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非情のライセンス 第3シリーズ #4
#180「兇悪の女医・ささやく鍵」(1980年・S55・5月22日OA)

病院で消えた末期ガンの主人を探してほしい、という女性・由紀(吉田日出子)の訴えに耳を傾けた会田(天知茂)は、浦川(左とん平)と共に問題の病院へ向かった。院長の田代ケイ(吉行和子)は自分が由紀の夫・木本孝雄(入川保則)の担当医だったと言うが、人ひとりが消えたというのに捜査願いも出していない。

不審に思った会田が密かにケイを尾行したところ、アパートに匿われている木本を発見。保険金しか頭にない妻といるより、好きなことをして遺された日々を過ごしたいという木本は、胸元から名前と血液型、病院の電話番号が刻まれた鍵を取り出し、これがあれば最後は病院に戻れる、この鍵が外れたときが私の死ぬときだ、と会田に語った。

「逃げることが、本当の意味で生きるっていうことになるとは思えない」ケイにそう言いつつも、それ以上の捜査を打ち切る会田だが、翌日、木本はビルから転落死。遺体の周辺に鍵は無かった。「あのあと奥さんが訪ねてみえたんです」ケイの言葉で、自分が由紀に尾行されていたことに会田は気づく(遅いよ!)。

木本の死は他殺だと断言する会田。調べを進めると、木本はケイの元夫・戸倉の死因の調査を探偵社に依頼していたことが分かった。末期の胃ガンを患っていた戸倉は死ぬ3日前にケイと離婚、彼が掛けていた保険金の受取人は、当時の愛人―由紀だったからだ。そして解剖の結果、木本はガンなど患っていないことが判明する。

彼女が戸倉の妻だと知らずにいた由紀に「あなたの夫はガンです」と思わず嘘をついたケイ。その嘘と、戸倉の死に関する重大秘密をネタに、ケイから金をせびり豪遊していた木本。妻に三行半を突きつけ、金づるのケイと再婚する気だった彼は、すべてを知らされた由紀に殺されたのだ。

木本の事務所の金庫で問題の鍵を使おうとした人物・由紀を、会田と浦川は捕らえた。だがその鍵は、ケイこそが欲していたもの。会田は何も言わずに鍵をケイに渡し、こん睡のまま由紀を呼び続ける夫を殺したのは私なの、と言いかける彼女を制した。あなたは自分の耳を塞いだだけなのだ、と。

会田は自分を見逃したのではない――。彼の真意を理解し、本当の意味で生きるため、病院を辞めたケイは地方の山村へ向かうのだった(昭和ブルースは新録1番)

*何かをささやく鍵を巡る男女の愛憎劇。人間関係の意外な絡みが堪能できた。入川さんにはすっかり騙されたなあ。さすがフェイク明智! ←番組違い

*しかし、旦那を殴り殺したのはともかく、それを屋上から投げ落とすってのは女ひとりでできることなんだろうか。おひでさん、おひょいさんに手伝ってもらったのか?←これも番組違い

*浦さんがヤキモチを焼く(?)ほどツーカーな会田と矢部さん。「会田が殺しというからには、殺しに間違いないよ」って部長、信頼しすぎ。



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非情のライセンス 第3シリーズ #3
#179「兇悪の赤い薔薇・禁じられた愛」(1980年・S55・5月15日OA)

年明け(当時)に逮捕されたP.マッカートニーに端を発し、若者の間に蔓延しているマリファナ煙草の出どころを探る会田(天知茂)ら特捜部は、大麻入りショート・ピースを売っているバーのピアノ弾き・ノリコ(園まり)を突き止め、黒幕検挙のために泳がせる。

8年前に両親を亡くし、弟アキラの学費のために売人に身を落としているノリコには、愛する男がいた。その彼・立岡(漢字は当て字:河原崎健三)は、彼女の父の会社を潰し、両親を自殺に追い込んだ一流商社の西原商事に勤める男。それと知りながら立岡を愛し、彼からマリファナ煙草の売買を請け負っているノリコは口を割ろうとしない。

西岡商事の存在に感づいた会田は、「(売人のノリコが吐いたから)もうすっかりネタは割れてるんだぜ」と取締役の江崎(漢字は当て字:北原義郎)を脅しをかけた。直後に暴走車に撥ねられそうになるノリコ。君の抹殺を命じたのは恋人だと言う会田の言葉が信じられない彼女だったが(そもそもそう仕組んだのは会田なわけだが)、姉には内緒だと立岡に誘われてマリファナ煙草を捌いていたアキラが殺されてしまったことで、ようやく会田たちに立岡の名前を打ち明けた。

彼の居場所は知らぬと言いながら、ノリコは特捜部のガードをくぐり抜けて立岡の元へ。だが高飛びの準備に余念がない彼は、「どこまでも付いて行くわ…!」と抱きつくノリコをうるさそうに追い払いヒゲを剃り始めた。そんな立岡に感情を爆発させたノリコは、彼のピストルを奪い取ると、怒りに任せて弾をブチ込むのだった(そのあと自殺しかけた彼女を駆け付けた会田が止めて昭和ブルースは新録1番)

*愛してはいけなかった男を愛してしまったノリコの悲劇、なのだが、その矛盾に苦しむ描写があまり出てこないせいか、はたまたBGMがやたら賑やかで軽薄なせいか、心にガツンと響くまでは至らなかった(脚本の廣澤栄さんといえば「男のうたは兇悪」とか個人的に好きな話が多いんだけども、どうも第3シリーズは辛口になってしまうなあ…)

*あと、脚本家が違うとはいえ、#2あんなことをしでかしていた「エスプリ」のママ・しずえ(野川由美子)と伴くん(角川博)が何食わぬ顔で店を存続させているのはどうなんだろうか。

*西原商事がちゃっかりマリファナを輸入し、(匂い消しの)線香とセットで若者に売りさばいている件を評した会田の時代を感じる一言「まことにナウなアイデアだ」



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非情のライセンス 第3シリーズ #1
#177「兇悪の門出・赤ちゃんの顔が見たい!」(1980年・S55・5月1日OA)

組織の秘密を握った内閣調報官を殺したヤクザ・宮地健一(成瀬正)は捜査一課に追われて逃走中、割り込んできた車に渡りに舟と乗り込んだはいいが、サングラスの強面ドライバーは誰あろう、特捜の会田(天知茂)であった。

宮地を馴染みの珈琲店「エスプリ」のママ・しずえ(野川由美子)のマンションに匿った会田(自分も居候中らしい)は、彼が内閣調報官から奪った、暴力団資金ルートの全容を記したマイクロフィルムを自分に預けるよう持ちかけるのだが、宮地は再び逃げ出し、別れた妻・幸子(宮下順子)にロッカーのキーを託したところで、組織のヒットマンの手で射殺されてしまった。

宮地の子供を宿している幸子は、生まれ来る我が子に不自由させまいとつい欲を出し、用心棒と称してストーカーのように付き纏う会田を捨て駒に、京浜連合会(=ヤクザ)の会長・大河原一作(南原宏治)からフィルムと引き換えに5000万をせしめようとした。ところが逆に会田ともども消されそうになり、大河原を盾に反撃した会田の機転で事なきを得た(ただし会田は左肩負傷)。

彼女の行いを咎めず、橘“係長”(渡辺文雄)の追及にも沈黙を守った会田に、幸子の心は揺れる。加えて矢部警視(山村聡)から、彼が1年前に身重の妻をヤクザに殺されたという話を聞き改心、会田にフィルムを託そうとロッカーに向かう幸子。だが大河原の手下が放った爆弾で怪我を負い、流産してしまう。

憤る会田はフィルムをダシに大河原と部下の唐沢(石橋雅史)を呼び出し、乱闘の末に彼らを逮捕、5000万を病床の幸子に渡してやるのだった(昭和ブルースは新録1番)

*第2シリーズから3年、同キャストによるリメイク(「生きているヒーローたち-東映TVの30年」より)ということで登場した第3シリーズ。どうにも気恥ずかしいOPと長ったらしい副題から始まり、さほど重要味も無くひっくり返るパトカーとか、軽くてくどいBGMとかヘロヘロした新録ED曲とか、すべてに漂う80年代テイストのせいで、昭和の功罪を背負ってずっしり重かった以前のシリーズより兇悪の底が浅くなっている(それも味か)。

*ストーリーにしても、極端にいえば、会田をカッコよく見せるための状況作りがまずありき、で練られているような気がしないでもない。そんなお膳立てしなくても(あと、わざわざ会田だけこれでもかと映さなくても)十分カッコいいと思うんだけどなあ。嫁さんがヤクザに殺され云々、というベタな設定もなんだかなあだ(まあこの設定があるから幸子さんへの密着ガードの理由がつくわけだけども)。

*あと、役名が併記されないのが困りもの(今回は手持ちのシナリオから)。ちなみに橘さんの部下、横山刑事(北浦昭義)と佐々木刑事(北町嘉朗)はなぜか二人とも改名しているようだ(宇野刑事&柿内刑事)。

《下記は1980年5月1日 朝日新聞縮刷版『試写室』より引用》
男性ファン忘れるな
天知茂の演じる会田刑事、3年ぶり、3度目の登場である。舞台は、これまでの通り、警視庁特捜部という「はぐれ者」の吹きだまり。天知をはじめ、上司の山村聡、同僚の左とん平、捜査一課の渡辺文雄、となつかしい顔ぶれが並ぶ。ほかに、柳生博、角川博、野川由美子らも新たに加わった。3年の間に、会田は結婚したが、その新妻(上村香子)をヤクザに殺され、犯罪者への憎悪をつのらせるという設定になっている。
第1回は、暴力団の資金源を解明したマイクロフィルムをめぐる話。内閣調査官を殺し、これを奪った暴力団員(成瀬正)が、フィルムを隠したロッカーのキーを別れた妻(宮下順子)に渡したところで殺される。お腹の子供のため、女は、フィルムを暴力団の組長(南原宏治)に高く売り付けようとし、会田に同行を頼む。
天知の歌う「昭和ブルース」のメロディーとともに、前回、前々回とも安定した人気を得ていた。再放送も、視聴率はいい線をいっているようだが、その人気は天知ファンを中心とする茶の間の主婦が支えている、と制作側は分析。で、ドラマは、主婦に狙いを絞った設定、展開にしているという。確かに、悪はあくまで悪らしく、刑事は鋭く、タフで、男らしく描かれ、事件に絡む女性の扱いにも神経を使っている。が、この時間(*夜10時〜)の刑事ドラマとなれば、男性ファンも相当にいるはず。その辺を配慮した味つけが欲しい気もするが……。
原作・生島次郎、脚本・石松愛弘ほか、監督・永野靖忠ほか。26回連続。

*左肩を撃たれて白いポケチーフを紅く染めてる会田が南原さんに銃を突きつけてるシーンの写真つき。
*柱広告に「昭和ブルース 男の出番…… 再び、すべての悪に立ち向かうために――」というセリフ入りで兇悪な面相(たぶんOPの顔)で会田がいた。



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非情のライセンス 第3シリーズ #2
#178「兇悪の素顔・あなたと死にたい!」(1980年・S55・5月8日OA)

裏でいろいろと黒いことをやっている日東商事を秘密裏にマーク中の会田(天知茂)が、常務の池上を尾行して会社を訪れた途端、池上は企画調査室長の榊健作(漢字は当て字:平田昭彦)に「お急ぎ下さい、会田がまいります」とビルから無理やりダイビングさせられ、還らぬ人となる。

何の証拠も得られぬままターゲットに死なれた会田への矢部警視(山村聡)の風当たりはきつい。誰がチクったのか? 実は池上をつける会田の車を珈琲店「エスプリ」の伴兼次(角川博)が追っていたのを会田は迂闊にも気付かなかったらしい。その「エスプリ」にて、あからさまに怪しい池上の転落死を自殺で済まされご立腹の橘(渡辺文雄)に、ママ・しずえ(野川由美子)がこっそり聞き耳を立てているのを知ってか知らずか、日東商事の黒い霧を捜査中であることを打ち明ける会田。

パトロンの榊に情報を流し続けていたのはしずえだった。会田の籠絡を指示された彼女は2億円の小切手を会田に渡し、身を引いてくれと逮捕覚悟で懇願。だが彼は小切手をちゃっかり内ポケットにしまい込むと、驚くしずえに明日は手入れだと告げて平然と去る。しずえから知らせを受け慌てて機密書類をアタッシュケースに突っ込んで会社を出た榊は、そこでまんまと会田にケースを奪い取られた(小切手はこれみよがしに破って廃棄する会田)。

ところがしずえが本庁に現れ、ケースを返さないとヘリで無差別攻撃すると会田を脅迫した。鍵を開ける暇もなくアタッシュケースを返さざるを得なくなった会田だが、その夜、榊としずえの密会現場に現れてふたりを連行。だが肝心のケースはしずえが咄嗟に階下へ投げ落とし、伴の手に渡った。

夜を徹しての取り調べにシラを切り通すふたり。やがて夜が明け、総監室長(戸浦六宏)の逆鱗に触れた矢部さんは辞表を出すよう言われ、特捜部は解散を宣告された。このままでは証拠隠滅のために必ず消される、と止める会田を振り切ったしずえだが、案の定「エスプリ」で愚連隊に襲われかけ、偶然橘に救われてマンションへ。そこには会田が待っていた。彼の裏切り行為(←手入れの件)がどうしても許せないしずえは「負け犬には用はないわ。出て行って!」と声を荒げて追い払おうとするが、現れた榊と部下たちの脅しに屈し、アタッシュケースを保管する伴の居場所を吐いてしまう。

それを聞いた会田は連中を撃つと単身で伴を追い、彼からケースを奪い取った。背後に迫る刺客。現職刑事が殺されれば、持っていたアタッシュケースの中身も公になる――会田が死ぬ気でいることを悟ったしずえは彼の腕をとり、共に歩く。
「あなたと死んであげる」
刺客数名を従えてひと気のない公園まできた会田としずえ。人数分の弾は無く、絶対絶命の危機にさらされた会田はアタッシュケースを固く握り、片方の腕でしずえをぎゅっと抱きしめた。と、そこへ援軍が訪れ刺客は一網打尽に。ふたりの無事を確認し、微笑みながら近づいてきたのは橘だった(昭和ブルースは新録1番)

*雨に濡れながら歩くトレンチの会田の前にしずえさん登場、少し見つめ合ってそのまま去っていこうとした彼に彼女が傘を差しかけて一緒に歩いていく…というのがエンディング。絵柄はキマっていたが、なんだか繋がりが不明な雰囲気だった(特捜部が解散しちゃって職にあぶれたのかと思った)

*いきなり最終回のようなテンションの話。とはいえ、先週出てきたばかりの喫茶店のママがいきなりそんなアレだったと言われても戸惑うばかりだ(会田の白血病レベルに唐突)。それこそもっと最終回近くにもってきてもよさそうなものなのに。

*しずえさんの父は、汚職の責任を取って自殺。だから彼女は「父のような負け犬になりたくない」と、他人のために犠牲になる人生を毛嫌いしているらしい。信じたのに裏切られた、あんた負け犬よ!などととさんざん会田を責めてた彼女だが、そもそも榊の命令であそこ(警視庁のそば)に店を構えて会田たちに近づいて何食わぬ顔で情報を流していた強烈な裏切り行為はどうなんだろう。

*それにしても会田、奥さんがいるころからすでに顔見知りで、今では勝手にマンションに上がり込んでブランデー飲んでどっかりくつろげるような関係の女性に裏があるとは思ってなかったのかナゾである。

*ちなみに会田の奥さんとお腹の赤ちゃんのお墓(「会田家」の横に小さな無名碑)は港が見える場所にあって洋風。…もしや会田ってクリスチャン

*「刑事は殺されちゃいかんのだ!」がポリシーの矢部さんに従っていた第2シリーズとは違い、第3シリーズの会田は無意味に命を粗末にしがちである。奥さんの死が原因かもしれないが、これも絵柄的にウケを狙っているだけのようで、そういう状況の会田のイケてる仕草にいちいち「うおぉ〜」と盛り上がってしまうのは認めるけども複雑だ。クライマックスも、あのまま撃たれて鞄をとられてしまったらまったくの無駄死にだろうに。ま、そんな捨て鉢な会田を、橘さんがうまい具合にフォローしてくれてるようなのが嬉しいが。



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非情のライセンス 第3シリーズ #16
#192「兇悪の砂・事故死を運ぶ女」(1980年・S55・9月11日OA)

黒眼鏡の井川(森次晃嗣)率いる司土建の面々と、ダンプかあちゃん(赤座美代子)の仲間達(岡部さんなど)が採石場で小競り合いを繰り広げる中、突如ダンプで乗りつけ仲裁に入ったのは、よれよれ帽子にカーキ色Tシャツ・白ズボン(「首無し島」風)の男・会田(天知茂)。

「やめときゃ〜て。よわぁ女に手をだしちゃ〜いかんわぁ〜」

キュートかつ脱力系の名古屋弁(本場モノ)を駆使する彼は、司土建の傘下に入らぬトラック運転手たちが巧妙な方法で消されている事件を探るため、名古屋からきたダンプの運ちゃん・“はぐれ星の健さん”に扮して内偵を開始しているのだ。

特捜部の同僚たちの協力もあって、司土建の社長(神田隆)の背後に、運輸局の役人(新東宝の同期:松本朝夫)がいることを突き止めたのはいいが、麗しい名古屋弁を駆使して橘警部(渡辺文雄)を殴り倒したり浦さん(取り立て屋に扮装:左とん平)に凄まれほっぺをペシペシされたりの涙ぐましい小細工も、あっけなく司サイドにばれてしまった(ばれると恥ずかしいだけじゃないのか会田よ)。

一方、仲間が次々にヘッドハンティング、あるいは事故死させられ、弱小グループを束ねるかあちゃんは窮地に陥っていた。おまけに怪我をして入院中のダンナの容態が悪化し、高額な手術代が必要となったかあちゃんは、井川にそそのかされて“健さん”に睡眠薬を飲ませる羽目に。それを知ってか知らずか会田は薬入りのお茶をすっかり飲み干すとダンプ(井川によってブレーキに細工済み)で曲がりくねった道を走行、かの明智センセイでもさすがにそこまでは、ってな断崖から豪快に転落してしまう

井川は彼女も口封じのために消そうとしていた。危うしかあちゃん!という瞬間、部屋に飛び込んできたのは無傷の“健さん”。刑事の身分がばれているのでいつもの口調に戻って井川を撃退した会田は、かあちゃんをダンナの元へと連れて行った後、戦闘服(=スーツ)でビシッとキメてダンプに乗り、なんだかよくわからないダンプ・チェイスの攻防の果てに井川(こっちは乗用車)を弾き飛ばしたかと思うと、司土建に殴りこんで社長に手錠をかける大活躍をみせた。

朝、道路脇で煙草を一服するスーツ姿の会田。そこへずらっとやってくるダンプの群れ。運送会社を設立したダンプかあちゃんの仲間達が一斉に手をふり去っていくのを、会田は笑顔で見送るのだった。(昭和ブルース新録1番)

*とにかくほとんど全編名古屋弁で喋ってる会田が見どころなのだが(ひとたびスーツを脱ぐと単なる気のいい小柄なおっちゃんになってしまう天っちゃんの不思議にも迫れるわけだが)、そのほかにも、明智センセイ・チック(つまりシュール)な生還劇など、らしからぬ場面が多い作品だなと思った。さすが第3シリーズ、というべきか?



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非情のライセンス 第3シリーズ #17
#193「兇悪のグラビア 警視庁を売るOL」(1980年・S55・9月18日OA)

警視庁で婦警さんとぶつかり「メガネ、メガネ」と古典的なギャグ(違)を実践している壜底メガネの女性・直子(結城しのぶ)を助けた会田(ごついタイとストライプシャツが相変わらず強烈な天知茂)は、彼女が自分を訪ねてきたと知り驚く。

1年前、国会議員・大沼(内藤武敏)にひき逃げされたことを表沙汰にして欲しいと語る直子。警官だった父に圧力が掛かり、当時は示談にされてしまったのだが、その父が最近になってひき逃げされて死亡、大沼が自身の出世のために父を抹殺したのではないかと彼女は疑っていた。大沼は会田が以前からマークしていた人物でもあったため、会ったばかりの直子を信用することにかすかな疑問を抱きながらも、彼は協力を約束する。

直子の証言は、几帳面な彼女の父が克明に綴っていた日記により裏付けされた。会田はその日記を預かり、大沼の魔手が伸びぬよう直子を安全な場所へ匿うのだが、彼の漠然とした不安は的中してしまう。直子は「会田に監禁されて偽証した」とマスコミに流すことを条件に、大沼から1億円をまんまとせしめて姿をくらましたのだ。大沼を捕らえるどころか自分が逮捕されてしまい、会田は橘警部(渡辺文雄)の取調べを受ける羽目になった。直子を追いたい会田は、真実を教えろと迫る橘に対し、あえて彼女の主張を認めることで保釈を得る。

壜底メガネをコンタクトに変え、奪った金で恋仲の男・志郎と逗子の海で束の間の青春を謳歌する直子のもとへ、会田が姿を見せた。彼女を消そうとする大沼の手先(実は会田が連れてきたのだが)との銃撃戦の最中、志郎は「面倒はゴメンだ」と直子を置いて逃げてしまった。悲観して入水自殺を図ろうとした直子を自ら海へざぶざぶと入り込んで助けた会田(塩水かぶって大健闘。一番ハラハラしたシーンだ←暴言)は、父の無念を晴らしたくはないのかと彼女を諭す。「寂しかったの・・・!」直子は会田にすがって泣き崩れた。

大沼の裁判の日。出席が危ぶまれた直子だが、再び壜底メガネで姿を見せるのだった(昭和ブルースは1番)

*初めて見る第3シリーズ。オープニングの額から“情”ビーム、聞きしに勝るインパクトだった。タイトル文字に迫力がなくなったのと、役名が出てこなくなったのが残念(誰が誰だか分からんじゃないか)。それよりも新録の「昭和ブルース」が風呂場の鼻歌調(失礼)なのがちょっと・・・(もっともEPのほうは、後発のものも全てオリジナルの再録なので安心?だが)

*既に剣さん@江戸の牙を経て明智センセイも佳境の天っちゃん(49歳)が演じる会田刑事。ルックスは見慣れているとはいえ、声の出し方が違う(高い?)というか、サングラス姿が怖いというか(それはいつものこと)、どうも80年代のライトな世界観(BGMもなんだか軽かった)とのギャップに違和感があるような雰囲気だった。小林君チックに若く垢抜けている同僚(村井刑事:高田洋)が側にいるのも、そのスジの事務所みたいなおどろおどろしい面子揃いだった第1・第2シリーズの特捜部と比べると物足りない気がした。



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