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非情のライセンス 第1シリーズ #20
#20「兇悪の正義」(1973年・S48・8月16日OA)

OPまるまる乱取りの相手をするくらい(そして仲良くシャワーを浴びるくらい)会田(天知茂)のお気に入り、捜査二課の谷川刑事(高城丈二)は長らく妹・秋子(磯村みどり)と二人暮らしだったが、この度ようやく妹に春が来た。フィアンセから送られたという豪華な指輪をつけて幸せそうな妹に、自分も5年来の恋人、令子(真木沙織)とゴールインできることに喜びを噛みしめていた。

一方の会田は、強盗犯人を生きたまま捕えてくれとの1万ドルの懸賞金付き事件に着手。心臓麻痺で死んだドイツの老婦人の指から消えた5百万のエメラルドの指輪が唯一の手掛かりだ、と会田から聞いた谷川は、その時点ではまさか妹の指輪がそうだとは思いもしなかった。

秋子のフィアンセ・羽山と名乗る男(村井国夫)は興信所の所員・柏木(小鹿敦)まで金で丸め込む結婚詐欺師で実は件の強盗犯。そうとも知らず秋子は身ごもった上に貯金をはたいてニセ羽山に貢ぐが、兄が警官だと知った途端に指輪を返せと破談を迫られショックを受ける。偶然その場を訪れた会田は、兄には告げるなと秋子に言い置いたが、それが裏目に出てしまい、彼女は自分でニセ羽山にけじめをつけるため、兄の拳銃を盗んで家出。ニセ羽山とその女の家で揉みあううちに銃が暴発、谷川と会田が駆け付けたときには秋子は冷たくなっていた。

怒りに燃えた谷川は、はとバスをハイジャックして逃げるニセ羽山を歩道橋からバスの天井に乗り移って追いかけ、絞め殺そうとする。そこへ乗り込んできた会田に止められると、今度は会田の拳銃を奪い発射する谷川。ニセ羽山は死んだ。会田は運転手に、撃ったのは自分だとの目撃証言を求める。
「わかってるよ、野暮は言わねえよ旦那。俺だって撃ってやろうと狙ってたんだ」
振り返るとなんと運転手は吉田刑事(多々良純)だった。

後日、(犯人死亡のため懸賞金はおじゃんだが)総監賞が出たという谷川と令子に食事に誘われた会田は、「こうして二人をみていると暑苦しくって食欲がなくなる」と断り、若い二人の門出を祝うのだった。

世の中に殺していい奴なんているはずはない。たとえどんな悪党であっても。
だが、こんな商売をやっていると、俺だって時には殺してやりたくなるんだ――。

(昭和ブルースは1番)

*九州弁のはとバス運転手、まるで別人だったのにそりゃないよ吉田さん(明智センセイですかあなたは)

*会田は柔道四段(谷川は三段)。

*「もう一歩も後へ引けない女の歳になってしまっているのよ!」な秋子は27歳。

*金で丸め込まれた興信所の柏木を殴る蹴るの会田。「暴力はひどいじゃないですかあ!」との訴えに後輩谷川「この人は特別なんだ!」そうでしょうとも。

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非情のライセンス 第1シリーズ #18
#18「兇悪の里」(1973年・S48・8月2日OA)

どこか暗い宿命を感じさせる作品を生み出す彫金師・加賀城(かがじょう)真紀(北林早苗)と偶然知り合った会田(天知茂)は、先日ひき逃げされた置き引き犯・村越(三上剛)と同種の指輪を彼女の指に認めて驚いた。縄目模様のその指輪は、真紀の作だった。

元暴力団の幹部で、今は茶道の大家の副理事に収まっている黒沢(江見俊太郎)の鞄を置き引きしたことで消された村越。鞄の中に金づるになるものを見つけたらしい彼だが、その所在が分からないままで、事務局長の浅田(有馬昌彦)にカマをかけて逆に警察を呼ばれる始末の会田たち。だが村越は、肝心のものを真紀に郵送していた。

真紀の個展を成功させるため、金づるを利用しようとしたマネージャーのあずさ(桜井浩子)が殺され、真紀が消息を絶った。海外に出張中と偽る黒沢が、アリバイ成立中に彼女を消そうとしていることを突き止めた会田は、真紀の故郷・白川郷へ飛んだ。

地元で“疫病神”と忌み嫌われている真紀の所在について、姉・田鶴(菅原慎予)や父・久兵衛(清水一郎)は固く口を閉ざしたまま。黒沢の車は森の中に放置されており、真紀をマークしていた坂井刑事(宮口二朗)が谷に落ちて行方不明となった。真紀は実家に潜んでいること、7年前、ダム工事に来た現場主任(=村越)とデキて兄を谷に突き落したこと(実はもみ合ってるうちに誤って転落)などを、住民の一人・雲井(北真知史郎)が愛憎相半ばする口調で打ち明けたが、余所者を快く思わない他の住民たちは敵意を露わにして襲ってくる(のを投げ飛ばしまくる会田)。

会田の再度の訪問に折れた父親が、続く娘の不運(友達が身代わりで溺死とか、酔った兄が目の前で転落とか)を嘆いているうちに肝心の真紀が姿を消す。その彼女に迫る黒沢の魔手!…を投げ飛ばしボコ殴って阻止した会田は、吊り橋から身を投げようとする真紀に、あんたは同情を引こうとしているにすぎない、この美しい里を自分の血で汚すのかと詰った。

「人はみんな、自分の運命に逆らおうと、必死で生きてるんだ」

坂井は助けられて無事だった。そして黒沢の鞄に入っていた金づるは、真紀の作品に埋蔵されていることが判明。作品を壊すのが惜しい気がするという鈴木刑事(梅津栄)らに、「巧妙な犯罪ってのは、いつでも硬い、鉄の殻をかぶってるもんだ。そして、そいつを砕くのは俺たちの役目ってもんだ」と言う会田。

――あの女も、きっとそいつを壊して欲しいと望んでいる。暗い過去と一緒に。

(昭和ブルースは1番)

#16と同様、大三土地と荘川ビレッジ協力。そして同じく再びクラブで「人生」口笛バージョン。

*会田が家に帰ると人の気配。拳銃を構えてバッとドアを開けると「誰だ!」とお前こそ誰だな鈴木刑事(梅津栄)。「(会田)家宅侵入罪で逮捕するぞ?」「(鈴木)神妙にするから、勘弁しろや〜」と楽しそうな二人だった。

*十数年ぶりの伊右衛門VS直助(『東海道四谷怪談』)は、やはり伊右衛門の勝ち。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:48 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #19
#19「兇悪の夢」(1973年・S48・8月9日OA)

上半身裸で朝刊を読んでいる会田(天知茂)の元へ、かつて四課時代に逮捕したことのある真崎組チンピラ・タケシ(根岸一正)が助けを求めて転がり込んできた。
「お、俺が殺したんじゃねえんだ!」
朝アパートで目覚めたら、ミツ子(松木聖)が青い顔で冷たくなっていたのだという。
前の晩、店内で覚醒剤が出回っているらしいと「キャリオカ」のママ・河村志津(村松英子)から聞いたバーで口論していたカップルが彼らだった。

新婚の太郎(左とん平)の車でアパートへと向かった会田たちだがミツ子の姿はなく、やがて錯乱し始めたタケシを病院へ連れていったところ、覚醒剤の中毒と判明。ヤクの出所とミツ子の所在を追うため、捜査四課長(神田隆)の元で真崎組の書類を調べる会田に、坂井(宮口二朗)が助力を申し出た。しかし坂井の目の前でタケシが病院から逃走。大会で1位になったほどの腕前ながら、なぜか銃の使用を戸惑う彼を、会田は「甘えるな」と突き放す。

タケシはミツ子と共に“心中死体”として発見された。矢部警視の姪で探偵事務所勤務の佐藤あかね(京春上)からミツ子の日記を受け取った会田は、ミツ子もヤクをやっていたこと、売人であるタケシに惚れ、心中相手に選んでいたことを知るが、彼らの死亡時刻は明らかに異なっていた。ミツ子と付き合いのあった男を探るうち、行き当たったのが挙動不審な医師の井沢(武藤英司)。真崎組の生き残り幹部・寺本の命で覚醒剤を用意していたのが井沢で、タケシはミツ子のためのヤクをチンピラたちに奪われて殺されたのだった。

そして井沢も消され、会田は真崎組残党のアジトを探るため、坂井にも銃を携行するよう命じるが、坂井はまだ迷っている様子。チンピラを吐かせて冒頭のバー・恵子(ママは津山洋子)に押し入った会田だが、面が割れていない幹部・寺本(中井啓輔)の思いがけない正体によりピンチに陥る。が、間一髪のところでナイスな射撃の腕前を発揮した坂井のおかげで事なきを得た。

国体でピストル撃ちに夢中になっている間に女房が友人と逃げてしまい、時々それを思い出すと、ピストルを持つのがいやになって…と打ち明ける坂井。しかし「辞めませんよ。会田さんの徹底した悪への憎しみ、そいつは僕の心の支えになりそうですよ」ときっぱり言い切った坂井に会田は笑顔を向けた(昭和ブルースは3番)

*タケシとミツ子の薄幸カップルがメインとはいえ、会田と坂井の友情(というか師弟関係)にうるっとくる話。この回を見た後だと余計に第2シリーズ#97の会田の取り乱しっぷりが胸に迫る。

*ミツ子の交際相手の一人として柳生博さん登場。

*部長の姪っ子・あかね探偵は準レギュラーになったり…はしないのだろうなあ。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:49 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #17
#17「兇悪の友」(1973年・S48・7月26日OA)

陰湿なリンチの末に射殺された会社ゴロ・角塚茂(石垣守一)の事件を矢部警視(山村聰)から任された会田(天知茂)は、角塚の女だったクラブの歌手・水木夕起子(篠ヒロコ)に“角さん”の友人と偽り接触を開始、俺と組んで、角塚が強請るつもりだった会社から大金をせしめようと持ちかけた。

角塚発行の最新業界紙には、4文字名前の会社の仮面を剥ぐという暴露記事が載る予定だった。夕起子はそれが、自分がかつて勤めていた三竹商事だとあっさり推測。実は彼女は営業部長の越野(田口計)と通じており、会田の出方を探っていた。

該当記事のゲラだけが何者かに抜き取られて所在不明であることを伏せ、あたかも角塚から証拠を託されたように振る舞い越野を揺さぶる会田。死んだ角塚の筆跡で紹介状や封筒の宛先やらをエキスパートに偽造してもらう用意周到さで挑むが、越野は動じない。既に彼は角塚同様、市川俊男(森次晃嗣)に会田の抹殺を依頼していたのだ。

市川がその昔、窃盗・前科三犯の夕起子の父を射殺したことで拳銃使用規定違反に問われ、出世の道を閉ざされた現職刑事であることを鈴木刑事(梅津栄)の調査で知っていた会田は、夕起子の家にいたところを家宅侵入と強盗未遂で逮捕に来た市川に逆に手錠を掛けた。角塚殺しは夕起子の幸せを思うためでもあったと語り、観念したようにみえた市川だが、土壇場で情けが湧いた夕起子が後ろから会田を花瓶で殴り彼を逃す。

両手に手錠をかけられたまま、ベランダから階下に降りてタイヤを撃ち抜く会田のハードアクションに怖気づいたのか(推測)、足を滑らせ自らの弾で倒れた市川は、不明だったゲラの在り処を告げると息を引き取った。

三竹商事の悪事は明るみに出た。会田の後、市川の墓を訪れた夕起子は、詫びに来たのだと言った。
「あたし、どうしてあの人をあんなに憎まなければならなかったのか…」

「それが人間っていうやつの弱いところさ。…しかし、人間ってやつは、自分でその弱さに気がつけば、強く生きていくこともできる。今の俺が君に言えるのは、これだけだがね」
(昭和ブルース4番に被って名言を吐く会田でエンド)

*タイトルの「友」とは、会社ゴロの角塚との友人関係をでっちあげたことなんだろうか

*初めての店では一番安いウイスキー、が会田の主義

*篠ヒロコさんのクラブでの歌(「ベッドで煙草を吸わないで」「女の意地」)は吹き替えかどうか不明

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非情のライセンス 第1シリーズ #16
#16「兇悪の湖(うみ)」(1973年・S48・7月19日OA)

「おれ、人殺しなんかしてないんだよぉ、かあちゃぁん!」
ホステス殺しの容疑で拘留されていた木沢昭一(工藤堅太郎)が逃亡した。彼は竜巻太郎(左とん平)の友人で、会田(天知茂)とも2度ほど飲んだ仲。木沢の無実を信じる太郎に頼まれたものの、所轄に任せてはと捜査に乗り気でない会田だったが、「ホテル前で高校時代の顔見知りと出会った」という彼の証言に知らぬ存ぜぬを決め込んだ当の顔見知り・辻隆介(深江章喜)が、別件の強請の容疑者として浮上したことから、木沢確保にも本腰を入れ始める。

別件とは、父から5千万を強請りとった男を探し出して欲しいとの、鬼頭財閥の一人娘・真由美(水原麻記)からの依頼だった。彼女が漏れ聞いた電話の声は名古屋訛り、そして密会場所のホテルにいたのが、名古屋の総会屋の辻。彼が自身の不都合ゆえに木沢を切り捨てたと確信した会田は、坂井(宮口二朗)と鈴木(梅津栄)を連れて名古屋へ向かい、太郎とリサ(小牧リサ)も後に続いた。

一方、逃亡中の木沢も“東海の軽井沢”荘川ビレッジにて辻に接触。辻は、今度こそちゃんと証言してやると偽り、近くの御母衣(みほろ)ダムへ誘い込み木沢を消そうとしていた。その頃、会田の前に真由美が現れ、捜査を打ち切って欲しいと切り出した。かつて父が戸籍を偽り豪商の「鬼頭修平」に成りすましたことを辻に知られ、強請りの種にされていたのだ。自分たち一家が偽りの人生を歩んできたことを知った母はゆうべ自殺したという。

ホステス殺しの真犯人が自首し、木沢の無実は確定したが、本人は消される一歩手前。その時、ライフルを構えた辻が朱に染まった。一撃で辻を倒したのは鬼頭の腹心の部下・鮎沢(岩崎信忠)だった。「お嬢さんにだけは言わないで。あの人だけには、幸せになってもらいたいんです」そう訴えて神妙に逮捕された鮎沢だが、(それを聞いたのは坂井だったせいか)顛末を真由美に告げる会田。

「(鮎沢は)私の、婚約者です……」
木沢は晴れて妻子のもとに戻れる(太郎とリサもちゃっかりゴールイン)。だが、真由美のこれからを思うと、暗澹とした表情になる会田だった。
(昭和ブルースは1番)

*名古屋弁が決めてだったとはいえ、深江さんは別になまっていなかった(本場の人に教えてもらえばよかったのでは)

*天っちゃんはこの荘川ビレッジ(大三土地)の専属俳優だったらしく、前年(S47年)の村開きに招かれている様子や随筆が荘川ビレッジのホームページに掲載されている(「思い出の記」のぺージ2・3参照)。そこで知ったのだが、CMまで録っているようで驚いた。しかもどうやら2パターンはあるらしい。

*ビレッジ内のレストラン「白山」でかかっていたBGMは「人生」の口笛バージョン。

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非情のライセンス 第1シリーズ #15
#15「兇悪の像」(1973年・S48・7月12日OA)

数日追い続けた強盗殺人犯をやむなく(にしては思い切りよく)撃ち倒した会田(天知茂)は、疲れた体を引きずり自宅でベッドにもぐり込んだのも束の間、東邦毛織の西沢営業課長(小林昭二)からの電話で叩き起こされた。最初は取り合わなかったものの、社長と部長から羊毛買占めの責任を負わされキレた西沢がライフルを持ち出し、会田と同マンションの北村(榊ひろみ)母子の部屋に押し入っていることを知り、引き受けざるを得なくなる。

同じく罪を押し付けられ投身自殺させられた経理課長が持っていた裏帳簿のコピーを17時までに探し出してくれ、との懇願を受けた会田だったが、課長の愛人だったコピーの持ち主候補、小原友美(小林千枝)は会社を辞めており、営業部長の池尻(根上淳)は傲慢な態度を崩さない。どうやら池尻は既にコピーを始末させたらしい。

トルコ嬢(現・放送禁止用語)になっていた友美は何も知らず、「手切れ金も貰ってないのよ」と愚痴る始末。また、西沢の妻・亜矢子(松風はる美)も、夫よりも会社の保証金を取った事実を、2つの豪奢な指輪が物語っていた。妻の言葉に耳を貸さなかった西沢だが、「はみ出し刑事のあんたにならやれるはずだ!」と会田を急き立てる。17時、それは池尻と社長の石坂(河村弘二)が豪州へ高飛びする時刻なのだ。

もう一度友美に会い、むちむちの背中をマッサージさせて彼女を落とした会田は、コピーがもう一部あると偽って池尻に取引を持ちかけることを画策。雇われ用心棒の山岡(北原義郎)たちに車で拉致された友美を追い、彼女の寝返りにも動じず乱闘を制して山岡を捕まえた。

からくりを知る山岡を連れた会田が間一髪で池尻達の渡航を阻止した頃、西沢が立てこもる部屋に坂井(宮口二朗)と鈴木(梅津栄)が乗り込んでいた。機動隊の物々しさにパニックになった西沢はベランダから落下、駆け付けた会田に礼を告げて事切れた。

はみ出し刑事(=会田)を非難する新聞記事をポケットに入れていた西沢。組織の歯車でしかない彼は、会田の一匹狼ぶりが羨ましかったのかもしれない――。とにかく事件は収束し、今度こそ会田は電話も外して眠りにつくのだった(昭和ブルースは4番)。

*西沢自身の理想像として彼の代わりに働かされた感のある会田。しかし切羽詰まっていたとはいえ、あまりにも無謀ですおやっさん。

*台本によると、友美役には最初、ひし美ゆり子さんの名が挙がっていた。アンヌ隊員が揉み揉みするところだったのか…。

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非情のライセンス 第1シリーズ #14
#14「兇悪の愛」(1973年・S48・7月5日OA)

夜、非番の会田(天知茂)が帰宅すると玄関にはパトカー横付け、部屋では捜査1課の連中が主の帰りを待ち構えていた。半年前に彼が威嚇射撃で頭部に傷を負わせ逮捕した北見(高橋長英)が、刑務所から脱獄したのだという。その後遺症のためか狂っているという北見から会田を保護しようとする橘(渡辺文雄)の指示だったが、「自分の頭のハエくらい、自分で追える」と会田はさっさと部屋を抜け出し、独自に捜査を進める。

看守に話を聞いた会田は、北見の傷は治っているが時折神経発作を起こしていたこと、唯一人面会に訪れたのは、彼が射殺した大須賀刑事(山口譲)の妹、京子(ジュディ・オング)だったことを突き止め、京子のアパートを訪ねた。船会社に勤めていた彼女は、外国航路の機関士だった北見と知り合い恋に落ちたが、北見は兄の命令で密輸グループに囮として近づくことを強要され始め、それを断ろうとして揉み合う内に撃ち殺してしまったらしい。「あの人を犯人に仕立てたのは警察よ!」囮捜査を隠すために証言を封じられたと慟哭する京子。

その北見がアパートから京子を拉致。「檻をやぶった野獣には、それ相応の手段がいる…たとえ銃を使ってもな」あくまで完全逮捕(=生け捕り)を目指したい橘に、会田は手遅れだとにべもない。事実、逃げる途中で警官を撃つという最悪の行動に出た北見は、京子を連れて標的・会田のマンションへ。会田は自ら囮になることを決意し、北見の残弾3発が無くなるまで手を出すなと橘を牽制する。

単身自室に入り、まず1発を消費させた会田は「大須賀刑事は点数を上げるため強引にお前を巻き込んだんだ…妹を使ってな。」と単刀直入に真相を語り始めた。いいのかこの状況でそんなヤバいことばらしちゃって、と我々視聴者が戸惑う間もなく、唯一信じていた女性との出会いまでもが仕組まれたものだと知り当然のごとく京子に銃を向ける北見。だが、「撃っていいのよ」と涙を浮かべる彼女を見ている内に発作が起き、みんな殺してやる!と2発目を会田方向にぶっぱなし暴れたところを京子と揉み合い、3発目の銃声が。胸を押さえて倒れたのは北見だった。自分の手の中の銃が愛する男を殺したと知り、こめかみに銃口を当てる京子。だが弾はもう残ってはいなかった。

駆け込んだ橘たちに「俺が撃った」と銃を渡し部屋を出た会田(昭和ブルース3番開始)。その背後で、京子の叫び声が聞こえる。
――嫌いよ、警察なんて、大っきらい!

*第2シリーズ#9「兇悪の口紅」でも複雑な心情を吐露するヒロインを演じたジュディ・オングさん。5年後の「黒水仙の美女」(1978年)でもさほど変わらぬ美貌だった(そして今現在もお綺麗な)老けない人である…というより、天っちゃんの変化が激しいのか?

*記者のリサちゃん(小牧リサ)は会田のマンションの階下に住んでいるらしい

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非情のライセンス 第1シリーズ #13
#13「兇悪の化粧」(1973年・S48・6月28日OA)

OPテーマ曲が途中で途切れるといきなり舞台は夜の銀座。本日開店のクラブ「エリーゼ」に現れたコワモテ男は、張り切るママ・秋代(安田道代)にその兇悪な視線を注いでいる(というあたりで再びOP曲再開)。

翌日、刑務所へ面会に出向いた秋代に、グラサンで兇悪さを増したコワモテ男がまたしても接近。彼女の夫・高津(入江洋祐)が2年前、酔っぱらった勢いで国土庁幹部を刺殺し5年の軽い刑期を受けたことなどをねっとりと口にして付きまとうイヤミなコワモテ男に業を煮やした秋代は、店のスポンサーである菊池(森塚敏)に連絡。チンピラ連中を軽くあしらった男をホテルに招いた菊池は「ママに付きまとうな」と300万を渡そうとするのだが、相手は特捜部の刑事(もちろん会田:天知茂)だっただけに、とんだ墓穴を掘ることになった。

菊池は国土庁幹部が死んだことで得をした住宅会社の総務部長、そしてその背後にいるのは丸菱不動産。矢部警視(山村聡)は「また女をいじめんですか…」と機嫌が悪い会田(コワモテはともかくイヤミは演技だったらしい)に適役だろと引き続き捜査を続行させる。性懲りもなく店に現れる会田を自宅に招いた秋代は魅惑の太ももをさらけ出して色仕掛けで迫り、カメラマンにスキャンダル写真を撮らせようとしたが、動じる相手ではなく失敗した。

ところが菊池が国有地払い下げのカラクリをばらされたくない何者かに狙われ重傷を負い、会社への忠義のためか、まもなく舌を噛んで自殺した。次の標的は秋代だと悟った会田は、刑務所の高津に証言を促す。そして高津が吐いたと知り「アタシはどうなんの、あの店はどうなんの!」と自己チューの塊と化して取り乱した秋代をビンタした会田は、黒幕の丸菱不動産の手入れに踏み切った。

秋代は三流バーのホステスに逆戻り。ある夜、一緒に飲みたくて、と店を訪れた会田に「笑わせないでよ、人の幸せぶちこわしといて!」と水(酒)をぶっかける秋代。そんな彼女に哀しい瞳を向けて、会田は黙ってバーを去る。

――彼女の亭主が殺人を犯したのも、これで無意味となった。
あの男と女の人生を、この俺が踏みにじってしまったというのか――

(昭和ブルースは4番)

*どこかデジャヴが漂うなあ、と思ったら第3シリーズでリメイク版を先に見たんだった(#9「兇悪の化粧・総選挙殺人事件」)。最後に「俺が悪いんだ」と呟いた会田(第3)と、無言で去った会田(第1)。思っていても口には出さない会田が第1シリーズにはふさわしい。

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非情のライセンス 第1シリーズ #42
#42「兇悪の新曲」(1974年・S49・1月17日OA)

ナイトクラブで歌う中川美代(君夕子)を好色な目つきで追う眼鏡男は作曲家の半田(天坊準)、その半田を苦々しく睨むのはギター弾きの糸山修(田辺靖雄)。半田をマーク中の会田(天知茂)の目は、そんな彼らの三角関係をもしっかり把握している。

美代が新曲をくれるという半田とともに彼の自宅へと消えたのを確認して、今日の尾行を終えた会田。だがその直後に事件が発生。どうにも腹の虫が治まらずに半田邸へ押しかけた修が半田の絞殺死体と床に落ちた美代のイヤリングを発見、てっきり美代がやったと信じ込み、自分の指紋を残して去ったのだ。

自首する修。だが「赤いロープで首を絞めた」という修が左利きであることを妹の陽子(小林さち子・現「幸子」)から聞いた会田は、彼の自白に疑問を抱く。しかも美代にはアリバイがあり無実が判明。会田は太郎(左とん平)を伴ってキス売り娘(レコードを買ってくれた人にチュウをする)の曙ますみ(入江魔子)に接近、半田がかつて修の曲を盗み、美代に歌わせることを条件に和解していたことを知る。歌手たちから賄賂を受け取ったり、政治家などへのコールガールとして斡旋したりしていた半田には、他にも敵が多そうだった。

その頃、美代を訪ねた陽子は、若い女が「あたしが貰うことになってた曲よ!」と美代の首を赤いロープで絞めている現場を偶然目撃してしまった。女は逃げ、美代は昏睡状態に。必ず犯人は陽子の口を塞ぎにくると踏んだ会田は、「囮捜査は邪道だ!」と苦い顔をする一課の橘(渡辺文雄)の反対を押し切って陽子に協力を依頼。準備万端のはずが少々陽子をピンチに陥れながらも、襲いにきた女を逮捕した。

「あたし、どうしてもデビューしたかった……」
女の名前は日比野ユキ(大堀早苗)。半田に身を任せ、父(佐山俊二)の退職金まで巻き上げられたにも関わらず、新曲を美代にかっさらわれた恨みで半田を殺めたのだという。1カ月後、回復した美代がレコーディングに精を出す一方、ユキには懲役15年が求刑された。

――明と暗と。
二人の女がそれぞれの道をたどる分かれ道には、
たった一枚のレコードがあっただけだ――。


(15年はちょっとかわいそうな気がするなあ…と特捜部屋を訪れた橘さん、俺が半田をもっと早くにパクっていれば…と悔やむ会田、暗い目をしてお茶を啜る二人のバックに昭和ブルース1番&4番)

*身代わりを買って出た修の話かと思ったら、後半に真犯人が登場。ちょっとテーマが絞り切れていないような感じだったが、コインの表と裏のような二人の女性の顛末にしみじみした。

*会田と一課の関係、それなりに良好。それにしても橘さんは「警部」だからタメ口でいいとして(むしろ警部補な会田が遠慮しろよって話だが)、大西刑事(東晃声)や横山刑事(横山繁)がいつも会田に敬語使ってるのは、格上だからなのか?それとも年の功か?

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非情のライセンス 第1シリーズ #41
#41「兇悪の試験地獄」(1974年・S49・1月10日OA)

主婦の吉永文子(福田公子)にはこの春東大を受験する息子がおり、夫の昭三(三谷昇)は息子につきっきりで文子を家政婦扱い。そんな彼女が、銀行から下ろしたての200万をひったくられた。だがさしたる手掛かりが無く、坂井刑事(ヒゲの宮口二朗)と鈴木刑事(梅津栄)が両人とも失敗。そこで「女に甘い会田さんとしては、一丁やってみますかな」とヤル気を見せた会田(天知茂)が捜査に乗り出すことに。

文子が大金を下ろしたのは、高校時代からの友人で麻雀仲間のひとり・松原桐子(磯野千鳥)のダイヤを買い取るためだったと鈴木から聞いた会田はまず桐子に接触。「警視庁って事件の解決が難しくなると、最後はハンサムな人よこすのかしら」警視庁きってのマダムキラーにさっそくヨロメく様子をみせた桐子は、株で大損した穴埋めにダイヤを文子に買ってもらうつもりだった、そのダイヤは宝石商に預けてあるのだと証言。

その宝石商・中野涼子(浜田ゆう子)も文子らの友人で、連絡網により会田の到着を待っていた。「あなたになら、言いたくないことまで言ってもいいわよ」ここでもアタックをかけられる会田だが、件のダイヤの指輪が桐子宅でさりげなく調べた彼女のサイズと全く違うことを発見、このダイヤは偽物ですねと言い放ち、澄まし顔で帰った。

「バレちゃったわよ」「でもすごいハンサム刑事
「刑事はみんな鬼のような顔かと思ってたら、すっごいハンサムねえ
あんな素敵な男、ホストクラブにだっていやしないわよ

どうやら桐子と涼子は、文子と申し合わせて嘘をついていたらしい。それがバレても悪びれもせず、電話口でさっき来たハンサムについて喋くるふたりを他所に、会田が次に向かったのは、最後の麻雀仲間・カメラマンの安西レオ(万里昌代)のスタジオ。自分だけは関係が無いと言うレオには別段なにも問わず、(会田萌え奥様ズの要望通り)写真だけ撮られてやったように見せかけた会田だが、その前に暗室で何やら証拠フィルムをこっそりちょん切っていた。

特捜部屋に戻り、レオの写真集の69ページ目の男がホシだと断言する会田。彼はホストの加賀秀三(倉石功)、ひったくりの現場に居合わせて文子を助けた男である。事情が呑み込めない矢部警視(山村聡)(と我々視聴者)に会田が答える前に、彼が出向かなかったことで御機嫌を損ねたらしい当の被害者(=文子)から電話がかかってきた。なんでも“犯人”から脅迫電話があったのだという。筋の通らない話だが、ピンときた会田は文子に付き合うことにする。

指定場所で、会田の一瞬の隙をついて犯人の置手紙が表れた。会田の存在がばれているらしい。あなたと一緒にいて犯人をもっと怒らせちゃいましょう、と食事やダンスやモーテルにまで誘う文子と行動を共にする会田。そのころ、ホストクラブに潜入していた坂井&鈴木両刑事はおばちゃんに迫られながらも、加賀がレオのスタジオへ向かったのを尾行、彼らの取引(写真のネガを100万で売買)がネガをぱくった誰か(=会田)のおかげでおじゃんになり、加賀がレオの首を絞めようとしたところを現行犯で押さえた。

加賀など知らないと言い張っていた文子だが、会田が何もかも知っているのを見てとりついに折れた。夫に顧みられない寂しさからホストクラブで知り合った彼と情事を繰り返すうちに金をせびられるようになり、ついに夫名義の金を下ろす羽目になった文子は、夫の追及を恐れるあまり、最初から彼女を陥れるつもりだったレオに唆されて大掛かりな芝居を打ったのだった。

加賀は殺人未遂で起訴できるから、小さな罪は問わない――文子の件を丸く収めようとする特捜部だが、妻の告白を聞いた夫は、会田とモーテルへしけこんだ一件も激しく非難。だがぬかりのない会田はビデオを用意し、誘う文子を「俺は(旦那の)代用品になるほど安物の男じゃない」などと突っぱねて何ごとも無かった様子を映し出してみせた。

後日、ネクタイを持って訪れた彼女に礼を言いながら、件の写真のネガ(文子と加賀のラブラブ証拠写真)そして置手紙(実は文子のイタズラ)を目の前で廃棄してくれた会田に、文子の目から感謝の涙が溢れた(昭和ブルース1番のイントロとともに矢部さん登場、「女に甘い会田さんが、御婦人を泣かしちゃ困るじゃないか」と笑って一件落着。新しいネクタイをつけて文子を送ってやる会田でエンド)

*人が死なない話というのもたまには良いものである。っていうか、どれだけ奥様連中にモテるんだ会田。でもレオが撮った写真はちょっと欲しいと思った(これ

*そんな大変な思いして東大入りたいもんですかねえ、という鈴木さんを受けた会田の珍しい冗談:「ま、あんたらみたいに東大に入ったことのない奴には分からないよ」鈴木「会田さん、東大でたんですか!?」「当たり前だ、犬吠埼のな」うしろで東大出の矢部さんが笑ってるよ会田。

*ちなみに会田が東大に入ったのは、東大紛争のゲバ事件のときに駆り出された時らしい。(1968年あたりか…でも四課なのに?それとも既に特捜入りしていたのか?)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:17 PM | comments (x) | trackback (x) |
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