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非情のライセンス 第1シリーズ #14
#14「兇悪の愛」(1973年・S48・7月5日OA)

夜、非番の会田(天知茂)が帰宅すると玄関にはパトカー横付け、部屋では捜査1課の連中が主の帰りを待ち構えていた。半年前に彼が威嚇射撃で頭部に傷を負わせ逮捕した北見(高橋長英)が、刑務所から脱獄したのだという。その後遺症のためか狂っているという北見から会田を保護しようとする橘(渡辺文雄)の指示だったが、「自分の頭のハエくらい、自分で追える」と会田はさっさと部屋を抜け出し、独自に捜査を進める。

看守に話を聞いた会田は、北見の傷は治っているが時折神経発作を起こしていたこと、唯一人面会に訪れたのは、彼が射殺した大須賀刑事(山口譲)の妹、京子(ジュディ・オング)だったことを突き止め、京子のアパートを訪ねた。船会社に勤めていた彼女は、外国航路の機関士だった北見と知り合い恋に落ちたが、北見は兄の命令で密輸グループに囮として近づくことを強要され始め、それを断ろうとして揉み合う内に撃ち殺してしまったらしい。「あの人を犯人に仕立てたのは警察よ!」囮捜査を隠すために証言を封じられたと慟哭する京子。

その北見がアパートから京子を拉致。「檻をやぶった野獣には、それ相応の手段がいる…たとえ銃を使ってもな」あくまで完全逮捕(=生け捕り)を目指したい橘に、会田は手遅れだとにべもない。事実、逃げる途中で警官を撃つという最悪の行動に出た北見は、京子を連れて標的・会田のマンションへ。会田は自ら囮になることを決意し、北見の残弾3発が無くなるまで手を出すなと橘を牽制する。

単身自室に入り、まず1発を消費させた会田は「大須賀刑事は点数を上げるため強引にお前を巻き込んだんだ…妹を使ってな。」と単刀直入に真相を語り始めた。いいのかこの状況でそんなヤバいことばらしちゃって、と我々視聴者が戸惑う間もなく、唯一信じていた女性との出会いまでもが仕組まれたものだと知り当然のごとく京子に銃を向ける北見。だが、「撃っていいのよ」と涙を浮かべる彼女を見ている内に発作が起き、みんな殺してやる!と2発目を会田方向にぶっぱなし暴れたところを京子と揉み合い、3発目の銃声が。胸を押さえて倒れたのは北見だった。自分の手の中の銃が愛する男を殺したと知り、こめかみに銃口を当てる京子。だが弾はもう残ってはいなかった。

駆け込んだ橘たちに「俺が撃った」と銃を渡し部屋を出た会田(昭和ブルース3番開始)。その背後で、京子の叫び声が聞こえる。
――嫌いよ、警察なんて、大っきらい!

*第2シリーズ#9「兇悪の口紅」でも複雑な心情を吐露するヒロインを演じたジュディ・オングさん。5年後の「黒水仙の美女」(1978年)でもさほど変わらぬ美貌だった(そして今現在もお綺麗な)老けない人である…というより、天っちゃんの変化が激しいのか?

*記者のリサちゃん(小牧リサ)は会田のマンションの階下に住んでいるらしい

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:11 PM | comments (x) | trackback (x) |
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