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『竜虎一代』
『竜虎一代』(1964年・S39)

文明開化の音が聞こえ始めた北九州。川船頭を束ねる石岡一家に拾われ、親方(山本礼三郎)の後継者として育てられた組頭・縄手清治(天知茂)には、親方の友人の娘・雪子(藤純子)という美しい許嫁がいる。しかし雪子の父・松橋(柳永二郎)が川船頭の敵といえる鉄道事業を興したことから家同士の関係が悪化、祝言は延び延びになっていた。

そんな折、松橋が何者かに襲撃され死亡。父の跡を継がねばならぬ雪子は、商売敵となってしまう清治に婚約解消を申し出た。お互いの手に愛のペア・リングが光ったまま、次第に疎遠になってしまう二人。石岡一家を父の仇と付け狙う(実はその通りなのだが、清治だけが知らされていない)血の気の多すぎる雪子の弟・新一(千葉真一)、また雪子の側にのほほんと居座っているワケありの流れ者・草刈信次郎(主役:鶴田浩二)の存在も、清治にとっては心穏やかではない(実は信次郎にはおくみさん=佐久間良子というイイ女がいるのだが、清治が知る由もない)。

松橋の死により潰えるかと思われた鉄道工事は意外に順調に進んでいき、仕事を奪われる立場の川船頭たちの動揺は広がる一方だった。彼らの生活を守るため、清治は船と鉄道の共存を市役所に懸命に掛け合うのだが、おエライさん連中は彼の提案を無視(彼らが鉄道で金儲けを目論んでいることを清治は知らない)。石岡親方は清治の青い理想論に堪忍袋の緒を切らし、彼を遠ざけて鉄道工事の妨害を企てようとする。

石岡一家の若い衆が線路にダイナマイトを仕掛けたことを知った清治は、投げ文でそれを雪子に伝えた。だがその後馬で現場に駆けつけると一足遅く、橋は爆破、新一は刺され重態。清治は彼を抱えて暴走する機関車から飛び降りたのだが、介抱の甲斐なく新一は命を落とした。清治がその場にいたことで、線路爆破は石岡一家の(というより清治の)仕業だと断定されてしまう。

おまけに、工事を手伝う内にすっかり鉄道にハマっていた信次郎(主役)がキレて石岡一家に乗り込んできた。松橋襲撃の際に居合わせた彼、唯一見かけた般若の刺青の男を見つけるとずばーっと斬り伏せ、そのまま石岡親方に刃を向けた。親方を庇って信次郎の前に立ちふさがった清治は、彼にサシの勝負を挑む。

清治と雪子がいまだに愛し合っていることを知っているはずの信次郎だから(それにやはり鶴田さんだから)なんかこう丸く収まるような態度に出てくれるんだろうかとの期待も空しく、やるかやられるかの極限の中、信次郎のドスが何の落ち度もない清治を貫いた。リングが光る右手を地に這わせて、殺される理由は何一つないのに清治は絶命。信次郎は東京から彼を追ってきた刑事(加藤武)に捕縛され、「縄手…すまん」と呟いて親方はピストル自殺。

後日。護送される信次郎の側を、鉄道完成を祝う機関車が過ぎていった。そこには、指のリングをじっと見つめる雪子の姿があった…。

*勇ましい船頭の若親方ルックでも(薪割りなんかもやってたけれど)どことなく線の細い書生風の清治。親方を大事にし、船頭たちにも親切で、雪子の死んだ父の霊を灯篭流しでそっと供養してやるような良い男振りなのに、親方や子分達、はたまたフィアンセの雪ちゃんにも、ウラの事情をまったく教えてもらえない可哀相な奴であった(愛されすぎてか?)。しかしなにもこんな悩める薄幸青年を二度も刺して殺しちゃうことないだろ鶴田さん(信次郎)! それに石岡の親方も、彼にすまながって自殺するくらいならタイマン勝負の時に止めてやれよ!

*鶴田さんに虎の刺青があったから、タイトルから察するにてっきり天っちゃんには竜の刺青があるのかと思っていたのだが、最後まで脱いでくれることはなくて残念だった。

*資料本にはドスを抜いた千葉ちゃんと対峙するスチールが2枚ほどあるが、そういうシーンはなかった(まだまだボーヤな千葉ちゃんなので器が違ったというべきか)。

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| 映画::東映 | 12:55 PM | comments (x) | trackback (x) |
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