ち(#101参照)の滝は、彼と約束した通り、生まれ来る子供と幸せに生きなければ、と彼女を励ますのだった(昭和ブルースは1番)

*プレ紅林@特捜最前線(もちろんプレ議員)な横光さん、天っちゃんとの絡みはないが奈美さんとしこたま絡んでいた(文字通り)

*良江のブティックに男ひとりで入るのは気まずかったらしく、滝さんのお土産にブレスレット買ってる会田がちょっとかわいらしい。

*地下で試験管やらビーカーをガンガン撃ちまくる会田を見ているとなにやら思わず「カ・イ・カ・ン」というキャッチフレーズが頭をよぎった(機関銃じゃないうえに相変わらず兇悪な面相だったが)

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非情のライセンス 第2シリーズ #106
#158「黙秘」(1976年・S51・11月18日OA)

特捜部の取調室。ヘリコプターの模型をいじる堀刑事(財津一郎)の前で、小泉理沙(丘さとみ)は黙秘を続けていた。糸山金融の社長・糸山(加藤和夫)と共謀し、安価な壺に不釣り合いな保険をかけたあと、輸送ヘリを墜落させて多額の保険金をせしめた容疑がかかっている理沙。ヘリの操縦者の遺族に会わせて反応をみたりするが、「あれは事故でした」の一点張りでさすがの堀さんもお手上げ状態。

「ママに会わせて!」本庁の玄関で叫んでいた少年・マサルを見つけた会田(天知茂)は彼が理沙の息子と知り、彼女と対面させたほか、子供をダシに使うなんて…と苦い顔の堀を尻目に、「このおじさん見たことあるかい?」と糸山の写真を見せて理沙との関係を探ろうとする。

一方で堀は、理沙の高校時代の駆け落ち相手である元村一(清水幹生)の消息をたずね当てた。画家の夢が挫折した彼は糸山金融の社員になっていたが、理沙は知らなかったという。肺がんで余命いくばくもない元村に会いたいのなら保険金詐欺の真相を吐いてくれ、と長期戦で迫る堀だが、てっとりばやく理沙を元村の入院する病院まで連れて行った会田は、意識が混濁している元村の前で「お前たち3人が共謀したんだな、そうだな!?」と自白を強要。罪を暴くためには子供でも病人でも利用するのかと非難する堀に「人間には、手錠をかけて裁きの場に引きずり出さなければ、自分の犯した罪に気がつかん奴もいるんだ!」と言い放つのだった。

しかし理沙は余計に態度を硬化させ、事情を知るヘリの整備工をも事故死させた糸山は海外に飛ぼうとしており、タイムリミットは5時間。万事休すかと思われたとき、会田は「あとひとつだけ方法がある…」と呟いた。その最後の手段とは、マサルの誘拐をでっちあげること。息子が誘拐されたと聞いた理沙は激しく動揺、そこを突いて、堀はなんとかヘリ事故の真相を白状させた。糸山金融で借金の取り立てをしていた落ちぶれた元村をもういちど立ち直らせるために金が必要だったという理沙だが、最後まで元村の関与を否定し続ける。なぜならマサルは元村の子供だったからだ。語り終えた理沙の元に、会田が保護していた息子が戻ってきた。その直後に元村の死を知らされ、彼女は泣き崩れた。

「会田さん、わしゃぁ、こんな落としはもう二度と…」
焼き鳥を焼きながら苦いビールを呷る堀を前に、会田もまた酒の苦さを噛みしめていた(昭和ブルースは1番)

*捜査令状なしにヤーさん事務所をぶっつぶすとか、娘を殺そうとした兇悪なオカンを射殺するとかならまだ許せるとしても、正直それはアカンやろとツッコんでしまった今回の作戦。状況証拠じゃないから、そこまでして自白させても意味がないのではなかろうか…というより、子供を誘拐して母親を脅しましたという時点でアウトだ。矢部さんも笑ってる場合じゃないよ!(「そげんことは彼女に聞け!」なんて堀さんの長崎弁がうつってる場合でもないよ矢部さん!)

*財津さんのイレギュラーな動きをみてると、いい人なのになんだか会田より兇悪そうで怖かったりもする(やはり#3の印象が強いのか)

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非情のライセンス 第2シリーズ #105
#157「美智子」(1976年・S51・11月4日OA)

ハマの港署刑事・稲山(遠藤剛)の自宅マンションへ呼ばれた会田(天知茂)。お互いに自己紹介し、さあ用件は、というところで「あなたに来ていただいたのは、死んでもらうためです」と稲山がいきなり発砲、会田は直後に入ってきた女性を庇いながら彼を射殺する羽目に。ところがその女性・保険外交員の白川美智子(赤座美代子)は「アタシはっきり見ました。先に拳銃を抜いて撃ったのはあの人(=会田)です!」と証言。正当防衛だという会田の言は却下され、一課の橘(渡辺文雄)に手錠を掛けられてしまう。

稲山に接触したのは、彼が今回の撲滅ターゲットである暴力団・港南組の顧問を務めていた(つまりヤクザとツルんでいた)ためだった。だがそれを橘には言いたくない会田は現場検証の際、隙をついて逃走。カジュアルな青の上下&青グラサンに身をやつし(ズボンにはMボタン付き)、偽証した美智子に会って問い詰めるが、稲山に惚れていたらしい彼女は「あんたなんかネズミのように逃げ回って苦しめばいいんだわ!」ととりつくしまもない。

それならと本命の港南組組長・郷津(近藤宏)に脅しをかけに行ったものの、警察に敵意を抱くドヤ街の連中をけしかけられピンチ到来。運よく(というより、たぶん電話で会田の居場所を知った矢部さんの配慮で)パトカーが駆け付けて事なきを得たが、橘に再びガチャリと手錠で捕縛された。と、そこへ美智子がすさまじい形相で現れて「あんたのせいよっ!」と会田をビンタ。何か喋られてはマズいと思った郷津が美智子の幼い娘を拉致、彼女に自殺を迫っていたのだ。

俺なら娘を1時間以内に救うことができる!と力む会田に根負けした橘は手錠を外して協力を依頼。会田は港南組のチンピラを締めあげて娘の居場所を吐かせて彼女を救い出し、それを知った美智子は涙ながらにようやく偽証を認めた。翌朝、いつもの戦闘スーツにパリッと着替えた会田は、女性たちを海外に売り飛ばそうとしている郷津一味を現行犯で逮捕。ほんのりイタズラ小僧っぽい表情で「お返しだ」とばかりに自分にガチャリと手錠を掛け犯人をぐいと引き渡す会田に、橘も苦笑しながらされるがままになっていた。

もう一度会っておわびがしたい――。美智子の手紙で待ち合わせ場所まで出向いた会田だが、彼女の姿だけを確認して静かに踵を返すのだった(昭和ブルースは1番)

*ラストの会田の行動は、稲山さんの代わりに保険に入らされるのがイヤだったからじゃなくて(当たり前)、稲山を心から愛していた美智子の前に、彼を図らずも殺してしまった自分が再び姿を見せるのは…という躊躇だったとみるべきだろうか。

*「いいから帰って来い。悪いようにはせん」「良いようにもしてくれないでしょ」ってな電話のやりとりも軽快な特捜上司と部下。会田が逮捕されたと知って家にも帰らず心配してるのに、「あいつには愛想が尽きた、いっそ死刑にでもなってくれたら大助かりさハッハッハ」と橘班長さんに笑ってみせる矢部さんのわざとらしさがなんとも微笑ましかった(ばればれです部長)

*「あなたが娘を(救ってくれたの)?」という美智子の問いに黙って照れくさそうにしてる会田を見て橘さんが過剰なまでのフォロー「そう、命がけでね」(いや、単にチンピラどついてただけに見えたんだけどなあ)この二人もますます良い味。

*しかし、会田の私服姿はなんであんなに兇悪なのか。

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非情のライセンス 第2シリーズ #104
#156「背任」(1976年・S51・10月28日OA)

暴力団と金銭的繋がりのあった男が、堅固な警備の隙を突いて射殺された。現場を指揮し、銃弾を受け負傷した署長の樫村(金子信雄)は矢部警視(山村総)の20年来の友人。有能な樫村が警備の死角に気付かなかったことに矢部さんは疑問を抱く。

犯人がすぐに自首してきたことから事件は解決したかにみえたが、樫村は男が何者かに頼まれた替え玉であることを看破。ところが釈放した男を秘密裏に尾行中の刑事が襲われ、その間に男はビルから転落してしまった。

警察内部に内通者がいるのではないか、そしてそれは親友の樫村では――。あらくれ者の部下たち(筆頭は会田:天知茂)を使う(巻き込む)なんてもってのほか、とばかりにガンガン自分で調べを進める矢部さんだが、親友への疑惑は深まるばかり。そのうち、樫村の娘・幸子(高橋みどり)から父も自分も誰かに狙われている、との報告を受けた矢部さんは、拳銃を持って樫村の自宅へと向かう。

やはり樫村は、暴力団組長・新藤(伊豆肇)に脅されて殺人を幇助していた。自首をしろ、さもなくば俺の屍を越えてゆけと親友・矢部さんに迫られて肩を落とす樫村。正義感の強いお前がなぜ、その問いに彼は、(矢部さんも密かに惚れていた)亡き妻の名前を挙げた。20年前、ひき逃げにあった妻を迅速に助けてくれた新藤の頼みを断り切れなかったのだと。

かくして、たったひとつの善行をカサにきて父娘を脅した新藤は、出番が短いうえに矢部さんに相談してもらえなくてちょっと拗ねてた(誇張)会田のボコ殴りで撃沈。矢部さんは親友に手錠をかけ、苦いタバコを味わうのだった(昭和ブルースは4番)

*矢部部長メインの回。第2シリーズでこれだけ矢部さんが出張っていてしかも会田が完全に脇役、ってのは今まで見たことがなかった。でも“友人を逮捕する”というシチュエーションとしては#38「男のうたは兇悪」の方が好きだなあ(そりゃあやっぱり会田メインだし)。

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非情のライセンス 第2シリーズ #103
#155「袋小路」(1976年・S51・10月21日OA)

『内縁の妻が死んだ場所で、純情ヤクザが後追い自殺』
R指定な寝起きの会田(天知茂)は、朝刊で目にしたこの記事に「んなわけないだろ」と朝から所轄署で聞き込みを開始。名うての前科者ヤクザが12も年上の姥桜のあとを追って死んだ、というディテールの胡散臭さに余計興味を惹かれる。

特捜部では、矢部(山村総)が会田の出勤の遅さにカンカンになっていた。患者を安楽死に追いやっているらしい医師・水谷(若林豪)を調べて欲しいという要請をあっさり断ろうとする不肖の部下に、朝から彼が何をしていたのかちゃあんと把握していた矢部さんは、最近の患者の名前が“木島キミ”――当のヤクザの内縁の妻であることを明かしてヤル気を刺激するのだった。

会田が赴いたときR指定な着替えをしていた水谷医師は、木島キミとヤクザの死について何か知っているらしく、ヤーさん連中からも嫌がらせを受けているのだが、「真実ってやつは必ずしも意味があるとは限らない」と、あくまで知らぬ存ぜぬを押し通す。だが「真実に意味があろうとなかろうと、甘かろうが苦かろうが、俺は真実を知りたい!」と真実追究に並々ならぬ意欲を燃やす会田は、彼がキミの長女・景子(水野久美)と浅からぬ関係があることを探りあてた。

「鬼婆」とあだ名されるほどイケズだった母親にこき使われながら、父の違う妹と眼の不自由な弟・駿介(川代家継)を水商売で養ってきた景子。母親の死で8千万が彼女に転がり込んだのだが、なぜか数か月前から名義を異父妹弟に書き換えていた。実は彼女は末期がんに侵されており、遺される彼らの生活のために、鬼婆・キミと連れ合いのヤクザを抹殺しようと計画、それを黙認したのが水谷だったのだ。

景子の最後の幸せを奪うつもりか!と水谷に詰られ(ひっくり返るくらいに殴られ)ながらも、会田は景子逮捕に向かった。この袋小路から出られるのならどこへだって行く、と気丈だった彼女も、娘がガンだと知ったキミが激しく動揺し泣き崩れていたという話を聞かされたとき、初めて母の愛に触れたと涙を流す。一晩だけ時間がほしい――そんな彼女の要請を断り切れずに外に出た会田は、苦い酒を飲んでいた居酒屋で水谷に会い、景子を悪しざまに言った酔客(と店)を彼と二人でボコボコにして拘置所入りとなった。

自殺を繰り返す女を3度助けたという水谷の苦労話を聞いていると、景子が自殺を図ったとの知らせが。その女とは景子のこと。4度目は助けられなかった、俺は人殺しだ――そう嘆く水谷に、君と同様、スイス方式で彼女に“毒薬”を握らせた俺も同罪だ、と静かに会田は呟いた。

後日、会田のもとへ「共犯者」水谷から連絡が入った。「一緒に木島景子に会ってくれ」向かった先には、姉の角膜をもらって眼が見えるようになった駿介の姿があった。窓に「水谷景子」と戯れ書きして逝った景子の眼は、水谷を優しく見つめていた(昭和ブルースは4番)

*スイス方式というのは、医者が患者に直接手を下すのではなく、患者に毒薬を渡して決めさせる安楽死の方法なんだとか。かなりデリケートでヘヴィーな内容を扱っていたものの、さりげなくメインを母娘の確執にもっていき無難に締めていた。不幸せという名の 猫がいる〜♪というアンニュイな歌(浅川マキ)がよく似合う話。

*(#35もそうだったが)豪さんとはつい殴りあってしまうらしい(ラストにちゃんとお返しした会田)。でもなにも裸体まで競わなくても

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:25 PM | comments (x) | trackback (x) |
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